先日まで、八重洲ブックセンターで、僕の推薦図書のフェアをやっていました。
訪ねてくれた皆様ありがとうございます。
今日は推薦した本のリストをアップしたいと思います。

八重洲ブックセンター藤沢数希フェア


資本主義と自由 、ミルトン・フリードマン (著)、村井 章子 (翻訳)
ノーベル賞学者による自由主義のバイブル的な本。はじめて出版されたのは50年も前だが今でもおどろくほど新しい。自由な市場経済こそ人類を豊かにできるのであり、政府による裁量的な介入はなるべく排さなければいけない。本棚に一冊置いておきたい古典。

セイヴィング キャピタリズム、ラグラム・ラジャン (著)、ルイジ・ジンガレス (著)、堀内昭義 (翻訳)、有岡 律子 (翻訳)、アブレウ 聖子 (翻訳), 関村 正悟 (翻訳)
原著のタイトルは"Saving Capitalism From The Capitalists." 資本主義は資本家に脅かされているのだ。フェアでオープンな市場は、我々の世界を驚くほど豊かにする力を秘めているが、そこでは現在進行形で優秀な者のみが高く評価される。既得権益者は新規参入者に怯え続けなければいけない。だからこそ資本主義経済で成功した資本家は、さまざまな規制を作ったりして市場をねじ曲げていく。本書では、市場経済がいかに繊細で、政府による適切な管理が必要かを説く。

フォールト・ラインズ、ラグラム・ラジャン (著)、伏見威蕃 (翻訳)、月沢李歌子 (翻訳)
世界同時金融危機の発生を、そのメカニズムまで含めて正確に予測していたラグラム・ラジャン教授の世界的なベストセラー。金融危機は自由市場の暴走というよりも、政府と市場の狭間の断層線で起こっていることをするどく指摘する。

大停滞、タイラー・コーエン (著)、池村千秋 (翻訳)
科学技術のイノベーションは我々を驚くほど豊かにした。これは経済学的にはGDPの上昇として表現される。しかし、自動車、飛行機、洗濯機、テレビなどといったものは何十年も前からあり、こういったものは過去にすでに発明されつくされてしまっているのかもしれない。この20年ぐらいの間に本質的な技術革新はほとんどない。インターネットを除いては。我々は容易に収穫できる果実はすでに食べつくしてしまったので、これからは経済は非常にゆっくりとしか成長しないだろうという悲観論。確かにある種の説得力はある。

過剰と破壊の経済学「ムーアの法則」で何が変わるのか? 池田信夫
「半導体の集積度は18ヶ月で2倍になる」インテルの創業者ゴードン・ムーアが1965年に提唱したこの法則は、急速な変化を続けるコンピュータの世界にあっていまだ生き続けている。そして大量に普及したコンピュータが、世界中のすべての人をネットワークにつなげようとしている。ITの爆発的なイノベーションは、産業構造や経済システムそのものを破壊し、全く新しい世界を創造するほどの威力を持っているのだ。コーエンの『大停滞』とは、全く違うイノベーションの見方。

世紀の空売り、マイケル・ルイス (著)、東江一紀 (翻訳)
アメリカの不動産バブルが崩壊し、リーマン・ブラザーズが破綻した世界同時金融危機の中で、数千億円という破格の利益を出したいくつか無名のヘッジファンドがあった。この本はヘッジファンドの投資戦略を小説タッチで詳細に追っている。思わず手に汗にぎる、サブプライム問題と世界同時金融危機に関する最高のノン・フィクション。

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上)追いつめられた金融エリートたち、アンドリュー・ロス・ソーキン、加賀山卓朗 (翻訳)
リーマン・ショック・コンフィデンシャル(下)倒れゆくウォール街の巨人、アンドリュー・ロス・ソーキン、加賀山卓朗 (翻訳)
著者は金融・企業買収などが専門のニューヨーク・タイムスのトップ記者である。アメリカの一流のジャーナリストが書く本は、時にすごいクオリティなのだが、この本は間違いなく、そういった本のうちの1冊。リーマン破たん前後の、連銀や財務省、大銀行のCEOなど、生々しい会話が、綿密な取材に基づき再現されている。事実は小説より奇なり。

ヘッジファンド ―投資家たちの野望と興亡〈1〉、セバスチャン・マラビー(著)、三木俊哉(翻訳)
ヘッジファンド ―投資家たちの野望と興亡〈2〉、セバスチャン・マラビー(著)、三木俊哉(翻訳)
著者はイギリスの高級経済誌である「エコノミスト」の記者をしていたジャーナリストで、3年間にも渡り150人以上の関係者にインタビューを行い、情報が少ないトップクラスのヘッジファンドについてのすばらしいノンフィクションを書き上げている。数千億円の「年収」を稼ぐ、トップ・ヘッジファンドの内実が明らかになる

