金融日記

藤沢数希が運営するブログ。
金融・経済、Web関連ビジネス、書評、科学、恋愛工学などについて。

カテゴリ: 恋愛工学

僕はさまざまな要因から、結婚によってメリットを受けられる女性は一握りで、それゆえに未婚化、少子化が進んでいる、と指摘してきた。そして、そのひとつの解決策として、結婚して子供を産み家族を作る or 生涯未婚で子無し、という極端なふたつの選択肢しかない現状に対して、欧州の先進国のように、事実婚などが増え、家族の多様性が当たり前になればいいのではないか、と提案した。

『損する結婚 儲かる離婚』藤沢数希

女性が自分より所得が低い男と結婚するメリットはなく、男女の所得格差がなくなれば、婚姻率が下がっていくのは当たり前のことなのだ。女性がもっと社会進出し、男女平等をますます推進していく、というのは先進国では当たり前のことであり、また、僕の願いでもある。大臣の数、企業の役員の数などでも、日本は男性の方が多く、いまだに女性差別が残っている。本来、これらは北欧などの進んだ国がそうであるように、男女で半々になるべきものだ。婚姻率がどれだけ下がっても、日本でジェンダーフリーを推進していくことを止める、という考えは絶対にありえないのだ。

このような背景から、僕の本は、女性たちの背中をポンと押し、欧米では当たり前のリベラルな社会へと堰を切るきっかけになると考えていた。もう、伝統的な(単にキリスト教の影響を受けた西洋の家族法を輸入しただけのものだが)結婚にこだわる必要もないし、所得格差がなくなった以上、メリットのある結婚をすることはますます困難になっているのだから、日本人女性たちはもっと自由になればいい、と応援したかったのだ。

しかし、日本の女性たちは、僕の想像を超えて、はるかに先を行っていたことがわかった。先日、性風俗や個人売春など、日本の性産業に造詣が深い経営者や編集者の人たちと、最近の社会情勢について議論する機会を得た。その際に、いま日本で起きている驚くべき現象を、僕は知ることとなった。

20代、30代の日本人男性の年収は300万円程度であり、サービス業がさかんになり女性の労働者のほうが人気がある昨今では、多くの若い女性と所得が同程度か逆転してしまっている。こうした状況で、年収300万円程度のふつうの男性と結婚する女性はほとんどいない。その結果、何が起こったかというと、驚くべきことに、個人売春業が活況を呈することになったのだ。

つまり、男性との所得格差がなくなった以上、女性たちは、セックスを長期独占契約で売る結婚にまったくメリットを感じなくなり、その代わりに、セックスのバラ売りをはじめたのである。そのやり方はさまざまである。本番行為のないソフトな性風俗店でアンダーザテーブルで顧客から金をもらい本番を行うというものから、女子大生たちの間で流行っているいわゆる「パパ活」と呼ばれる中高年男性との月締めの売春契約、富裕層へのAV女優の斡旋など、形態は非常に多岐にわたる。しかし、ボリュームという点で最も多いのは、出会い系アプリなどを使った、個人取引であると思われる。

要するに、男女格差の縮小により、日本の結婚市場が崩壊し、セックスを長期独占契約で売る結婚から、一回ずつのバラ売りである売春に、日本人女性のビジネスが急激にシフトしていったのが、この2、3年に日本で起きていることなのだ。当然、これらは地下経済であり、公式の統計には現れないが、こうした仮説を裏付けるいくつかの強力な証拠がある。

里見ゆりあまずは、税務当局による直接の摘発である。人気AV女優であった里見ゆりあ氏に2億4500万円の所得隠しが発覚した。本人は単に貢がれた、と主張したが、東京国税局の調査官たちは売春業による所得と認定したのだ。これは氷山の一角であり、業界ではこのようなビジネスが広く行われていることをうかがわせる。

●人気AV嬢「里美ゆりあ」が2億4500万円の所得隠し “貢がれた”と異議(デイリー新潮)
http://www.dailyshincho.jp/article/2016/09171600/?all=1

しかし、もっと強力な証拠がある。いま若い女性たちの間で、性病感染者が急増しているのだ。すこしググれば、各県の自治体などが梅毒やクラミジアの蔓延などを警戒しているニュースが出てくる。たとえば千代田区のウェブサイトにいけば、梅毒届け出数が女性は5年で約15倍に上昇していることが報告されている。

