吉本新奇劇 よしもと しんきげき

徒然なるまま、写真とともに日々の発見を記録する公開日誌です。

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ここ数日暖かい晴天の日が続き、例年になく桜の開花が早まっていると連日天気予報などで言っているので、おそらく今日は満開になるであろうと予想して、親父を花見に連れ出すことにしました。介護施設に入ってもらっている親父は、ずーっと退屈な施設の中で変化のない生活を長く送っているので、美しい桜を見に行くことは、最大の気晴らしというか、生きていることの喜びを見いだす機会というか、そういうものになるはずだと思ったのです。日本人にとって、その独特の心情的連帯の象徴と言ってもいいであろう桜の満開に咲き誇る姿は、きっと衰え行く親父にもなんだかの活力を与えてくれるはずだと信じて。
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朝9時頃、山口市小郡下郷の自宅近くにある、俳人、種田山頭火の住居跡である其中庵(ごちゅうあん)の周辺の桜を一人で見に行きました。歩いて5分くらいの所にある其中庵の庭に植えられた桜は、日当りがいまひとつ良く無いのか、数えるほどの花しか開花しておりませんでしたが、周りのつぼみたちは皆、今にもはち切れんばかりに膨らんでいる、という状況でした。同じく植えられている椿がたくさん咲いていて、その真っ赤な色合いと、うす桃色の桜の対照が見事でした。其中庵からすこし上に登った斜面に植えられた桜は8〜9割開花していて、非常に美しく見ることが出来ました。天気もよく、気温も適度な暖かさと涼しさがあり最高の花見日和でした。この後さらに気温は上昇する気配なので、午後には桜は満開になるであろうと予想できました。
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昼から、母と父、そして姉も加わって山口市の桜の名所である、一ノ坂川にまず行ってみました。
ここは自然の川縁を復元した緑豊かな小川の両側に桜並木が奇麗に並んでいて、本当に魅力的なお花見スポットなのです。天気もよく気温もぐんぐん上がって来ていたので、着いた時には、桜達が今まさに満開になりましたよーと大声で叫んでいるような、そんな見事な咲きっぷりでございました。土日ならすごい人出になって車で見て回るのはなかなか大変なのだけれど、平日ということで、車に乗ったままだらだらと歩くようなスピードで桜を車窓から見ることが出来たのです。ほとんど歩けない父や、歩けても歩きたがらない母には非常にいい条件でした。車で川の両岸を一往復してみました。
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それから今度は、山口市が誇る名勝、瑠璃光寺の桜を見に行きました。桜は見事に咲いておりましたが、残念なことに五重塔の前にある池の改修工事をしており、池の水が抜かれていて周辺は立ち入り禁止ということで、観光客たちが必ず写真を撮るあの池に写った逆さ五重塔を背景にした写真を撮ることは出来なかったのであります。しかしそれでもやっぱりこの五重塔は美しく、その黒っぽい姿と桜の輝く桃色が見事な対照をなしているのです。
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それからさらに、最も広々として、たくさんの桜が楽しめる、明治維新公園へ移動。
ここは昨年も親父と母を連れて花見にやって来たスポットでした。昨年は地面に座って弁当を食べたりしていたら、テレビ局の取材クルーがやって来て「桜どうですか」なんてインタビューされたね、などと母が何度も繰り返すのでした(最近、結構同じことを何度も言うようになってきています)。
昨年は親父も少し歩いたりしていたと記憶するのだけれど、今年はほぼ自力では歩けなくなってしまっています。いろいろしゃべりはするのだけれどなかなか会話がうまくつながらない。手元も怪しくて、自力で食べられると言えば食べられるのだけれど、こぼす量も多くなってしまい、食べさせないとなかなかに難しいようなことです。
この燦々とした太陽の下で、満開の桜の輝くピンク色にその目を刺激されて、親父の意識になにかビビッドなものが写り込み、その思考に活力を与えてくれたのではないかと信じたいと思うのです。
美しい桜に酔いしれた一日でした。

