今年のGWは非常に風が強く、釣りに行ってはみたがかなり苦戦を強いられた。
それは、過去に日程と時間帯を選べない状況下(大会等)で如何にして結果を出したか‥という事を思い出させるきっかけとなった。

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そこで少し前にも書いた『ベイトタックルの絶対的能力(圧倒的攻撃力を見落とす思い込みの盲点)』
http://blog.livedoor.jp/keepno10-treasureworld/archives/1026053393.html
の内容に順ずる部分もあるが、もう少し具体的で分かり易いパターンについて記しておこうと思う。

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しかし数年前、ソルトウォーターゲームでのベイトタックルの普及において目立った効果(需要)又は流行が得られなかった事実。
その第一の理由として「軽いルアーを投げ難い」という点、それに加わり「ライントラブルの恐れ」や「キャストにおける熟練性」という壁が有ったのは明らか。
バスフィッシングの経験者で有ればそれ程苦にならないタックルではあるが、ソルトウォーターライトゲームから着手したアングラーには勇気のいるタックルに違いない。
リールもロッドも専用となる為、流用が効かないというのも敷居を上げている要素だろう。
だが、誰も明確に絶対的な優位性を謳えなかった事にベイトタックルが流行らなかった要因が有ると自分は思う。
スプールの回転が糸の出る量(スピード)と同じか、それ以下でなければ膨らんでバックラッシュしてしまうこの構造がテクニカルな要素を含む訳だが、実はこの構造こそが圧倒的な攻撃力及び破壊力を生むという事に気付いていないないベテランアングラーも非常に多い。
現状でも”ベイトタックルを操作して釣る”‥という事に一番の面白さを感じるアングラーが殆どで、それも楽しみ方の上では間違いではないが、釣るという能力の面で100%ベイトタックルの性能を引き出せなければ他を凌駕する事は出来ない。

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当然、スピニングタックルに比べてテクニカルでハンデとなる部分も多いが故に1匹の価値観が高くなる訳だから分からなくも無いのだが‥。
ソルトウォーターライトゲームの世界で、このベイトタックルの必要性を理解して使いこなしている人はまだどうやら少ないように思えてならない‥。

ベイトタックルの神髄とも言うべきある種の特別な構造は若干の操作手順を要するも、それ故に大変な効果を発揮してくれる。

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まず、そもそも何故アジングやメバリングで1g以下という軽いジグヘッドを利用するかを考えてみると、フォール速度をよりスローにしてナチュラルに漂う様なフリーフォールを追求するが故である。
そしてその軽量ジグヘッドを遠投できるセッティングが必要があり、トラブルやストレスの無いスピニングタックルが最も適しているという答えになったわけだ。
今日のベイトタックルの性能は一昔前の性能とは段違いであるが、それでも1gのジグヘッド単体を投げるとなるとスピニングタックルには及ばないのが現状である。
しかしベイトタックルで楽しもうと考えているアングラーは、少しでも軽いジグヘッドを投げられるリール(性能)を求める傾向にあり、これも性能上では非常に大切な事ではあるが、実はソルトウォーターライトゲームの世界ではその部分に執着する必要はそれほど無いと自分は考えている。
むしろ軽いジグヘッドでなければ釣れないという思い込みにより、ベイトタックルの最大の機能を見落としていると指摘したい。
ベイトタックルの機能をソルトウォーターライトゲームであるからこそ最大限に発揮できる‥そういうテクニックが有るという事。
つまりその鍵となるのがハンドルの付け根付近についている調整ノブ、”メカニカルブレーキ”という構造だ。

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メカニカルブレーキとは、従来キャストするルアーウェイトに合わせ、スプールの回転に意図的に随時ブレーキを掛ける構造で、元々はロッドの反動でスプールの回転がキャストしたルアーの速度を上回る事で起こるバックラッシュを防ぐ機構であり、遠心力ブレーキやマグネットブレーキに比べて遥かに大きな負荷をスプールに掛けることが出来るというもの。
という事はどういう意味かと言うと、簡単に言えば糸の出る速度を調節できるという事だ。
それは空中を飛んで行くルアーの速度も然り、着水後のフォール時の速度も例外では無いという事。
要するに、スピニングタックルで1gのジグヘッド単体の場合、フリーフォールではそれ以上の速度もそれ以下の速度も選べない訳だが、ベイトタックルでは2.5gや3gのジグヘッドをメカニカルブレーキによる調整で自由自在にフォール速度を設定できるという事である。
言わば、3g以上のジグヘッドやリグでも1gのフリーフォール速度より遅くすることも可能なのだ。
これであえて軽いルアーを選ぶ必要は無い事が理解いただけると思う。

