さて、多くの新社会人が会社で働きはじめたようですね。僕は大して成功した人間ではありませんし、まだまだこれからがんばらないといけないのですけど、ビジネスの世界で成功するために、僕なりの方法論を書いておこうと思います。

ビジネスの世界では、モノやサービスを作って売ってお金を稼ぐか、外国為替市場みたいな麻雀大会で合法的に相手からお金をたくさん奪ってこないといけません。まあ、要するに、合法的にいかにたくさん金を稼ぐかっていうのが、ほぼ遊園地だった学校の外の世界で、みんなが毎日やっているゲームです。このゲームが上手いやつはみんなに尊敬されます。それで、様々な分野にそれぞれすごい人がいて、すごい会社があります。僕はビジネスの世界の一番の特徴は強烈な逆ハンディ戦だと思っています。

学校とかでは、できない人がちょっとできるようになると先生が褒めてくれますが、ビジネスの世界では全くそんなことはありません。一番できない人も、その分野で何十年もやっているトップの人たちと競争させられます。しかも、そういうトップの人たちは、優秀なスタッフが周りにいるし、取り引き先も特別待遇するし、広告費を払わなくても、マスコミが勝手に宣伝してくれたりします。こういう人たちと、新人が同じ土俵で競争しないといけないわけです。

たとえば、証券会社の新人アナリストとか考えて見ましょう。シニアの有名アナリストは、実績があるので、会社がスタッフを雇わしてくれるので、部下やアシスタントを多数確保できます。しかし、新人はまだ実績がないので、アシスタントひとり雇うだけで、会社を説得するために四苦八苦します。それで雑用も全部自分でやらないといけません。さらに、企業を分析するためのさまざまなモデルやデータベースも、そうしたシニア・アナリストのチームには蓄積されていますが、新人アナリストはそれも最初から作らないといけません。業界との様々なコネクションも、シニア・アナリストは当然ありますが、新人アナリストにはありません。つまり、もともと素質があり、長年の実績がある人が、そうでない人の何倍ものリソースを与えられて、それで競争するんです。ゴルフだと弱いプレイヤーは最後にスコアからハンディを引いてくれますが、ビジネスだと強いプレイヤーほど下駄を履かせてもらえます。競馬だと、牝馬や2歳馬は重量ハンディで軽い斥量を背負って、強い牡馬には重い錘を背負わせてゲームを面白くしますが、ビジネスの世界では新人や弱いプレイヤーに過酷な重石を背負わせます。これがビジネスの世界でふつうのことです。

大企業とベンチャー企業を比べてもいいでしょう。大企業は信用、ブランド、そして様々なノウハウを蓄積しています。ベンチャー企業が同じモノやサービスを売っても、顧客は、学校の先生のように、少ないリソースでがんばっているから買ってあげる、なんてことは絶対にありません。安くていいものを買いたいだけだし、もっといえば、同じ品質のものでも、少々高くても、無名の企業よりは大企業から買います。

ブログでアフィリエイトとかやっていると、その仕組が税金とは逆のことがわかります。税金は累進課税で稼げば稼ぐほど税率が重くなるので、稼いでいる人は大変な税負担を背負いますが、アフィリエイトは逆で、売り上げれば売り上げるほど料率がよくなります。たとえば、Amazonのアフィリエイトは、月間の売上に応じて、最初は3%ぐらいなのに、たくさん売り上げると8%ぐらいまで上がります。つまり、売上が少ないアフィリエイターはそこにかける料率も低くて、多いアフィリエイターは2倍以上も料率が優遇されます。資本主義社会は格差を作り出すのが大好きなんです。

メルマガだって、売れていると、売れているというだけで買ってくれる人もいるし、読んでる人が紹介してくれる機会も増えるし、さらに売れてるから資金も潤沢になって、取材に経費をかけられたり、スタッフを雇えたりして、コンテンツがますます良くなって、ますます売れていきます。

本を書くのだって、有名作家は、編集者も力を入れるし、営業もがんばるので、ますます売れます。しかも、実績があるので一冊や二冊売れなくても、次のチャンスはいくらでもあります。新人作家は、出版社にも期待されないままちょろっと本を出して、そこで売れないとそれでお終いです。たまたま一冊目が売れないと、もう次もないのです。

世の中の大体のビジネスは、優秀で、実績のある人とか会社が、ハンディを課せられるどころか、下駄を履かせてもらえて、新人とか、二線級の会社が、下駄を履かしてもらえるどころか、重いハンディまで背負わされて、ゲームをさせられます。

それでは、新人は勝つことはできないのでしょうか? じつはそんなことはありません。だいたいその分野のトップクラスのやつと新人では10倍ぐらいの逆ハンディがつけられるのがふつうなので、要するに新人は10倍がんばればいいだけなんです。僕がそのための方法論をここに書いておこうと思います。

1.まずはトップクラスのやつらより2倍以上の才能を持つ

これはほぼ必須だと言っていいでしょう。10倍のハンディを乗り越えないといけなので、もともと才能がなければ話になりません。まあ、これはいいですよね。求められる才能って、時代とともに変わるので、いまのトップクラスのやつらが持っている才能も時代とともにズレていきます。だから、いまの時代のなかでは、古くなったトップクラスのやつらの2倍ぐらいの才能を持ってる人ってのは、探せばけっこういるものです。

2.トップクラスのやつらより3倍長く働く

これは意外と簡単です。なぜならトップクラスのやつらはすでに金持ちになってしまっていて、ある意味で人生上がってしまっているので、あんまりまじめに働いてないからです。周りの人も優秀なので、本人は遊んでいても、仕事が回ります。僕の観察によると、だいたい1日6時間で、週5日ぐらいしか働いてません。彼らは、情報交換と称して、著名人と美味いもの食ったりとか、営業と称してゴルフしたりとか、そんなことばかりやっています。彼らの週の実労働時間は6×5で30時間ぐらいです。つまり、週に90時間働けばいいんですよ。これって1日に15時間働けば、月〜土の6日間働くだけでいいんですよ。それで日曜日は、その分野の専門書を読み漁りましょう。

ここまでで、才能×2と労働時間×3で、6倍まで来ました。ハンディは10倍あるので、あともう少しです。

3.運を味方につける

トップクラスのやつらは現状維持で美味しい思いをできるので、保守的になりがちで、リスクを取りたがりません。だから、失うものが少ない新人のほうがガツガツとリスクを取りにいけます。これでたまたま2倍ぐらい運が良ければいいんです。

そうすると、才能×2、労働時間×3、運×2なので、全部で12倍になって、10倍のハンディを乗り越えられます。

こうやって考えると、ビジネスって逆ハンディ戦で大変そうですが、意外とそうでもないんです。それで、いったん上まで登っちゃえば、あとは自分が下駄を履かせてもらえるので、追いかけてくる新規参入者を適当にあしらっておくだけで、楽に贅沢な生活ができるんです。

成功の階段って、下の入り口のところだけやたらと混んでいるんですが、ちょっと上の方まで行くと、ガラガラのエスカレーターになってて、勝手に上まで登って行くんですよ。