菊池 日曜日の東京ではヴィクトリアマイルが行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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ヴィクトリアマイル回顧



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<天候・馬場について>

菊池 週中にまとまった雨がありましたが、金・土は好天。日曜日は雨予報がどれだけ早まるか?が焦点でしたが、前日段階の予報よりも早めに降り出して、京都は朝から雨。東京もいつ降り出すか?という雨の前の空気になっていましたよね。

京介 雨雲の接近の仕方が、予想よりも急だったよね。上空は結構風が巻いていたようで、雲の流れがだいぶ速かった。

菊池 結局、降り出したのは13時を過ぎた頃だったでしょうか。メインを待たずに14時過ぎからは強めの雨に変わっていきました。

京介 いや~、本当に困るタイミングで降ってくれたよね。メインからおよそ3Rぐらい前か。1R手前からや、直前からだったのなら、パンパンの良馬場のままでも予想できたのだけど…。馬場を慎重に観察していたけれど、水が浮いたりする様子はなかった。馬場を若干湿らせたかも、というぐらいだったかもしれない。

菊池 雨が降り出す前は、土曜日からの超高速馬場を引き継いでいましたが、短時間で一気に稍重まで悪化。レース中も含め、どんどん雨が強まって行きましたね。

京介 メインレースのパドックはもう土砂降り。パドックは傘が咲くから後ろの方は見られないし、いつも混雑するパドックも今回ばかりは屋内に退避する人の方が多かったほど。現場にいてこういう状況だと、本当に悩ませられるよね。思った以上に馬場悪いんじゃないかと不安に駆られてしまうよ。

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<パドックについて>

菊池 フルゲート18頭が集まりました。古馬牝馬路線としては、ほぼベストメンバーが揃いましたよね。

京介 仕上がり自体は、確かにそれなりにみんな良かった。雲行きも怪しかったし傘があるから自分の視界が狭かった分苦労したけれど、シャキッとしていたのは確か。

菊池 人気薄も仕上がりが良い馬が多くて、とにかく絞りにくい印象を受けました。

京介 この日は雨の影響も考えなければならなかったし、パワーがある牝馬を選ぶべきか、細くて華奢でもスピードタイプを選ぶべきか本当に迷った。昨年優勝したアドマイヤリードも良いし、ソウルスターリングは持ち直してきているように見えるし、リスグラシューは絶好調。おまけに雨でメモは濡れる(笑)。馬場が確定していれば、もう少し方向性を絞って考えられたんだけれど、阪神牝馬S組におしなべて弱点がなかったからなあ…。

京介 だもんで、パドックに出てくると改めて「阪神牝馬Sって、本当に良いステップなんだ」と感じさせられる。しばらく休んだアエロリットもデアレガーロもそれなりに良いんだけれどね。あ、カワキタエンカやデンコウアンジュは、明らかに疲れがあった印象だね。

<レース展開について>

京介 東京芝1600mのスタートは、向正面の2コーナー寄り。これだけの雨でパドックでは人混みをあまり感じなかったのに、レースは見たいという人が馬場側に押し掛けたようで、歓声は凄かったね。今回はファンファーレが終わってしばらく輪乗りを続け、馬場が落ち着いてからゲート入りが始まった。

京介 今回は1頭ずつ慎重に入れていた印象だね。複数頭を一斉に入れたりしなかった。どの馬もかなり落ち着いた気配でゲートには行ったけれども、ちょっと時間はかかった。最初のワントゥワンが入ってからゲートが開くまで、ちょうど1分?いや、62秒ぐらいにはなったのかな。

菊池 8番クインズミラーグロが大きく出遅れたことを除くと、人気どころでは2番ミスパンテールが1馬身弱の出遅れ。11番アドマイヤリードもやや出負け気味、と言ったところだったでしょうか。

京介 ミスパンテールはソロっと出した印象だね。その後すぐに行き脚は付いているし。

菊池 好スタートから逃げ候補は3頭いて、そのうち2頭は前走が高松宮記念だった5番レーヌミノルと14番リエノテソーロ。この間から7番カワキタエンカがハナに立ちました。

京介 カワキタエンカは渋った状況でも強気に逃げているし、秋華賞でアエロリットのハナを叩いた馬。ここでも行くとは思った。それにしても速いね。

菊池 そして4番手が6番レッドアヴァンセ。この外からジワーっと上がっていったのが10番アエロリット。直後は掛かり気味に3番ラビットラン、1番レッツゴードンキ。その外に4番ジュールポレール、この内まで挽回して2番ミスパンテール。

