菊池 日曜日の京都では天皇賞(春)が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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天皇賞(春)回顧



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<天候・馬場について>

菊池 天皇賞(春)が行われる日は快晴が多いですが、今年も京都は良いお天気が続いて、絶好の競馬日和という言葉が似合う日でしたね。

京介 土日ともに全く雨が降らず、いい風が出ていたようだね。ゴールデンウィークの最初をいい天候で迎えられて、他の遊技場もだいぶ

菊池 馬場コンディションも良好でした。開幕週に比べて、ラチ寄りを走った馬の好走が多かったように感じられます。

京介 なんだか現地で競馬していたジョッキーたちは、日曜日の8R&9Rの結果を見て、やや外でも伸びるような意識があったみたいだけど…。1日通して見直せば、やっぱり内有利だよねえ。3200m全部外を回っても伸びるなんてことはあり得ない。外枠の馬は序盤か勝負所か、どこかのタイミングで内に入れておきたかったし、内枠の馬はちゃんとその枠有利を生かして、内で我慢してほしかった。

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<パドックについて>

菊池 17頭が揃いましたが、G1馬は1頭だけ。かなり上下差の大きなメンバー構成でしたね。

京介 有力馬不在の天皇賞(春)でフルゲートが揃えば、それは仕方のない所。半分ぐらいは「前走並み」の造りのままで出ていたね。

菊池 仕上がりにも結構差があった印象でしょうか。

京介 むしろ今回、人気馬の方が抜群に良いパドックだったね。シュヴァルグランは前走あれだけ緩いところから、キッチリ仕上がって来ないだろうと思っていたんだけど、見事に仕上げてきていたわ。ガンコもレインボーラインも凄い緊張感で出走していて、「ここでこそ」という気配があったね。

<レース展開について>

京介 京都3200mのスタートは向正面にあるけれども、今回はファンファーレが鳴り終えてもしばらく輪乗りを続ける。馬が落ち着いてからのゲート入り。ま、ゲート入りが始まればサクサクで、全く問題なし。

京介 およそ50秒でのスタートなら、ほぼ不利はないでしょう。

菊池 一歩目はまずまず揃ったスタートでしたね。その中で5番ヤマカツライデンが絶好のスタートを決めてあっという間にハナに立ちました。そして6番ガンコを制するように外から17番トミケンスラーヴァも浮上していきました。11番シュヴァルグランも前付けの位置取り。

京介 確かにいいスタートだったね。横にブレる馬も全くいなかった。後ろの方に回った10番サトノクロニクルや13番トウシンモンステラも、最初の一歩目はちゃんと出ていた。

京介 ガンコは手綱を抑えて楽に行っていたけれど、まさかその横に11番シュヴァルグランが来るとは。結構前に促すのキツイ枠だけれど、先行させるとは正直思わなかった。

菊池 その後ろは徐々に縦長になりながら、内に4番カレンミロティック、9番ソールインパクトが続いて、1馬身後方に1番ミッキーロケット、8番クリンチャー。2馬身強空いて2番チェスナットコート、3馬身空いて15番トーセンバジル。

京介 前に行った組が結構引き離していたから、外枠の馬も1周目3コーナー時点では、外に振られずに済んだんだよね。

京介 クリンチャーは三浦皇成騎手が最初かなり追っ付けてもこのポジションだったね。やっぱりしんどい馬か。トーセンバジルは、周りに馬がおらず1周目内で回れている。

菊池 その後ろに10番サトノクロニクル、14番アルバートがいて、12番レインボーライン。後方には人気薄がパラパラと。最初の3~4コーナーはかなり縦長でした。

京介 レインボーラインの岩田騎手は、最初スタート切ってから真っ先に内ラチ沿いに寄せて行ってたね。

菊池 スタンド前に入ってきて前半1000m通過は60.1秒でした。実況には「去年より少し遅い」とありましたが、決して流れそのものがスローという入りではなかったですね。

