菊池 日曜日の阪神では、阪神JFが行われました。今回も回顧していきましょう。
■競馬大予言 17年新春号
☆アマゾンでのお求めはコチラ↓
http://amzn.asia/dW7PegV
阪神ジュベナイルフィリーズ回顧
展望トークはコチラ
https://regimag.jp/s/blog_publisher_view/detail/blog/725/entry/84203
<天候・馬場について>
菊池 阪神は、金曜日の雨の影響で、土曜日が芝・ダートともに稍重で開催スタートでした。
京介 ちゃんと晴れの発表だったのに芝がやや重。水捌けが良いとは言えない方だけども、結構深い時間まで雨が降っていたのかな。土曜日の間は芝が乾ききらなかったし、ラスト1Fだけが掛かる傾向もあった。最後のゴール前でちょっと変わる、というレースもあったみたいだね。
菊池 この時期は、スタンドの日陰になるのが早いですし、直線は特に乾きませんね。
京介 このラップ傾向は良馬場になった日曜阪神でも続いていて、最後の1Fだけそれまでより1秒以上も掛かる、12秒台半ばに差し掛かる傾向が見られた。
菊池 このあたりを見ても、展開だけではなさそう。
京介 ただし、日曜阪神は脚質傾向で考えると、明らかに内側を通った馬の方が良かったね。渋ったか走りづらいかで言えば、日曜日は内ラチ沿いを通っても十分走りやすい馬場だったと思う。
菊池 開幕2週目の芝でしたが、掘れて、蹴り上げられる芝の塊が映像でも確認できるほどでした。
京介 蹄跡はすぐ残ってしまうし、反発力や踏み応えのない・軟らかい馬場であるのは間違いなさそう。京都であれだけ速い芝を経験した直後だと、非常にタフな部類だから、どの馬も戸惑っているんじゃないかと思うよ。
<パドックについて>
↑他の競馬ブログもチェック!(ブログランキング)↑
ツイート
<パドックについて>
菊池 牝馬限定の2歳戦ですが、関東馬の参戦が少なかったこともあってか、大幅な馬体重の増減は少なかったですね。
京介 エムオービーナスやソウルスターリングは、やっぱり減っていた。関東馬はこういう部分で、どうしても一瞬不安がよぎる。例えばリスグラシューなどは、減ったらまずい過程だったと思うけど少し戻していたし、こういう点で関西馬は調整しやすいと感じるよね。
菊池 桜花賞ですら長距離輸送で体を減らす馬が多いですから、この時期なら尚更ですね。
京介 ちなみに大幅に減ったエムオービーナスは、ゲートに入れてから気が狂ったように大暴れ。案の定3馬身出遅れた。関東馬がここまで体を減らしたら、さすがに影響があると察するべきなんだろうね。
菊池 ヴゼットジョリーが、休み明けで10kgも減っていて、調教後の計測が正しかったと証明されました。
京介 腹筋がそれほど良い馬ではないから、さすがにこれは良くない。うーん、和田騎手が2週続けて追いきりに騎乗していたんだから、何とかフォローできなかったものか。ビシッと追って時計を出してこれだからねえ。
菊池 どうも、その前に一頓挫あったようですね。
<レース展開について>
京介 ファンファーレが鳴ってからしばらく回して、最初に入ったのはゴールドケープとブラックオニキスがほぼ同時。そこから多少嫌がった馬はいたけど、ゲートが開くまで1分02秒。偶数枠の馬もサクサク入っていた方だと思う。
菊池 と、その前に…的な話なのですが、大外18番のリスグラシューが、案外早めにゲート入りしていませんでした?最後の枠入りは17番ヴゼットジョリーでした。
京介 そうそう!奇数番枠の馬の最後になった、ジューヌエコールとディーパワンサがいざ入ろうとしていた横で、リスグラシューが偶数番枠の中で真っ先にゲートに入れているよね。何でこの順番なの?とはレース後に確認して思ったよ。何だか最近は、最内枠でも後の方に入れることができるし、厳密に内枠からとはなっていないようだよね。
菊池 これって、どういうことなんでしょう。スタート地点で発送委員が決めるわけじゃないでしょうし、陣営が早めにゲートに入れることを望んだり、申請したりしたのでしょうか。
京介 一応その場のアドリブで、気配の怪しい馬をまず確実に押し込んで、気のいい馬を後に回す…ということはあるけど、大外枠の馬が先に入って奇数枠の馬が最後入れなんて珍しい。リスグラシューの陣営が、ゲートは先に入れたかったと主張したとしか思えない。偶数枠の馬の最初に入ったわけだから。
菊池 「最後に枠入れの大外だから、出遅れも大丈夫だろう」ということを予想に織り込んでいるのに、こういうことされると本当に困るんですけど!!