京介 内枠の有力どころは、おおよそこの前目のポジションに集まったんじゃないかな?前方に固まる内枠馬、後方に固まる外枠馬という位置関係になったよね。

菊池 中団の外に9番ソウルスターリングがいて、内に11番アドマイヤリード。その後ろの列に17番デンコウアンジュ、そして16番リスグラシューはここにいました。13番手あたり。その後ろは外枠の人気薄が固まって、最後方にポツンと8番クインズミラーグロ。全体的に見て、内枠の馬が良いポジションを固めていましたね。

京介 雨もあって序盤に慎重に入ったためか、馬群が内に密集する際に接触することもなく、お互い上手く譲り合っていた印象。ペースも遅いし、序盤に枠の差ロスがある外枠の馬は、結構厳しいかなと感じるね。

菊池 前半600m通過が35.2秒。馬場状態が急激に悪化している最中だったので判断は難しいですが、見た目には決して遅い流れではないですよね。昨年は回復途中の稍重で35.6秒。昨年より実際の時計も速かったですが、馬場差を考えればこれ以上にハイペースだった可能性が高いですね。

京介 急な強い雨だから単純な比較ができないのがもどかしい。一応見た目としては、先頭はガリガリ競り合っている様子は全くない。だけど、3コーナーを通過した際は、馬群がジワーっと縦長に変わっていった。

菊池 3コーナーまでに固まった隊列はほぼ変わることなく直線に向かってきました。先頭の7番カワキタエンカがややコーナリングに難を示していて、その分、内は2頭分弱開いたまま直線へ。とりあえずここでカワキタエンカが左回り×ってことは頭に残しておきましょう。

京介 手前の替え方もおかしいし…。口向きも悪そうだものね。

菊池 カワキタエンカの手応えは早々に怪しく、ラチ沿いを突いた5番レーヌミノルが先頭に並びかけ、その外に14番リエノテソーロ、そして10番アエロリットの4頭がほぼ横一線になって坂へ。この後ろの列にいた6番レッドアヴァンセ、1番レッツゴードンキも外を狙いつつ浮上の機会を伺います。そして待機勢も横に大きく広がって脚比べ。

京介 京王杯SCよりも少し速いタイミングで、馬群が横にグワッと広がったね。後方の馬が比較的早いタイミングで仕掛けて接近している証拠なので、進路さえあれば手応えある馬ならちゃんと伸びる馬群の形だよ。

菊池 前4頭の争いを10番アエロリットが制するか?というところ、一気に並びかけてあっという間に前に出たのが6番レッドアヴァンセ。絶好調が明らかでずいぶん売れていましたが、納得の手応えで抜け出しました。

京介 ココが残り200mの標識を過ぎた所。レッドアヴァンセよりも内の馬はもう脚色がなさそうなので、この馬より外がどうかだね。

菊池 200mを切って6番レッドアヴァンセで決まりか?というところに、中団~後方にいた待機勢から4番ジュールポレールが急接近。そして、直線半ばで進路を確保した16番リスグラシューも外から急追。

京介 一度交わされたアエロリットも、クビ差劣勢から盛り返そうと抵抗しているけれども、ちょっと伸び方が悪い。リスグラシューはおよそ仕掛けどころがベストタイミング。坂上になってジワジワ迫ってきたね。

菊池 6番レッドアヴァンセに対して、もう一度内から盛り返す10番アエロリット。そして外から4番ジュールポレール、その外から16番リスグラシューが伸びて4頭の攻防、ラスト30mほどで追い付いた4番ジュールポレールが前に出て、16番リスグラシューがギリギリ届かないところがゴール。あと10mあったら入れ替わっていたか?という手応えでしたが、またしてもリスグラシューは2着。G1で4度目の2着。

京介 リスグラシュー基準で見返すと、幸騎手の仕掛けが本当にベストだったように感じるけれども、リスグラシューがあと一歩交わしきれない弱さの方が気になる内容だった。内容は立派なんだけれども…。

<結果を受けて…>

180513安田記念結果

菊池 勝ち時計は1分32秒3。馬場悪化がありましたが、その割には速い時計で決着しましたね。雨が強く降る中での時計ですから、かなり速い水準と言えるのではないでしょうか。

京介 そうそう。この時計は正直びっくりした。内側の馬がそれなりに止まっていて、雨得意な差し馬でワンツーしたものだと思っていたから。だけど結果として、この時計の水準になってくると、ディープインパクト産駒が浮上してくるよね。

菊池 枠順や当日の雨による有利不利もないことはないですが、概ね今回のデキや地力が反映された良いレースになったように感じます。

京介 うーん、雨がなければもっと強気に行ったであろう馬もいるし、馬場が少し荒れているところが滑らないか加減して回らないといけないしね、ジョッキーからしても不運な状況だったんじゃないか。アエロリットは、雨が降ってしまうと何かおかしくなってしまう馬だしね。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ジュールポレール

菊池 西園調教師は珍しく、「かなり自信がある」というコメントをしているのが、BSイレブン中継の細江さんのインタビューで流れていました。肌つやの良さなども昨年とは雲泥の差だと。パドックでの印象はいかがでしたか?

