菊池 土曜日に行われた中山牝馬Sを回顧していきましょう。

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180310中山牝馬Sの穴推奨

中山牝馬Sはカワキタエンカ(6番人気1着)を穴推奨に指名!

中山牝馬ステークス回顧



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<天候・馬場について>

菊池 とりあえず土曜日には上がっていましたが、先週末は木曜日から金曜日にかけての雨が降りました。雨量もボチボチありましたね。

京介 金曜日は想定以上に強い雨が降ったようだね。土曜日の開催が始まってみると、場内は地面に水たまりが結構残っていた。だけども、昼過ぎから徐々に良い感じで日が差すようになってきたんだよね。先週ほど暖かくはないけれども。

菊池 土曜日は朝一の発表が「芝=重」、「ダ=不良」でした。お昼前に天候変更の発表があって、芝はこの日最初の5Rを迎える前に稍重に変わりましたね。

京介 この時点で発表が変わるのなら、「ああこれだったらすぐ回復に向かうのかな」と思ったんだけれども…。風も適度に出ていたし日照もあったしね。だけど、意外とその後良馬場にまで回復しきれなかったね。

菊池 9Rの芝1200m・1000万下が1分8秒9。10Rの芝2500m・1600万下が2分35秒6。時計は掛かっていましたね。

京介 比較的スローペースで行っているはずなのに上がりが掛かり、しかも内ラチ沿いを通った馬がそこそこ踏ん張れる結果だったよね。まだ緑色の芝が生えていて馬場が良いと見える外側が、いつまでたっても伸びてこない。馬群の外を回りたい差し馬にはだいぶキツイ状況だったようだね。

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<パドックについて>

菊池 フルゲート割れの14頭立てでしたが、トップハンデが56キロで、該当馬が3頭。4歳馬は2頭しかいませんでしたが、メンバーレベルとしてはボチボチだったでしょうか。

京介 そうだね。オープン格や重賞格はクリアしている牝馬だと考えれば、まるで通用しないレベルの馬ではないし、実際大半の馬が、肉付きや腹構えもだいぶ良かった方だよ。

京介 ただ、全体で見比べて印を打つには、どの馬も一長一短だったかなあ。この馬はココが悪い、この馬は余裕あって肌艶が微妙、この馬は中山では馬力不足…と、どれが一番だと選びにくいメンバーだった。まあこれはいつものことなんだけど、今年も悩ましかったよ。

菊池 トップハンデのうちの2頭(トーセンビクトリー・エテルナミノル)が高評価だったのに対して、1番人気のマキシマムドパリは辛口評価でしたね。

180310中山牝馬Sガチンコ

京介 マキシマムドパリは確かにこれまで1800mを避けていたように、小回りコースでグッと加速するようなタイプではなさそうだね。トモ幅と腹構えが薄くて、牝馬同士なら2200m以上からアドバンテージが出てくるタイプ。それと冬場にある程度良かったし勝負していたから、春先の上がり目もそこまでじゃないなと思ったんだ。

京介 あと、例年日曜日でやっている中山牝馬Sよりも、人混みは遥かにマシだった。土曜日だとこんなに良い天気でも、人を呼べる人気キャラがいない限り、盛り上がりにくいのかな~。牝馬にとってはちょっと助かるかもしれないけど。

<レース展開について>

京介 この日はそこまで人だかりは多くなかったね。中山芝1800mはスタンド前発走なんだけれども、ファンファーレが鳴り終わるのを待たずして5番キンショーユキヒメはゲートに入っていた。30秒ほどで残り1頭となっていたし、46秒でゲートが切られればだいぶ早い方だよ。

菊池 いくらかゲート内がうるさかったでしょうか。スタートもややバラつきが見られましたね。3番バンゴールや13番オートクレールが出負け気味。

京介 オートクレールはゲートで待っていた時、何度も前掻きして躓いていたね。バンゴールは最後まで出遅れが改善されず…。ああ勿体ない。

京介 10番レイホーロマンスはいつも通りだから良いにしても、11番ワンブレスアウェイも出遅れてしまった。心身的に良くない所でもあるんだろうか?