梅毒患者数推移千代田区
出所:千代田保健所健康推進課感染症対策主査

●若い女性の「梅毒」感染が急増。医師も危惧する異常事態(日刊SPA!)
https://nikkan-spa.jp/1181393

こうしたエビデンスや、また、実際に性産業を定点観測している記者たちの話を総合し、日本人女性たちが結婚というビジネスから、セックスのバラ売りである売春業に、急激に業態を変化させたことは間違いない、と僕は見ている。

さて、今週のメルマガでは、性病感染者数データのさらなる分析とともに、このように荒廃する日本の恋愛市場、結婚市場でいかに立ち回るべきなのか詳細に議論することにしよう。

メルマガを購読 → noteブロゴス夜間飛行ブロマガまぐまぐ

今回、議論したいことは、以前、元ライブドア(現LINE株式会社)CEOで事業家の堀江貴文さんとの対談で、話題になったことである。対談の内容は有料メルマガのほうを見ていただきたいのだが、ここでその要旨を述べておこう。

週刊金融日記 第178号 堀江貴文さんと未来を語る 前編
週刊金融日記 第179号 堀江貴文さんと未来を語る 後編

堀江さんは未成年との恋愛は絶対にしないように心がけている、と言った。そして、僕は、淫行条例が作られた結果、恋愛市場がどのように変質し、社会にどのような変化が起こったのかを論じたのだ。いまでは常識だが、日本人男性が、18歳未満の女性とセックスすることは犯罪行為と見なされ、実際に摘発されるのだ。淫行条例があるからだ。日本の法律では、女性は16歳以上で結婚できるので、これは考えてみればおかしな話だ。なぜ、このような法律が作られたのだろうか?

その歴史は、1990年代にマスコミで大きく取り上げられた「援助交際」にまでさかのぼる。当時は、テレクラなどを使って、女子高生が個人売春をすることが社会問題化したのだ。実際に、援助交際という言葉は1996年に流行語大賞に入賞するほどだった。

こうしたことに、女性団体などが怒り狂った。悪い大人が、少女たちを食い物にしている、と。とうの女子高生たち(もちろん、売春をしているのはほんの一部である)は、「誰にも迷惑けけてないのになんでダメなの?」と文句を言っていたのだが、マスコミは援助交際はけしからん!という方向で盛り上がり、政治家がそれにこたえて、18歳未満とのセックスを犯罪とする淫行条例が作られたのだ。めでたし、めでたし。

それで、僕が指摘したことは、淫行条例が作られてから、日本のAV女優のルックスレベルが飛躍的に向上しはじめた、という事実だ。

「この10年で日本社会で最も変わったこと」金融日記、2007年05月28日

考えてみたら、これは当たり前のことだった。淫行条例は、罰則自体は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」であり、ほとんどが罰金刑で、そこまでの重いものではない。しかし、社会人が淫行条例で逮捕され、報道されてしまえば、ほぼ社会的に抹殺されてしまう。社会的制裁は、表の世界でまじめに働いている男にとっては、極めて重い。かくして、まともな男は誰も女子高生を恋愛対象とはしなくなった。ここまでは法律の狙い通りだ。

ところが、10代の少女たちは、当たり前だが性に強い関心を持っている。生物学的には、最も妊娠しやすい時期であり、ある意味で、最も恋愛に適した年齢だ。しかし、そこの恋愛市場がすっかり真空状態になってしまったのだ。彼女たちは、もちろん男子高生と恋愛をすればいいのだが、そこに大人の男が割り込んでいったらどうなるだろうか? ライバルは、金も力もない魅力の乏しい男子高生たちである。恋愛スキルの高い大人の男がその恋愛市場に入っていけば楽勝なのである。つまり、まともな男がいない女子高生の恋愛市場は、まともでない男にとっては入れ食い状態となったのだ。まるでフナやメダカしかいない池に放されたブラックバスのように、裏の世界で生きているスカウトやホスト、ときに反社会的勢力の男たちが、法的リスク承知で食い荒らせるようになった。

こうして未成年の間に恋愛関係を築いておき、18歳になったらAVプロダクションに紹介する(語弊のある言い方をすると「売る」。紹介者には出演料の数十%が支払われ続ける)ビジネスが非常にやりやすくなった。これが、おそらく淫行条例ができてから、日本のAV女優の質と量が劇的に改善された理由なのだ。AVファンは、淫行条例に感謝したほうがいいのかもしれない。

