菊池 日曜日の東京ではユニコーンSが行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

競馬大予言・夏競馬号が発売中!
18年競馬大予言夏競馬号

http://amzn.asia/dzYbsTJ

函館スプリントSはヒルノデイバロー(10人気2着)を穴推奨に指名!
180617函館SS穴推奨


ユニコーンS回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/178320

<天候・馬場について>

菊池 金曜日の東京競馬場はそこそこ雨が降りまして、土曜日は雲が広がり、どんより薄暗い天候でしたね。ダートは不良馬場でスタートしていました。

京介 土曜日は思った以上に寒かったな。家を出た時に半袖じゃまずいと気付いて、上着を足していって正解だったよ。東京競馬場に遠征でいらしていた会員さんは、半袖で寒がっていて大分難儀していた。なんせ朝は15℃を下回っていたんでしょ。

京介 ダートは水が浮かず、十分に水が浸みた不良馬場だったね。なので脚抜きが滅法良くて、非常にというか、とてつもなく時計が速い。うだつの上がらない未勝利戦のダート1400mで、1000万下の高レベルじゃないかと思える決着時計だったしね。

菊池 ただし、その後は雨が降ることなく。日曜日も日差しが遮られる曇り空でしたが、土曜日よりは多少過ごしやすかったんじゃないでしょうか。しかし日照が結局ないままで、ダートが良にまで回復することはなかったですね。

京介 そうだね。最高気温は20℃を超えたそうだけれど、現場の実感としてはまだ少し寒かったかな。微妙に薄暗いままで気温が大幅に上昇することは全くなかった。風もやや冷たいままだったし。

京介 脚抜きがかなり良いばかりか、マイル以下の距離は非常に上がりが速い傾向があったね。下級条件で既に上がり3F36秒台を発揮しないと勝てない状況で、筋肉質や骨太タイプでは直線で置かれてしまう。芝血統の馬、あるいはそもそも芝で走れていた馬の激走がかなり目立っていた。特殊なスピード馬場だったのは間違いないよ。

ブログランキング
↑他の競馬ブログもチェック!(ブログランキング)↑







<パドックについて>

菊池 毎年前走1着馬が多数集まるのですが、それでも上位人気が堅実に走るレースです。今年も上位人気馬の方が良く見せる馬体だったのでしょうか?

京介 やっぱりこの時期になって直前でやっと2勝目の馬と、今年の序盤までに2勝目3勝目を挙げている馬とでは、資質の違いはハッキリ出たと思うよ。 この時期の直前Rで1着だった2勝馬は、足元を悪くしていたり、腰が弱かったり、肉付きが甘かったりで、何か明らかに成長足りない要因が見えてくるんだよね。朝日杯などとはそこが違う所。

京介  ルヴァンスレーヴはホントに目を惹く仕上がりだったなあ。前走は叩き台でも良かったし、間隔を空けて体を作り直したことがプラスに出たと思う。ソエも克服できていた。その他では、鳳雛Sの1着2着馬も良いと感じた。グリムは飛節の折りが妙に深く、硬さが出ていたと思う。今日に関しては物足りなさがあったね。

<レース展開について>

京介 悪天候でもなし、決して雨が降っていたわけでもないんだけれど、今日はちょっと人の入りが微妙だったかな。馬場側はそこまでの混雑でもなく、比較的静かだったね。

京介 東京ダート1600mは2コーナー奥の芝スタート。ファンファーレが鳴り終わるぐらいからもうゲート入りは始まっていた。ま、いつも通り暴れる馬もなくサクサク進む。ちょっと入れ込んでいたのか発汗する馬がチラホラいたけれども、引っ張られてゲートに入る分には問題なかった。ものの40秒程度でスタートが切られたから、この条件にしてはだいぶ早い方かな。

菊池 15頭は一歩目素直に出た方だと思うんですが、15番ダンケシェーンが大きく出遅れました。そして芝からダートに向かって馬群が絞られる過程で、14番ルヴァンスレーヴも5番グレートタイムも一歩遅れる波乱のスタートに。

京介 いやこれは正直驚き。人気の2頭はせいぜい半馬身ぐらいの出負けだったんだけど、芝スタートでモタついた印象だね。決して真横の馬が追突してきたわけではない。

菊池 ダートに進入しても、しばらく1列目は4頭が横並びです。10番バイラ、8番ハーベストムーン、6番ホウショウナウ、そして1番のセイウンクールガイ。ここから内側の利を得て、徐々にセイウンクールガイが優勢になって行きました。

京介 セイウンクールガイは最初出負け気味だったんだけど、押して押して何とかこの位置に挽回してきた。こういうテン争いは、序盤から結構速くなりそうなものだけれど。

菊池 一旦バイラは2列目に引きました。その横を7番グリム、ラチ沿いに2番タイセイアベニール。1列後ろに、内から3番プロスパラスデイズ、4番トキノパイレーツ、13番リョーノテソーロ、16番ミックベンハーと続きます。

京介 出負けは内枠の馬の方が多かったのに、全体に内枠の馬が高いポジションを確保する隊列になったね。外枠の馬は芝の部分で上手く行き脚がつかなかったか、ダートに進入したのが早い内枠の馬が有利になったか、だね。

菊池 後方集団は横並びに固まり気味ですね。5番グレートタイム、9番コマビショウ、11番ベストマイウェイ、若干挽回しつつある14番ルヴァンスレーヴ。その後ろに12番エングローサー、最後尾に15番ダンケシェーン。

