菊池 日曜日に函館で行われた函館スプリントSも回顧していきましょう。

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函館スプリントSはヒルノデイバロー(10人気2着)を穴推奨に指名!
180617函館SS穴推奨


函館スプリントステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/178311

<天候・馬場について>

菊池 先週の函館競馬場周辺は、ずっと風が強く肌寒かったようですね。1週間ずっと最高気温は20℃を下回る水準。これは寒そう…。土曜日の函館は途中から晴れましたが、日曜日は終日曇りのままでした。

京介 幸いにも週末に雨は降らなかったようだけれども、調教映像を見たら最終追い切りの水曜木曜は重馬場だったようだし、 良い天気ではなかった。週末も風で雲が結構流れていたようだね。パドックも上着を羽織っていた人が多かった。

菊池 芝も函館開幕週らしい決着が続きました。最初の土曜1R・4R・5Rと逃げ馬が3連勝。差しが決まったレースもあるのですが、今週の土日芝14鞍のうち逃げた馬が7勝です。5番手よりも後ろの差し馬が勝てたのは、土曜8Rのリナーテのみ。前に行かなければ勝負にならない、内を通った馬が断然有利の状況でしたね。

京介 この函館スプリントSの予想に限り、強烈なハイラップで先行勢が総崩れになる可能性も考えないといけないけれど、条件戦はもう完全に前から3番手以内で追走できる馬を探すのが即結果に繋がっていた。この2日間で1枠の複勝率が4割超え、連対率33%。逆に7・8枠の馬は連対率7%程度。内外の格差が大きい状況だったのは間違いないね。

京介 土曜日のメインHTB杯の決着時計が1分7秒9、日曜メイン函館SSの決着時計が1分7秒6。超がつく高速馬場ではなかったけれども、全面洋芝の函館なら非常に時計が速い水準とは言えた。

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<パドックについて>

菊池 函館は滞在調整になるため、環境の変化により大幅な体重変動が起きてしまった馬もよく見かけます。キングハートはマイナス20キロ…。前走大敗馬が多いメンバーでしたが、今年はどんなパドック気配だったのでしょう。

京介  レベルがイマイチに感じたのは今年も一緒かな。前走鞍馬Sで好走したティーハーフとライトフェアリーも、正直前走の方が良かった。連戦連勝で勢いがズバ抜けている馬もいないし、3歳も不在で不調な高齢馬多数。それだったら立て直しで差がつくだろうし、仕上げ勝負でしょうと見ていた。ハッキリ言ってその通りだったね。

京介 直前追いきりでビシッと末脚を伸ばしたセイウンコウセイや、ずっと滞在して直前の追い切りも好時計だったヒルノデイバロー。この2頭はちゃんと上向いていたと思うよ。腰の支えがしっかりしていたし、背中が緊張できていた。トモの送りも良かったね。

京介 完全にやる気なさそうにしていたダイアナヘイローや、お尻の幅が寂しくなったキングヘイロー、極端に硬くなっているライトフェアリー。良い意味でも悪い意味でも、前走のパドックを参照しにくいレースだなと再確認したよ。

<レース展開について>

京介 ここまで風も出ていて肌寒いと、さすがにレースを生で見るのも躊躇してしまうのかな。あんまり馬場側に人が出ていなかったね。

京介 函館芝1200mのスタートは2コーナー側奥。だいぶ静かな場所だし、ファンファーレが鳴っている途中からもうゲート入りは始まっていた。およそ40秒弱でゲートが開いたし、ほとんど待った馬はいないはず。

菊池 全体にはスタートは揃った方だと思うのですが、先手争いを繰り広げると思われていた2番ダイアナヘイローが何と出遅れてしまいます。すぐに挽回する様子でもなく、何と控えました。

京介 武豊騎手がこのレースと最近相性悪いらしいけれども、これは驚き。せめて内から盛り返して2列目ぐらいは確保するのかと思ったのに。これで同枠セイウンコウセイは、だいぶ楽になったでしょう。

菊池 4枠の2頭が最初の行き脚は速かったのですが、内から押して1番セイウンコウセイがまんまとハナに行きました。8番ワンスインナムーンは内の様子を窺いつつ、併走の2番手。7番ナックビーナスがワンスインナムーンの後ろをくぐって外に持ち出して3番手。その真横が15番ライトフェアリー。事前の想定とは違い、あまりガツガツ競り合う様子ではないですよね。

