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すでにロスアンゼルスは離れて、サンフランシスコにいるんですが、順序として書いておきたいと思います。
ロスで二つ目の目的地はゲッティ・ミュージーアムです。この美術館/博物館の存在は、このたびの渡米の少し前まで、恥ずかしながら知りませんでした。このポール・ゲッティという大金持ちが作ったこのミュージーアムと、もう一つゲッティ・ヴィラというのがあって、ロスアンゼルスのアトラクションとしてはかなり有名な物だということです。今回は、ここにあるヴィクトリア朝期の写真のコレクションを見せてもらいに来たのであります。
ここにはヴィクトリア朝期の女流写真家ジュリア・マーガレット・キャメロンをはじめとするヴィクトリア朝期の写真家の作品の膨大なコレクションがあるのです。イギリスの資料なのにアメリカにあるというのが、まあ、不思議っちゃ不思議なんだけど、両国の歴史を鑑みた時に、アメリカで財を成した金持ちが、母国であるイギリスの文化的遺産を買い漁ってアメリカに持って来たというのは、まあ歴史の無いアメリカにとっては、一つの野望というのか、宿命というのか、そういう物だろうと思うわけです。
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このゲッティ・ミュージアムですが、ダウンタウンから相当離れた山の上にあるんで、行くのがかなり大変です。今回USCから電車に乗って、サンタモニカまで行って、そこからタクシーで行きました。全部タクシーだと高くなるんで。
到着した駐車場からミュージーアムまで、小さなモノレールみたいなので山を登って行ってやっとたどり着きました。あらかじめ予約しておいて、スタディー・ルームというところで資料を見せてもらったのだけど、頼んでいた資料の量に対して、たまたまその日の閲覧時間が2時間半しか無かったので、まったくもって消化不良で、順してもらっていた資料の3分の1くらい、見られないままにタイム・アウトとなってしまいました。
帰りはタクシーと思っていたら、一般客が大挙して押し掛けたのか、自分が行った時にはタクシー乗り場には一台もいなくて、これはどうしようと思って困っていたら、駐車場係のおじさんが、タクシー呼んでくれたんだけど、ラッシュアワーのせいでいくら待っても来なくて、ということで、かなりヒヤヒヤしてしまいました。
 なんとか、別のカップルでタクシーを待っていた人たちとシェアーして、ホテルまで戻ることが出来たのだけれど、まあそれはそれで面白い体験ででした。そのタクシーをシェアーした夫妻(実は塞いじゃなかったのだけど)は、ベルギーの出身で、レオポルド二世時代のコンゴに住んでいたというのです。あの独裁者レオポルド二世の治世がおわって、コンゴが独立しザイールになった時、そこを離れてアメリカに移住したそうです。レオポルド二世時代のコンゴといえば、あのコンラッドの小説『闇の奥』の舞台として知られ、『闇の奥』がフランシス・コッポラによって『地獄の黙示録』として映画化されたことは皆さんもご存知でしょう。この夫妻の話を聞けたのはラッキーで、タクシーの相乗りもいろいろ面白いことがある物です。その時のタクシーの運転手はジョージア(グルジア)出身だそうで、い彼の身の上ばなしもかなり面白かったです。
 ということで、駆け足のゲッティ・ミュージアムでした。