京介 前半というか、最初の1000mを1分フラットぐらいで行ったらかなり速いよ。それを3.2倍したら単純にレコードだもの。ここまで隊列が縦長になるのも当然。だからこそ、シュヴァルグランの位置取りがここなのは驚いたし、ガンコもだいぶ積極的に行ったなという印象なんだよね。

菊池 隊列は大きく変わらないまま、細長い馬群で1~2コーナーへ。5番ヤマカツライデンがリードを大きく拡げていった他に動きがあったのは、向こう正面のちょうど2000m通過地点あたり。後方にいた10番サトノクロニクルが動いていきました。これに合わせて3角手前にある上り坂より少し手前で、2番手以下の縦長は徐々に解消に向けて動き出しましたね。

京介 ラップとしては、スタンド前から2コーナーで、スパートをしたというより2番手以下後ろの組が後退した印象。

京介 そしてその「2番手以下が抑えているな…」と思われるタイミングで、川田騎手10番サトノクロニクルは動いて行ったわけだね。14番アルバートは一瞬反応が遅れる。この動きに食らい付いて行ったのが15番トーセンバジル。ちょっと隊列が良くないこともあるけど、12番レインボーラインは、この捲りの動きには一拍待ってまだ控える。

菊池 3コーナー過ぎの坂の下りで5番ヤマカツライデンのリードも徐々に小さくなっていき、4コーナーでは6番ガンコと11番シュヴァルグランが並んで先頭へ。直後まで15番トーセンバジル、8番クリンチャー、10番サトノクロニクル、2番チェスナットコート、14番アルバートと、概ね上位人気馬が上位を形成する構えを見せていました。

京介 事実上のスパートは、もう向正面から始まっていて、3~4コーナーの下りはマーク戦のようになっているね。

菊池 直線に向いて、内回りとの合流地点あたりまで来ると、6番ガンコの手応えは怪しく。競り落とすように11番シュヴァルグランが抜け出し。これを8番クリンチャーが追う構え。さらに、ラチ沿いに潜み続けた1番ミッキーロケットが内をすくって浮上。12番レインボーラインも内に切れ込みながら追い込んできました。

京介 皆ある程度仕掛けながらの下り坂から、直線入口で馬群も横に広がっているし、明らかにトップスピード比べになっている状態。

京介 レインボーラインは壁の後ろで進路を探し、外に行ってもよかったんだけど、わざわざ馬群がバラけるさらに外に行く必要はない状況。一度抜け出したシュヴァルグランの後ろに進路ができたので、確かめて内を突く余裕があったね。

菊池 11番シュヴァルグランは、8番クリンチャーを振り切る構えに入ったものの、内から合わせて追い込んできたのが12番レインボーライン。ラスト50mあたりで並ばれると、凌ぎきれず。最後まで脚の続いた12番レインボーラインがクビ差で1着ゴールイン。

京介 だからボウマン騎手は、3~4コーナーで視界に入っていた馬は全て制して粘っているんだよね。ロングスパートのせめぎ合いに少しズレて仕掛けられた、レインボーラインは相当上手くいった。

菊池 なお、入線後程なくして、12番レインボーラインの岩田騎手は異変を感じて下馬。映像を見直すと、最後の一歩でレインボーラインの体が大きく沈み込んでいましたね。ギリギリだった模様で。

京介 入線後下馬し、まだ続報が出ていないから心配だよね。一応、現時点で跛行という診断のようだけれど。しかし最後までふり絞った伸び脚だったのは間違いないわ。

<結果を受けて…>

180429天皇賞(春)結果

菊池 勝ち時計は3分16秒2。良馬場で、速い時計の出る馬場状態で行われた割には時計が掛かりましたね。過去10年のうち、良馬場施行時では最も遅いタイムでした。

京介 そうなんだよね。超高速決着ではなかったからこそ、足りた馬がいたのは間違いない。記録の面では、どうしても評価は下がってしまう。

菊池 特に上がりタイムが掛かったのが印象的でしたね。

京介 1着馬と3着馬は、フットワークがガサツで、重馬場の方に実績が偏ったタイプだけに。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

