平成26年9月22日
化学物質に対するアンケート調査結果概要
化学物質委員会
1.調査の概要
1.1 調査目的
化学物質に関する正確な情報を発信することは、化学物質委員会の重要な事業であります。しかし、化学物質は、多種多様であり、発信した情報がKECA会員の皆様の関心を引かなければ、情報発信の意義がなくなることになります。
そこで、KECA会員の皆様がどのような化学物質に関心を持っているか、アンケート調査を実施しました。
1.2 調査対象と調査方法
本調査は、KECAの会員(125名)を対象に、アンケートをEメールで発信し、Eメールに対する返信という形でアンケートを回収しました。調査期間は、平成26年7月14日~31日でした。
アンケートの回答は、31名のKECA会員の方からありました。回収率は、24.8%でした。
2.調査結果の概要
2.1 化学物質に対する意識調査
(1)化学物質に対する印象及び関心
「化学物質という言葉をよく聞く」という方が、87%でした。
化学物質に対する印象として、「便利なもの(役に立つもの)」、「現在の生活になくてはならないもの」 のように、利便性(ベネフィット)があるという方が、58 %、「危険なもの」、「難しいもの」のように、危険性(リスク)があるという方が、42 %でした。 また、回答の内訳をみると、化学物質は、利便性 (ベネフィット)もあるが危険性(リスク)もあると回答した方が、(24名、77%)、化学物質は、危険性(リスク)のみと回答した方が(2名、6%)、化学物質は、利便性(ベネフィット)のみと回答した方が(5名、16%)でした。
以上の結果から、回答者の大部分の方が、化学物質には2面性があると、考えているようです。 また、ほとんど(97%)の方が、化学物質に対し関心を持っていました。
(2)化学物質の安全性について
化学物質について、不安を感じている方が、64%、不安をあまり感じていない方が36%でした。また、化学物質は、「便利なもの」、「現在の生活になくてはならないもの」と回答した方の内、不安を感じながら(「不安があるものが多い」、「不安があるものがほとんどである」)化学物質を使用している方が、回答者の55%居られることが分かりました。(17名/31名、)それでは、どのような製品に含まれる化学物質に対し不安を感じているのでしょうか、(図1参照)
農薬・殺虫剤・防虫剤・殺菌剤・肥料が最も多く、工場などの排ガスや排水および自動車などの排ガスのいわゆる公害が不安の原因として挙げられています。
「日常生活において,どんなものに含まれている化学物質の安全性について,不安があると思っていますか。」という質問に対し、回答者の平均で5項目があげられています。
不安の理由は、化学物質の中には、「有害なものがあるから」で約30%でした。
次に、「事業者化学物質の管理をきちんと行っていないのではないか」および「行政が化学物質管理に必要な対策をとっているか分からないから」で、これらは事業者および行政への不信感のあらわれと考えます。また、その他として、「プラス面だけを強調してマイナス面を知らせないまたは隠すことがあるから。」という回答がありました。
「製品を使うときに、表示(説明書及び注意書きなど)をみて、使い方を確認して、正しく使う。」が最も多く、「製品を買うときに、信頼しているメーカー等を選んで買う」と「製品を買うときに、表示(説明書及び注意書きなど)をみて、より安全と思う製品を選んで買う」が続いています。「製品を使うときに、表示(説明書及び注井垣など)をみて、使い方を確認して、正しく使う。」ことが、人の健康に対する悪い影響や動植物の生息環境に悪い影響を減少させることに有効であると考えますが、多くの方が実行されていることが分かりました。
以上の結果から、KECAの会員の方は、
『化学物質に対し関心を持っていて、化学物質の性質は、利便性と危険性の2面性があると感じながら、便利であるが不安もある化学物質を使用している。
化学物質に対する不安は、化学物質について知らないというよりは、化学物質について知っているが、化学物質について知っているからこそ、化学物質を取り扱う、化学物質を管理している事業者や行政について不信感を持っている。
また、製品を買う時は、信頼しているメーカー等を選んで買うあるいは、表示をみてより安全と思う製品を買い、表示をみて使い方を確認して使用する。』
(3)日常気になっている化学物質に関する語句
環境カウンセラーとして活動される時に、常日頃、気になっている化学物質に関する語句を調査しました。(図2参照)
もっとも気になっている語句が、「環境に排出する化学物質を規制する法律」、「PCB」であり、続いて、「化学物質管理」、「SDS」、「PM2.5 」で、過去の「事件」は、あまり気にならないようでした。「過去よりも現在の方が気になる」は、当然のように思いました。また、突出して気になる語句がなく、調査した語句、全てについて、気になる語句のようでした。ちなみに、その他も含めて全23語句の方が1名、ゼロ(化学物質の関心がないと回答)の方が1名、回答者1名の気になる語句の数は、平均して約9でした。その他は、脱法ハーブ(薬物問題)が1項目ありました。
次に、選択する語句を3つに絞って再度回答してもらいました。気になる語句を3項目に絞った場合、「PM2.5 」が最も多く、「化学物質管理」、「PCB」が続いています。
先に語句を分類した中では、化学物質(有害性が大きい)と化学物質管理に関る事項が気になっていることが分かりました。
また、化学物質に関係する法律では、REACH規則、RoHS指令が上位でした。
アンケート回答者31名のうち、20名の方からご意見を記述していただきました。
化学物質委員会の活動について(含む、これからの活動方針について)、アンケートの内容について等貴重なご意見を記述いただき有難うございました。
以上
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