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「コンクリート・ユートピア」という韓国映画を見ました。

全国的な大災害が起きて、あるひとつのマンション以外がすべて倒壊し、そのマンションだけはなぜかほとんど無傷で、マンション住民が、自分たちの生活を守るために奮闘する映画です。
日本でいうと「漂流教室」にシチュエーションが似ています。
ちょっと設定に無理があったりして、映画としてはイマイチですが、マンション管理視点で見るとなかなか興味深いものでした。


「分譲マンションだが、管理組合はない」
婦人会というのは出てきましたが、管理組合や自治会は出てきません。そのため、独自に「住民代表」(イ・ビョンホン)を選び、防犯委員会とか食料委員会とか、オリジナルの組織を自分たちで作り上げています。

「水とか食料とか絶対に足らないはずなのに、けっこうな長期間みんな生き延びている」
これ、なんか現実味がないです。


さて、このマンションは他がすべて見事に倒壊しているのに、ここだけは、まったく被害がありません。
窓もドアも壊れないし、壁に亀裂もないです。電気ガス水道などライフラインは止まってますが、建物としては見事に残っており、極寒のソウルで、ちゃんと室内で暮らすことができます。
そのため、他の被災者が「入れてくれ!」と集まってきますが、そういう人を受け入れると、自分たちが生活できなくなることから、それを徹底的に排除します。

ここでショックだったのは、このマンションの管理人というか警備員みたいな職員がいるのですが、あれだけ大きなマンションであれば、この種のスタッフの部屋もあるはずですが、「住民ではない」ということで、彼は追い出されます。これはひどかった。「18年間勤務した」と言ってましたから、このマンションの設備とか詳しい人間のはずで、それでも追い出してしまうというのが衝撃でした。

さて、映画の主題は、この「代表者」なんですが、まず最初に、この人が選ばれるときが、なんか日本のマンションの「第一回理事会」見たいな感じで、「自分は理事長をやりたくないから、あいつにやらせよう」という流れが同じで、自分から立候補したわけでもないのに、無理やり、代表者に就任させられます。
マンション内では会議がいろいろありますが、このときも、「声の大きな、押しの強い、中年女性」が前に出てきます。こういうの、日本のマンションでもよくあります。
また、「冷静に話し合わないといけない」と主張した男性がまっさきに激昂したり・・・・

日本の「理事会」の様子を彷彿とさせる場面がいっぱいありました。

そして、話が進むと、この「代表」が狂気的な独裁体制に入ってきます。
こういう理事長、いますよねえ。

とにかく、韓国の国民性の違いもありますが、どこの国でも人間が複数集まるとこういうふうになるんだろうなあと感じました。


※一番最初の段階で「マンションの自治組織を作る」という時に、「兵役経験のある男性」ということで人を集めるのが、「ああ、韓国だなあ」と思いました。



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