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今年も卒業式が行われました。四年前に初めて会った学生たちが、学士号をもらって、卒業してゆきました。教師というのはやりがいのある職業だと思いますが、一方で、この子たちを育てたのは私だなどという自信過剰に陥らないようにしないといけないと自戒を込めて自分に言い聞かせてもいるのです。彼らはみんな本当に成長したがっていたのだし、その能力も無限のものがあったのです。それを手助けしたのだというのさえおこがましいのであって、本来成長できたはずの所まで持っていってあげられたのかどうか、怪しいことこの上ないのであるといつも思います。
学生諸君に改めてお礼を言われたりすると、いやあ私でなければもっと成長していたのに申し訳なかったねと内心思いつつ、にこにこしてたりするのです。
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教え子たちより少しだけ長く生きているが故に、いろいろと先に知ってしまったことを、もったいぶって、こんなことも知らないのかねといいたげに格好付けてしゃべっていると、時々申し訳ない気分になったりします。教師ってほんとうに因果な商売です。
知識量なんていうものの価値は限りなく低くなりつつある昨今、学生に示せるものと言えば、実際問題として、探究心と好奇心を持ったものにとことん挑戦する姿勢、もうちょっとかっこ良く言えば学問に対する情熱くらいしかないわけです。
ときどき、つぼにはまって教師の自分よりもその情熱を発揮する学生がいると、こいつには負けているのではないか、この学生にとことん問いつめられたら答えられないのではないか、と感じることがあります。そういうことがないように、少なくとも自分の研究テーマに関しての情熱においてだけは学生に負けてはいけないと自分に思い聞かせているというのが正直な所なのです。
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今年のゼミ生には、自分の研究室にも置いているハリネズミの置物を記念品として贈りました。『不思議の国のアリス』のクローケーグラウンドのシーンに出てくるハリネズミのつもりです。これを見て、学生時代のこと、ゼミの友人たちのことを思い出してくれたらと思うのです。学生たちはコーヒーメーカーを寄贈してくれました。ゼミでよくコーヒーを出していたときに、一杯一杯ペーパーフィルターで入れていたのを見ていた彼らしたら、後輩のゼミ生にはもっとスピィーディーに入れてくださいね、という意味もあったのでしょう。
今年の卒業生には特別な想いがあります。というのは自分の娘と同じ学年の学生たちであり、実は同じ3月22日に娘も卒業式を迎えたのであります。同じ日なので娘の卒業式を見に行くことは出来なかったわけですが、自分の教え子たちの幸せな顔に自分の娘の顔を重ねながら見ていたというわけです。
とにかく、皆に言いたいのは「未来は今日の中にある」ということであり「自分の能力を最大限に出し切って、悔いのない人生を生きて欲しい」ということです。
そして「卒業してからが、本当の付き合い」なので、皆いつでもお茶を飲みに立ち寄って欲しいと思います。
また会おうぜ、みんな。達者でな。