「IT革命と恋愛市場の変相」cakes 藤沢数希インタビュー

これはまるで禁酒法と同じようなことが起こったのであり、とても興味深い。アメリカでは、1920年から1933年まで酒の販売を禁止したため、違法に酒を売るマフィアに莫大な利益がもたらされたことはあまりにも有名だ。

最近の世の中では、恋愛に関する法律や規制、社会規範はどんどん厳しくなっている。芸能人が不倫をしたら総バッシングを受ける。セクハラの基準は年々切り上がっているようだ。いまでは、会社で女性社員のルックスを褒めたり、結婚はしないのかなどとプライベートなことを聞いたりすることも、立派なハラスメント行為と見なされる。女性が不快に思えば、懲戒の対象となる。町中で知らない女性に声をかけるナンパという行為も、迷惑防止条例で、場合によっては罰則の対象となることもありえる。

こうした世の中が人々を幸せにするのかどうかはさておき、我々はこのような非常に厳しい規範を守らなければいけない時代を生きていることだけは、確かな事実だ。今週のメルマガでは、こうした恋愛過剰コンプライアンスが、現実の恋愛市場にどのような変化を引き起こしたのかを分析し、そして、個々の恋愛プレイヤーがどのように振る舞うべきなのかをくわしく論じることにしよう。

続きはメルマガを購読 → noteブロゴス夜間飛行ブロマガまぐまぐ

第2回テレビ討論会の前に、ドナルド・トランプ米大統領候補の女性蔑視発言が暴露され、大騒動となっています。支持率にも影響を与えているようです。NHKなどは、「有名人になれば女性は何でもしてくれる」とトランプが発言したとして報道していますが、意訳され過ぎていて、正しく視聴者に伝わっていないようです。また、ネットに落ちている訳も、部分的であったり、間違っているところがあって、全体像が伝わっていません。

●米大統領選 あす討論会 逆風トランプ氏の対応に注目
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161009/k10010723901000.html

●10年前の失言がトランプ氏の息の根を止めた「トランプ女性蔑視発言」に共和党内が大混乱
http://toyokeizai.net/articles/-/139651

そこで、僕がそのまま全訳してみました。
このように、前後の文脈をつけると、必ずしも女性蔑視の発言には聞こえないことがわかります。
どちらかというと、ちょっとした軽妙な会話だったのではないでしょうか。

以下、全訳。

●Transcripts: What the mics caught Donald Trump saying in 2005 and what he said in his taped apology
http://www.latimes.com/politics/la-na-pol-trump-bush-transcript-20161007-snap-htmlstory.html



What the mic captured during the 2005 'Access Hollywood' segment:
(2005年の芸能界のゴシップ番組"ハリウッドをのぞき見しようぜ"の収録前のバスの中で録音されたものです。)

Donald Trump: You know and?
(トランプ:知ってるか? 女優の……。)

Unidentified voice: She used to be great. She's still very beautiful.
(スタッフ:ああ、知ってるよ。昔はマジ可愛かったよな。いまでも、ぜんぜんイケるけどさ。)

Trump: I moved on her actually. You know she was down on Palm Beach. I moved on her and I failed. I’ll admit it. I did try and fuck her. She was married.
(トランプ:だろ? じつは、俺、昔、あの女にアプローチしたんだよ。パームビーチでさ。でも、正直に白状すると、ヤれなかった。「私、結婚してるから」とか言ってグダりやがった、あの糞ビッチ。)

Unidentified voice: That’s huge news there.
(スタッフ:マジかよ? ウケるな、それ。)

Trump: No, no. Nancy. No this was? And I moved on her very heavily. In fact, I took her out furniture shopping. She wanted to get some furniture. I said, "I'll show you where they have some nice furniture." I took her out furniture? I moved on her like a bitch, but I couldn’t get there. And she was married. Then all of a sudden I see her, she’s now got the big phony tits and everything. She’s totally changed her look.
(ドナルド:けっこう、俺、マジでナンシー口説いたんだよ。実際、あのバカ女を、家具屋に連れてったから。家具屋、ウケるだろ? なんか、家具を買いたいとか言うから、あのバカ女。そんで、飯食ったあとに、ギラついたんだけど、"私結婚してるグダ"だよ。マジ、ウケるんだけど。で、最近、あの女にばったり出くわしたら、豊胸手術してやがんの。くっそウケるわ。)

Bush: Sheesh, your girl's hot as shit. In the purple.
(ブッシュ大統領の従兄弟:[バスの中から外を見て] おい、見てみろよ、ドナルド。お前の今日の相手、すげぇ美女だぞ。紫のドレスで。おお、ファックしてぇよ!)

