菊池 日曜日に札幌で行われたエルムSも回顧していきましょう。

『レジまぐ』で全編公開の重賞展望トークでは、
小倉記念で京介がフェルメッツァ(6番人気3着)を推奨!

https://regimag.jp/blog/kyo_guri
170806小倉記念穴推奨


グランプリ

▼エントリーはこちらから

馬トクPOGグランプリ2017ー特設サイト

競馬チェック・投稿用アカウントをフォローでブログ更新を素早くお伝えします!



エルムステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/s/blog_publisher_view/detail/blog/725/entry/117509

<天候・馬場について>

菊池 札幌は土曜日まで雨で、芝重・ダート不良で始まりました。

京介 土曜日は完全に水が浮く状況になっていたね。逃げるか2番手→4角先頭に押し上げる形でしか勝てなかったし、500万下条件でオープンクラスの時計がでていたでしょう。

菊池 そして、日曜日は雨こそ上がったものの、さして乾かずに芝は稍重。ダートは重。一段階の回復は、「水が引いた」程度のものだったでしょうか。

京介 そうそう。朝一番のパドックではまだ傘をさす人もいたし、夜中の間もまだ雨は降っていたんでしょう。馬券の上では、超高速不良馬場も超高速重馬場も、事実上はあんまり変わらないものだけどね。ただ、馬が地面をグリップできず滑ってコケる可能性は、重馬場の方が少ないから。

京介 土日を通して、ダート1700mは逃げられる馬と2番手を予想するのをまず主眼に置くべき状況だったよね。1コーナーが近いコースだから、今までの良馬場で逃げる競馬をしていても、枠の差で逃げられず2列目外、ダラダラと勝負所で遅れてしまう例が多かった。今回のような馬場が土日で続くと、内枠を引いた馬の騎手が無理やりにでも抵抗してくるし、強引に主張して残せる例も多かったから、なおさら外枠の不利が顕著だったように思うよ。


ブログランキング
↑他の競馬ブログもチェック!(ブログランキング)↑








<パドックについて>

菊池 テイエムジンソクが断然人気でしたが、パドック映像を見比べて、いかがなものでしょう。

京介 テイエムジンソクは後肢がかなり長い薄手のダート馬で、股関節の可動域が広いと同時に、後肢を蹴り抜く力が強い。これは、ピッチ走法一辺倒の馬に対してかなりアドバンテージがある。けどね。という強みがあるにしても、現状まだそこまでトモの厚みが出た様子でもないんだよね。準オープンで勝ちきれなかった時と同じく、トモの甘さはあるし。

菊池 クロフネっぽさがある程度出ているんですが、まだ甘さも残していると。

京介 だから自分は、重賞勝ち負け水準の馬が多数やってくるのなら、的にかけられてやられる可能性が十分あるとは思っていたんだよ。

菊池 ふむ。

京介 それと今年のエルムSは、札幌での滞在調整の難しさも感じたなあ。コスモカナディアン、クリノスターオーの張り艶は物足りなかったし、函館オープンを走ってこちら札幌に移った馬も、全然体つきが良くならない。

菊池 これ何とも。当日にならないと分かりにくかったりしますねぇ。

京介 やっぱりエルムSは、能力の問題もあるけど、札幌入りしてからいい状態をキープするのが難しい出来の問題も大きいなと改めて感じたよ。今回のロンドンタウンは、他とは対照的にムチムチした体つきでいい張り艶をしていたから。

<レース展開について>

京介 札幌は天候が悪く、馬場の方にはそんなに人は出ていなかったし、最前列とは芝を挟んでのダート地点だから、ファンファーレが終わる前からもうゲート入りは始まっていた。だいたい最初の入りからゲートが開くまで44秒ぐらいだね。

京介 それにしても今週の馬場を土日で経験している騎手ばかりだったから、スタートがとにかくシビアだったね。最初の一歩はほとんど横一線。モンドクラッセにかなり期待していたんだけど、内の馬がこれだけいいスタートだったら、10番枠でも外すぎて遠かったということなのかな。

菊池 まずは内から3番ドリームキラリ。三浦騎手は押して押して、ハナを獲りきる覚悟だったことが伺えますね。

京介 単純な能力はともかく、行ききりさえすればかなりチャンスが広がる馬場だからね。絶好枠をいただいたからには、バテたとしても、のつもりで逃げるのみでしょう。

菊池 そのドリームキラリにやや寄られ気味のスタートだった4番テイエムジンソクが立て直して2番手へ。7番タマモホルンも初速では負けておらず付いていきます。2番ロンドンタウンの岩田騎手も包まれまいと、外を見つつある程度促して行っていますね。

