菊池 日曜日の東京では安田記念が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。
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安田記念回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/175915

<天候・馬場について>

菊池 東京は好天続きで土曜日から暑かったですね。

京介 うだるような蒸し暑さではなかったのは幸いだったよ。ときおり雲が出てくれて日差しをたまに遮り、適度に風が出てきてくれる今回の気候が、このあとも続いてくれるとだいぶ楽なんだけどなあ。

京介 それにしても日中の日差しが本当にキツくなってきて、肌を焼く感触が出てきた。競馬場に出てくるときには、もう帽子と日焼け止め必須になってきたね。みなさまもお気を付けください。

菊池 芝は土曜日からかなり速い時計が続き、1分32秒台を切るのは確実だろう、という状態でしたね。

京介 土日を終えてパトロールビデオを見ると、内ラチ沿いは綻びが出ているように感じるんだけどね。だけども、少々煙が上がるように見えても、クッションが効いているし、道中のラップが非常に速い。

京介 究極の上がりが必要というわけではなく、中間ラップが全く緩まない傾向で、なおかつ最後の坂上になってもさらにトップスピード持久力が必要という競馬が多かった。内側もいいけど大外も伸びるし、緩まないペースだから4コーナーから直線の入り口に向かう時に結構馬群がバラけやすい。差し馬がそれほど苦にせず勢いに乗れる傾向はあったと思う。騎手はみんな、直線で外が伸びやすい、バラけやすいイメージを持っていたんじゃないか。

京介 下級条件では骨太タイプよりも手先がシャープで細身の体型の方が、有利だったんじゃないかな。パドックの目線からの反省は、この安田記念の週から降級が始まるし、直前の9R・10Rのクラスレベルが低い。このクラスで非力な軽いタイプが来たからと言って、安田記念ではそれを踏まえて考えるべきではなかった。やっぱり安田記念は、トップクラスのマイラー同士だから、パワーがあって速いタイプで選ぶべきだったよ。


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<パドックについて>
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菊池 フルゲート割れの16頭でした。ただ、素晴らしいメンバーが揃いましたね。近年稀に見る好メンバーの安田記念だったと感じます。

京介 今年のレベルが高いと感じた要因は、マイルCSで好走した当時の3歳馬と、今年の上半期に結果を出した4歳馬。現4歳世代の有力馬が、どれも欠けずに出走してくれたからだよね。勢いのある健康状態の良い4歳馬が、マイル路線の前哨戦からも、大阪杯からも複数登場してくれたから、馬柱の見映えが非常に良かった。

菊池 全体的に仕上げレベルもかなり高かったようで。

京介 大阪杯から間隔が空いたことも良かったし、京王杯SCやマイラーズC、ダービー卿CTなど、前哨戦を叩いて出てきた馬どれも良い仕上がりだったと思う。正直目移りしたし、あとは「当日の馬場、今回の展開」に合うタイプを得選べたかどうかだったんじゃないかな。いや、正直難しかったよ。

京介 でもヴィクトリアマイルからやってきたアエロリットとリスグラシューの比較においては、激走した上にまた輸送になるリスグラシューでは厳しかったかな。そもそも体格負けしていたこともあるし、馬体も前走と比べてさらに細く感じた。ヴィクトリアマイルがちょうど良いひと叩きになったアエロリットの方が、馬体の緊張感はあったと思うよ。

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<レース展開について>

京介 東京芝1600mのスタートは、向正面2コーナー寄り。ダービーデイほどの入場ではなかったし、比較的喧噪が落ち着くのも早かった。ファンファーレが終わって9番レッドファイルクスが最初に入ってから、誰も暴れることなくサクサク入り、ものの50秒程度でスタート。まあ速い方だったと思うよ。

