2007年02月

2007年02月27日

たそがれ見聞録"イエメン編"其の弐

792dea95.jpgレストランと食事

レストランは客の話し声が騒音に聞こえる程うるさい。廻りをよく見ると男だけなのに。
イスラム教の古い掟を厳守するイエメンでは男女の区別が歴然としている。
レストランも男席、女席と区分けされている。1階が男席ならば2階が女席。同じフロアーならば広く開放的な席が男席、カーテンで内と外を仕切り覗けないのが女席。
料理を作る職人、運ぶウエイターは全て男だ。
席に着くとウエイターが新聞紙か幅広いビニールを持ってテーブルに敷き、注文を聞く。西を紅海、南をアラビア海に面しているので魚料理もある。肉は羊肉、鳥肉とありサラダ用野菜も豊富だ。
しかしメニューは限られている。
主食は小麦を主体にしたポブスと呼ばれる直径15cmから40cm位までのパンだ。
ご飯もサフランライスのようなパサパサした炒飯もある。
無骨な男がスープ、肉料理屋、魚料理、サラダを皿に載せて運んでくるが、パンや魚は新聞紙の上に直にぶっきらぼうに置いて行く。箸もスプーンもフォークも無い。
指で食べるのだ。指食は初め戸惑うが直ぐに慣れる。下手な箸使いで食べるより野性的で豪快だ。元々指食が得意で時々母親に叱られる事がある同行者は、我が意を得たりと初めから食欲旺盛に食べていた。味付けは香辛料豊富でどれも旨い。魚料理は金属を溶かすバーナーのような強烈火力で真っ黒に焼き半身を開いて運んでくる。最初に魚の頭と骨を除き皮を残して指で食べるのだが、黒焦げになった魚は判別不明になる。
これでビールでも有れば最高なのだがこの国は薄情にも厳禁酒国なのだ。
一度高級ホテルで食事した時、外人用にアルコールは何でもあったがメキシコの安物コロナビール小瓶1本10ドル(1200円)と言われ、それまでして飲むことはないと断念した。
街のレストランで豪華に食事しても2人でせいぜい1200円くらいと格安だ。
イエメンの代表的な昼食はサルタ鍋だ。スークのサルタ鍋屋はいつもにぎわっていた。
トマト、ジャガイモなどの野菜に羊のスープを加えたものを石鍋に入れバーナーで強く加熱する料理だ。真っ黒で火傷しそうな石鍋を空き缶の上に載せ、新聞紙で鍋の上部を持ち、狭い石段を運んでくる姿には恐怖すら感じた。石鍋料理・サルタにパン・ホブスをちぎり掬って食べる。料理は旨かったがウエイターが零れ落ちた汁を汚い雑巾で拭いて更に椅子まで拭いてくれるサービスには思わず目を背けた。