京介 セイウンコウセイとダイアナヘイローが高松宮記念で競り合ったし、ワンスインナムーンも併走で行くでしょうという予想だったけれども、その要因となる1頭が急にいなくなった。これだと展開の圧はだいぶ変わるよね。

菊池 内から押して2列目に接近する5番タマモブリリアン。その後ろに3番ラインスピリットと9番ヒルノデイバロー。

京介 ラインスピリットはスタートで軽く躓いてしまって、ほんの少し後手。いつも後方追走になっているヒルノデイバローは、鞍上の四位騎手が珍しく追っ付けて前に出してのこの位置。

菊池 その後ろは3列目ですね。内に2番ダイアナヘイローは、外に出したがっているように見えます。その外に10番ノットフォーマル。一つ後ろに4番ジューヌエコールが内。もう1列後ろに12番エポワス、11番ユキノアイオロス、14番アドマイヤゴッド、13番キングハートが固まっています。少し遅れて6番ティーハーフ、最後尾に16番ノボバカラ。

京介 キングハートは、今回は枠の差もあってあいにくの後方。エポワスは追い通しの追走でいかにも苦労している。ティーハーフはいつもの位置取り。

菊池 前半3Fは33秒1、前有利の開幕週だとしても速い方でしょう。その3コーナー残り600m標識を通過した時は、馬群はバラけ気味でしたが、4コーナーになると徐々に密集し始めます。

京介 一応ここまで、先行集団の馬は追っ付ける様子がない。中団以下の馬が差を詰めてきただけで、目立った渋滞箇所などもなかった。

菊池 1列目半で併走していた7番ナックビーナスと15番ライトフェアリーですが、4コーナーでライトフェアリーが後れ始め、ナックビーナスが前に接近し始めます。ここが加速のしどころでしょうか。

京介 先頭の2頭、セイウンコウセイとワンスインナムーンの2頭もどちらが耐えられず脱落するのかという態勢で、直線入口では馬群が一気に横に膨れた。ここで進路を確保できず追い出せていない・仕掛けられていない馬はもう完全にアウトだよ。

菊池 直線に向いて先頭のセイウンコウセイがワンスインナムーンを振り切ったか、と同時にワンスインナムーンが力なく後退してしまいます。その真横をジワジワと迫るナックビーナス。その1列後ろから接近するヒルノデイバロー。後方集団の馬は馬群の外を回ったロスなのか、そこまで伸びません。

京介 大外を回った6番ティーハーフなどは、手応えはある様子なんだけれども勢いに乗せきれない。ちょっと前の集団と脚色一緒のようになってしまっているね。

菊池 先頭で渋太く粘るセイウンコウセイ、接近するナックビーナス、その外ヒルノデイバローの叩き合いになりました。ヒルノデイバローが交わしそうになりましたが、ゴール寸前で首を上げるのを我慢できたセイウンコウセイが、僅かに先にゴールに飛び込みました。

京介 後ろから迫る馬の脚色も良いんだけれど、最短距離を通っている逃げ馬が踏ん張り、全体に着差がついていないままの速い決着時計。今週の下級条件でも、似たような決着が続いたね。差し馬が今の前残り馬場にハマりきらず、脚を余したような入線になった。

<結果を受けて…>

180617函館SS結果

菊池 勝ち時計は1分7秒6。土曜日のHTB杯よりは少し速いタイムでした。

京介 2年前のソルヴェイグが勝った年より速いわけだから、まだ函館目線で言うと「驚きの高速馬場」のままだとは思う。だけどセイウンコウセイは昨年の超ハイラップで先行して1分7秒3での走破だったし、「昨年より対応が楽だった」というのは間違いないのでは。

京介 やはり前に行く馬が大正義、という函館SSが戻ってきたな、という印象だったね。差し馬が単勝で来るには、やっぱり1分8秒台の芝じゃないと厳しいコースなのかなと。

菊池 では、上位馬について。


セイウンコウセイ

菊池 高松宮記念の後こちらに直行だったのが昨年のローテーションでした。今年は京王杯SCを経ての出走。放牧にも出ておらず、無駄なレースを挟んだ印象でしたが、仕上がりは問題なかったのでしょうか?