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今回の英国滞在中、最後の日(8日木曜日)にコロセウム劇場で『真夏の夜の夢』のオペラでの上演を観劇してきました。『真夏の夜の夢』は、過去に日本語の公演を大阪まで見に行ったことがあるし、インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドンの公演でも一度見たことがあると思います。そして学生と全編を英語劇で上演したことも過去に二度あります。前任校で一度、今の大学でも一度やりました。どちらも非常にいい出来でした。
ということで、結構勝手知ったる出し物なのですが、今回はオペラということで、また違った演出で見られるのではないかと期待して、出発前にネットでチケットを購入して見に行ったのであります。帰国前の最後の夜をなんとか楽しみたいと思いまして。
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ちょっと時間配分を誤り,劇場の位置を完全に把握せずに目指したので、レスター・スクエア駅を出てから少し迷ってしまい、会場に着いたときは開演5分前で焦りました。結構奮発して前から3列目の席を取ったので非常に良く見えたし、オーケストラの音楽も非常に良くて、楽しめる状況であったのに、始まってすぐに、ちょっとうーんって感じになりました。いきなりオベロンとティターニアのシーンから始まったのだけれど、どうもオベロンに全く迫力がない。オペラだから、結構声がすごいに違いないと期待して来たのであるけれども、オベロンの声はそれほどすごくないって感じでした。まあオベロンはそれほど豪傑という設定ではないのでしょうが、それにしてもちょっと声が頼りないし見てくれもちょっと印象が薄い。ティターニアは結構いい感じでした。まあそういう演出なのでしょうが、どうもこのオベロンが気に入らなかった。
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一番喝采を浴びていたのは妖精パック役の俳優なのだけれど、髭もじゃの小柄で小太りの人で、コミカルな動き、突然意表をつく場所から登場するなどして、観客を沸かせておりました。これもまあ個人的趣味なんだけれども、自分としてはパックはもっと若々しい、ちょっとアンドロギュノス的な感じがいいなあと思うのですが、まあ今回の演出はこういうことなのでしょう。
ヘレナとハーミアの女優さんたちは演技はとてもうまいと思ったしいいけど、もうちょっと体を絞って欲しいなと。でもオペラ歌手だからどうしてもあのような体型になるのだろうと思ったりして。
舞台装置とか演出はなかなか面白かったです。とくに妖精たちが、20人くらいの少年がずらっと出て来てラインダンスじゃないけどシンクロした動きをしたりするのはなかなか面白かった。
ライサンダー、ヘレナ、ディミトリアス、ハーミア、のどろどろのひっちゃかめっちゃかのところは、もっと生めかしくてもいいのに、それを期待してきたのに、というのはちょっとあったのだけれど、なかなか楽しませてくれました。
しかしまあ、オペラなので、台詞がみんな歌になっているわけで、しかしミュージカルとは違うのでなかなか調子が狂っちゃう感じが、自分にはしてしまっいました。やっぱり普通のしゃべりの方がいいのかなあ、なんて考えてしまいました。オペラの場合、曲を知っている方が楽しみ易いと思うのですが、今回曲がなじみのないものばかりで、なかなか乗り切れなかったというのが正直な所です。
オペラでどれだけこの芝居をやれるのかが今回の見せ所だったのでしょうが、それなら、もっと声量で圧倒してほしいという気がしました。自分はオペラをそれほど知らないので、そんな文句を言えた義理じゃないんだけれど。まあ慣れてないから良さが分からなかったのかもしれません。
ベッドが空中に浮遊している演出はなかなかすごいなっちゅうのはありましたね。
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終わってみて、あれっ、一部シーンが思い出せない、と思ったら、多分寝てしまっていたのだと気づいて、しまった思ったけど後の祭り。
なんで寝ちゃったんだと腹が立ったけれど、寝てしまうような調子だったとも言える。いろいろ工夫はあったんだけど結構おとなしい演出だったと言えるのではないかと思うのです。まあ批評するほどの眼力は持っていないんだけど。でも、これだったら自分が演出し学生とプロデュースした過去の舞台の方が面白かったんじゃないか、なんて思ったりしたのも確かだったのであります。

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今回、最初にVICTORIAN GIANTSというヴィクトリア朝期の写真に関する展覧会をナショナル・ポートレート・ギャラリーで最初に観た話は、少し前に書きました。このナショナル・ポートレート・ギャラリーとナショナル・ギャラリーは隣同士くっついているのはご存知の通りですが、今回このナショナル・ギャラリーでは、ヴァン・アイクというオランダの画家とラファエル前派の絵画の作風の関連性を指摘するための展覧会が開かれておりましたので、当然見に行ったのであります。
その予定をフェイス・ブックで書いたら、北米ルイス・キャロル協会の友人が、ナショナル・ギャラリーの入り口の階段の途中の床に、アリスのモザイク画があることを教えてくれました。その写真がこれです。いやあ、みんなよく知ってるねえ。
ラファエル前派が自然の細密描写と文学的な物語のテーマとを合体させた作風でヴィクトリア朝の絵画芸術の中心的な流れとなったことに写真が大きく関わっているということは、すでに様々な方面から指摘されていることですが、写真の描写力、事実をそのまま二次元化するという能力だけでなく、このナショナル・ギャラリーにすでに所蔵されていたヴァン・アイクの絵の表現形式も、大きく関わっていることを指摘するのが今回の展覧会のテーマでした。
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この展覧会の目玉は、この会場入り口のポスターにもなっている、ジョン・エベレット・ミレイの有名な絵、「マリアナ」です。この絵、テニソンがシェイクスピアの『尺には尺を』の挿話として出てくるマリアナを題材に書いた詩の一場面として描いたとされています。持参金を船の難破で失ったために婚約者の男に婚約を破棄され、捨てられてしまった女性の陰鬱な日々と断ち切れない想いを描いた作品とされています。婚約者への想いを抱きながらひたすら刺繍をしながら孤独な日々をおくる若い女性の孤独を、この特徴的なポーズと構図、刺繍や窓のステンドグラス、窓の外の木の葉の細密描写、象徴的なものを描き込む手法、そして色彩感覚で描いており、当時から、女性に支持された作品だと言われています。
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今なら、腰痛に悩む女性の姿としてピップエレキバンか、湿布薬の宣伝に使えそうな感じもありますが、とにかくよく知られた絵ですね。
この展覧会のタイトルはReflectionsとなっていて、ヴァン・アイクの絵画の影響のことも一つのreflectionなのだけれど、もう一つ重要なテーマとして、ラファエル前派の画家たちが彼らの絵に描きこんだ鏡の存在があります。マリアナと並んで好んで取り上げられたテーマとして、「シャーロットの姫」というのがありますが、これは呪いによって鏡に映った像でしか外を見られない状況にある幽閉された女性を描いているのだけれど、その憂鬱のイメージに鏡が重要な役割を果たしているのです。reflectionつまり「反射」「反映」「自分の像を見ること」「虚像としての鏡像」など、いろいろな意味があると思われます。
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最後の写真はナショナル・ギャラリー前のトラファルガースクエアでね。今回の滞在中、ロンドンらしく曇ったり、雨が降ったりが多かったですが、まあそれでこそロンドンという感じ。この日は薄曇りでした。私が到着する1週間前くらいには大雪が降ったらしく、ロンドンでも雪のために交通が麻痺するなど大変だったようです。それに当たらなかったのは良かったです。