京介 そうそう。これに同じく戸惑ったファンの人は多かったと思うよ。映像をおおよそ確認した限りだと、「リスグラシューがゲートに入ってから40秒ほど」でスタートが切られている。大外枠を引いたアドバンテージがないじゃんこんなの。
菊池 そうなんですよね。“距離ロス”というリスクの代わりに“最後の枠入り”を得られるのが大外枠のメリットであり、大外より一つ内とは分けて扱っているのに、これじゃ逆じゃないかと。リスク&デメリットで固めてどうするんだ!と。
京介 実際の所、リスグラシューよりもソウルスターリングの方がゲートを後に入れてて、ソウルスターリングはスタートをバシッと決めているわけだし。(でもまあ、隣のエムオービーナスが相当暴れて危うかった状況だったけども)。
菊池 しかも、戸崎騎手は「ゲートの中で待たされて出遅れてしまった」とかコメントしてるし。
http://keiba.radionikkei.jp/keiba/post_10536.html
これ結構ひどい話ですよね。ちょっと納得できない。
京介 一旦ここまでで話を切って、「阪神ジュベナイルフィリーズのゲートの様子」として項目をまとめようか。
菊池 いやー、本当にね。先を見据えて、“ゲートで我慢させる訓練”として陣営がやるのは良いですけど、こういうのは絶対に情報として出して欲しいです。こっちは、桜花賞は桜花賞、今回は今回、として馬券を買っているんだから。
====
菊池 改めてレース展開ですが…。18番リスグラシューが1馬身出遅れ。内では、ゲート内でうるさかった3番エムオービーナスも大きく出遅れ。その他、8番サトノアリシアも後方からの競馬になりました。
京介 その隣のジャストザマリン、15番のフェルトベルクも良くなかった。1番のディーパワンサも、荒れは出遅れたと言える水準だね。ヴゼットジョリーは手綱を動かさずに控えたという様子。
菊池 抜群のスタートを決めたのが4番レーヌミノル。そして、2番ソウルスターリングも互角に出て、枠なりに絶好位をキープしました。
京介 いや、レーヌミノルを抜群に良いとするなら、12番アリンナと14番スズカゼもかなり良かったんだよね。どれも偶数枠で比較的後の方に入った馬だ。
菊池 2F目で先頭に立ったのが12番アリンナ。4番レーヌミノルは3番手に控えて、直後の2番ソウルスターリングは5番手内といった位置。その外に11番ジューヌエコールも良い位置を取りました。
京介 これ、レーヌミノルは逃げても良い勢いで2列目ハコの内を取るべきだったよね。手綱をガッチリ控えて折り合い重点でいて隙間を埋めてなかったその間に、ルメール騎手ソウルスターリングが押し上げてポジションを奪った。
菊池 その点は確かに。ルメール騎手はプレッシャーなく、良い位置までゲットでした。
京介 11番ジューヌエコールは、完全に引っ掛かっている。一旦はレーヌミノルと並んでいたのに、鞍上と呼吸が合わず1列下がった。内から押し上げたディーパワンサの真横ぐらいだけども、ここがおよそ6番手ぐらいか。
菊池 1番ディーパワンサは中団のラチ沿い。中団が大きな塊になって後方は4~5頭。そのグループの外、後方4番手あたりに18番リスグラシュー。8番サトノアリシアが後方2番手でした。
京介 掛かってフラフラするジューヌエコールの微妙な後退が、ブレーキになった部分もあると思う。14番スズカゼや5枠の2頭はちょっと戸惑いながら追走していたね。後方に控えているのに、サトノアリシアも折り合いに不安がある様子。
菊池 前半600m通過が34.7秒でした。平均よりやや速めのペース、締まった流れでしたね。
