Green topless
(写真Bradly Bates 映画グリーン)

現在様々な雑誌にて多くの身体訓錬法や健康法が紹介されている。
そしてそれらの内容の出発点は、東洋的方法論か西洋的方法論かと言った2分化からまずは行われるのが常である。
その2分化の概要と言うと

西洋スタイル・・手足の四肢および背腹の筋肉トレーニング、カーディオトレーニング。
東洋スタイル・・独自の運動法を持っての深層筋の鍛錬、呼吸法。

と言った感じにである。
そして前者の典型がウエイトトレーニングであり、後者の典型が武術、気功というものとなるだろう。

さて、ここでそのどちらが有効なのか・・と言う愚問は置いておき、今回はそれらによる”訓練の結果”と言うものを前提にして、これまで伝えられて来た古い武術家の身体について簡単に私見を述べたいと思う。

私はこれまでに多くの空手家・中国武術家を訪ね会して来たが、そうした方々の普通に共通した事項に”パンと張った大きな腹”と言うイメージがある。専門家筋ではそれをもって”内功で出来た腹=完成された内面力”と言った見方がされることが多い。

しかし、今世紀に生まれ空手道や武術をもって生きる私の意見は多少異なったものをもつ。
空手道や中国武術といった運動法が深層筋を鍛え充実させることは事実であり、体幹部を用いて行う呼吸法や運動法が内臓全般の強化に優れた影響力を持つことは、私自身が十分に経験済みだ。(私自身は有に30年以上腹を壊した事もない。)

しかし、それらも完璧ではないし加齢と共に変化してくるのは生命を持つものの性なのである。
深層筋を鍛え充実すると体幹部の土台力が増し、優れた突進力と瞬間的な爆発力を生み出す事が出来る。
したがって昔の武術の様な一発勝負的状況においては十分な技術として成立するのである。スタミナも必要ない。

ところがこれのみの活用を行うと腹は空気が充満したように張り、力は充実する一方で加齢ととともに体幹部の柔軟性が失われ動きが大まかになる。
そのため動作はことごとく収縮され身体運動が小さくなり無駄な動作が無くなる一方で、鍛錬・体育面の運動量の不足が生じてしまう。(これを技の極意と取るか、衰えと取るかは向上心の差異となる)
すると腹回り・胴回りの張りが益々増してゆくのだ。

単なる一定の強さのみに拘るならばそれでも悪くは無い。ところが空手道の全てを現役として修行したいのならばこれではダメだ。瞬間芸や理論をもって満足してはダメ。

また消耗する訓練と向上する訓練の結果の違いは40歳を超えてから影響をみせるもの。
それを明確にしてこそ生涯修行の意味がある。
現代人であるならば”デブ、ハゲ、成人病”も出来るだけ避けたいものだ。(ハゲ予防は無理か)

これらの研究結果は私が40台中盤に身体で経験したことであり、実際に身体で経験して学んだ者にしか理解できるものではない。
これからもより多くの人々に空手道の優秀性・魅力を広めるために、そして私自身のためにも修行は続く。

いまは古典空手・首里手小林流の型と古武道の稽古を主格にして、西洋・東洋の運動法をブレンドした独自の”国際スタイル=研心会館スタイル”だ。

昔の達人に劣るなんて感じていたら20年前に空手をやめてるよ。

P,S 今月号の月刊秘伝にてインタビューが掲載されています。ぜひご覧下さい。
   それから29日から10月13日にかけて帰国しますので宜しく。