京介 今年のメンバーではちゃんと緊張している仕上がりに見えたね。他よりも相対的に良かったというのがまず一つ。そして今回は大きめのチークピーシズを初めて装着した。そして揉まれず競馬をせず、ちゃんと1枠から主張したからこそ、この馬具効果も大きかったかな。

京介 結構運のいい要素もあったけれど、懸命の仕上がりではあったと思う。

菊池 しばらく勝ち星からは遠ざかっていましたが、昨年の高松宮記念から1年半ぶりの重賞制覇。陣営の工夫も実っての復活劇でしたね。

京介 スピードが上位の馬というだけでなく、G3レベルなら常に逃げていいほどのダッシュ力がある馬なら、ワンチャンスでモノにできるという典型だったと思う。「確実に流れが厳しくなるから…」と考えすぎたのは反省すべきだった。ダイアナヘイローが競馬していないのがすべて悪いんだけど。

菊池 特に問題がなければ、キーンランドCに駒を進めることとなるでしょうね。

京介 また逃げ馬候補が多数集まって、この馬をやっつけに来るようなメンバーだとまだ厳しいと思うけれど、今回見せたダッシュ力と走破力は、復調というより元々の地力。ネロのようなキャラが出てこない限り、常に△ぐらいは回しておかないといけないと思ったよ。

ヒルノデイバロー

菊池 こちらは京介さんの推奨馬でした!しかし、近走に見所がなさそうに思えた7歳馬で、良く追い付けましたね。

180617函館SS穴推奨

京介 これは過去のレース回顧が役に立ったことと、3歳馬が出走していないメンバーもあってのものだね。函館で早めに滞在して、直前ビシッと函館Wで好時計を出している馬は、函館SSと函館記念では買い。滞在で体を慣らした強みが出るという説だね。過去にはパドトロワとガルボも、厩舎ランク上位+追い切り指数上位での激走だったんだよ。

京介 そしてこの馬は、大型馬だけれども鉄砲実績が非常に豊富。パーツの長い馬だから、流れが合わずに負ける時は大敗が多い。こういうタイプはあまり使いべりしない。巻き返しがあるタイミングだとは思えたんだよ。

菊池 四位騎手はこの馬に騎乗して何度も出遅れていますし、スピード決着必至のこの場面では推奨するのが難しいと思いましたが…。四位騎手は追っ付けての先行、2列目半。そもそもの位置取りが意外でしたね。

京介 四位騎手はしきりに「デキが本当に良かった」と繰り返していたそうで、かなり悔しそうな様子も。出遅れていないのに脚が溜まったというのは、確かにデキが良かった証拠だろうね。それに1分6秒台にまではならず、自身の持ち時計走破水準で決着してくれたことも助かった。想像以上に上手く行ったことは、確かに否めないけどね。

京介 だけどこの函館SSを、かなりの好状態で出走できたということは、他の調整ミスした他のメンバーとはだいぶ差が開いた。ほとんど同じメンバーが出てくるキーンランドCにも上手くつながるのではないか、と期待しているよ。

菊池 次走は確かに、札幌実績もあるタイプですし、キーンランドCでしょう。

ナックビーナス

菊池 今回は高松宮記念から直行。間隔が開きましたが、最終的に4.3倍の1番人気でした。仕上がりはいかがでしたか?

京介 脾腹のラインがすっきりして、トモの張りも良く、いいまとまりがあった。仕上がり自体はおそらく良い方だったと思うよ。脚捌きもぎこちないとは全く思わなかった。

京介 ただしこの馬は、腰がだいぶ甘いパワータイプ。走りの回転力が足りず、ストロークが鈍い方だから、やはり1分7秒台になる決着では、一歩遅れてしまうね。展開や隊列的には対応した方だと思うけれど、人気にはこたえられなかった。

菊池 レース振りは文句なしだったと思います。上手くワンスインナムーンを交わして2列目で機を窺い、特に外を回るロスもなく、仕掛けるタイミングも良かったはず。三浦皇成騎手はセイウンコウセイに前走乗っていましたから、悔しい所でしょうね…。