菊池 まずは内の各馬が出を窺っているところ、7番エンジェルフェイスや6番フロンテアクイーンもじわっと前に行こうとする中、抜群のダッシュを見せたのが大外の14番カワキタエンカでした。

京介 画面を見ての通り、内側の芝はボロボロで外側は良好。スタートで勢いに乗るだけなら、内枠4頭ぐらいはちょっと不利な所があったかもしれないね。カワキタエンカはこのメンバーだと逃げイチ。

菊池 1コーナーに入るところで先頭を取り切った14番カワキタエンカ。2番手が7番エンジェルフェイスで、内の6番フロンテアクイーンがラチ沿いを確保して3番手。2コーナーで4番手に浮上が8番ゲッカコウ。

京介 今回珍しくスタートを決めたゲッカコウにはだいぶ期待したけれども、フロンテアクイーンが意図しているポジションをサッと取れたのは大きいね。この馬は近走、後ろからばかりだったから。

菊池 5番手内が2番トーセンビクトリー。挽回した12番ブラックオニキスがその外。この後ろの列が中団やや後ろあたり。内に4番マキシマムドパリ、その外に5番キンショーユキヒメで、外が13番オートクレール。

京介 こうして眺めてみると、「この馬ならこの位置を取れるんじゃないの?」と事前に考えていた馬が、全然取れていない。それどころか人気勢は総じて予想よりも2列は後ろにいる。

菊池 その後ろはもう後方のグループ。内から1番エテルナミノル、9番シャルール、外に11番ワンブレスアウェイ。2馬身ほど離れて後方2番手に10番レイホーロマンス、最後方が3番バンゴール。

京介 エテルナミノルは想像よりもかなり後ろ。四位騎手だから不利な位置だろうなとは思っていたけれど、何で追い込みなんだよ。

京介 ワンブレスアウェイはスタートの出遅れを全く挽回できずにいる。スタート後も目の前にシャルールがフラついていて、進出できなかった。

菊池 前半600m通過は36.9秒。800mが49.2秒。重馬場発表だった2012年(1着レディアルバローザ・逃げ切り)よりも遅い流れでしたね。

京介 しかもこのラップは、1コーナー2馬身半ほどリードしているカワキタエンカが刻んでいるんだよね。その後も向正面で一旦は5馬身ほどは広がった。離れた2番手やらではなく、本来の定位置より後ろで運んでいる馬は、どれだけ疑心暗鬼であの後方にいるんだか。

菊池 向こう正面に入った時には、やや離し逃げだった14番カワキタエンカでしたが、後続も徐々に差を詰めて縦長が解消しつつ3コーナー。しかし、番手には大きな変化がないままで、待機勢もさして慌てる様子もなく4コーナーへ向かいます。

京介 目立った捲りを打つ馬もなく、ちょっと縦長だった隊列が、徐々に縮んだだけだね。他の馬よりも際立った戦略を見せた馬はいない。

菊池 3コーナー過ぎから仕掛けていて、ただ一頭だけ一気にポジションを上げたのが10番レイホーロマンス。大外をブン回して行きました。

京介 レイホーロマンスは、徹底して馬場の良い大外を回る戦略だろうね。普通中山芝1800mなら、あの距離ロスは結構大きいんだけど。

菊池  4コーナーを回りきって直線。かなり引きつけた14番カワキタエンカのリードがなくなって、7番エンジェルフェイスが並びかけてきました。その3頭分ほど外から8番ゲッカコウ。6番フロンテアクイーンは、ラチ沿いからカワキタエンカとエンジェルフェイスの間を狙う構え。

京介 直線に向いても、馬群が全く真横並びになってこない。ずっと馬群が斜めのままだ。これは先行勢の脚があって、後ろの組が伸びてない証拠。

京介 フロンテアクイーンは手応え絶好。外からはちょっと、どれも苦しい印象だったね。

菊池 中団から脚を伸ばしたい人気馬はモタモタして圏外が濃厚。唯一、伸びを見せる2番トーセンビクトリーも、そこからスパっとキレるタイプじゃないでしょ…という感じで。

菊池 坂に差し掛かって、14番カワキタエンカがもうひと脚を使ってエンジェルフェイスを振り切ります。代わって追撃は6番フロンテアクイーン。しかし、これもジリ脚で交わせるほどの勢いはなく。

京介 もうこの時点で、2頭のマッチレースになったような流れだね。前にいて最短距離を通った2頭。

菊池 結局、14番カワキタエンカの逃げ切りで、6番フロンテアクイーンは半馬身差に迫るところまで。3着争いは、内をジリジリ伸びた2番トーセンビクトリーを、ゴール前で大外から10番レイホーロマンスが捕まえていました。

京介 レイホーロマンスはだいぶ体も減っていたのによくやったよ。しかし全体としては、あまりに動きのないレース展開で、スタミナ消耗戦になる部分も全くなかったような。逃げた馬がラスト1F11秒9を記録するようじゃねえ。

<結果を受けて…>

180310中山牝馬S結果

菊池 勝ち時計は1分49秒0。稍重なので、こんなところかな?という時計ですが、良発表だった一昨年、昨年より速い時計だったりもします。ただ、今年が優秀ということではなく、この2年がいかにスローの何もない競馬だったか…みたいな感じでしょうか。