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そうなると次に気になるのが重たいジグヘッドによるウェイト部分の肥大(サイズ)がアンバランスになる事やルアー自体のセッティングサイズが上がってしまう事。
そういう場合は、スプリットショットリグにする事で全てが解決される。
ジグヘッドは1gでも30~40Cm上にスプリットシンカーの2.5gをかます事でワームを含めると総重量は3.5g以上となる。
そうすればベイトタックルでキャストするには何ら問題の無いウェイトであり、スプリットシンカーを支点とし、そこから先が1gのジグヘッドリグの動きとなる。
この場合でもメカニカルブレーキを操る事でフォール速度は遅くも早くも出来、更にベイトタックルの利点と言える”常時テンションフォール”という機能まで使えるのだ。
自在にフォール速度を調整しながら遊泳層をテンションフォールで探り、ターゲットに口を使わせるこの手法を”ゼログラビティフォール”と呼び、スプリットショットリグと合わせた使い方で凄まじい効果を発揮している。

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従来、ベイトタックルのゲームにおいて1キャストのスパンでメカニカルブレーキを度々調整する釣り方は存在せず、自分がそういう使い方が湧き潮を探す事にも2枚潮や3枚潮を探す時でも有効であると気付いて使っているだけである。

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潮の流れの変化を探すには大変有効な機能で有る事について、1つ例に挙げるとルアーが湧き潮に入った場合にスプールの回転速度(フォール速度)が遅くなるという事で判断できる。
詳しくはずいぶん前に書いたアップウェリングカレント(上昇海流)に着く良型メバル攻略法『ノックアップストリーム/アップウェリングカレントとベイトキャスティングの適応性』
http://blog.livedoor.jp/keepno10-treasureworld/archives/1020812661.html
を参照。
若しくは、『ベイトタックルの選択肢と特化能力の優位性。”立体的軌道伝達能力”と”ゼログラビティフォール”の威力』
http://blog.livedoor.jp/keepno10-treasureworld/archives/1021905403.html
を参考にして頂けたらと思う。
ただ1つ、寄せ潮で手前に寄って来る潮に乗せて使う場合は、極端にスプリットショットリグに分が悪くなる事だけ補足しておきたい。
重たいスプリットシンカーを支点にそこから先のジグヘッドが先に手前(自分側)に来る”くの字型”のドリフトスタイルは、フッキング効率が悪くなるからだ。
その場合は素直に重いジグヘッド単体で狙うに限るが、状況はスピニングタックルでも同じ事が言えるので常にラインテンションを張った釣りが出来るベイトタックルには、やはり分が有ると言えるだろう。

ここらで話を最初に戻そうと思う。
風の出た時に‥と言う話でこのベイトタックルには更なる利点が浮き上がってくるというお話。
風が出たらバックラッシュのオンパレードと思いがちだが、ソルトウォーターライトゲームで細めのフロロラインを使用したヘビースプリットショットリグであれば、少々の向かい風もモノともしない。
それだけならスピニングタックルも同じだが、フォールさせる際にリールの構造で差が出るという事。
スピニングタックルはベールを返す事でノンストレスでラインが出る為、風にあおられていくらでもスラッグが出てしまう。
これに対しベイトタックルはロッドのガイドも小さくラインとブランクがより接近している事で風の影響を受けにくい上に、常にルアーの重さによってスプールが逆回転しながらラインが出るという仕組みがスピニングタックルに比べ無駄なスラッグを作らず操作がその分優位になる。

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この部分‥要するに圧倒的に風の影響を受けにくいという部分が理解されていないのだ。
そして更に言うなればキャストコントロール性。
ピンポイントに打ち込む際にベイトタックルのコントロール性はスピニングタックルの比ではなく、過去に強風で大時化の日本海において、ウィニングフィッシュを引っ張り出せたポテンシャルがここに備わっている事を今尚身にしみて感じる。
先日の沖堤防釣行でも風の出る事を事前に把握していた為、ベイトタックルを持ち込んだところ非常に役に立ったのも言うまでも無い。
あまりの強風の為に強制撤収させられたが、バーチカルであれフォールの釣りは成立したのだから。




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この後、台風並みの大時化になり強制避難させられる事になる僕と釣り仲間。