Trump: Whoa!
(トランプ:おお、俺もファックしてぇ!)

Bush: Yes. Yes, the Donald has scored!
(ブッシュ大統領の従兄弟:ドナルド、お前ならあの女、ぜってぇファックできるから!)

Trump: Whoa!
(トランプ:あたりめぇだろ!)

Bush: Whoa, my man!
(ブッシュ大統領の従兄弟:クッソ羨ましいぜ。あんなビッチとヤれて。)

Unidentified voice: Wait, wait you've got to look at me when you get out and be like ... will you give me the thumbs up? You've got to put the thumbs up.
(不明:ちょっと待って、バスから出るとき……、ええっと、それ取ってくれる……)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)

Trump: Look at you. You are a pussy.
(トランプ:このマンコ野郎め!)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)

Unidentified voice: You've got to get the thumbs up. You can't be too happy, man.
(スタッフ:もうそろそろ行くぞ。マンコの話はまたあとだな。)

Trump: Alright, you and I will walk down.
(トランプ:大丈夫だ。俺は分別のつく男だから。)

[crosstalk]
(会話、聞き取り不能)
(バスから降りようとするところ)

Trump: Maybe it's a different one.
(トランプ:あれ、さっきの激マブ女どこいった?)

Bush: It better not be the publicist. No, it's her. It's her.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、いたいた、あそこだ。)

Trump: Yeah, that's her, with the gold. I've got to use some Tic Tacs, just in case I start kissing her. You know I'm automatically attracted to beautiful? I just start kissing them. It's like a magnet. I just kiss. I don't even wait. And when you're a star, they let you do it. You can do anything.
(トランプ:おお、俺の女だ! ちょっと待て、口臭予防キャンディ食っとくわ。あの女にすぐにキスするかもしれないからな。俺は、美女を見たら、無条件に口説く。そんで、すぐにキスする。ディープキス。いちいち待つもんか。それから、パンツの中に手をつっこんで、マンコを触ってやる。こうすると女は喜ぶんだ。女はスターにこういうことをされるのが大好きなんだぜ。俺はスーパースターだ!)


Unidentified voice: Whatever you want.
(スタッフ:ああ、お前はスターだ。お前なら何をやっても許される。お前はドナルドだからな。)

Trump: Grab them by the pussy. You can do anything.
(トランプ:ああ、俺はスーパースターだ! あの女に手マンしてやるぜ!)

[crosstalk and chuckling]
(会話、笑い声、聞き取り不能)

Unidentified voice: Yeah those legs, all I can see is the legs.
(スタッフ:おい見てみろよ、あの脚。うっひょ〜、すげー脚だぜ。)

Trump: Oh, it looks good.
(トランプ:クッソ、あの脚舐めてぇ!)

Unidentified voice: Come on, shorty.
(スタッフ:そろそろ行くぞ。)

Trump: Oh, nice legs, huh?
(トランプ:クッソ、あの脚舐めてぇ! ウッホウッホホ!)

Bush: Oof, get out of the way, honey. Oh, that's good legs. Go ahead.
(ブッシュ大統領の従兄弟:そろそろ(バスから)降りようぜ。最高だな、あの脚。なあ、ドナルド。)

Trump: It's always good if you don't fall out of the bus. Like Ford. Gerald Ford, remember?
(トランプ:ああ。降りるとき気をつけろよ。覚えてるか、あのバカ議員? ジェラルド、あいつ、この前、バスから降りるとき、ずっこけやがったの。アホだろ?)

Bush: Down below. Pull the handle.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、まったくマヌケなやつだ。よし、行こう。)

(トランプとブッシュ大統領の従兄弟がバスから降りる)
(今日の番組にいっしょに出るモデルのアリアンヌに対面]

Trump: Hello. How are you? Hi.
(トランプ:こんにちは。お元気ですか?)