京介 先頭を切るアリンナは、これぐらいのペースで1200mや1400mを走り切っていた馬。マイルだからと田辺騎手が手加減せず、この馬の競馬をしようと主張した結果だね。そのリードに、2番手3~4頭ほどがピタリくっついて追走していたわけだから。
菊池 道中に大きな動きはなく、残り600mあたりでは、後方の馬たちも追い上げてきて馬群はひとかたまりに。
京介 ここで先頭が大きくリードを広げたり、隊列が縦長になっていなかったから、後方で構える馬は仕方なく大外に振らざるを得ないわけだ。
菊池 直線入口、2番ソウルスターリングは、逃げた12番アリンナの直後まで迫り、内回りとの合流地点に差し掛かる広いところで、進路を確保しました。対照的に、18番リスグラシューは大外。
京介 まずまずペースも速い展開。それでいて大きく馬群がバラけたわけではないんだけど、阪神外回りの2歳戦にありがちな展開で、個々の細かい動きの結果、十分な進路が空いていた。手応えがある馬なら十分に割って出られる。
菊池 かなりじっくりと仕掛けた4番レーヌミノルは馬場中央から。その外にいた11番ジューヌエコールは、早めにゴーサインが出たものの、手応えはイマイチでした。
京介 ジューヌエコールは掛かって折合難しくしていたからね。ここまでで消耗した差はあった。レーヌミノルは自分のスピードから考えれば、脚をかなり溜めた追走だったし。
菊池 残り200mで、2番ソウルスターリングが、逃げ馬を内から交わして先頭に。馬場中央から4番レーヌミノル。そして、大外の18番リスグラシューも、脚は鈍っておらず、急追の態勢に。
京介 ソウルスターリングが抜け出すあたりで、もう馬群はボロボロと崩れ始める。力のない馬がどんどんバテだす場面だね。ここで一杯になってしまう馬は、走破力とスタミナの差が明らかに出ている。最後のリスグラシューの伸び脚はかなり鋭かったね。
京介 ソウルスターリングの真後ろに構えていたディーパワンサは、ソウルスターリングと同じく最内を突いたんだけど、同じタイミングで動いてしまってソウルスターリングのブロックを食らって進路変更するロスがあった。
菊池 上がりの掛かる馬場状態だっただけに、小柄な馬とは言え、勢いに乗せてからの進路変更はロスになりますね。
京介 ヴゼットジョリーも内を突いたんだけど、垂れたアリンナと勢い微妙なゴールドケープに挟まれて数回接触している。これも勿体ない。
菊池 しかし、ロスなく立ち回って進路もしっかり確保した2番ソウルスターリングを交わすのは至難の業。残り100mくらいで上位3頭は大勢が決していました。
京介 全体を通して見ると、最後のゴール前でも手応えある馬がせめぎ合いをしているんだけど、レース序盤から有利を数回引いたソウルスターリングが、完璧なレース運びで勢い落ちずという流れだったね。ルメール騎手の先読みが活きて、後半楽な流れに運べるよう導くことができた、という展開。
<結果を受けて…>
菊池 勝ち時計は1分34秒0。当日の馬場も考慮すれば優秀な時計と言えそうですね。
京介 ただの2歳500万下条件程度だったら、1分35秒半ばという程度が妥当かな。古馬の3勝馬レベルと同等、それよりちょっと上と思っていいのかも。
菊池 8R(3歳以上500万下・芝1800m)、9R境港特別(3歳以上1000万下)では、どちらも単勝50倍以上だった人気薄の逃げ馬が3着に粘っていました。いずれもスローペースだったのですが、中~外から差しにくい馬場だったことも確かじゃないかと。