菊池 出遅れたのは白帽でも2番サトノアレスの方でしたね。5番ペルシアンナイトもあまり良いスタートではなく。13番ブラックムーンはいつもどおり。

京介 スワーヴリチャードのデムーロ騎手は、相当スタートに気を付けていたようだね。標準やや遅れ気味、ぐらいで押してスムーズに流れに乗れた方。

京介 ペルシアンナイトは、最初レーヌミノルに寄られた影響があったかな。

菊池 まずは好スタートから6番レーヌミノルが出て行きましたが、外から16番ウインガニオンが押して主張。レーヌミノルが2番手に控えます。そして内から4番アエロリットが3番手。

京介 レーヌミノルは行ききっても良いぐらいのスタート。ただ、その後ラチに付けるでもなく、馬場の良いルートを選ぼうとしたのかな。それで内ラチ側に隙間が残るまま進んで、その隙をアエロリットが埋めに行った。

菊池 この後ろに8番キャンベルジュニア、7番ウエスタンエクスプレス。そして、1番スワーヴリチャードも難なく流れに乗って内の5番手。これはホント凄い。感服です。

京介 ウエスタンエクスプレスは、最初の反応が悪かったけれど、隊列が決まる前に鞍上が追っ付けて高い位置に押し上げた。これで内側にいたペルシアンナイトが若干躊躇したか。

京介 スワーヴリチャードは向正面のストレート部分で、かなり高い位置まで押し上げている。アエロリットが2列目ハコ内を取れたというのもあるけれど、自分たちの想像を超えてきたね。スタートをまともに出ても10番手ぐらいで揉まれると思っていたのに…。

菊池 その後ろの列にG1レーシングの勝負服が2頭。挽回してきた5番ペルシアンナイトはやや掛かり気味。外の15番サングレーザーも気持ちが乗っていたので掛かり気味の追走でした。直後に10番モズアスコットと並んで11番リアルスティール。

京介 ペルシアンナイトは、先ほど触れたウエスタンエクスプレスの挙動を見て引いたのと、ほんの少し進路をカットされた分かな。3コーナーカーブに進入する寸前の場面だったので、僅かにブレさせられたという。

京介 モズアスコットはこの3コーナーで最初外に行きたかった。だけどリアルスティールとサングレーザーが横並びで張っていたために行けず。仕方なく内で進路を探そうというのが、この時点でのルメール騎手の決断だった。画面が流れる影響でほんのり後退しているように見えるけれど、詰まったわけではないし大ロスではない。

京介 逆に外のサングレーザーは、マークを外すように下げたモズアスコットとは対照的に、もう先団を見据えて押し上げ始めた。

菊池 この後ろがやや離れて12番ヒーズインラブ、14番リスグラシュー、2番サトノアレス、9番レッドファルクスがパラパラと。

京介 レッドファルクスはスタートまともだったのにだいぶ下げたね。昨年のように、馬群大外一気を狙おうという腹積もりなんだろうけれど。

菊池 前半600m通過が34.2秒。ここまではさほど速い流れではなく、馬場レベルを考えるといくらか落ち着いた流れとすら言えそうな。ただし、この後は息が入らない流れですね。

京介 そう。大外枠から逃げたウインガニオンが、意外と競り込まれず単騎で、しかもなかなか良いペースで進んでいた。ここまではそこまで速くなかったはず。そして、ウインガニオンは3コーナーからの下り坂を利用して、グワッと逃げ馬らしいスパートを仕掛けたためのこのラップ。

京介 だけどこのラップだと、中団を追走している馬はみな脚があるという気配。スワーヴリチャードのデムーロ騎手は、まだだまだだと抑え込むほど余裕があった。

菊池 3コーナーで11番リアルスティールが一瞬後退してしまう瞬間がありましたが、大局では大きな動きがないまま直線へ。

京介 4コーナー出口の坂下までで、差し馬が外か内かで押し上げる動きがあった時に、リアルスティールは若干遅れた形だね。見た所接触不利やらではなかったけれども。

菊池 馬群は大きく横に広がって、16番ウインガニオンが粘り込むところに、4番アエロリットがジリジリと接近。そして、その直後で既に進路を確保している1番スワーヴリチャードが伸びてくる構え。