レインボーライン

菊池 前走から2キロ減って452キロ。デビュー戦が最高馬体重なので、体そのものは2歳時からそう大きくなっていないんですね。緩くデビューして、徐々に無駄を落とした後に、身を付けていったということで、もちろん成長していないということではないと思いますが。

京介 青葉賞もデビューから馬体減っている馬が好走しやすいレースだけれど、天皇賞(春)だけ勝つようなタイプも、そういう経緯をたどった方がいいのかな?ステイゴールド産駒の牡馬は、よくこういう過程を経て活躍し始めることが多いよね。

菊池 この枠でしたが後方内で折り合い、直線も馬群を捌きながら内へ。距離ロスの少ない競馬が出来ていましたね。

京介 そうそう。他の有力馬が向正面で脚を使い始めた時にはまだ動かず、3馬身以内の圏内でついていけたことが、展開面では大きかったね。

京介 そして究極の上がり勝負のような流れではなく、ラスト1Fがガクッと落ち込むレースラップだったことも、この馬の好走ゾーンに入ってくれた意味でも良かった。

菊池 入線後の故障について、発表はハ行ということでした。精密検査で何か出てくる可能性もありそうですが、ひとまず大事に至らず良かったですね。

京介 いやそれにしても、岩田騎手があと一歩を絞り出した決着のように思えるよね。

シュヴァルグラン

菊池 4キロ増で474キロでした。良い仕上がりだった感じがしますね。

京介 前走とは雲泥の差だったのは間違いないね。大阪杯は意図的にああいう調整過程だったわけじゃなく、明らかに調整遅れがあったのは間違いないと思うんだよ。そこから良く持ち直してきたな、というのが正直なところだね。ボウマン騎手の口からは、仕上がりに不満もちょっとあったのかなと感じたけど。

菊池 今回は外めの枠でしたが、前走で2000mを走っていたので行き脚は良かったですね。ただ、その分で力んでしまったという面もあったとは思いますが、ボウマン騎手はしっかり抑えて馬とケンカするまでは至らなかった、という感じでしょうか。

京介 先行させたのは正直驚きだな。陣営の総合的な判断で、差し馬は大したことないからマークしないでいいという考えだったのかな。また、ガンコが隊列的に有利ではあるから、そちらのマークを外さない戦略で乗るとなると、こういう強気の形がいいと見たのかな。

京介 キタサンブラックがいなくても先行王道マークで競馬するとは思わなかったんだよね。馬の力みなんて速い流れじゃ多かれ少なかれあるものだし、2周目向正面までに落ち着いてくれれば、基本問題はない。それと前走の体たらくを見て、追ってバチンと弾ける状態ではないだろうし、刺激を与えないと厳しいかも?という見立てはあったんじゃないか。

菊池 道中で力んだ分が最後に利いた、というのもありますが、直線の大半を先頭で走りきったような状態で。目標にされた分が苦しかったですね。

京介 いやあ。でも強さを存分に発揮した内容だし、最後ゴール前までバテさせていないしね。ちゃんと持たせている。レース運びは文句ないよ。後方から押し上げて、半端な捲りで終い甘くなるより全然マシでしょう。今回はレインボーラインが展開上噛み合ってしまっただけであって、前走大敗しているのに注目が集まる分の不利、とは言えるよね。大阪杯の上位着順から2~3頭馬が出走していれば、着順も違ったんじゃないかな。

菊池 大目標だったはずで、ここは勝ちたいレースだったと思われますが、最高の結果とはならず。宝塚記念は苦手としているレースなので、心配ですね。

京介 春はもう休むと明言したそうだね。確かに相性が悪いレースだから…。

クリンチャー

菊池 状態はどのように映りましたか?

