Ninomyの私邸

ある証券マンが読んだ本のレビューや書いたエッセイを保管するWeb上の私邸

筒井大志「僕たちは勉強ができない」第2巻:レーティング「Buy」を再強調、目標巻数を引き上げる

投資アクション
弊社予想を上方修正、目標巻数を10巻(従来5巻)に引き上げる。

投資判断理由

レーティング「Buy」を再強調する。エクイティストーリーであるラブコメの宿痾に挑戦する意欲作との評価に変更はない。主人公がメインヒロインとくっつく際に犠牲となるサブヒロインたちの涙、展開に行き詰った際の安易な新キャラの投入、お約束による不自然な展開等々、ラブコメの宿痾は枚挙に暇がない。そこで今、主人公が誰とくっついても良くて、誰とくっついても不思議ではないラブコメが待ち望まれている。本作品は「ニセコイ」の反省を踏まえた作品展開ができる確度が高いと弊社は推察している。

カタリストとリスク
人気上昇のカタリストは単行本の売上高成長力が顕在化し、同作品がラブコメ関連作品の成長銘柄との認知度が更に高まることと考える。

リスク要因は
(1)同じ展開やお約束の繰り返しによるマンネリ化 
(2)困ったときの新ヒロイン投入による主人公のハーレム構築
(3)アンケート不調による打ち切り

バリュエーション
現状の作品の展開の進捗から、目標巻数は10巻とする。アニメ化した場合はさらに刊行巻数が切り上がろう。

感想:ジャンプ新連載 筒井大志「ぼくたちは勉強ができない」・山田詠美「僕は勉強ができない」

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ラブコメの宿痾に挑む意欲作! 筒井大志「ぼくたちは勉強ができない」第1巻

今のジャンプで最も注目するのは、筒井大志「ぼくたちは勉強ができない」である。その理由はラブコメの宿痾に挑む意欲作であるためだ。以前書いたように、「ニセコイ」のスピンオフ「マジカルパティシエ小咲ちゃん」全4巻をジャンプ+で描いていた方であり、作者も読者も「ニセコイ」との文脈でこの作品を評価することになる。つまり、描く側にとっても、読む側にとっても天下を撮り損ねたラブコメ「ニセコイ」の弔い合戦の色彩を持つ。
感想:ジャンプ新連載 筒井大志「ぼくたちは勉強ができない」・山田詠美「僕は勉強ができない」

「ニセコイ」の主人公一条楽が千棘を選ぶことはタイトルや当初のコンセプトで明確になっており、最初から分かっていた結末なので、その点自体に異論を唱える読者はそう多くなかっただろう。したがって、過程が重要であった。

しかし、両思いにして約束の女の子小野寺さんを振ってまで、最終的に千棘を選ぶ程の理由が、ストーリー上で十分に描かれなかった。人物が自発的にではなく、単に作者に動かされているとしか思えない台詞と行動が多くなっていった有様は、作品を完結させるにはそうするしかないと分かっていても、やるせない思いを抱く人はさぞや多かっただろう。

主人公がメインヒロインとくっつく際に犠牲となるサブヒロインたちの涙、展開に行き詰った際の安易な新キャラの投入、お約束による不自然な展開等々、ラブコメの宿痾は枚挙に暇がない。そこで今、主人公が誰とくっついても良くて、誰とくっついても不思議ではないラブコメが待ち望まれているのである。

主要3ヒロインのバランスのとれたキャラ設定に対して、受験勉強を軸にしつつも主人公との関係性に無理がない点は非常に好印象だ。基本的には期間は1年間と決まっていることから下手に間延びした展開にはなりにくいだろう。3ヒロインの動機をまとめると、
・緒方理珠:理系が得意だが苦手な文系を希望(アナログゲームが好きだが対人戦にめっぽう弱く、人の気持ちをわかりたいとの思いから心理学を志望するため)
・古橋文乃:文系が得意だが苦手な理系を希望(亡くなった母親への思いから天文学を学びたいため)
・武元うるか:水泳以外駄目だがスポーツ推薦希望(来年度入学時に英語受験が必要になったため)

緒方理珠と古橋文乃の2人は属性や人物造詣に意外性がありつつも、それほど気をてらっていない点が絶妙である。ほのかな恋心を抱く2人に対して、主人公に恋するも奥手な武元うるかが、特にヒロイン同士や主人公の関係をうまくかき回していて良い。3ヒロインと主人公の関係性は今のところ横一線であり、設定上の制約で3人のうちの誰かとくっつくことが示唆されていないので、良い意味で先行きが見えないため、ドキドキしながら読めるラブコメになるであろう。

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「いろいろエッセイ」目次

今までに書いた「いろいろエッセイ」の記事の目次を作りました。今後もこの記事で更新していきます。


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「趣味への傾倒について」2/2
「大学生活とともに振り返る、涼宮ハルヒの思い出」2/8
「"水樹奈々の出演しているアニメを見たことがない"記録がついに破れた件について」9/19
「けいおん!について徒然なるままに」10/18
「ないものとしてすませることができなくなってしまった文化について」10/22
「全国の兄貴よ、君は妹のために命を捨てることができるか」10/24
「腐女子のプレゼンス拡大にどう折り合いをつけるかについて」12/15

2009年:
「お雛様と今昔」2/6
三沢光晴さん、リングに死す…」6/14
「新條まゆ先生のりぼん連載決定について」7/3
『「姫ちゃんのリボン」リメイクについて』8/4

2008年:
「もしも浅井長政がマキャベリの『君主論』を読んだら……?」 9/22

 

今まで作った動画まとめ 

ついに作った動画が60件に達したので、この機にまとめたいと思います。多岐に渡る動画を作り続けてこれたのは、ひとえに皆様の日頃のご愛顧のおかげです。これからもぜひご贔屓に。
では、新しいものから順番に掲載していきます。

 救急戦隊ゴーゴーファイブED「この星を この街を」で「この素晴らしい世界に祝福を!MAD」


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