京介 意外と速いと言えばそうなのか。でも2年前は2年前で、捲りから一気にレース展開が動いたからねえ。今年はこの展開で強気に動く馬がいなかったのは残念。逆に、どの馬も我慢を強いてばかりだったら、やっぱりカワキタエンカが残ってしまうよね。

菊池 道中での動きも特に見られず。これと言って工夫のある騎乗も見られず、という感じだったでしょうか。北村宏司騎手を除いて(後述)。

京介 先週今週とまあまあ暖かくなっては来ているんだけど…。最近は引退レースでラストだから思い切りよく悔いのない競馬を…というのは流行らないのかなあ。昔は良くあったものだよ、もう最後のレースだからここで逃げる、もう最後だから差し馬が思い切って捲るとか。そういう作用があったから中山牝馬Sは凌ぎ合いの競馬になる性質があったんだけど…。中山芝1800mでみんなが慎重になったら、そりゃただの前残りになるよね。

菊池 では、上位馬について。

カワキタエンカ

菊池 こちら、京介さんの穴推奨でした!6番人気1着!お見事でした。
180310中山牝馬Sの穴推奨

京介 とは言え、当日もうちょっと強気になれる馬体であって欲しかった。脚に皮膚病のような斑点が出ているし、前肢も歪んでいて、あまりリズムの良い動きではなかったね。おそらくは、生涯の中でのピークにはまだ遠いんだろうと思う。その中で何とかまとめてきたという体つきだったね。

菊池 そのあたりで当日は、印こそ回れど特注馬に選ぶには至らなかったと。

京介 でも、それなりに腰が良くてトモ幅が標準並みにあるというだけでも、今の華奢な馬が多い牝馬路線では強みになるということかな。

京介 返し馬で池添騎手が引っ掛かるカワキタエンカを上手く抑え込めず、持って行かれたままだったのは勘弁してほしかった…。あれで直前評価が下がったのもある。

菊池 スタート直後、少しだけ池添騎手が気合いを付けましたが、馬が自ら行く気を見せていて。かなり良いダッシュを見せましたよね。坂が好きなのかな?(笑)。

京介 でも、2F目10秒台というダッシュではないよね。周りがあまりにも行かなさ過ぎたために、この馬だけの行き脚が飛びぬけて良く見えたというオチじゃないの?映像的には自分も同じことを思ったんだけど。

菊池 これまでにもその片鱗を見せてはいましたが、道悪も得意ですよね。

京介 デビューからここまで10戦、そのうちやや重以上でのレースが7戦目。雨に祟られやすいタイプではあるんだよね。だけどパフォーマンスとしては、君子蘭賞勝ちとローズS2着があるわけだから、良馬場で評価を落とす必要は全くないよ。重馬場での不安が全くない強みと、単純なスピード性能どちらも併せ持っている。

菊池 浜田多実雄厩舎はこれが重賞初制覇となりました。

京介 調教師は45歳だけれども、厩舎としては開業してもう7年目になるんだ。転厩して受け継いだ高額条件馬が、脚元の悪い馬ばかりでかなり難儀していたんだよね。でもこのカワキタエンカはデビューから自前で育てた馬。そう考えると、厩舎としての能力も結構高いんじゃないかと思う。

フロンテアクイーン

菊池 人気が割れた中で2番人気でした。当日の仕上がりはいかがでしたか?

京介 まあこの馬としては良いのかな?と思うぐらいだね。後肢が細く、姿勢が結構ブレて、いつも不安にさせる歩様。バネは感じるけれども、グンと良くなった気配はそこまで感じなかった。拾えてもいいかな?という水準ではあったけど、自分はトーセンビクトリーやエテルナミノルの、ちゃんと体の軸がしっかりしている方に可能性を感じてしまったからなあ。

菊池 3番手の絶好位をキープ。当日の馬場傾向からも進路取りはここがベターでしたね。勝ち馬をマークして、最後にチョコっとだけ差そうとした作戦だったと見えます。ゴール寸前でやられた前走の反省も踏まえて、北村宏司騎手の意図はハッキリ見えましたよね。

京介 まずレース後コメントで、「勝馬が相手だと思っていた」という戦略から正しかったんだよね。別の馬に照準を合わせていたらどうだったかわからんけど…。ただ、そういうイメージを持って行き脚も素直に、高い位置を取れたのに。ここまで上手くいって勝ち切れなかったのはねえ。根本的な馬の弱さがあるのかなと。