京介 この馬としてはだいぶ良い方でしょう。腰砕けのような歩様が一切見られずに、筋肉の張りも十分だった。いい仕上がりだったと思うよ。

菊池 シュヴァルグランを目標に冷静な立ち回りでした。最後もバテバテという感じではないですが、対シュヴァルグランとしては力負けですね。雨があればまた違ったかと思いますが。

京介 そうだよね。今回のバテ合いは理想的な展開だったんじゃないかな?これで連対圏に来れなかったのは正直惜しい場面だよ。もちろん、直前で騎手が替わる不利もあっただろうし。

菊池 この後は、秋に凱旋門賞を目指すとのことですね。実績は足りないですが、この馬の得意なゾーンとしては面白そうで、こういう馬が行ってどんな結果になるのかは楽しみ。

京介 そこは同感だよ。骨組みがゴツゴツしていて筋肉があるタイプだから、思わぬ適性の高さを見せてくれそうで。

その他

菊池 4着はミッキーロケット。和田騎手はかなり上手く乗った印象ですが、適性面で劣る分、馬券圏内には届かず。

京介 向正面の捲りが来た際に、馬群の形が変わってちょっと包まれて、2馬身ほど後退するシーンがあったね。あれがあって脚が溜まったとも言えるけど、インベタを回ってここまでかあ。絶好調ではない分だろうね。

菊池 5着チェスナットコートもよく頑張ってはいましたが、3着から0.2秒差。

京介 内枠有利を一切生かさなかったのが勿体ないなあ。2周目は全部馬群の外ばかり回っていたでしょ。多少力が劣る馬だと思うんだけど、まさかG1馬のように競馬させるとはちょっと思っていなかったわ。単勝人気が出過ぎて判断を誤ってないか?と思った。

菊池 ガンコの敗因はどのあたりに求めましょう。

京介 馬体は良かったと思うから、あれだけバタッと止まってしまったのは、「連戦の疲労蓄積」という所に求めたいかな。年末から1月まで、あれよあれよという間に連勝して重賞勝ち馬になったけれど、遡れば10月から1カ月おきに使い込まれているんだよね。上り馬らしい不利と言えるのかなあ。父ナカヤマフェスタとは、G1に挑戦させる過程がだいぶ違っていたね。結局今回勝ち負けしたのは、ローテーションに十分な余裕を持たせた馬同士だったわけだし。

京介 展開自体は確かにキツイけど、直接ぶつけられたりはしていないし、ラップの急ブレーキなどチグハグもなかった。強い馬ならシュヴァルグランとしばらく併走ぐらいして欲しいからね。

菊池 大阪杯がG1になって2年目。メンバーの住み分けが大幅に進み、今後はこれくらいのメンバーで争うようになっていきそうですね。

京介 ガンコのような馬が通用しないとなると、昨年度に一定の実績を得て、休みを挟みつつ万全の態勢で臨むローテーション以外は絶対に無理なわけだしね。大阪杯と阪神大賞典、日経賞を休み明けで好成績だった馬。これ以外は考えないで良さそうだ。

<教訓まとめ>

・まとまった休みもないまま、冬場も激走しこの春のG1でも耐え抜くのは、スタミナを要求される天皇賞(春)では厳しそう。今回のシュヴァルグランの一変を見ても、「前走から上向く過程」「余裕のあるローテーション」の強みが大きいと考えさせられる。

・重馬場実績ばかりしかない馬であっても、「上がりがかなり掛かる天皇賞(春)」であれば対応できる。ディープインパクト産駒の成績が悪く、現実問題瞬発力優位のタイプがイマイチのレースなので、むしろ重馬場やダート好走をプラスに評価してもいい。フットワークの形がきれいでない馬を、それで軽視しないこと。

・改めて今年の動きのある展開を見直しても、馬群の外から押し上げる形はNG。先団に食らい付けても、道中も外→直線も外となってしまうと、内が良い馬場状態で脚色一緒になる所までが限界。どこかで内に潜り込みたいし、また外差しばかりしかしていない馬は評価したくない。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・チェスナットコート
…仕上げてくると案外硬いタイプに感じた。3000m超のレースは良くないか。鞍上も外回しばかりでげんなりしたが…。一旦休んで目黒記念に出るなら再度注目。

<菊池>
・サトノクロニクル
…自分からレースを動かしていった分で苦しくはなったが、この経験は生きるはず。宝塚記念は少頭数で手薄なメンバーになる可能性もあり、複穴で一考。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はNHKマイルCと新潟大賞典を京介さんと、京都新聞杯はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。