京介 やっぱりこういう馬場状態は、地方騎手ほどシビアに動くよね。丹内騎手が僅かに劣勢になったからと、押して出すのをすぐ諦めたのはがっかりだわ…。勝浦騎手ももっと無理して出て行ってほしいよね。馬が楽に息継ぎしながら運べるポジションに置くよう、すぐ切り替えてしまう。中央騎手のこういう判断、ホント良くないわ。イメージしているよりも、もっと極端な馬場状態なのに。

菊池 外の10番モンドクラッセはそこまで押していませんでしたが、11番クリノスターオーの幸騎手はある程度は出して行ったものの、内の馬が速くて追い付ききれないうちに1コーナーを迎えてしまったような恰好。

京介 そうそう。この現象だね。内の馬が大半良いスタートを切っていたから、半分よりも外の枠はスタートで1馬身ぐらい抜けきるダッシュをしない限り、前に行けない。

京介 しかもここは札幌の大回りカーブ。パトロールビデオを見るとわかるように、内側の馬と一緒の行き脚で5頭分も外を回っていては、さすがにどんどん劣勢に立たされてしまう。

菊池 2コーナーでは概ね隊列が固まって、3番ドリームキラリが単騎逃げ。4番テイエムジンソクが単独2番手を確保して、3番手に7番タマモホルン。2番ロンドンタウンがハコ内へ。

京介 タマモホルンがまた半端に7番枠から相当頑張ってしまったために、モンドクラッセは1頭分外の位置になり、コーナーでその分遅れてしまうという格好になった。これがキツイんだよなあ。

菊池 そして、5番手外に10番モンドクラッセ。その後ろから中団グループとしましょうか。6番リッカルド、内に1番コスモカナディアンで、その外に11番クリノスターオー。

京介 こうして改めて見直すと、クリノスターオーはなんでここまで後ろになってしまったのかやっとわかる。だけど前日の予想では、各馬のテンのダッシュ力で比較してしまうし、それで隊列を予想しがちだよね。でも今回はそうはならなかった。どの騎手も相当先行意識が高かったからこそ、内枠の馬が外の馬をコーナーで外に押し出すような隊列を作ったわけだね。

菊池 そして、5番オヤコダカ、12番リーゼントロックがいて、このあたりにようやく9番ピオネロの姿が見えました。その後方に3頭。

京介 ピオネロのルメール騎手は、単純にスタートで出負けしてしまって…。リーゼントロックも最初の1コーナーの入りが厳しすぎた。

菊池 ペースは、前半600m通過が35.3秒で、1100mが65.0秒でした。この馬場ですから速い流れになっていますね。

京介 でもレコードが記録される馬場だと、後半もずっとハロン11秒台が記録されるから、普通のラップの考えではいけない。目一杯の限界ダッシュ力を発揮しても、それが適正ラップである可能性もあるし、むしろ今の馬場はそうかもしれない状況だからね。

菊池 3コーナーを待たずに7番タマモホルンは失速。3番ドリームキラリに4番テイエムジンソクが並びかけて行って、2列目に内から2番ロンドンタウン、6番リッカルド、10番モンドクラッセ。

京介 タマモホルンは仕方ない。輸送減りもあったのによく頑張ったよ。モンドクラッセやリッカルドはこの時点で結構手応えが怪しいよね。

菊池 4コーナーを回るところでは、3番ドリームキラリに4番テイエムジンソクが楽に並びかけて行き、2列目から2番ロンドンタウンが良い手応え。6番リッカルドはまだやれる手応えを見せていましたが、10番モンドクラッセは失速気味で、その後ろの列から1番コスモカナディアン。いずれにせよ、前のグループで決まることだけは見えていましたね。

京介 本来、ダート重賞のスタミナでは見劣りするドリームキラリがまだここでも粘っていて、明らかに勝負圏内にいるような競馬だからね。行ききった有利が相当あったのは間違いないと思う。

京介 逆に序盤テン争いをせずに、後ろで控えている側が3コーナー以降どんどん置かれてしまう。スピード>>スタミナの勝負になっているのは明らか。

菊池 直線に向くところで、コーナーワークでもう一度3番ドリームキラリが付き離し、並びかける4番テイエムジンソクの伸びも案外。その後ろから一気に2番ロンドンタウンが迫ってきます。