京介 そうここ!今年の安田記念は、ペースが少々落ち着いたのに、意外なほど外の馬が大外へ向かったために、直線での隙間がかなりあった方だと思う。スワーヴリチャードは手応え十分だったこともあるけど、それにしても進路を探すのが楽だった。

菊池 スムーズでなかったのは5番ペルシアンナイトでしたね。勢いに乗せたいところで進路がなく、踏み遅れてしまいました。

京介 スワーヴリチャードを完全にマークしていたつもりだったのに、川田騎手は直線の気配を読み誤ったね。スワーヴリチャードがレーヌミノルとキャンベルジュニアの間を割ろうとすこーし外に舵を切った時に、キャンベルジュニアとスワーヴリチャードの間を通すような形になってしまい、キャンベルジュニアに詰まらされた格好。本来は坂下で内に閉じ込めるべきでしょう。ここまで前半・中盤とリズム良く運べてない影響なのか、ここでも踏み負けてしまったという。

京介 ここまで馬群がかなり横に広がった影響で、不利を受けた馬はほとんどいない様子だったのに、ペルシアンナイトは唯一悪い目を引いてしまった。

菊池 残り200mで4番アエロリットが先頭。これに大外から目立つ脚で追い込んできたのが2番サトノアレス。間から15番サングレーザーも接近、1番スワーヴリチャードの直後からは10番モズアスコットも。4歳ばかり!

京介 そうそう。あれ?5歳6歳の馬体良かった馬はこの時どうしていたの?と見直すと、直線坂の半ばぐらいで伸び負けしていたね。リアルスティールは完全に一杯一杯。キャンベルジュニアもヒーズインラブも、あんなに抵抗できないとは思わなかった。

菊池 残り100mでも4番アエロリットが先頭をキープしていましたが、そこに各馬が接近。大外の2番サトノアレスは坂上で鈍り気味、15番サングレーザーも一押しが利かないところ、迫ったのは1番スワーヴリチャードと、間を突いた10番モズアスコット。

京介 スワーヴリチャードはここまでレース運びが見事で、直線も一切不利なし。これには外を安全策で回ってきたつもりのサングレーザー福永騎手も面食らった場面でしょう。逆に、前が詰まらないように祈っていたモズアスコットのルメール騎手にとっては、願ってもない展開。スワーヴリチャードという強力な馬が進路を空けてくれてブレーキも皆無。これは本当に良い展開だった。

京介 本来脚のある馬が内でモロに詰まるのが安田記念というレースだったんだけど、今年はデムーロ騎手、ルメール騎手ともにインベタを選択し、ロスのない競馬で見事にハマったということだね。

菊池 ゴール寸前で10番モズアスコットが僅かに先着。4番アエロリットは懸命に粘ったものの2着。1番スワーヴリチャードが3着。

京介 着差としては、外のサトノアレスもサングレーザーも、ほんの僅差なんだよ。一歩遅れたペルシアンナイトも、直線の不利がなければ上位の争いに絡んでいたはず。そして、これら上位6頭がみんな4歳馬だったということがまず大事。それと、当日ちょっと人気を下げた、マークが外れた馬が内を掬って逆転の目を引いた流れだったね。
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<結果を受けて…>

180603安田記念結果

菊池 勝ち時計は1分31秒3。タイレコードの好タイムでした。

京介 いや素晴らしいタイムだと思うよ。だけどストロングリターンが勝った2012年も、次の年のロードカナロアが1分31秒5の好時計で勝った2013年も、内の白帽&黒帽枠の馬が好走したね。この水準の強烈な時計が出るレベルだと、そもそも内からロスなく回らないと一歩足りなかったのかな。

京介 昨年が外枠決着だったから、やはり安田記念は外でしょうと思ったんだけど…。16頭立てというのが僅かに影響して、馬群での過密渋滞が微妙に軽減されたのかな。

菊池 馬場を考えればレコードもあり得るかと思いましたが、前半のペースがやや落ち着いた分でしょうか。ラップを見ると、大きく止まっていないので、やはりメンバーレベルが高かったということですね。

京介 それは間違いなく言えるね。中盤全く緩んでいないのに、ラスト2Fを11秒4-11秒7とかなりの速さでまとめている。ラップ構成としても高い性能を示す内容だったと思うよ。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

モズアスコット

180603モズアスコット

菊池 連闘で挑んで来ました。馬体の印象はいかがでしたか?

