・はじめに
   今回のテーマは今注目の先発QB争いです。2年目のリンチか3年目のシーミアンか?なぜこの論争が起こったのかを含めて、データを踏まえてどちらが相応しいのか見ていこうと思います。

・ブロンコスのQB遍歴
   ここ最近のブロンコスを牽引してきたペイトン・マニングが引退したのが15年シーズンのこと。後継者と目されていた(筆者はこれに異論を唱えたい)、ブロック・オスウィーラーはHOUテキサンズへ移籍し、ブロンコスはQBが当時1年目のシーミアンしかいませんでした。
   そこでGMエルウェイはトレードでPHIイーグルスからマーク・サンチェスをトレードで獲得。ドラフトでは1巡26番目でパクストン・リンチを獲得しました。
   パクストン・リンチは1年間ベンチで勉強することが決まり、マニング→リンチへのスイッチをする間の1年を他のQBで凌ぐことが決まりました。この候補がサンチェスとシーミアンでした。
   この先発争いはサンチェスの自滅で幕を閉じ、シーミアンが先発QBとなりました。

・なぜQB論争が起こるのか
   本来なら上記で述べたようにブロンコスのQBはマニング→リンチへスイッチをします。そのため、今年の先発はリンチで決まりのはずでした…しかし…
  予想外に良い成績と落ち着いたプレイを見せたQBがまだ3年目のシーミアンでした。繋ぎをしたのが伸びしろのないベテランではなく、若手QBだったのでこの話題が今年も継続することになりました。

・2人の成績を見てみる
トレバー・シーミアン
14試合(14先発)、289/486(59.5%)、3401ヤード18TD10INT、4ファンブル(2ロスト)、8-6

パクストン・リンチ
3試合(2先発)、49/83(59%)、497ヤード2TD1INT、2ファンブル(0ロスト)、1-1

  リンチのサンプルが少ないので言い切れませんが、両者ともに似たようなスタッツです。2人ともパス精度が高くないですね。
  シーミアンは8-6という成績ですが、最初の7試合が6-1に対して、後半7試合が2-5(しかも1試合はデレック・カーのいないOAK相手)と失速しました。

・プレイスタイル
  シーミアンはウエストコートオフェンス(WCO)を主体としたコントロールオフェンスの指揮に長けています。爆発力はないものの安定していて、ランが出ていれば得点を取れるタイプです。逆にランが出ないと引き出しが少ないので苦しくなります。
   リンチはショットガンからのアップテンポオフェンスを得意としています。レシーバーをダウンフィールドに並べて投げ分けるスタイルですね。こちらはランなどは大きく影響なく、QBのコントロールによって得点が決まります。パス精度が低いリンチにとっては課題となります。

・コーチの変更による影響
   キュービアックはシャナハン式ゾーンブロックを源流とするウエストコートオフェンスのコーチでした。このスタイルは先ほど説明した通り、シーミアンのスタイルに良くマッチしていて、そのため彼は活躍しました。
   一方で、今年からOCに就任したマイク・マッコイはよりアグレッシブに得点を狙いに行くスタイルのコーチです。しかしティム・ティーボウ、ペイトン・マニングというタイプの大きく異なる2人のQBでプレイオフへ進出したように、QBの特色を活かした柔軟性のあるオフェンスを構築することが出来ます。
   このことから、コーチが変わったことによる競争の有利不利はないと考えられます。

・筆者の意見と展望
   筆者はリンチ派です。理由は短時間でもTDを取れるだけの力があるからです。パスだけでドライブを完遂させる力があり、3rd&ロングでも機動力などを使用して1stダウンを獲得することが出来るからです。
   シーミアンはコントロールすることに長けているものの、爆発力に欠けていて追いかける展開になると苦しくなります。プレイオフなど実力の拮抗するチームと対戦した際にそれは致命的な欠点になってしまいます。
   その点リンチならアップセット出来るポテンシャルがあります。これは多くのフランチャイズQBが持っている能力でもあります。
   しかし、リンチのパス精度に改善が見られないことや、INTを量産するならシーミアンの方が良いと思います。コーチたちには「勝てる」QBを選んだてもらいたいと思います。

・さいごに
   1巡でドラフトしたQBを使わないという選択肢はよっぽどのことだと思います。昨年の数少ない試合で見せたリンチのポテンシャルなら今年は彼にオフェンスを託すべきだとも思います。とはいえ、シーミアンも結果を出した実力者。自動で先発は待ってはいません。これからの動向に注目です