京介 三浦騎手もレース後は言葉少なだったなあ。54kgなんだから…という部分はあるし、まさかの牡馬決着となっては。

京介 引き続き自分は、この馬を時計の速い決着では評価しないようにする。それと、冬場にいい体調が続いてやたらと連戦、夏場は間隔を空けながら使うタイプだから、本来は夏場にあまり強くないタイプなんじゃないかと。涼しい北海道だから使えたけれど、暑くなるキーンランドCはどうかな、と思っているよ。

その他

菊池 4着アドマイヤゴッド、5着タマモブリリアンともにオープンで見所を作れなかった人気薄の馬でした。しかし2頭ともに、北海道の洋芝で出世してきた実績がありましたね。

京介 滞在調整も良かったように思うよ。まずもってこの夏の北海道自体が得意、ということもあるだろうね。どちらもキーンランドCでワンチャンスあっていい。

菊池 ダイアナヘイローは9着でした。出遅れはかなり響いたと思いますが、直線で詰まるシーンもあり。

京介 中団を追走して、内にも外にも切り替えられるルートを選んだつもりが、あんまり外にも出せず、直線で内を突いてほとんど追えずじまい。武豊騎手の判断が悪かったとは思う。

京介 だけど函館スプリントSは、例年前に行った組が残ったり、内枠の馬が見事な差し脚で勝ち切ったりする反面、流れが合わず不運に見舞われる馬が確実に出てしまうレース。今回はダイアナヘイローがそういう憂き目に遭ったということだね。だけど武豊騎手が函館SSでダメなジンクスは、まだ続いてしまうねえ。

菊池 ワンスインナムーンは、流れに乗れていたと思いますが、直線で失速してしまいました。大バテではなかったものの、結果8着です。

京介 いやこちらは、自分はちょっと不可解だなあ。パドックは決して悪いと思わなかったし、良い仕上がりだと感じたよ。そしてテン争いしている片方が牡馬の57kg、こちらは牝馬の54kg。態勢有利にもなれず力負け。中身が出来ていなかったとしか思えない。450kg台に戻せたことはいいことのはず。これこそ、海外遠征で体を減らして大敗したスランプが長引いているのかな。仕上げ過程ではない部分に敗因を求めたい。

菊池 分からないですね。昨年のような高速馬場なら良かったのか。でも、ここまで崩れるほど馬場が重かったでもなく。見た目は戻したけど、見えない部分に敗因があるとしか…。

<教訓まとめ>


・3歳馬が不在、勢い抜群の連勝馬もいないのなら、今年のようにスランプ続きの高齢馬同士の戦いとなる。そうなれば休み明けの仕上がり勝負。しっかり準備して現地で体を慣らしている=直前追い切り好時計が生きた。

・函館の開幕週は、ここ3年ほど露骨に時計の速い前残り決着となりがち。函館は本質的に小回りコース、1分7秒台前半の時計が要求されるなら、追い込み馬はほぼ不可能。逃げ馬候補から選ぶべき。

・以前はエポワス、今年はアドマイヤゴッド、そしてタマモブリリアン。函館準オープンの芝1200mで勝ち負けした馬が、次の年の函館SSで激走するというパターンは意外とある。函館コースで好走するには、夏適性や滞在適性など、能力以外の要素が必要になることもあるということ。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ラインスピリット
…仕上がりは案外良かったと感じたが、ここまで函館どころか北海道の洋芝経験なし。スタートで軽く躓いたうえに、直線反応良かったのにヒルノデイバローに進路を潰されて若干ブレーキ。新潟の直線競馬も対応できて、北九州記念の3着激走などもある実力馬なので、軽い芝のレースで半端な穴なら注意。馬体もなるべくなら440kg以上になった方がいい。

<菊池> 
・なし
…ワンスインナムーンは次走人気落ちでも馬券的には押さえられるが、巻き返し必至と言える何かを掴めるでもなく。アドマイヤゴッドも厩舎が得意な函館滞在で好走したは良いが、枠が良かったとしてもこれ以上があったかというと?キングハートもここから巻き返せると言えるほど厩舎を信頼できず…。ただただモヤモヤしながらお金が消えた函館スプリントSでした。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は宝塚記念を京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。