京介 絶好調で気配抜群、というわけにはいかなかったよさすがに。肌艶は少々枯れ気味。連闘で遠征だから皮膚は薄くても胴回りは痩せて見えた。そして元々窮屈だった歩様が、さらに硬く感じたね。使い詰めのぎこちなさ、というのはあったと思うし、いわゆる「仕上がり過ぎ」のゾーンにまで行っていたと思う。

京介 だけどこの馬の持ち味であるトモの分厚さ、腰のブレなさは維持できていた。パワーと腰の強さが必要な安田記念向きのタイプではあったと思う。外を回っていい脚を長くは続けられないけれど、溜めて弾けるキャラではあったかと。

菊池 スワーヴリチャードをマークして素晴らしい競馬でしたね。やはりスピード性能では上位でした。

京介 その通り。流れが合わずに勝ち運が足りなかった馬だけれど、マイラーズCの2着は素晴らしい内容&走破時計だったし、一つ上手くハマれば勝てるシーンに到達してはいた。

京介 結局は、今回ルメール騎手を確保するための藤沢和雄厩舎との綱引きに勝利したことがまず大きかったし、ここまでかなり使い詰めでやってきていながら、能力減退するところまで我慢させるよう調整した陣営の努力。これらがルメール騎手の好騎乗で全て実ったということだね。

京介 やっぱり前日に揃っていた条件、そして当日の見比べや横比較で見ても、上位に拾って良いのかもしれないけれど、真っ先に「勝てる材料が揃った」とは言いにくい馬だったと思う。返し馬も馬が暴発しないよう加減しながらのものだったし…。

菊池 フランケル産駒の牡馬がG1を勝ちました。今後も無事に行って欲しいですね。

京介 まず今回の休養でどこまで戻るか、だよね。さすがにダメージは残るでしょう。ストロングリターンはその後鳴かず飛ばずだったし、とにかく復帰初戦をどう迎えられるかだよね。

アエロリット

180603アエロリット

菊池 ヴィクトリアマイルから2キロ減、疲れも見せず良い仕上がりに見えました。

京介 中山記念からヴィクトリアマイルというのは、新しいローテーションの発明だったのかなとおもったけれど、ヴィクトリアマイルから安田記念に向かうのであれば、逆に「良いひと叩き」になったよね。ウオッカも最初の年はヴィクトリアマイルを負けてからの挑戦だった。

京介 パドックも良く見せた方だったし、戸崎圭太騎手からすれば前回弱点を見せたうえで同じ条件に挑めるわけだから、克服できる点は多かったということ。500kgを超える体格もあり、安田記念の方が向いていたと言えるのかな。この馬の評価を下げたのは、反省が多かったです。

京介 レースを見直すと、4コーナーで早くも舌を越していたし、直線内で全然詰まらず運べたにしても、最後顎が上がっていた。持久力の高さを示せたとは言え、この馬の渾身の競馬、一杯一杯のゾーンだったのは間違いなさそうだ。

菊池 秋はどこを使うか悩みそうですね。府中牝馬Sはいいとして、その後が難しそう。

京介 斤量的には、大きなレースを勝っていないわけだから、背負うレースというのは少ないのかな?

スワーヴリチャード

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菊池 馬体重10キロ減は、最終追い切りでデムーロ騎手が陣営の指示よりずいぶん速い時計を出した分でしょうか。今までで一番、ビッシリ仕上がっている感は感じられた気がしますが…。

京介 間違いなく仕上がりは良かったよ。集中力を高いレベルで保てていたし、歩くリズムも非常に機敏だったね。素晴らしい仕上がりというよりも、有馬記念よりさらにいいバランスで高いレベルに上がったという印象を持ったよ。