Arianne Zucker: Hi Mr. Trump. How are you? Pleasure to meet you.
(アリアンヌ:はい、元気ですよ、トランプさん。あなたにお会いできて、光栄ですわ。)

Trump: Nice seeing you. Terrific, terrific. You know Billy Bush?
(トランプ:こちらこそ、あなたみたいな素敵な女性にお会いできて、とても嬉しいです。ところで、こちらのブッシュさん知ってますか? ブッシュ大統領の従兄弟。)

Bush: Hello, nice to see you. How are you doing, Arianne?
(ブッシュ大統領の従兄弟:はじめまして、アリアンヌさん。お会いできて、光栄です。)

Zucker: I'm doing very well, thank you. [To Trump] Are you ready to be a soap star?
(アリアンヌ:ブッシュさん、はじめまして。お会いできて光栄ですわ。ところで、トランプさん、今日の番組の準備はオッケー?)

Trump: We're ready, let's go. Make me a soap star.
(トランプ:僕はいつでもオッケーですよ。さあ、行きましょう。)

Bush: How about a little hug for the Donald? He just got off the bus.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ところで、アリアンヌさん。もし、よろしかったら、ドナルドにハグをしてあげてくれませんか? 彼、バスの長旅で疲れてて。)

Zucker: Would you like a little hug, darling?
(アリアンヌ:もちろんよ。ハグしていいかしら、トランプさん?)

Trump: Okay, absolutely. Melania said this was okay.
(トランプ:もちろん、喜んで!)

(アリアンヌがトランプにハグする)

Bush: How about a little hug for the Bushy? I just got off the bus. There we go. Excellent. Well, you've got a nice co-star here.
(ブッシュ大統領の従兄弟:いいな、こんな美人にハグしてもらえて。僕も、バスの長旅で疲れてるんだけどな……。僕にだって、ハグぐらいしてくれても……。)

Zucker: Yes. Absolutely.
(アリアンヌ:もちろん!)

(アリアンヌがブッシュにハグする)

Trump: Good. After you. Come on, Billy. Don't be shy.
(トランプ:いいね! おい、ブッシュ、お前、そんなとこ歩いてないで、こっちこいよ。まったく、いつもシャイだからな。)

Bush: As soon as a beautiful woman shows up, he just, he takes off on me. This always happens.
(ブッシュ大統領の従兄弟:いや、ドナルドが……、お前がいつものように美人の前で、俺を押しのけたんだろ?)

Trump: Get over here Billy.
(トランプ:まあ、いいから、こっち来いよ。)

Zucker: I'm sorry, come here.
(アリアンヌ:こっちにおいで。笑)

Bush: Let the little guy in here, come on.
(ブッシュ大統領の従兄弟:じゃあ、アリアンヌのほうに行くよ。)

Zucker: Yeah, let the little guy in. How you feel now? Better?
(アリアンヌ:(私のとなりで)どんな気分?)

Bush: It's hard to walk next to a guy like this.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ドナルドのとなりの百万倍いいよ!)

Zucker: I should actually be in the middle.
(アリアンヌ:じゃあ、私が真ん中を歩こうかしら。)

Bush: Yeah, you get in the middle. There we go.
(ブッシュ大統領の従兄弟:それがいいね。)

Trump: Good, that's better.
(トランプ:ああ、こっちのほうがいい。)

Zucker: This is much better. This is?
(アリアンヌ:本当だ、こっちのほうがいいわ。)

Trump: That's better.
(トランプ:ああ、こっちのほうがいいね。)

Bush: Now, if you had to choose, honestly, between one of us: me or the Donald? Who would it be?
(ブッシュ大統領の従兄弟:ねえ、アリアンヌにちょっと聞きたいんだけどさ。もし…、もし仮に、僕かドナルド、どっちかとデートしなければいけないとしたら、どっちがいい?)

Trump: I don't know, that's tough competition.
(トランプ:ああ、さっそく、取り合いだな……。)

Zucker: That's some pressure right there.
(アリアンヌ:それはとても難しい質問ね。ふたりとも素敵だから。)

Bush: Seriously, you had to take one of us as a date.
(ブッシュ大統領の従兄弟:正直に言ってよ。僕は傷つくことにも慣れてるから。)

Zucker: I have to take the 5th on that one.
(アリアンヌ:うーん……。ごめんなさい。ここは黙秘権を行使させていただいくわ。)

Bush: Really?
(ブッシュ大統領の従兄弟:ええ!? マジかよ。)

Zucker: Yup. I'll take both.
(アリアンヌ:じゃあ、ふたりとも!)

Trump: Which way?
(トランプ:ところで、次、どっちに行けばいい?)

