10月5日4Sの発表時点ではニューヨークのマーケット同様、
若干の失望感もあり今回の購入は見送りのムードだった。
僕はそれほど最新のツールに頓着があるわけではないし、専門的な知識もない。
だからこそむしろ一歩遅れたフォロアーであることで余計なコストは省こうと考えている人間だ。
そしてその後にスティーブ・ジョブズの悲しいニュース。
確かに悲しいニュースだしネット上でも彼の遺作はぜったいに欲しい!
みたいな風潮が出来上がっていた。それでも4S購入の動機にはならなかった。

そんな矢先、ソフトバンクはauへの流出を阻止するべく
3GSユーザーに対し下記2点のキャンペーンを発表したのだ。競争って素晴らしい!
3GS本体代金の分割残債を免除し4Sに機種変更できる(残債などほとんど無い)
ipad2の新しい料金プランを選べる(iphone4の購入には直接的な関係が無い)

しかし、このキャンペーン内容をよくよく考えてみると
僕個人へ与える直接的なインセンティブっていうのは
3GS残債2ヶ月分を免除してやるよというごくごく軽微なもの。

それなのになぜ僕の心はこのキャンペーン発表後に、いとも簡単に動いてしまったのか?
さらにipad2すら買ってしまおうかなという気にさえなっているのはなぜなんだ?

理由その1
本体価格の分割残債を免除という金銭的インセンティブ

理由その2
偶然、必然を問わず、ニュースやust会見、twitter上で盛り上がる話題を目にし、
そこへ飛び込んで一喜一憂し、祭りの参加者、当事者になることを楽しんでいるのだ。

理由その3
iphone機能面の向上。
正直僕はスペックの大きな違いなど使ってみないとジャッジできないけど・・。
多くのユーザーは同様に数値での優劣など分からずに使っているはず。

個人的に大きな影響力を持ったのは「理由その2」だと感じている。
言い換えれば、ノーリスク(目先の話なw)で性能の向上したナウいiphoneを
使える楽しい祭りが始まるぞ!みんなで参加しようぜ!だ。

結果、もっともっとお金を払う仕組みに乗っかろうという気持ちになって
まだかまだかと発売日を待ちわびているのだ。

このように今回の購買行動は
機能ベネフィット以上に情緒ベネフィットの占める範囲が大きいと感じている。
情緒ベネフィットの増大によって購買欲の針が一気にレッドゾーンを振り切った瞬間は多くの人の経験としてあるだろう。
憧れの主人公を映し出すシネマコンプレックスの大スクリーン。あぁ何て素敵なんだ。自分も髪を切ろう。
一度髪を切ろうと思い立つとその日のうちにどうしても切りたい。
試乗車に乗るとオーバーローンを組んでまで新しいシートにガールフレンドを座らせたくなってしまう。
僕が育てたと言っても過言ではないアイドルの握手券が付帯されたCDを何枚も買ってしまう。
購買欲のスロットルというのはとても些細な力や時として非常に間接的な要因で動いたりする。
僕らの財布をポケットから引きずり出すには機能の向上が無くても
情緒を揺さぶるだけで充分な場合が多々あるのだ。
震災後の婚活ブームを色眼鏡で見る気はないが・・好例であろう。

僕らにリーチするメディアが目まぐるしく入れ替わる昨今、
既存の手法と融合しながら無限に新しいマーケティング手法が生まれてくるのは楽しいことだ。
我々の意識しないところで既にセールスは始まっている。