京介 でもレースリプレイを見ると、最初に触れたように芝の塊が飛んでいて、このレースのゴール前は土煙が微妙に上がるぐらい、「良い芝」ではなかったはず。だから、軟らかすぎる馬場なんだろうね。数字的には前の組も止まっているんだけど、切れ味が通用せず後ろの組も同じように消耗しがち、という。
菊池 人気で決まりましたが、単純比較では2・3着も強い競馬をしたと言えますよね。ソウルスターリングは、ロスなく立ち回ってきれいに勝ったけど、余力はたっぷりだったので、「負けた馬の方が強い!」みたいな話ではないですけど。
京介 そうそう。今年の2歳牝馬は改めて層が厚いと、数字の面でも証明できたレースだと言っていいはず。それにしても、牡牝混合のデイリー杯から来た馬がダメで、牝馬限定重賞のアルテミスS組が先着。牡馬が弱いのを証明する材料がまた増えてしまうね。
菊池 では、上位馬を振り返りましょう。
ソウルスターリング
菊池 初の長距離輸送。8kgの馬体減でしたが、これは許容範囲だったと見て良いでしょうね。
京介 そうだね。前走の時点で張り艶は良くてもずんぐりしていると感じたし、藤沢厩舎らしく速いタイムは未だに出していない。まあ、輸送の分で体は減ったけど、十分耐えられる範囲だったということだね。自分はまだ体をイジメきってない状態での勝利だと捉えているよ。
菊池 スタートからゴールまで無駄のない、お行儀の良い競馬でしたね。
京介 というか、レーヌミノルの右手横に隙間が生まれると思わなかった。ここを突いたルメール騎手も見事だし、これまでテンに速い流れは未経験だし、アイビーステークスと同様に、馬場の外を押し上げると思った人は多かったはず。好位を奪うよう急がせて折り合いに全く問題がないというのは、馬の性能の高さあってこそだけど。
菊池 このスケール感を持つ馬が、あれだけ綺麗な競馬をできるとなると手強い印象。
京介 全く底を見せたような様子がないからね。ルメール騎手が選択を間違えなかったのも偉いわ。でもまあ藤沢厩舎は、ビッシリ仕上げる必要のあるレースではない方が、パフォーマンスは高かったりするんだよね…。これから作り込んでいく過程で間違えなければいいけど。
菊池 パンパンの良馬場で、時計勝負になるとどうなの!?という面は残しますが、今どき、そんなレースってヴィクトリアマイルあたりまでないんですよね。しばらく心配は要らないでしょうか。
京介 今年の牝馬のレベルだと、桜花賞が1分33秒前半の決着になる可能性はあるけど、まあ時計は詰めてくるでしょう。爆発力というより総合スピードの高さが顕著で、サッと立ち回れて脚が溜まる。ルメール騎手と合っている馬だと思うよ。
リスグラシュー
菊池 ゲートの件は、我慢ならず先に話してしまいましたので、それ以外で(苦笑)。まずは、6kgの馬体増。これは素直に良いと思いました。
京介 お尻がかなり小さく、前走の時点で寂しさを見せていたからね。今回は輸送の影響がないだろうと、計算が立つのは良かったし、調整過程でイレギュラーはなかったはず。
菊池 道中は外・外を回る競馬で、距離損が大きかったのはもちろん。先述のように、やや差しにくい馬場だったと思うので、「負けて強し」の内容だったことは確かだと思うんです。小さい割にパワーもありますね。
京介 条件面の不利が重なったのは確かだと思う。その上で、ワンチャンスあれば覆していい爆発力はあった。
菊池 ハーツクライ産駒の牝馬が2歳早期から活躍するケースって稀じゃないですか。母系が割とハッキリ出ているとなると、逆に成長力が気になりますが。このあたりは馬体の成長も含めて見守りたいですね。
レーヌミノル
菊池 パドックで見比べると、やはり背丈の低さが目に付くんでしょうか。決して小さな馬じゃないのですが、脚も胴も長くないですよね。