京介 昨年は良いと感じた馬だったけど、今年はさらに細い!と感じる体つきだったなあ。とにかく脾腹が薄い。そしてトモも薄く、後肢が細い。昨年以上のパワーアップという感じではなかったよ。良く言えば研ぎ澄まされた。悪く言えば体を削ってきた形だと思う。蹄が相当細くて薄いタイプだから、馬場が大幅に悪化しなくて良かったな、というところでしょう。正直、あの馬体で勝ち切るのは驚いたよ。

菊池 賞金順18番目で滑り込み出走。福島牝馬Sを使うのを我慢したという陣営の英断もありましたが、これに加えて2枠4番の絶好枠。幸騎手もミスなく力を引き出す騎乗でしたね。

京介 道中通過は3列目ぐらいだったんだけど、直線は後方から大外を飛んでくるかのような仕掛けだった。坂上のあのルートの方が伸びるゾーンだったんだろうけど、「まだここじゃない」という動き方だったのが最後に生きたよね。

菊池 今回は色々と良い材料が重なっただけに、今後の買い時がどこ?というのは全く思い付きません。マイルCSあたりまでゆっくり待つようになるかもしれないですね。

京介 レースの数を使えず馬体が華奢、馬場が悪化しすぎると前走のように長く脚が使えない。東京マイル以外は乗り難しいタイプじゃないかなあ。でもまさか、サダムパテックの下でセンスのいい馬だとは感じていたけれど、G1勝ちに届くとは。やっぱり血統は大事だね。

京介 この馬は追いきりの脚捌きが本当に悪くて、舌越しも目立ったりと、追い切り評価しにくいタイプ。一度叩いてガス抜きしてから目標のレースに向かう形の方が狙えそう。

リスグラシュー

菊池 マイナス2キロで450キロ。非常に良い仕上がりに映りました。

京介 デビュー時に430kg台、アルテミスS出走時は428kgにまで落ちていたこの馬が450kg台に増えたのは、前走から。やっぱりトモの張りが確実に良いと感じる。東京新聞杯よりも良かったんじゃないかと思うほどだよ。

菊池 道中は出たなりで中団より後方の位置取りでした。内の各馬がポジションを取ったこともあり、自然と位置が悪くなってしまいました。このあたりは東京新聞杯と大きく違いましたね。直線では上がり32.9秒の脚を発揮して、持ち時計も大幅に更新していただけに枠順が悔やまれます。ただ一方で、「雨が降ってこれでも時計が落ち着いた方」という部分は、この馬にとって幸運でしたね。

京介 この馬は秋華賞ぐらい酷い馬場でもしっかり脚を使えたように、馬場悪化はむしろ歓迎という方。それで得意の東京マイル、まあ来るだろうという伸び脚ではあった。ホント僅かな運の差だったと思う。隊列がやけに落ち着いてしまったのは悔やまれるところだね。

菊池 オーナーサイドの了承が得られれば安田記念に出走というプランもあるようですが、これまでに複勝圏を外した2回がいずれも休養明け3走目でした。その点は気掛かりです。

レッドアヴァンセ

菊池 こちらも状態の良さが各方面で伝えられていて、オッズも想定していたものよりだいぶ売れていましたね。個人的には穴推奨をしたつもりでいましたが、最終的には5番人気ソウルスターリング(11.4倍)とも差のない7番人気(12.1倍)。連勝もよく売れていました。

180513VM穴推奨

京介 いやそれでも菊池くんの推奨はお見事でした。ディープインパクト産駒は牡馬だと人気先行で古馬重賞勝ち切れない傾向があるけれど、牝馬は古馬になってもクラスの壁を越えて来るよね。

京介 当日のパドックもかなり良い気配だったし、筋肉が落ちなくなってきたね。昔は確か輸送で相当減る馬で、どうしようもないぐらい周回中に気が散っていた馬だけれども、落ち着きが出て4歳になってから気性の成長が明らか。これも大きいよね。