京介 ただ自分としては、あんなに蹄を悪くしている馬だとは知らなかった。金鯱賞の時からエクイロックスをしているそうだけれど、いやあれはちょっとベスト調整をしにくい影響があったんじゃないのかな。

菊池 スタートを決めてあっさり流れに乗りました。直線も最後まで脚を伸ばして0.1秒差の3着。2500mでも1600mでもレコード級で走れるって、凄すぎるでしょ…。

京介 レース内容は本当に文句なしでしょう。ただ、アエロリットを捕まえきれなかったわけだから、ほんのわずかな適性の差で、マイルは後れを取るということではないかと。

京介 また、以前から手前替えの問題で追い比べになると横にブレることを言われていた馬だよ。ハーツクライ産駒らしく、横並びの叩き合いになると若干弱さがある、競り合いに持ち込まれるとダメ、という部分はあったと思う。何度も言うけれど、この馬が他を圧倒するのは直線入口でスンナリだった時。

菊池 この後は休養して秋に備えるとのことですが、天皇賞・ジャパンCという歩みでしょうか。どっちも勝っちゃうんじゃないかなぁ。

京介 いやいや、これだけ4歳世代が他を圧倒しているわけだし、何かしら強烈な4歳馬が急に出てくるんじゃないの?この世代は3歳時に無理しなかった分、後でグンと伸びてくる馬が多いと思うんだよね。もちろんこの馬の展望が明るいのは確かだけれども。

その他

菊池 4着はサトノアレス。最後は止まってしまいましたが、この馬も力を付けてきましたね。

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京介 ただこの馬は、実際ピッチ走法でひと足しか使えない弱みがあったと思う。2歳マイルG1かち馬が、安田記念でもギリギリの勝負になるほど勢いを維持しているというのは、本当に素晴らしいことだよ。だけど成長伸びしろや、古馬になっての鍛錬の差が、あの最後グッと出られるかどうかで違うんだろうなあ。

菊池 サングレーザーは5着。状態はかなり良かったように思いますが。

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京介 自分は素晴らしかったと思うんだよ。だけど事前に触れていたように、斜尻でトモが薄いタイプ。今日はこういう系統が外からズバッと弾けている傾向だったんだけれど、安田記念のようなトップクラスは、もうひと味必要だったということだね。改めて、G1戦線でも大崩れしない性能を持つ馬。マイルCSで期待しましょう。

菊池 ペルシアンナイトは6着。この馬はスムーズでなかった分、厳しかったですね。惜しかった。

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京介 スタートでちょっと寄られて、向正面もリズム良く行けず掛かるシーンあり。直線でどん詰まり。これはさすがに仕方ない。実際直線は余力がまだ残っているような気配だったし、この後すぐレースをやり直したいぐらいでしょう。

菊池 リスグラシューは8着。こちらはアエロリットに比べて、少し苦しいローテだった分がありましたよね。

京介 それも確かに厳しかった。改めて、450kg台の牝馬が480~500kgレベルの馬多数を向こうに回して競馬することの難しさも感じたね。今回のメンバーと比べると、「全くパワーがない」ように感じたもの。

菊池 リアルスティールは15着。ちょっと道中でスムーズでなかった分が響いたとは言え、スムーズでも上位争いは厳しかったかな?

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京介 見た目の馬体は整っていたように思ったけれど、「この馬なりに良い形」でさらに良くなっての出走ではなかったかな。今年は4歳馬がみな強力だったし、生涯最高レベルじゃないと足りなかったのかも…。それでいて休み明けだし。

菊池 この馬場レベル、時計になると、道中のミスは取り返しがつかないですね。スムーズな競馬が第一条件。結果として2着でしたが、馬券はアエロリットから入るのが正解だったかなと反省。不利を受けにくい先行タイプで時計性能の高い馬から買うべきだと思いました。

京介 それとロードカナロアのように抜けた馬がいない限りは、「前走負けていた馬」の克服が生きたのではないかと感じたね。ストロングリターンがレコードで勝った年も、メンバーは混戦で前走4着馬&7着馬での決着。