Zucker: Make a right. Here we go. [inaudible]
(アリアンヌ:ああ、そこを右に曲がって。こっちよ。)

Bush: Here he goes. I'm going to leave you here. Give me my microphone.
(ブッシュ大統領の従兄弟:あっ、僕はこっちに行かないと。僕のマイクくれる?)

Trump: Okay okay. Oh, you're finished?
(トランプ:オッケー。もう、これでお終い?)

Bush: You're my man. Yeah.
(ブッシュ大統領の従兄弟:ああ、また、あとで。)

Trump: Oh good.
(トランプ:ああ、また!)

Bush: I'm going to go do our show.
(ブッシュ大統領の従兄弟:さあ、ショーがはじまるぜ。)

以上。

さて、ドナルド・トランプの会話には、恋愛工学のエッセンスが詰め込まれています。くわしい解説は、今週号のメルマガでしようと思います。

メルマガを購読 → noteブロゴス夜間飛行ブロマガまぐまぐ

 先進国では、性差別の禁止、つまり、男女平等は絶対的に正しい普遍の正義である。日本でも、ついに若年層では女性の可処分所得が、男性のそれよりも上回ったという統計も出はじめた(全国消費実態調査)。これは、サービス業が主流になってきたため、女性のほうが接客業での需要があるからだ。男女平等の観点からは、非常に好ましい社会の変化だと思われる。
 そして、男女平等の行き着く先は、自由恋愛市場での健全な競争により、実質的な一夫多妻制の社会に移行することだ。女性の社会進出と一部のモテる男性にだけ女性が集中することは、コインの裏と表である。
 たとえば、婚外子比率が高い、自由な婚姻形態の国が、どういった国なのか見てみよう。いったい、婚外子比率が何と相関しているのだろうか? じつは、女性の社会進出の度合いなのだ。

各国の婚外子比率
各国の婚外子比率2
出所:オーストラリア、イギリス、アメリカ、韓国:国連World Fertility Report 2012。日本:平成25年版厚生労働白書 −若者の意識を探る。他:Eurostat(2014年)。

 世界経済フォーラムが公表している『世界男女格差レポート』を読めば、このことは歴然としている。婚外子比率が6割を突破している北欧のアイスランドは、女性の社会進出、そして、その結果としての男女平等はどの程度進んでおり、世界の中でどう位置付けられているのだろうか。
 案の定、世界男女格差指数(Gender Gap Index)で、アイスランドは世界第1位であり、婚外子比率が同率で最低の日本と韓国は、それぞれ145カ国中で101位と115位となっている。この世界男女格差指数の2位はノルウェー、3位はフィンランド、4位はスウェーデンと続く。つまり、これらの男女平等が極めて進んだ国では、婚外子が非常に多く、逆に、日本や韓国のように、女性の社会進出が遅れており、男女格差が大きい社会では、婚外子が非常に少ないのだ。

 考えて見れば、これは当然のことだ。女性は、モテる男性とつがいたいのであり、モテる男性は、ごく一部である。女性が時代遅れの社会規範から開放され、経済的にも自立すれば、彼女たちは一部のモテる男性と恋愛をし、そして、好きなときに子供を生むようになるからだ。もちろん、その裏側では、モテない男性が、生涯誰ともつがえなくなる。
 たとえば、ノルウエーでは、生涯未婚で一人の子を持つこともなく死んでいく男性の比率は年々大きくなっている。

●A Quarter of Norwegian Men Never Father Children
http://sciencenordic.com/quarter-norwegian-men-never-father-children

●若者のセックス離れ——20代非自発的童貞率40%強の衝撃
https://cakes.mu/posts/7181

 日本も少子化を改善するには、女性がもっと自由になり、好きなときに子供を産み、育てられるような社会を作っていくことが大切だろう。今週号のメルマガでは、この問題を考えてみたい。

続きはメルマガを購読 → noteブロゴス夜間飛行ブロマガまぐまぐ

先日、LINEで法人営業担当の執行役員をしている田端さんと対談する機会を頂いた。きっかけは、僕がはじめて書いた恋愛小説『ぼくは愛を証明しようと思う。』で、LINEを使って会話するシーンがふんだんに出てくることだった。僕は、作中で、ことさらLINEのことを強調するつもりもなく、ただ、いまの世の中でふつうの男女が行っていることをそのまま描いただけなのだが、考えてみたら、男女のコミュニケーションがすっかり全部LINEになってしまったのは、けっこう最近の話である。僕はたまたまそうした時期に小説を書きはじめたので、結果的に、その点が新しい小説となり、LINEが流行る以前の全ての恋愛小説は、すっかり古びれることになった。好きな女の子に電話すると、彼女の親が電話に出て緊張してしまうというようなシーンが、何やら時代小説的なものになってしまったように、携帯に電話したり電子メールを送ったりすることも、すでに一昔前の風景なのだ。

