安田記念のパドック回顧です。

1.リーチザクラウン
 皮膚が薄く精悍な体つきで、仕上げとしては申し分ないが、いつも腰に疲れが残ってるかのような後肢のぎこちなさ。トモが大きく流れていた3歳時よりは随分マシになったが、それでも馬体に幅がないのは気になる部分。

2.スマイルジャック
 落ち着きの良さが目立ち、体つきフックラと見せて非常に良い仕上がり。多少左脚に曲がりがあるが、姿勢が良いので今日は特に気にならない。せわしなく後肢を運ぶ窮屈さが取れてきたのも良かった。

3.アブソリュート
 かなり腰に甘さが見られ、体を揺らさないと後肢を踏み出せない。前駆や体のしなりを見ると良い状態ではあるが、本来のキック力が半減してると言えた。立て直しが必要に見える。

4.フェローシップ
 やや胴が少し長い。骨太で筋肉質、トモ幅かなり。頭が高い。体つきは細く映るほどではないが、それよりも四肢の曲がりが目立ち突っ張って歩く。この馬1頭だけパドック周回がかなり遅く、前のアブソリュートに大きく置かれてしまい、後ろが渋滞。海外の馬は(厩務員の引きが上手いので)日本の馬よりも気持ち良くスピード感に乗って歩くのが普通。この馬のベストで出せたとは、とても言えなかったのでは。

5.サイトウィナー
 数字としては減った方らしいが、腹袋にも弛みがあり、四肢の繋もあまり反発力がない。前肢の球節の怪しさもある上、左前脚には鉄橋鉄。これも満足いく状態には思えなかった。実際にゲートも出遅れている。良く上位にまで押し上げて来れたものだと感心する。

6.ファリダット
 関東のレースでビッシリ仕上げると、相当細く見せる傾向がある(仕上がり過ぎてしまう)この馬としては、比較的腹袋があるように見えて、まだドッシリとした印象を持てた。今回は仕上がりは良かった方に思える。青鹿毛で張り艶は元々良く見せるタイプ。返し馬もなかなかの動きを見せた。ただし、現状は、5歳になっても大幅な成長は感じられず、今の体つきをどう維持するか…でしかない限界も感じる。

7.グロリアスノア
 四肢の繋も立ち上がり加減で、特に飛節やヨロ(もも肉)が細い。脾腹は薄く、それでいて姿勢は高く見せたので、一応はこの馬なりに良い体つきではあった。しかし脚捌き・体の使い方などを見比べると、芝馬に比べて柔軟性に欠く。両前脚は接着装蹄。

8.キャプテントゥーレ
 脾腹のラインや半腱半膜の筋がクッキリしていて、相当絞り込んだと思わせる体つき。しかしそれでいながら動きが窮屈にはならず、肩の出や後肢の捌きも柔軟でゆったりした歩様。繋ぎの弾力も十分。状態としては申し分ない、素晴らしい仕上がりだったと言える。だが、どうしても小柄な弱みもあり、パワーで他を圧倒するような馬ではない。この仕上げで結果が伴わない辺り、悲しいかな実力的な限界なのだろう。

9.スーパーホーネット
 両前脚は柿元鉄を装着したままで、裏筋も相当怪しい。特に膝から下は何度見ても動きが窮屈で、力を込められないための浅い踏み込みが目立った。しかし上体は文句なし。背中のラインや腹袋がしっかりし、作りこまれた馬でないと見られない筋肉の充実感があったのは確か。馬場に出ても手前をクルクル替えて手先を気にしている様子もあったので、本当に脚元だけが問題だった。

10.ビューティーフラッシュ
 周回前半には少し煩い仕草が見られたが、致命的なほどではなく、後半は落ち着いてくる。繋も四肢も長めで、筋肉量はドッシリした大型馬。体つきも間延びしておらず、外国馬3頭の中では一番良い仕上がりだった。しかし繋が深くはなく、踏み込みが浅い部分があり、馬場に下ろすと随分窮屈な脚捌きで走るタイプだった。筋肉の柔軟性も物足りず、日本の硬い馬場・時計の出る馬場への適性がなかった部分で弱点が現われた分、力を出し切れない結果になってしまったのでは。

11.マルカシェンク
 細身の体型でしなやかな動きを良い意味で維持してきたが、腰の甘さも一緒で、大きくトモが流れる歩様。出遅れの原因になるトモの弱みは大して改善されていない。あくまでこの馬なりに悪くはないと言う程度。

12.ライブコンサート
 数字は大幅に減り、かなり細く見せるぐらいだったが、この馬としてはこういう作りの方が走るので、仕上げが悪かったわけではない。繋の反発力がもう一つで、時計の速い馬場に全く対応できないこの馬としては、適性が全く合わなかったということ。昨年より2秒近く決着時計が速いとなると…。

13.マイネルファルケ
 前の方でかなり歩くのが遅い馬がいたために、なかなか前に周回が進まず渋滞していたため、首を伸ばして歩けず少しイヤイヤしていた。腹袋や背中のラインが落ち込んだりせず、間隔は開いたがムダを残さずキッチリ仕上げられた。どちらかと言うと褒めて良い内容。今回は、時計が異常に速い馬場で、さらに本来の逃げの手も打てず、展開・条件ともに悪すぎたための大敗。

14.マルカフェニックス
 腹袋がすぐ大きくなる馬の、叩き3走目。馬体は今回見ても丁度良い具合に引き締まっていて、状態は十分褒めて良い。骨格が良く、繋も太いタイプでエンジンの掛かりが遅い短距離馬だけに、東京コースのマイルで機動力を発揮するのはやや難しい印象。次回、このままで適条件に出られれば。

15.トライアンフマーチ
 筋肉のメリハリは上々で、それなりに高いレベルで仕上がっているが、腰の甘さと背中の緩さが微妙に残り、後肢の膝・肩の出もイマイチ硬い。体質が弱いこともあり、理想的な形になかなかなりきれないもどかしさを感じる。緊張感が籠り、一本芯が決まる歩様になれば、重賞を勝ちきれる形になってくるはず。素質の高い馬だが、まだ未完成。

16.サンカルロ
 元々馬体のバランスを良く見せるタイプで、肌艶もいい状態を維持している。脾腹のラインもスッキリし、背を高く見せ、衰えがある様子は感じられない。この形で現状全く歯が立たないので、スッキリ見せても今後は評価を下げるべき。もっと大幅に筋肉量を増やすか、体質を改善しないと。

17.ショウワモダン
 元々ソエが結構目立った馬で、微妙に気にしてるかのような歩様だが、これで以前から走れているので許容範囲。横から見ると脾腹のラインがスッキリし、結構細めに映る。筋肉の輪郭もクッキリ浮いていて伸びのある動きを見せているので、この細そうな形が理想なのだろう。目の周りがやや黒く、肌艶枯れ気味で、正直夏負けの気配も感じたが、レースまで良く我慢した。この後にレースを使うようならもう息切れだろう。充電して秋に臨む場合、馬体重の変動に注意したい。

18.エーシンフォワード
 右後の蹄に、今まで保護テープで補正していたのを今回はエクイロックスに。軽くアバラが浮きスッキリした仕上がりで、首を伸ばして歩けていたのでこの馬として状態は確かに良かったはず。しかし、コンパクトな箱型体型であり、隣のショウワモダンのような大柄な馬に比べて大きく動く素養がないので、マイルで万全なバランスにはあまり思えなかった。一杯一杯の好走を続け、さらに今回キツイレースを強いられたのは確かだろう。一旦休ませたい。右後脚の蹄の状態にも注目。



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