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今回調査を行ったVictoria and Albert Museum (A&V) ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムは、ご存知のようにヴィクトリア女王と夫のアルバート公が創立したミュージアムです。自然史博物館や大英博物館と並んで、ロンドンの見所の一つとして有名ですね。ハイドパークの南側にあり、音楽のコンサートホールとして有名なロイヤル・アルバート・ホールも近くにあります。V&Aがどれだけ英国の科学や芸術の振興のために寄与したか、これはもうすごいものがあると思われますし、現在でもここにイギリス中の学校から課外授業とかやりに来ていて、いつも館内は若者(と暇な老人)と外国人観光客であふれています。
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これはこのVictoria and Albert Museum (A&V) を建てた、ヴィクトリア女王の像です。エグジビション・ロードの向かい側にあるインペリアル・カレッジ・ロンドンのホールにおかれているのを見つけたので撮影したものです。世界中にヴィクトリアという地名が残っていることも一つの証拠ですが、ヴィクトリア女王の時代にイギリスは大英帝国の最盛期を迎え、世界中から美術ひんやら考古学的重要な物品やらをかき集めて展示していたわけです。V&Aの集客力を考えると、ヴィクトリア女王が今だに英国に与えて続けている恩恵の大きさを考えないわけにはいかないでしょう。
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これは今回調査のために使わせてもらったスタディ・ルームに一番近いエグジビション・ロードに
面したゲートの内側のところですが、つい最近整備されたそうで、少し前まで何もない空間だったとか。後ろに立っている赤煉瓦の建物の4階がスタディ・ルームです。ここで資料を見せてもらいました。今回、どんな資料があるのか全体像がつかめないままに観たい資料をいくつかメールで提案したらキュレーターの人が、それをもとにして適当な資料の箱を選んでくれて用意してくれました。このあたりが本当に親切と言うか、システムがすごいと言うか、人的資源が豊富と言うか、さすが大英帝国だなと思わせる部分です。こういう歴史的資料の保存とか活用のためにしっかり金を使っている所がすごいです。日本はそういう部分ではかなり遅れているのではないでしょうか。毎日違うキュレーターがサポートしてくれたので、それだけたくさんスタッフが居るということなのでしょう。ひょっとしたらそれはみんなパートぽい契約なのかもしれないけれど。とりあえずスタッフが充実しています。日本だったら1人、2人でやっちゃうでしょうね。
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最後の画像は、カフェテリアの部屋。いくつかの窓口で欲しい食べ物を買って、トレイに乗せて支払いを済ませて、席を探すのですが、いつも結構混んでいる。この雰囲気だから、これを楽しみに来る人も結構いるんじゃないかと思ったりします。この日は運良く席を見つけて、チキンの足のセットをいただきました。最近ポンドが高いので、なんかやっぱり高い気がしますが、まあしゃあないでしょう。これだけの人気スポットですから。