京介 この直線で外を回った馬も脚を使っている様子なんだけど、明らかにこの3頭はトップスピードに乗せつつ内を回れた有利があったように感じるね。

菊池 ラスト100mは完全に3頭の争い。その中で、2番ロンドンタウンが外から差し切り。2着争いは2頭が接戦でした。

京介 テイエムジンソクは4コーナーを回る時の手応えが明らかに余裕あった方だと思うのに、この叩き合いでスパッと出られないどころか、ドリームキラリを交わすのが精一杯。さすがにレコードを更新する次元のスピード勝負は、上手く立ち回ったにしてもベストではない条件だったということだね。

<結果を受けて…>

170813エルムS結果

菊池 勝ち時計は1分40秒9。馬場状態から検討はついていましたが、やはりレコード決着となりました。

京介 しかも逃げと2番手とハコ内ね。好走する脚質の馬は分かっていたものの、馬場状態と枠順が出た時点でも、まだモンドクラッセへの期待はあったなあ。多分土日ともに札幌ダートを細かく追っていた人なら、「ただ外枠に入っただけでもキツイんじゃないか?」と疑念を持てたのかもしれないけれど…。

菊池 内から良いポジションを獲れた3頭での決着、4着もラチ沿いを回ってきた1番コスモカナディアン。6着も先行していた6番リッカルド。極限の時計勝負となって、外を通った組は全滅でしたね。

京介 その通り。あのスタートからあの1コーナーの前後を見返すと、本当に外枠の不利が大きいと分かる。ピオネロどころか、クリノスターオーの枠による不利が影響していたね。週中に追いつけないのはしょうがない。土曜日の予想で、そこまで思いつけたかどうか…。

菊池 では、上位馬について。

ロンドンタウン

菊池 今回はマイナス14キロでの出走でした。前回増えていた分、キッチリ絞れていたと見ていいでしょうか。

京介 今回の体つきでも、腹袋どっしり、トモ幅みっちりに見えたから、今回のが適正体重だったと。前走の平安Sのレース内容で、「中央だと格下かな?」と安易に思ってしまった。ダメすぎる仕上げだっただけなんだね。今回は枠順と岩田騎手の工夫だけでなく、体つきがグッと良くなっての一変だった側面が大きい。

菊池 ある程度、位置を獲りに行き、テイエムジンソクをマークできたのは大きかったですね。岩田騎手の好プレーだったと思います。

京介 岩田騎手は重・不良のダート中距離は本当に得意だからね。いいところで脚を使わせて高いポジションを取るのがかなり有利になると、肌で実感しているんだろうね。強引に行くべきところで行くというか。

菊池 今後は、秋の大一番。チャンピオンズCに向かって歩んでいくと考えられますが。

京介 でもさすがに今回の競馬は、枠を最大に活かした鞍上のファインプレーが光る内容で、底力勝負でどうかという部分は示していないと思うなあ。もちろん今後もG3前後の距離で、何度も好走しうるキャラだと思うんだけどね。

テイエムジンソク

菊池 目下の好調をキープできていたでしょうか。

京介 北海道に来てのここ2戦が圧勝だったし、疲労で体にガタが来るような内容ではなかった。そして、この中間も標準以上に動けていたし、さらなる上積みとは言わなくても、前走並みの内容で勝負になるだろうという陣営の判断はあったと思うよ。ちゃんと後肢が動く仕上がりだったね。

菊池 今回は、断然人気で、前を捕まえつつ後ろにも気を配らなければいけない、乗り難しい立場だったのは確かですね。

京介 それでもスタートでミスをせず、逃げ馬をいつでも捕まえられるポジションで、ちゃんと4コーナーで並んで、ギリギリでも逃げ馬を交わす仕掛けはしていた。いかんせん、従来のレコードを0.8秒更新するレコード決着だから、「手応えからイメージする程、ビシッと弾けない」というのは十分あり得る。

菊池 ここで土が付いてしまったのは、意外と言えば意外でしたが。

京介 だけど自分は、納得はしているよ。レコード決着のレースって、ベストの馬場適性がある馬なんて重賞級でもほぼいない。人気を一斉に集めて、他の馬が「あの馬が動いたら仕掛けよう」と目標にされる立場の馬こそ、好走は出来ても非常に苦しいんだよね。

京介 今回はいつも3列目半ぐらいの位置を追走するロンドンタウンに、過去の履歴以上の激走をされてしまった。ピオネロがテイエムジンソクより人気を集めるムードだったら、こういう仕掛けにはなっていなかったはず。

菊池 秋はみやこSあたりからでしょうか。時計勝負は望むところですし、ひとまずみやこSでは有力視できそうかなと思いますが。

京介 一応は、3歳も合流して来るし、別方面の強力馬もやってくるレース。そこが試金石とはなりそうだね。

ドリームキラリ

菊池 馬体に変化は見られましたか?