菊池 抜け出すと少しフワっとするし、それでいて勝てない。機動力があって道中は位置を取れるけど、とにかく勝たせるのが難しい馬、ということですね。

京介 結局この馬の評価は変わることはないのかな。器用さが必要な条件なら、いつでも評価すべきだけれど。

菊池 次は順調なら福島牝馬Sでしょうか。好走する可能性は高いと思いますけど、根本的な解決策はないでしょうから、1着の馬券は買いにくいですね(苦笑)。

レイホーロマンス

菊池 前走の420キロから12キロも減らして408キロでした。小柄な馬だけに心配したのですが。

京介 いやさすがに寂しく見せたよ。歩様は機敏さがあったけれども、お尻の背が尖って見えるぐらいだし、さすがに敬遠したよ。

菊池 前走と同様の後方一気。早めに仕掛けてコーナーでトップスピードに乗せた分、直線では前走ほど弾けなかった、という感じでしょうか。前も止まっていないし、馬場も影響していますかね。

京介 そうなんだよね。9Rで勝った馬が外を回ってきたけれど、内外を比較して外が良いわけではない。今回のように、4コーナーで4馬身ほど差があるぶんを大外一気で逆転できる馬場ではなかったんだよね。

菊池 勝ち負けには展開が必要なタイプで、今回は展開そのものは向いていないけど、ハンデの分で浮上できた3着…という感じですかね?

京介 いや、前走と今回も条件は結構違うから、これだけ馬体を寂しく見せても単純に性能がある馬だと捉えればいいんじゃないかな?52kgだから、という但しはついてしまうけれどね。

その他

菊池 トーセンビクトリーは4着でした。フロンテアクイーンの位置なら…という感じもありますが、やはりハンデ差が堪えていますかね。

京介 特に今回は、馬場がズブくてレースが相当遅く、俊敏に動くためには非常に斤量の余分が邪魔だった展開だったでしょう。何より、自分からすすんで前の組を捉えに動くことができなかったのがね。そういう動きができる馬だと思ったんだけど。

菊池 改めて、中山牝馬Sは連続好走をするのが厳しいなと。前年で好走してもハンデの分で着順を落とすのが大半ですね。特に今回のトーセンビクトリーのように、他の重賞でも結果を出してしまって1年後に3キロ重くなっているというのはキツイ。

京介 体つきは中山向きっぽく思えてしまうだけに、こういうパターンは自分も気をつけないとね。見た目にしっかりしているから、過剰に評価しすぎてしまう。

菊池 ブラックオニキスが5着。出遅れてリズムも良くなかったと思いますが、なかなかしぶとい馬ですよね。

京介 ラストに結構渋太く抵抗していたけれど、そこで微妙にフラフラしていたね。体の芯がまだ弱い、とは思っているんだ。ちゃんと鍛えれば別馬に変われると思うけど…。厩舎がやる気なさ過ぎてなあ。

菊池 1番人気のマキシマムドパリは12着でした。

180310中山牝馬S1番人気

京介 体つきが微妙だっただけじゃなく、なおこの展開ではどうしようもない印象を受けたよ。だけど、前走1コーナーで不利を受けて後手踏んだことを敗因に挙げていたじゃない?今回は1コーナーで前付けしに行かないの?3コーナーで馬群を縫って押し上げて行かないの?ふーん。とは思った。

京介 まあ鞍上もノーチャンスだと思っていたのかな。

<教訓まとめ>

・最近の重賞の中でも、異常なほどスローになりやすいレースになっている。まずスローペースには確実になるもので、捲り脚質の馬がいなければ先行馬が圧倒的有利な条件だと決め打って予想するのもいいかも。
・古馬と4歳世代がどちらも微妙な造りであれば、4歳馬がやけに強いのが今年の趨勢。
・重賞で勝って56kgを背負う馬が勝ち切れるのは、中山らしいスタミナが要求される大激戦で、先行勢がバテる流れなら、の話。スロー凡戦が続くのなら、これからは軽ハンデ有利の条件に変わってくるし、連覇や連続好走が難しいレースになる。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・エテルナミノル
…今回はまるで力を発揮していない。そもそもサンデー系統とは違って上がりに限界がある馬なのに、慎重に構えすぎ。流しただけに近い。昨年は牝馬の1400~1800mでダメだったが、パドックではあまり見劣りしなかった。基本的には中距離以上でこそか。マーメイドSは要注意。

<菊池> 
・キンショーユキヒメ
…暖かくなってきたが、まだ厳寒期の緩さが改善しきらない。冬はダメなタイプと断定したい。とは言え、もう買えるタイミングはマーメイドSくらいしか残っていないのだが…。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はスプリングS・フラワーCを京介さんと、ファルコンSと阪神大賞典はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。