菊池 抜群の手応えで4番手を追走。直線半ばでは、勝っちゃうの!?という走りを見せてくれました。

京介 仕掛けのタイミングとしては見事だったし、馬の性質をよく手に入れた騎乗だったと思うよ。

菊池 次はどこで買えるでしょうね?左回りの方が走りは良いので、府中牝馬Sあたりを待つしかないかな…という気持ちもありますが。関屋記念あたりに出てきてくれたら、それも面白いかもしれない。

京介 この馬としては4歳になって格が一つ上がったように思うんだよね。それと追いきりの評価が良ければ買える、悪ければ評価を下げるという取捨でいいような気がする。音無厩舎もそんなやたらめったら、変な条件に出したりしないでしょう。

その他

菊池 4着はアエロリットでした。一旦、交わされてから抵抗していたあたり、負けて強しの競馬ではありましたね。

京介 やっぱり雨が騎手の判断に影響したのかなあ。返し馬では呼吸が合っているような動きに見えたけれども…。前脚を本当キレイに振り出すフットワークだから、少し湿った馬場でも良くなかったのかもしれない。

京介 それと今の東京の馬場は、坂上から馬場の半分より外のルートが伸びすぎる。差し有利の傾向もあったものね。この馬の理想としては、前半も速いペースで入って、上がり35秒台ほどのラップで押し切る形が良かったよね。

菊池 予定どおりなら次は安田記念に向かうようです。この馬に関しては、もう一回使えそうな仕上がりにも見えましたがいかがでしょう。

京介 確かに今回は休み明けというのも影響したのかな。厩舎に置いて良くなるかどうかは未知数だけれども。ただ、安田記念に行く判断は良いと思うよ。

菊池 4連勝中だったミスパンテールは5着に敗れました。スタートが互角ならもう少し前に近かったかもしれませんが、今回は完敗でしたね。

京介 有力馬同士で見比べて、良くないなとは感じた。おそらくこれは、冬場もずっと使い続けていたために、馬体全体の張りが若干見劣った感じかな。パツンパツンで来れていたのは、確り冬場を休んでひと叩きで来れていた馬の方だったしね。

京介 一番影響があったのは、この雨で遅い流れになって、しかも出負け。序盤の追走は掛かり気味になってカクカクしていたね。前走逃げて競馬をしたことが、今回状況がいろいろと転じてマイナスに働いてしまった。東京コース適性での負けではないと思う。

菊池 ソウルスターリングは7着に敗れました。最後までやめずに走れていた点には好感が持てるのですが、京介さんの見立てとしてはいかがですか?

京介 パーツにいい所は確実にあるんだけれど、いつもパドックでは物足りないと感じさせる。それでいて、3歳時に圧倒的だったトモのボリュームも、他の牝馬と一緒ぐらいになってきてしまった。他の牝馬が年を重ねて成長してきて、相対的に持ち味が減ってきたというのが正しい指摘かなと思う。ざっくりまとめれば早熟ということになるけれど…。

京介 ただこの馬は、あまりにも雨に見舞われすぎ。ホント直前まで全く雨が降らない、パンパンの良馬場でやったらどうだったのか、とは思うね。今回勝ち負けした馬も、決してボリュームが上だから勝ったわけではないのだから。

<教訓まとめ>


・昨年3着以内に好走した馬のリピート好走、大敗した馬が巻き返せないこともこのレースのポイントだが、今年のレース消化数が少ない馬有利というのも大きなポイントに挙げたい。阪神牝馬Sをいい捨てレースにできて、本番で上向く過程が理想。冬場に古馬と混じって勝っていた4歳がここで敗れ、この条件だけ見据えてきた5歳馬が好走した通り。

・2回東京開催は徹底して瞬発力タイプが有利で、ディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド産駒しか上のクラスでまともに通用していなかった。春先の中山、阪神、福島開催とは活躍するタイプがガラッと変わっていることもポイント。

・G1格に届いた実績上位馬が力を発揮することももちろんあるが、当日の出走メンバーのレベル、あるいは牝馬限定ということも加味しつつ、東京芝1600mで行う牝馬限定戦のG3重賞ぐらいの扱いで考えた方が、穴馬を拾いやすい。東京芝マイルが合わない馬はとことん合わないし、あんまり底力勝負にもなっていない。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・レッツゴードンキ
…体つきは引き続き順調。どうしようもなく東京芝マイルと合わないだけ。上がりの速い競馬も苦手そう。毎年、この次は好走している馬なので。

<菊池>
・カワキタエンカ
…マイルのリズムが苦手なこと以上に、コーナリングがかなり悪かった点からも右回り専用馬としたい。クイーンSなら巻き返しは必至では。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はオークスと平安ステークスをともに京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。