さて、対談では、こうしたコミュニケーション手段の変化とメディアの関係、営業と恋愛の類似性などに関してディスカッションできて、とても面白かったのだが、これは近々、ダイヤモンド・オンラインの方で掲載される予定なので、楽しみにしていてほしい。

そこで、採用活動のことで、田端さんと話していて、これまで僕が疑問だったことがわかったので、そのことを備忘録的に書いておこうと思う。経団連加盟企業では、学生に学業に専念させるという趣旨で、今年から採用面接の解禁日が後ろにずれて、4年生の8月からになっている。まさに、いまが就職活動、そして、採用活動のピークのようだ。だから、採用戦略について書いておくのは、タイミング的にもいいだろう。

僕の持論は、面接だけで未経験者を採用するなど愚の骨頂、というものだ。たった、数回の面接で、仕事ができて、チームに貢献できるのかどうかを見極めることは不可能だ。面接でわかることは、初対面の人との会話が得意かどうかぐらいなものだ。それにもかかわらず、日本では、学生は必死こいて面接テクニックを学び、会社は必死こいて面接でいかに優秀な人材を見抜くか、ということをずっとやっている。これは壮大な喜劇だ。なかなか内定がもらえない学生にとってはただの悲劇だろう。

それでは企業はどのように採用すればいいのだろうか? 答えは極めて簡単だ。仕事ができるかどうかは、仕事をやらせてみればわかる、だ。つまり、インターンシップ、というか短期アルバイトをしてもらえばいい。僕がずっと疑問だったのは、なぜ全ての新卒の採用がインターン経由にならいのか、ということだ。

外資系投資銀行で働いていたとき、インターン経由で採用された新卒で、変な人はひとりもいなかった。しかし、面接だけで入って来た新卒の中には、たまにダメな人がいた。ダメな人を首にするのは大変だ。直接の出費だけで、基本給の半年分ぐらいのお金を退職金としてあげないといけない。さらに、また新しい人をリクルートしないといけないし、誰が採用したんだ、というような責任問題もある。とにかく、仕事ができない人が入ってきて、首にするのは、とても大変なコストがかかる。経験者の採用では、それまでの実績を見ればいいし、他の会社で働いている人を引き抜いてくるわけで、インターンなどはもちろんできないから、面接だけで高額なオファーを出すのだけれど、未経験者を面接だけで採用するなど、本当に馬鹿げている。

僕自身もインターン経由で採用された。当時、僕は海外に住んでいて、PhD取得後はそのまま奨学金の期間が残っていたのでポスドクをしていた。外資系の投資銀行の人事部のいくつかに履歴書を電子メールで送り、休暇で日本に2週間ほど帰ってきた時に、東京のいくつかの銀行で、集中的に面接をしてもらった。その内、一社が僕の採用に興味を示し、急遽、インターンをすることになった。まず、どんな課題なのか説明された。社内で開発された、ある金融工学のツールを理解して、その使い方をわかりやすく説明する資料を作り、プレゼンすることだった。プログラムは社外に持ち出せないが、理論の論文や説明書をいくつか渡され、持ち帰ることができた。1週間後に1日オフィスに来て、実際にツールをいじくりながら資料を作るというものだった。僕は、1週間の間に、他の銀行の面接にも行きつつ、必死で与えられた資料や関連分野の教科書を勉強して、インターンに臨んだ。結果的には、オファーをもらい、僕はその銀行に就職することになった。

そして、僕も採用に関わるようになると、当然のように、インターンをさせることにした。まず、大量の履歴書を見る。1000通以上あって電話帳より厚いのだけれど、条件を言って、人事部のお姉さんに頼むと、300通ぐらいになる。その中から10人ぐらい選んで、面接に呼ぶ。ちなみに、この300人から10人に絞るプロセスは、1時間ぐらいだ。つまり、履歴書を見る時間は、ひとり当たり12秒となる。しかし、実際のところは、3秒で弾かれる人がたくさんいて、ボーダー付近の履歴書をじっくり読むので、みんながみんな12秒というわけではない。そして、その中から3人ぐらいをインターンに呼ぶ、という感じだ。