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今回のアカデミー賞主演女優賞がこの映画だったので、というわけでもないが、少し前にサロンシネマでやっていたのに見そびれたのが、飛行機で見られてラッキーということで観ました。
これはいい映画だと思います。アメリカ映画のいい映画の典型的なやつと言ったらいいのかな。
警察が悪者というのも、結構アメリカ映画にはよくあるけど、この作品でも最後までそうか、最後に悪者をやっつけて終わるのかと思ったらそうでもない所がすごいと言うか。
自分の娘をレイプされて殺された母が、犯人を挙げられない警察にくってかかる、その執念の物語ですが、いろいろとアメリカ社会の問題がよく見えて来て、面白いです。田舎町を舞台とする映画であるけれども、出来事の数々には現代アメリカの様々な問題が背景として織り込まれているようです。
それにしても、これだけの暴力が、すぐに逮捕とかにならなくて、しばらくほったらかしということがあるのかどうか、その辺りが疑問に感じたのも確かです。
終わり方が、ちょっとあれっという感じなんだけれど、エンディングの先を見るものに考えさせるそのやり方も憎いという感じ。
主演女優Frances McDormandの迫力ある演技があってこその映画という感じがあり、やはり主演女優賞にふさわしいと感じます。
それにしても、また邦題が複数形のSを入れない表記になっているのがどうしても解せない。
皆さんも気づいているとは思うのですが、原題で名詞が複数形で~s=「〜ズ」になっているものは、必ずと言っていいほど「ズ」にしない形でカタカナ英語化されるのです。これをいい加減に止めてくれないと、英語の複数形のsを付けない学生がいつまでたっても減らないのではないか。なんで邦題を『スリー・ビルボード』なんていう誤った英語のカタカナ読みにするのか。あほちゃうか。
まあ、『スリー・ビルボーズ』にすると「坊主」を連想するからなのかもしれませんね。『ミズーリの三枚の看板』としたら、客は入らないかな。『怒りの大広告三枚立てたった』とかどうでしょうか。
しかしとにかく、まだ観ていない方、お勧めです。

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今回の旅で見た映画シリーズの2つ目。映画『コング』Kong Skull Islandです。
これはまあ、例の「キング・コング』の最新バージョンということで、最新のCGを駆使した怪獣映画であります。少し前の『キング・コング』も結構すごかった、CGの出来とかの意味で、ですが、この映画は、なんちゅうか、その前作と何が違うのかと言うと、キングコングとあの美女との関係がちょっと薄いというか、最後にはやっぱり美女を助けちゃうコングさんなのですが、ハラハラドキドキに集中している感がつよいというのかな、まあ純粋に2時間どきどきしてください的な映画と言っていいのではないでしょうか。前作がかなり全てCG的だったのが、これは実写とCGの境界線を限りなく少なくしようとしている点がすごいというのは言えるかも知れません。
最初辺りでヘリコプターで未知の島に突入するあたりが、アクションの圧巻でしょうか。
この旅のなかで、これより後に、『エイリアン・コベナント』を見たのだけれど、怪物を研究している人物の存在とかのあたりでちょっと似てる感じもありました。
最後は昔の日本の怪獣映画と似て来て、別のいわゆる悪者の怪獣を、ヒーローとしてのコングがやっつけて、死にそうになった美女を助けて、めでたしめでたし、という映画です。ネタバレすみません。
まあ、見応えはありますね。