京介 正直、そこまで良くはないな。トモもそこまで張りがいいわけではなかったし、四肢の捌きも一番いい頃よりは硬さがあったと思う。この馬が一番シャキシャキ動けるのは秋口から冬場なのかな、とは感じるね。

菊池 先週が復帰初週だった三浦騎手。いきなりから条件戦でも好騎乗が見られましたね。落馬後のジョッキーが、復帰後に活躍するパターンは、最近チラホラ見られますが、まさにそんな感じ、というのも見えました。元々、札幌は得意な人でもありますが。

京介 トラウマが植え付けられちゃいけない、ということで落馬した札幌競馬場で復帰すると決めたんでしょ。それ自体も凄い根性。そして馬場状態を勘案して、とにかく強気に戦いに行く競馬が多かったのも良かったと思うね。決して自分は怖がっていないんだぞというのを、関係者に演出することにも成功したんじゃないか。

菊池 馬自身の今後ですが、今回の好走が良いきっかけになるといいですね。でも、次走で過信は禁物かな、とも。

京介 改めてこの馬は、持ち味がスピードであり、ポルックスSを勝った時のように、圧倒的な逃げ馬有利状況だとやけに粘るというのを再確認した。大敗しがちな脚質でもあるし、関屋記念のマルターズアポジーのように、特定の状況であれば必ず注意を払いたい1頭だね。

その他

菊池 2番人気のピオネロは7着に敗れました。今回はちょっと、なす術なし…でしたかね。

京介 その通り。そしてルメール騎手は、多少馬優先主義の所があるなと改めて思ったなあ。出遅れてから全く挽回しようとしなかったものね。速いラップで前が潰れた時用の競馬に切り替えた。プランBということだね。ずっと馬群の大外を回って待っていたもの。この乗り方は確かに前が潰れればハマるチャンスはある。今回はそうじゃなかった、という考えだね。

菊池 全体的に、脚質と枠順が大きく明暗を分けたレースだったかなと。

京介 1年のうち、フラットな力勝負ではなくなるレースもそこそこあるけれど、今回は当日の状況も汲んで考えなければ正解に届かない、極端に偏った典型的なレースだったと思う。G2級の差し馬でも、この馬場で外から脚を伸ばすのは不可能だったと思うよ。

<教訓まとめ>

・中央の小回りコースのダート重賞は、そもそも新潟レパードSとこの札幌エルムSのみで、1700mの重賞はこの条件のみ。ただでさえ過去の傾向からずっと前有利となりやすいレース。おまけにレコード決着必至となれば、「かなり極端な偏り」が生まれてしまうのも仕方ない。単純な力比べとは違う基準でものを考えなければならない必要も生じる。

・土曜日から逃げ先行超有利の状況が続けば、騎手の側も当然強く意識する。今回は非常に高い精度で全馬のスタートが決まったが、意識づけが高い結果であり、そうなると外枠の不利がさらに大きくなる。

・テイエムジンソクは函館2戦のタイムが優秀であることで、性能を評価されて圧倒的な人気を集めたが、今回の馬場状態はあと2秒も速い記録を要求される状況だった。ここまで次元の違う馬場は、まるで違う適性を要求されて「従来の力比べ」の根拠が崩れるので、単勝候補として持ち上げられすぎるのは良くないこと。

<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ピオネロ
…もともと距離短縮の対応力はないと踏んでいたが、ルメール騎手が真逆展開向きの競馬をして、だいぶロスのある内容だった。全く追走できなくても仕方なし。1800m以上、できれば1900~2000mで。

<菊池> 
・クリノスターオー
…敗戦時に脆いのはいつものこと。パドック担当者の評価は良かったので、次走で人気落ちなら押さえておきたい。

~~~~

菊池 では、今回はここまでです。今週末は札幌記念と北九州記念を京介さんと展望していきます、よろしくお願いします。