インターンは、採用側にものすごいメリットがある。なぜなら、こっちはいつも人出不足で、めんどくさい仕事がたまっていたりするので、彼らは貴重な労働力になる。もちろん、採用を兼ねているからスキルや仕事への態度を見るための課題になるように工夫しないといけないけど。インターンの学生は採用がかかっている、つまり、人生がかかっているから、みんな死に物狂いで働いてくれる。実際には、1日のインターンでも、じゃあ、来週の木曜日にこれやるから、と言って、参考資料を親切に渡しておくと、大抵の学生は、インターンの日までに猛勉強してくる。しなかったら? そんな学生は用なし。ということで、とても僕の仕事が捗るのだ。学生にめんどくさい仕事を任せて、僕は夕方は、デートでも行けばいい。

そして、インターンでみっちり働いてもらった後に打ち上げと称して、ディナーでも行って、酒でも飲ませていろいろ話せば、いっしょに働きたい奴かどうかもわかるというものだ。ということで、いい人材を見抜くという意味でも、また、安い作業要員としても、インターンはとてもいい方法なのだ。さらに、学生も、本当にそこで働きたいのかどうかわかるだろう。

それで、僕がずっと疑問だったのは、なぜ、こんなにメリットだらけなら、全ての新卒採用がインターン経由にならないのか、ということだ。しかし、その疑問が、田端さんと話していてわかったのだ。

まず、田端さんは、インターン経由で採用する別のメリットを指摘した。インターンに応募してくる学生のほうが、基準が何なのかさっぱりわからない一発勝負の面接なんかよりも、実際に働いて、本当の実力を見て欲しいと思っているだろうから、より優秀である確率が高いだろう。ああ、なるほど。インターンは、ますます、いいじゃないか。

しかし、デメリットもある。つまり、インターンをすると、こちらが学生の能力がわかるように、学生も会社の実態がわかってしまう。それは、当初のキラキラしたイメージ(これは学生の勝手な思い込みだけど)よりは、悪くなるだろう(どんな会社だってそうだ)。そうやって夢がなくなった状態で、ブランド力がある企業が、面接だけでポンと内定を出すと、そっちに行ってしまうことがある。なぜなら、まだキラキラしたイメージのままだからだ。ああ、なるほど。恋愛でも、それってよくあるよね。誠実に何でも話す男より、ネガティブなことは何も言わず、ちょっとミステリアスなやつのほうがモテたりするものだ。

それで、学生のイメージを良くしようと思うと、インターンもお客さん対応になってしまい、労働力としても使えなくなり、単にコストでしかなくなる。外資系投資銀行みたいに、5人のチームに、新卒をひとり雇うようなケースでは、確かにインターンはいいことばかりだけれど、まとまった人数を採用しなければならず、他の企業と学生を取り合うような状況では、インターンにはデメリットもある。メリットも、もちろん大きいけど。少なくとも、いまのLINEのような人気企業だったら、やっぱりインターン経由で採用するメリットのほうがはるかに大きいんじゃないかな、と思う。
(勝手な僕の意見で、田端さんがどう思っているのか、もちろん知りません)

以上を踏まえても、僕の結論は、やはりインターンを学生にさせるメリットが圧倒的に大きい、ということだ。少なくとも会社にとっては。最後に、大切なことを書くと、インターンを成功させる一番のポイントは、社員がいい課題を用意できるかどうかだ。それは、社員の仕事にプラスであり、かつ応募者のスキルを見るためのテストにもなり、それでいて知的にチャレンジングでやりがいのあるものではなくてはならないのだ。ということで、ちゃんと学生が短期間でこなせて、会社の利益にもなるいい課題を設定するために、もっと頭を使った方がいい。インターンはやはり最強の採用戦略だ。

今回は、恋愛から就職活動を考えてみた。言うまでもなく、人気企業と応募者の関係が、美女と彼女を狙っている男たちの関係のメタファーである。次は、また逆に、企業側の採用戦略から、女子のための恋愛工学を考えてみたい。僕は、女子もインターンシップで採用するべきだと思う。さて、この続きは、今週のメルマガに書くことにしよう。

続きはメルマガで→noteブロゴス夜間飛行ブロマガまぐまぐ

↑このページのトップヘ