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今回の英国行きはエミレーツ航空を使いました。予算の問題で安いチケットを探したのだけれど、日本系のは少し高いので、時間はかかるけど飛行機がゆったりしてサービスもいいエミレーツにしたのです。エミレーツはエコノミーでも座席が比較的大きく前についているディスプレイも結構でかいので映画を見るにはいいですし。
今回見た中で、印象に残ったというか全部見たのの内で、最初に書いておきたいのがこのGoodbye Christopher Robin です。クリストファー・ロビンとはクマのプーさんシリーズに出てくる主人公の男の子であることはご存知でしょう。この映画は最近流行の、イギリス児童文学の名作の成立秘話を再現したような映画なのです。
作者のA. A. ミルンがすでにパンチ誌などで活躍してたこととか、第一次世界大戦とこの作品が深く関わっていることなど、ご存じない方にはかなり勉強になる内容になっています。でも私がこれまでの知識から描いていたA. A. ミルンのイメージとはちょっと違う感じがしたし、奥さんの雰囲気も、これについては事実についてほとんど何も知らないけれど、こんな人だったのか、というちょっとした違和感を感じ、またクリストファー・ロビン役の子の雰囲気が、これはまあ実際のクリストファー・ロビンに似せるのは限界があるだろうとは思うけど、自分の勝手な想像とはやはりちょっと違っていたのです。それはまあいいでしょう。
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最後の方でクリストファー・ロビンが軍隊に入隊して帰って来るまでのストーリーが事実なのかどうか再度確認しないと分からない部分がありますが、まあ「ピーターパン」映画の時もそうだったけど、映画用にかなり脚色している部分がありそうでした。
そういう全体的な違和感にも関わらず、この映画を見ていて、最後の方ですごく泣けてしまったのです。父と息子の関係を考えたとき、やはり自分と自分の子供たち、特に息子との関係と、このミルンとクリストファー・ロビンの親子関係に、なにか通じるもの、共通する感情が描かれている点に共鳴したというかいろいろ思い出さされてしまったというか、どうしても涙腺を揺さぶられる部分があったのです。特に自分は自分の息子に十分な愛情を注いだかどうかというような意味で振り返って考えることがたくさんあったのです。
実際のクリストファー・ロビンは、この「世界で最も有名なくま」を描いた超有名作品のせいで、人々にそのモデルとして注目され、何もしないのに超有名人として成長するはめとなり、いじめられたり、マスコミに追いかけられたりして散々な目にあったことは事実です。それを苦にしていたことも事実らしい。それもあってこの父と息子の関係は相当に複雑なものがあったようです。
おそらくこの映画の封切りに合わせたのでしょうが、V&Aで、「くまのプーさん」展をやっておりました。調査の合間に見に行こうと思ったら、ネットでチケットを予約してくれ、今日の分はもう売り切れているからダメ、と言われ入れませんでした。こういう企画展については入場が結構めんどうなのはなぜなのでしょう。他の多くの美術館、博物館が全て無料であるのに。
ポスターとマグネットだけ買いました。

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この記事は成田空港で書いております。広島に戻る便まで非常に長い待ち時間なので、この時間を使って書いておこうかと。
3月2日から11日まで、ロンドンに資料調査を目的として滞在しておりました。主にヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム(V&A)が所蔵するヴィクトリア朝期の写真の資料を見せてもらうためです。
ここに大量に資料があることは前から分かっていたのだけれど、なぜか行くのを後回しにしてしまっていてここの資料を直接見せてもらうのは初めてなのです。もっと早く来るべきだったと、まあ今更そういうこと言ってもしかたがないけれど、ここの資料は数的にはすごいものがあります。事前にスタディ・ルームでの閲覧を予約し、見たい資料を注文しておくわけですが、貴重な資料を一つ一つ見せてくれて、全くのただなので本当にイギリスは文化面で進んでいると感じます。
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今回資料を見に来て、直前になってまさに自分が研究テーマとしているヴィクトリア朝期の写真についての大規模な写真展がナショナル・ポートレート・ギャラリーで開催されているということを知り、これを見に行きました。Victorian Giantsと題されたこの展覧会、ルイス・キャロル、ジュリア・マーガレット・キャメロン、レディ・ハワーデン、O.G. レイランダーなどの、写真術の黎明期の重要な写真家たちの作品がたくさん展示され、ガラスネガなどの重要な展示もされており、ちょうどいい時に来たなと幸せな気分でしたが、一方で、自分のやっていることがすでに多くの人に研究されていて、早く自分なりのものを書かないと、また全てが二番煎じに堕してしまう危険性が大いにあることも実感した次第です。焦っちゃいますね。
 この日、長年の友人クリス・メアーズ氏と奥さんのサンドラさんがワージングからわざわざロンドンに出て来てくれて、一緒に回ってくれました。久しぶりなんで会おうということで。彼らは広島にも来てくれたことがあり、前回は娘さんの結婚式にも呼んでもらったのです。
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最初の写真は、V&Aのアポの前の日に、初めて見に行ったサー・ジョン・ソーンズ・ミュージアム。前回来た時にも見に行こうとしたのだけれど休館日で見られなかったのです。このミュージアムは本当に変わってます。個人で集めた彫刻や絵画など、かなり狭いスペースにぎゅぎゅっと詰め込んだそのディスプレイがすごいのです。圧巻は絵画をなるべくたくさん展示するために、本のページのように開いてみられる壁を作ってそこにびっしり掛けられた絵を見ることの出来る部屋。学芸員が1ページずつ開いてみせてくれますが、一日には片方の壁しか開けてくれないそうで、全部は見られませんでした。

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