TOPIX: | 2537.60, | -6.0% (1w), | +7.2% (YTD) |
Nikkei225: | 35909.70, | -4.7% (1w), | +7.3% (YTD) |
S&P500: | 5346.56, | -2.1% (1w), | +12.1% (YTD) |
USD/JPY: | 149.20, | -2.9% (1w), | +5.5% (YTD) |
EUR/JPY: | 160.95, | -3.5% (1w), | +2.8% (YTD) |
Oil(WTI Futures): | 73.52, | -4.7% (1w), | +2.6% (YTD) |
NISAなどを通してS&P500やオルカンに投資していた日本の投資家に円高と株安が同時に直撃している。日本株に投資していれば為替は関係ないがこちらも記録的な下落幅だ。
理由はいろいろあり、市場参加者は犯人探しをしているが、まず、そもそも日米ともに株価が高すぎた。特に米国株は歴史的なバリュエーションの高さである。とりわけ、マグニフィセント・セブンに代表されるテック企業のP/Eは高い。日本株も記録的な高値圏で推移していた。こうしたバリュエーションの調整はいつ起きてもおかしくなかった。
そこに来て、日銀が利上げを発表した。さらに、植田総裁の会見で、必要ならさらに上げていく、と言う。思ったよりタカ派である。日本円を借りてそれで商社株を買っているバフェットなどが典型だが、金利が突出して低い日本円で調達して様々なリスク資産に投資するキャリートレードが行われてきた。これが逆回転を始めたのだから、円高・株安へ一気に進む。
さらに米雇用統計が下振れした。これまではインフレ対策で金利高止まりが米国株にはマイナスと考えられてきたが、一気にリセッションの可能性が高まってきた。雇用統計の悪化は素直に株価にマイナスである。AI関連銘柄など一部の米国株が非常に強かったために、実体経済の減速が覆い隠され、FEDの利下げが遅れてしまっている可能性がある。こうしたリスクが一気に意識され始めた。
●S&P 500 Earnings Season Update: August 2, 2024
https://insight.factset.com/sp-500-earnings-season-update-august-2-2024
●日銀 追加利上げ決定 政策金利0.25%程度に【総裁会見詳細も】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240731/k10014530751000.html
●米雇用、7月11.4万人増で予想下回る 失業率上昇 大幅利下げ観測台頭
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/TETOZJDUQVLYNFQ7FWCWKPS3YI-2024-08-02/
さらに株価を吊り上げてきたAIバブルに陰りと疑念が生じている。巨大テック企業は信じられないほどの巨額でNVIDIAからGPUを買って生成AIを作るためのインフラ投資を行ったが、そこから出てきたプロダクトで、収益に結びつきそうなものが皆無である。さらに、性能も頭打ちである。AIバブルに暗雲が立ち込めている。
●週刊金融日記 第636号 生成AIは年間100兆円売り上げないとペイしないがまだ稼げるビジネスモデルなし、他
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/52234621.html
その上で、中東での戦争のリスクが高まっている。そうなれば原油価格が上がりインフレが再燃する。FEDが景気減速に対して思い切った利下げができなくなるかもしれない。
●イラン部隊 イスラエルに報復行うと強調 ハマス最高幹部殺害で
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240803/k10014536171000.html
これだけ株高を支えてきたマクロ・ミクロの経済環境がドラスティックに変わり、明るい兆しがない中で、依然として日米の株価にはまったく割安感がない。
米個別銘柄の週間パフォーマンス(2024/07/26-2024/08/02)
出所: Google Finance, Yahoo!Finance
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日本株
直近1年の日経平均株価とインプライド・ボラティリティの推移
出所: 日経新聞社
サイズ/スタイル/セクター別の週間パフォーマンス(2024/07/26-2024/08/02)
出所: 東証、日経新聞社、セクター指数はTOPIX17業種
個別銘柄の週間パフォーマンス(2024/07/26-2024/08/02)
出所: 会社四季報、Yahoo!ファイナンス
直近1年のドル円とユーロ円の推移
出所: セントラル短資
イールドカーブ(2024/08/02)
出所: Bloomberg.com
主要通貨の週間パフォーマンス(2024/07/26-2024/08/02)
出所: セントラル短資
外国株とコモディティ
出所: Yahoo!ファイナンス、Bloomberg.com
地域別株価指数とコモディティの週間パフォーマンス[USD](2024/07/26-2024/08/02)
出所: iShares: MSCI Japan (EWJ), MSCI Kokusai (TOK)、MSCI Core Europe (IEUR), MSCI All Country Asia Pacific ex Japan (AAXJ), MSCI Emerging Markets (EEM), GLOBAL REIT ETF (REET). Bloomberg.com: Oil WTI Futures (CL1), Gold Futures (GC1)
今週のマーケット・イベント
8月5日(月)
日銀金融政策決定会合の議事要旨(6/13-14開催分)
米7月ISM非製造業景況指数
決算:伊藤忠、オリックス、味の素、郵船、キッコーマン、JFE、ローム、他
8月6日(火)
日6月毎月勤労統計
日6月家計調査
米6月貿易収支
決算:東京海上、ソフトバンク、ダイキン、三菱重、スズキ、NTTデータ、ユニチャーム、キリン、鹿島、ヤマハ発、出光興産、日清食、横河電、川重、三井化学、リコー、IHI、JR九州、スクエニ、米Caterpillar、米Uber、米Airbnb、他
8月7日(水)
日6月景気動向指数
米6月消費者信用残高
中国7月貿易収支
決算:ソニーG、NTT、ソフトバンクG、ホンダ、富士フイルム、オリンパス、アサヒ、レーザーテク、ニトリ、資生堂、SUMCO、他
8月8日(木)
日7月都心オフィス空室率
日7月景気ウォッチャー調査
日銀金融政策決定会合の主な意見(7/30-31開催分)
決算:リクルートHD、東エレク、テルモ、菱地所、花王、INPEX、ネクソン、住友不、日ペイント、バンダイナム、サントリーBF、他
8月9日(金)
日7月マネーストック
中国7月生産者・消費者物価指数(PPI)
決算:MS&AD、ゆうちょ、SOMPO、日本郵政、楽天、他
8月10日(土)
8月11日(日)
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