京介 パドックで歩かせている時は本当に捌きが広いから、全く背丈などでは見劣りしないよ。ただ、立ち止まらせると体高は他の馬の方があるかな。でも本当に、四肢の捌きにセンスがある馬だと思う。
菊池 レースぶりは素晴らしかったと思うんです。好スタートを決めましたが、その後も我慢が利いていて。本質は1400m以下が良いと思うのですが、一戦ごとにレースぶりは良くなっていますよね。
京介 そうだね。蛯名騎手も阪神ジュベナイルフィリーズ自体には好成績が多い騎手で、「最後まで持たせる、我慢させる」ことに主眼を置いたレース運びだったと思う。その期待に応えられる馬だとは思っていたけど、初めてで戸惑いもあったはずなのに馬も良く応えたわ。
菊池 良い形でバトンを繋ぎましたね。さすがベテラン、という結果。
京介 おそらく次は浜中騎手に戻るだろうし、蛯名騎手は今回スポット騎乗だったと思うんだけど、馬群の後ろでガッチリ抑え込む競馬をしたんだなあ…。やらかしも含めて、飛ばして逃げる可能性まで考えていたんだけども。
菊池 個人的には、エアスピネルのようなタイプとして扱っていきたいと思っています。さすがに馬体の適性よりは明らかに1F長いので、ちゃんと強い馬がいると負けてしまうけど、学習能力が高くて、伸びしろはある馬だなと。心配されつつも、距離をこなす感。
京介 本当に運動神経が高い馬だからね。レース前には「条件が悪いだろう」と思われて、パドックが始まる前はそんなに売れていないのに、パドックが終わるとだいたい上位人気になっちゃう馬だと思う。
その他
菊池 4着ディーパワンサも良い競馬をしていますが、この馬は他馬に成長で追いつかれる立場だったかな、と。
京介 結局はそういうオチになってしまうけど、シュタルケ騎手はミスしないで運んでほしかったわ。スタートでも慌てるし、直線は進路読みを間違ってカットされるし…。レーヌミノルより有利なローテーションなんだから、もっと伸びがあっても良かったのに。でもまあポテンシャルで足りないのを承知で評価したから仕方ないけど。
菊池 ヴゼットジョリーが5着に頑張りました。個人的には状態が良くない心配をしていたので、これはなかなかやるな!と。ポジティブに捉えたいです。
京介 最後のゴール前では、アリンナとゴールドケープに挟まれて接触もしていた。画面の追い方では見切れてしまうけど、そこはチェックしたい。
菊池 ジューヌエコールの敗因は、どのあたりにあるのでしょう。
京介 レースの流れをおさらいすると酷いもんだよ。スタートは右にヨレて、向こう正面流しから掛かりっぱなしで1列下がるロス。コーナーではハミが掛かりっぱなし。やっとリズムを持ち直して直線に向いたら、レーヌミノルと接触してバランスを崩す。直線大きく止まった理由は、力んだまま追走していたから。単純な敗因は、バルザローナ騎手が調教から乗っていていい追い切りだと言っていたのに、全然馬のことを手に入れられていなかったってところだね。多分福永騎手のままだったら、もうちょっと違ったんじゃないかと思う。
菊池 この敗戦でガタっと崩れないといいのですが。陣営がここまで積み上げてきたものを、もう一度立て直せるか?は、トライアルでしっかりチェックしたいところです。
京介 ただ、馬体面で比較すると、結構脾腹が上がって寂しく映ったと思う。3連勝を余裕残しで楽に勝つ流れではなかったし、デイリー杯で結構仕上げてしまったんじゃないか。デビューの早かったあまり奥のないクロフネ産駒の、仕上げピークをここに合わせられなかったのも敗因の一つじゃないかな。でも単純にバルザローナ騎手が期待よりも下だったよね。今回の競馬は辛らつに言っていいと思う。
