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ここのところ、国土交通省が「第三者管理方式」というものを検討している。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000013.html
上記HPで「マンションの新たな管理ルールに関する検討会について」という会議の内容が読める。

実は私は「頭が悪い」。特に、官公庁とかが出す「文章」の読解力が非常に低い。

さて、そんなわけで、国が検討している「第三者に管理者を任せる方式」に関して、「管理会社が行なう」というものを、「今、現在、管理を任されている管理会社」のことだとは思わなかった。
だって、「第三者じゃないだろ」って思うからだ。

だから、この制度の趣旨は「主に、マンション管理士の救済対策だろう」と考えた。
「マンション管理士」という制度は、国交省が作ったものだし、国家資格として、鳴り物入りで登場したわりには、「資格は取っても、食えない資格のワースト10」に入る、「商売にならない資格」として有名である。

まあ、「ペーパー試験だけで受かる(問題は難しいけどね)」「マンションに住んだことのないマンション管理士もいる」「試験内容に、マンション管理の肝である管理人業務が全然ない」「実際にはほとんど関係のない、民法とか、くだらん問題ばかり」という、大滝秀治に言わせれば、「つまらん!」資格なので、こんなんで食えるわけはないと思っている。

そんなわけで、実際に、「マンション管理士専業で食べられる人はほんのわずか」という悲しい資格なのである。
そこで、そういう資格を作ってしまった国が、有資格者の救済のために、「理事長という仕事を有料でマンション管理士にやらせよう」と考えて、あみだしたのが「第三者管理制度」ではないか? と思った和気清麻呂。

でも、どうやら、視野の中には「マンション管理士」だけではないようで、「管理会社」も加わっている。私はこれを、「今、現在、管理を任されている管理会社」とは思わなかった。現在管理している管理会社とは別の管理会社のことだと理解した。つまり、大京さんが管理しているライオンズマンションの理事長を、東急コミュニティさんがやる、みたいなものだ。
これにしても、実際は「管理会社の中にいる、マンション管理士資格を持っている社員の有効利用」みたいなものだと思っていた。実は、マンション管理士という資格は、本当は「管理会社と相反するもの」なんだけど、現実には、管理会社社員が取得しているケースが非常に多いのである。だから、その資格を眠らせないで使うのには、いい制度だと思う。
さて、実際に理事長職を受託したとしても、おそらく最高でも報酬は「月額20万円」がいいところだと思う。普通だと10万円もらえればいいほうだと思う。困っているマンション管理士なんかだと「5万円」で引き受ける人もいるだろう。となると、会社組織としての管理会社としては、「メインの仕事」というよりは「副次的な仕事」ではないかと思う。

というわけで、「第三者管理」の概念には「管理会社」が参加しているが、「自分で管理している物件に管理者として入る」というのは考えなかった。
だって、そんなのありえないでしょ? 刑務所の所長を、犯罪者がやるのと同じだもん。
公務員は「自分で自分の給料や待遇を決める」ってことをやってるけど、その結果、公務員が国民の税金を食い物にして、自分たちだけ超高待遇の社会を築き、事実上日本は破綻してしまった。

だから、現管理会社が、そのマンションの管理者になるなんて、最初から考えるのがおかしい。

そもそも、管理会社というのは、基本的スタンスとして、「妻夫木聡」、いや、「悪人」なのである。
「田宮二郎」いや、「悪党」と言ってもいい。業界を一番知っている人間が言うんだから間違いない。(by 長井秀和)



http://www.mansion-kanrikumiai.or.jp/amenity/764.html
この団体も記事を書いていて、私の意見に近い。
<<先の「マン管センター」の報告では管理会社やマンション管理士等と想定されているが、これは適切であろうか?何よりも管理会社は「第三者」とは言えない。また、管理会社は管理業務の専門家ではあっても、専門的「管理者」とは言えないであろう。>>

<<マンション管理士。これもその資格制度の設立の経緯、「適正化法」での位置づけ(管理組合等への助言、アドバイザー)、試験方法(ペイパー試験だけで実務経験を問わない)からして、到底、「専門的管理者」の資格を有しているとはいえないであろう。>>

そう、「現管理会社」はいわば「身内」であり、第三者ではない。そして、「マンション管理士」は、第三者管理に一番近い存在だとは思うが、「実際のマンションの現場で、管理者ができるか?」と聞かれれば、「否」と答えるしかない。実際、できる人はいるかもしれないが、それは、「マンション管理士」の資格があるから、というのではなく、現場のマンションで長年いろいろなことを経験してきた人がたまたまマンション管理士だった、ということで、「マンション管理士」に、その能力がある、ということではない。

特に、理事長の仕事というのは下世話なものも多い。
「上の階の住民がうるさい、理事長が注意しろ」
「廊下に、宅配食材の配達用の発泡スチロールが置かれている、どかせ」
とか。
そういうことを一番よく理解しているのは、実は、管理人である。
であるから、例えば、http://blogs.dion.ne.jp/honnomusi/ このブログを書いている、管理人のひねもす野ダリさんとか、「管理人でありながら、その前に、ひとかどの仕事をしていて、人生経験も社会人経験も豊富な、常識のある人」が最適だと思う。
つまり、管理人の中で優秀な人を選抜して、「管理者」になってもらえばいいのである。

わかったかい? 国交省の役人さん。参考にしてちょ。

あとは、他のマンション居住者で、そこで理事長を経験したことのある定年退職者なんかもいいと思う。理事長というのは、いろいろとしがらみもあったり、嫌がらせを受けたりすることもあるから、「同じ屋根の下に住んでいる人から家族が嫌がらせを受ける」なんてこともあり、家族にまで迷惑がかかる。(真面目で正義な理事長ほど、嫌われやすい)外部に住んでいる人がなることはメリットがある。

最後に、私が何回も言っている、「マンション管理の肝」をまたお伝えしたい。これをやれば、そもそも第三者管理方式なんか不要になると思っている。(ルゾート物件などではどうしても必要なところもあるかもしれんが)


「広報が最も大事。徹底的に情報公開する」
「記録は完全に残す」
「意見を、広く、かつ、積極的に受け取る」

まあ、とにかく、上述の国交省の会議に、「管理人」が参加してないようじゃ、たいしたものはできん。


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