京介 抜きんでた能力で時計が出るというより、当日の馬場傾向に乗っかった結果でこの時計が出るわけだから、前回は叩きのレースで今回が全力仕上げ、そして負けた理由を分析したうえで挑む形の方が上手くハマるんだろうね。

京介 前走で1着だった馬は、別に力がずば抜けていないのに、前回上手くいったリズムで乗りたがる。スワーヴリチャードだって工夫が一つ二つあってやっと3着だったのに、マークされる立場に回る前走1着馬を評価しすぎるのは、良くなかったと反省したい。

京介 サングレーザーは生涯の中でも本当に良い仕上がりで、馬場もあっていた方だと分析していたのに、素直に乗って5着。これは重たい事実だね。

菊池 本来、安田記念は4歳が不利なレースですが、今年は6着までを4歳が独占。かなり強いメンバーが集まっていたから、というのもありますが、安田記念でこれだけ4歳だらけになるというのはレベルの高さを改めて強調したな…と思いました。僕は、自分が信じて強調して馬券にした予想は低レベル時用のスタイルだったと反省。

京介 安田記念の週になると収得賞金が半額になるんでしょ。それがあったうえでこれだけ出走馬を4歳馬が占めるということは、5歳以上古馬に勢いがなさすぎだったと見るべき。まず馬連は4歳馬ボックスでもいいんじゃないか、とチラッと考えたんだけど、その予感が正しかったわけだ。

京介 それと藤沢和雄厩舎が3頭引っ込めて16頭立てになったけれど、モズアスコットが出られるようになった経緯も含め、仕上がりが微妙だったとしても藤沢厩舎はあと2頭出して18頭にするべきだったね。もっと内で壁役になる馬が増えて、紛れが起き、内で渋滞する要因が増えただけでも、サトノアレスが伸び勝ちするチャンスは大きくなっていたはず。スワーヴリチャードのルートは狭くなっていただろうし、モズアスコットはNHKマイルCタワーオブロンドンの時と同じ目に遭っていたかもしれない。

<教訓まとめ>

・やはり今年も内で微妙に渋滞し、直線で不利を受ける馬が内枠から発生したが、今年は全体で16頭だったためか、例年ほどは窮屈ではなかった。結果的に、3コーナー以降内ラチ沿いを走った馬がワンツースリー。馬群の外を回る馬がゴール前で一歩遅れた格好。

・直線で坂があったうえで滅法速い時計が必要になる安田記念は、マイルCSよりもパワーが必須で、500kg前後の馬体重があった方がいいのが例年の傾向。

・1分33秒台の昔の安田記念は、中距離からの短縮馬が通用し易かったり、馬場の外を回る馬が有利だったりしたが、1分31秒台の安田記念は、内ラチ沿いをロスなく回って我慢する先行馬が必ず1頭いる。これは枠と隊列で読めるので、確実に押さえておくこと。

・安田記念の週に良くありがちな罠で、この週から新馬戦も始まるために、取材が安田記念に出走する全馬に十分行き渡らない可能性があるということ。モズアスコットは連闘で出走できない可能性もあったため、追いきりの映像はなかったし、取材もやや甘かった。どの馬にもチャンスがあるだけでなく、前回敗れた馬が巻き返すことも多いレースなので、ジンクス的に「調教映像がない中位~下位人気の馬」が激走することがしょっちゅうある。最終追いきりを見て決断したいタイプの予想の人には辛い結果になった。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ヒーズインラブ
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…追い切りも絶好に見えたし、当日のパドックも目を惹く仕上がりだったので、ここまで走らなかったのは正直想定外。世代間の格差はあったかも。番組を選べばG3レベルならいつでも勝ち負け。G1で通用しなかったのは残念だが、今シーズンはかなり成長してきたように思うので。

<菊池>
・リスグラシュー
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…気の良いタイプで休み明けの仕上げに苦労しない反面、使うごとに落ちていく。休み明け初戦~2戦目が買い時で、3戦目にはパフォーマンスを落とす、という見方は合っていたので今後も同じ扱いでいいはず。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はエプソムCとマーメイドSを京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。