菊池 フランケル産駒のG1制覇は初のようですね。無敗の2歳女王が誕生したことで、今後は買い付けられてくる産駒や、受胎済の肌馬が日本に来ることも増えそうです。
京介 でもさすがに争奪戦になることは必至で、あまり日本に数は来ないんじゃないかと言われているね。フランケルの牡馬が果たしてどのレベルなのか、だけども。
菊池 スピードのあるサドラーズウェルズってこれまで日本には入ってこなかったですからね。サドラーズウェルズ系でスピードがあったら最強ですよ、みたいなことになる可能性も…。ということで、今後も楽しみです。
京介 だけど血統的には、母父モンズーンなのに、これだけ基礎スピードが高く終いもそれなりにキレを見せる馬が出たのが凄いと思う。全然スピードがないと思われる血筋でも大丈夫なのかと。
菊池 あと、今年はディープインパクト産駒がいなかった、ということも覚えておかないといけませんね。
京介 そうだね。総合的に、今年はディープ&キンカメ不作の年だから。でもセンスの良いダイワメジャー産駒、ハーツクライ産駒というそれなりのボーダーを上回ったのは偉いでしょう。
<教訓まとめ>
・やはり今年もゴール前まで混戦にはなりにくく、ある程度体力勝負かつ脱落戦になるので、不器用なタイプでも間に合う&捌ける競馬になった。中距離でも折り合って決め手を使った履歴は、今年もプラスに作用した。1800m好タイム圧勝歴は、影響が大きいと言える。
・G1が続くシーズンでもあり、香港国際競走と同じ時間帯にあるレース。有力騎手が割れて、乗り替わりも数多く生じる。折り合いが大事なレースでもあるので、妙な乗り替わり経緯には注意を払いたい。
・その中で、2歳新馬の有力どころに数多く騎乗し、選択権のあるルメール騎手のアドバンテージは大きいと考えるべきか。今年はルメール騎手が2勝目を挙げた馬が4頭も登場していた。
・今年の阪神は芝を軟らかく作っている。芝の質が軽い京都組は追走リズムが悪く、芝が重たい秋の東京芝を経由した馬が1~3着。タフな芝経験がプラスになった可能性はある。
<次走巻き返し警戒馬>
<京介>
・アリンナ
…体型としては1400m以下なのは明らかだが、抜群に張り艶良く見せた。この大一番、スピードの良い馬が多いのに、スタートもバシッと決まる。最後の直線は止まってしまったが、なかなか良い持続力がある。フィリーズレビュー、ファルコンS辺りなら足りるかも。
<菊池>
・ゴールドケープ
…先行馬に楽なペースではなかった中、1分35秒0で走りきって6着に踏ん張った。出脚の悪い馬が多いワークフォース産駒だが、母の良い面を継いでおり先行力がある。重賞を勝つまでは望みにくいが、上がりの速い決着でなければ、意外なしぶとさを発揮できるので、どこかで2~3着のチャンスがあるかもしれない。
~~~~
菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週末は2重賞なので、朝日杯FS・ターコイズSをともに京介さんと展望していきます。
https://regimag.jp/blog/kyo_guri
推奨穴馬にご注目ください!
「レース直前☆競馬ナマTV」は秋競馬も無料生放送をお届け!
(土曜日も放送があります!)
【 12月17日(土)14:00~ 】
AbemaTV
https://freshlive.tv/jrdb_keiba/68230
【 12月18日(日)09:50 】
AbemaTV
https://freshlive.tv/jrdb_keiba/68243