本家HPの「エレベーター更新」記事のスピンアウト的なコラムでも書いてみましょうか。

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通常、マンションでの「エレベーター更新工事」というのは、「管理会社」が元受けになって、そこから、エレベーター会社に発注するものです。
1機1000万円の工事であれば、そこに「10%の手数料」を加算して、1100万円で、管理組合に提示します。
管理会社としたら、「いい商売」のはずですが、当社の場合、「エレベーターにはかかわるな」という伝統があるらしく、そのため、「管理組合からエレベーター会社への直接発注」という形で、「管理会社の手数料はゼロ」という、組合にとってはとてもいい条件で契約できたわけです。

なぜ「関わらない」のか?
これは読者の皆さんならすぐにおわかりかと思います。「工事以外のことにものすごい労力を費やすから」です。
今回、私が行った労力を、もし、「誰か専門家に依頼したとしたら」で計算すると「100万円じゃできないだろう」ってくらいの労力です。

ですから、本来は、「何から何まで、エレベーター会社に任せる」というつもりで、「組合からエレベーター会社への直接発注」にしたわけです。

しか〜し。
エレベーター会社は「使えないときは階段を使ってください」のひとことしか言いません。超無責任体質。

エレベーター工事の説明会を開催しましたが、これだって、本来は「エレベーター会社単独でやるもの」であり、管理会社がやるべきものではないです。一銭ももらってないんだから。というか、管理組合主体でやって欲しいよなあ。

しかし、「説明会に参加する住民」の一大関心事は、「どんな工事をするのか?」とか「どんなエレベーターになるのか」なんてことではなく、「エレベーターが使えないときにどうしたらいいのか?」ってことであり、それがわかってるから、うちのフロントも、いやいや、説明会に参加して、私が考えたことを代わりに発表したのです。

さて、こういう工事は「掲示物」や「全戸配布物」が非常に重要ですが、これがひどいもんでして。
天下に名だたる、原発も作る、超一流企業のやることじゃないんです。

あれほど、事前に、「高齢者が多いんだから、文字は大きく」「誰も読まないんだから、目立つようにしないとだめ」「専門用語なんか誰もわかんないんだから平易な言葉で」・・・と忠告したのに、掲示物にしても、説明会での配布物にしても、「こんな小さな文字じゃ見えないよ」「文章がギチギチで読みにくい」「専門用語ばっかりじゃないの!」と、ひどいものでして。

結局、そのあとは全部私が「平易で」「読みやすい」「目立つ」書類を作りなおしたわけです。そうしないと誰も読みませんから。

これに関する労力も、コピー代も紙代も、エレベーター会社は一切負担していません。管理会社の持ち出しです。(えらいなあ、うちの会社)

エレベーター会社って、読む相手が「一流企業のサラリーマンかお役人」として考えてないのでしょうか? うちのような「スラムマンションの住民」が相手だってことを全然理解していないのです。

かといって、本丸である工事に関しても、説明会に出席した営業マンは、専門的な話もできず。(実際に工事をするのは、下請け業者だから、ホントの現場の工事のことを知らんのです)

もちろん、「そんなことは管理人がすべきことではない」「越権行為だ」「そんなことをする管理人がいると、他の管理人も、”何でもやってくれる”と誤解されて仕事を押し付けられる。迷惑だ!」って怒るのはわかります。

私だって、「そんなのは俺の仕事じゃない!」ってわかってやってるんですから。好きでやってるわけないでしょ?

でも、ちゃんとしないと、あとで迷惑をこうむるのは、最前線の現場で働く管理人なんです。
特に、高齢者ばかりで体の不自由な人が多い、当マンションで、「エレベーターが3週間も使えない」なんてのは、パニック必至の重大事業です。何も準備をしないで工事を始めたら、苦情の嵐になるでしょうし、「管理人さん、荷物運んでよ」「おんぶして、5階まで連れてって」っていうのをひたすらやることになるのはわかりきってるわけです。

結局は、自分への被害を最小限にするために、業務範囲外のこともしないといけないわけです。
それがスラムマンションの管理人のつらいところです。



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