ブーメラン 欧州から恐慌が返ってくる、マイケル・ルイス (著)、東江一紀 (翻訳)、藤沢数希 (解説)
『ブーメラン』は、ルイス氏が2010年に出版した世界的なベストセラーである『世紀の空売り』の続編ともいうべき作品である。今回はユーロ危機に迫るため、欧州の金融機関や政府の関係者にインタビューをして、その無責任な実態をあぶり出している。相変わらずシニカルな文章が小気味いい。

ユーロ・リスク、白井さゆり
世界経済を占う上で重要な問題がユーロ危機である。2013年もこの問題からは目が話せないだろう。ユーロの歴史や、ユーロ危機の概要を知っておくにはちょうどよいコンパクトな新書。

ユーロ破綻 そしてドイツだけが残った、竹森俊平
最近出た、ユーロ危機について経済学的知見から解説した良書である。各種の経済データやユーロを巡る主な事件の詳細も綿密に調べてまとめられており、ユーロ危機を理解するためにとても良い本になっている。著者は、ユーロの対して悲観的で、崩壊、分裂の可能性を示唆する。

会社の値段、森生明
会社の値段、すなわち株価とは、理論的には将来の利益の総和を適切なディスカウント・レートで割り引いたものとなる。DCFモデルという、理屈の上では正しい考え方である。この本では、こういう実務的な企業価値評価の手法をわかりやすく解説するとともに、資本主義経済のあり方を議論する。

現代の金融入門、池尾和人
一国の金融システム全体をアカデミックに俯瞰したいのならばこの本がいい。中央銀行による金融政策関係、企業の資金調達、株式や債券の市場など、さまざまな角度から論じている。金融論入門をコンパクトにまとめた良書。

弱い日本の強い円、佐々木融
大震災など、日本にネガティブなニュースがあるとよく円高になるが、それはなぜか。世界の景気がよくなると円安で、逆に現在のように世界の景気が悪くなると、なぜ円高になるのか。ドルはなぜ下がり続けているのか。こういった疑問にひとつひとつ具体的に答えている。金融商品の価格は全て需給で決まるのであり、要するに世界の為替取引の背後にいる投資家がどのように行動するのかを考えていくことが全てなのだ。この本では、実際のプレイヤーの動きから為替相場 のダイナミクスをわかりやすく説明している。

ハゲタカ(上)、真山仁
ハゲタカ(下)、真山仁
ハゲタカ2(上)、真山仁
ハゲタカ2(下)、真山仁
言わずと知れたベストセラー小説。主人公のゴールデン・イーグルこと鷲津政彦が、腐りかけの日本企業を次々と買収して巨万の富を生み出していく。買収される企業経営者と買収するファンドマネジャーの間の人間ドラマを通して、全ての日本人に資本主義とは何かを問う。

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか、ダニエル・ピンク (著)、池村千秋 (翻訳)
フリーになりどこの組織にも属さない個人の働き方を様々な角度から論じている。大企業に勤める「サラリーマン」は20世紀の働き方なのだ。インターネット関連技術などのITの発達により、個人がグローバル・マーケットに直接つながる時代が来つつある。

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと、磯崎哲也
上場やバイアウトを目指すような本格的な起業に関する本。実際にどうやって会社を作って、ベンチャー・キャピタルのような投資家とはどういうふうに付き合って、どういうふうに資本政策を決めて、スタート・アップ企業が優秀な人材を集めるために不可欠なストック・オプションはどうやって発行したらいいのか、などの技術的な話が、非常にわかりやすく説明されている。

儲けにつながる「会計の公式」―借金を返すと儲かるのか? 岩谷誠治
ファイナンスを勉強するには多少なりとも会計の知識が必要になる。損益計算書(P/L)や賃借対照表(B/S)の意味がわからないと、バリュエーションや コーポレートガバナンスといった重要なトピックを理解できない。この本は初心者が手っ取り早く会計の初歩を学ぶのにいい本である。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。きたみ りゅうじ
はじめて確定申告する人にとって、多くの税金の本はあまりにも網羅的すぎたりして、読んでもまったく面白くない。しかし、この本は税理士との対談形式で大変面白い。経費はどこまで認められるのか、などの役に立つ内容をわかりやすく解説している。サラリーマンの副業や個人事業主の税務の全体像がつかめる良書。


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