From "Retirement"小松正雄

kazukuti at 12:30|Permalink ご隠居コーナー 

2007年02月26日

たそがれ見聞録"イエメン編"其の壱

4a710a7f.jpg「あなたゆえ、くるおしく………私はあなたの、愛の奴隷…」グラシェラ・スサーナが歌った『サバの女王』はエレサレムのソロモン王とシバ王国のキルビス女王の恋愛歌だが、そのシバ王国が現在のイエメンだ。今回は「愛の奴隷」でなく「謎の珊瑚」を探しにイエメンに出掛けた。珊瑚の品質判定は社長の専門分野で荷物持ちとしての役で同行した。
古い赤珊瑚、黒珊瑚は何処から来たのか以前から2人とも気になっていた。太古の時代に大陸のプレート移動で珊瑚礁が持ち上がりチベットの山中で採取されると聞いていたが、最近よく見掛ける良質の古い珊瑚はなぜかほとんどイエメン産だ。アラビア半島の南端に位置するイエメンはプレートの移動とは関係なく移動説に疑問を感じていた。
現地に出掛けると何か分かるかと思った。
今はアラブ最貧国のイエメンだが3000年前から千年間も繁栄した歴史を持つ国、布などの工芸品も何か有るだろうと期待しながら16日間の日程で旅立った。
直行便は無くUAE・ドバイ経由で首都サナアに着くがドバイの隣接都市アブダビには石油採掘技術者として赴任している友人H君がいて、半日街を案内してくれた。石油成金のドバイ、アブダビは確かにリッチだった。鉛筆でも建てるが如くボンボン超高層建築を建設中。ビルは新しく斬新なデザイン、街を走る車は新車の発表会の様、道路も片側5車線完璧舗装、街灯は夜でもサッカーが出来るほど明るく7つ星ホテルまである。銀座で売っているものは何でもありだが、物価も銀座並みの超近代都市だ。
空路2時間半余でお隣りイエメンの首都サナアに到着する。
そこでは大昔の時代にタイムスリップする。
白いワンピース姿でベルトにジャンビーア(半月形刀)を差し頭にはターバン、そしてなぜか背広の上着を着ている男どもの姿。更にカラシニコフのライフル銃を下げている者までいるではないか。精悍な顔付きはいつでも戦に出掛けるぞと言わんが如くまるでアフガンゲリラのようだ。さすがビン・ラディン一族の出身地と納得する。街ではアラブの英雄・フセイン元イラク大統領のポスターが売られていて、人気を得ているようだ。
時々見掛ける女性の姿は上から下まで真っ黒。目元だけの空間を空け、他人を寄せ付けない素振りで歩いている。
建物の多くは古く狭いスペースに1階を石積みし、その上に日干しレンガを積み上げて、高くて5,6階の建物だ。車は最終処理場の如くこれでもまだ動くと黒煙を上げて走り、ウインカーが利かないのか面倒なのか勝手に左右に曲がる。
今回はイエメンの4大都市、首都サナア、元首都タイズ、南イエメン時代の首都アデン、紅海の港町ホデイダを中心に車で廻り「謎の珊瑚」と工芸品の発掘を目指した。

From "Retirement"小松正雄

kazukuti at 16:10|Permalink ご隠居コーナー 

『ジョリー・ジョンソン展』

51b27acb.jpg23日から2Fギャラリーで『ジョリー・ジョンソン・フェルト展』がスタートいたしました。ジョリーさんの作品展は当店では3年ぶり。この会を待ち望んでいらしたファンのお客様も数多くいらっしゃいました。今回出品している作品には春の向けての明るい色彩と軽やかな素材の服や小物が多く、これまでの作品のイメージと被るものはほとんどありません。私を含め店のスタッフや前回もいらしたお客様にとってはかなり新鮮で、ジョリーさんの創造力に改めて感服しております。小物一つにもアート作品としての存在感があるジョリーさんのフェルト作品。是非足を運んでご覧下さい。
さて、ご隠居の『たそがれ見聞録・イエメン編』いよいよUPいたします(現在店では印刷した小冊子も配布しております)。全五回、これからから毎日掲載する予定です。

kazukuti at 16:00|Permalink イベント 

2007年02月21日

イエメンから帰国しました

17649fb1.jpg2月3日から渡航しておりました中東・イエメンから無事帰国いたしました。今回は初イエメンとあってご隠居こと父との二人旅。首都サナアから西海岸のホデイダ、南の港町・アデン、第二の都市タイズなどを約2週間の日程で周ってまいりました。旅の目的であったアクセサリーや工芸品の買い付けもアラブ式の商売取引に四苦八苦しながらなんとか無事達成。詳しい旅の模様はご隠居が現在執筆中の『たそがれ見聞録・イエメン編』を近日UPいたします。
今週金曜日からはフェルト作家ジョリー・ジョンソンさんの個展が開催されます。羊毛を使い造形と色彩の可能性を追求するジョリーさんの芸術性に溢れたフェルト作品が揃います。ぜひご期待ください。


kazukuti at 00:16|Permalink 店主の日常 |