京介 どう見てもルヴァンスレーヴは、当日の馬場でも結構不利な位置取りだと思うけれど。

菊池  残り1000m通過の標識を過ぎ、3コーナーに差し掛かります。ここではセイウンクールガイが完全に1馬身リードして単騎でした。ただし馬群の外の方で、14番ルヴァンスレーヴが馬群の外を徐々に押し上げてきます。これは捲りというほどの勢いではないものの、絶妙な匙加減の進出。

京介 いやあ、自分はさすがに仕掛けが早いんじゃないの?と思ったよ。あとから逆算すれば、よっぽど強気に乗れる状態だったと心得ていたとわかるんだけど、今日の上がり性能必須の馬場、しかも東京ダートでこんな早くに動くとは。ただ、追走スピードが違うからこそ、そこで逆らわずにコントロールしたということだね。

菊池  1番人気馬が強気に仕掛けたので、当然他の馬も少しばかり緊張感が走ります。4コーナーを通過する時には1列目が5頭横並び。馬群も一気に縮まりました。残り600m標識の時には、大半の馬が手を動かす仕掛けです。

京介 直線坂下でジワッと馬群が広がっていたし、比較的馬群もバラけがち。追い込み馬も十分差し込める隙がある展開となっていたはず。

菊池  逃げるセイウンクールガイが、直線でもうひと粘りして頑張りますが、外から楽に接近していたルヴァンスレーヴの手応えが断然。直線余裕をもって抜け出すところでした。しかし他の有力差し馬は、いまだ馬群の中でもがいたまま。この時点では、最低人気のセイウンクールガイの残り目があるか、とさえ思いましたね。

京介 グレートタイムはルメール騎手が直線で内を突くように導いて馬群に包まれているし、グリムはハーベストムーンが完全に邪魔になっている。先行馬が絶妙に邪魔になっている状態だね。

菊池  そして坂上。もう一段余力を残していたグレートタイムは、もう独走の態勢。セイウンクールガイめがけて差し馬が殺到して、ゴール前およそ50m手前ほどで内を割って12番エングローサー、中を割ってグレートタイムがようやく追い上げてきました。

京介 内で詰まった馬の目がもうないのかと思いきや、外を回った差し馬もエンジンの掛かりが甘い。どの馬も伸びそうで脚が続いてない。エングローサーは仕掛けを待った追い込み馬の分、グレートタイムは2度詰まって逆に脚が溜まっていた分最後に伸びたね。

菊池  最後の2着争いはギリギリグレートタイムが競り勝ち、結局はデムーロ騎手&ルメール騎手での決着。馬連2番人気の堅い配当。しかし、ルヴァンスレーヴの強さが目立つ内容となりましたね。

京介 だけども、伸び伸び競馬をさせられたルヴァンスレーヴに対し、グレートタイムは明らかに勿体ない&脚を余した内容に見える。ここまでの着差が付くほどの実力差じゃないんじゃないかな。もちろん勝ち馬の走破力を、おかしな見立てで下げる必要は全くないよ。あれはあれでちゃんと評価すべき。

<結果を受けて…>

180617ユニコーンS結果

菊池 勝ち時計は1分35秒0。いかにも速い馬場だったのでレコード前後の時計は出るかと思われましたが、ちょうど10年前2008年ユビキタスの記録を0秒1更新する、レースレコードとなりました。

京介 一応接戦ではなかったし、明らかに差し馬有利というほどのレース展開でもない。自分の脚力で他馬を圧倒した内容で、評価は高く出るはず。

菊池 単勝1倍台には至らず、いろいろと勘繰られた部分はあったんだと思いますが、終わってみればたった1度しかチョイ負けしていないルヴァンスレーヴの安定感は抜群でした。ダート戦で2度3度大きく負けたことのある馬は、やはり強烈な馬とはなりえませんね。

京介 グレートタイムは馬体のバランスが本当に良いんだよね。だから「未完成だから…」ということで見逃していたけれど、やっぱりダート路線で3回も負けている馬じゃルメール騎手も強気には乗れないか。勢いがあるというのと、高いレベルの相手にぶつけて勝っていることは大事だわ。

菊池 勝ち馬が鮮やかに勝ち過ぎた反面、逆に2~5番人気の馬は、どれも直線で辛い競馬になったようですね。グレートタイムもグリムも、勿体ない内容に見えます。

京介 馬場状態が非常に速く、基本的に前も止まりにくいから、シビアに内を回って乗らないといけないという意識が強すぎたのかもしれない。どちらも形の悪い負けを喫したことがあるから、そうならないように乗ろうとしたところ、要求される時計水準が非常に高くなっていたし、垂れる先行馬を計算に入れていなかったという感じなのかな。グリムは特に、ちょっとそれはないよ…という負けだよね。

菊池  では、上位馬を振り返りましょう。


ルヴァンスレーヴ

菊池 伏竜Sで2着に敗れてから、間隔を空けました。しかし、堂々の1番人気評価でしたね。馬体はいかがでしたか。

京介 2歳戦で燃え尽きるどころか、しっかり体つきは進化していて、トモの張りも身のこなしも素晴らしかったね。今日の馬場は芝馬の身のこなしや手先の軽さが要求される馬場状態だったんだけれど、単純に筋肉量と骨格の調和が高いレベルで取れているから、ダート馬特有の重たさがなくサクサク歩けていたね。

菊池 驚きの大捲り、という競馬ではないんですよね。二の脚が速く、道中の追走スピードが格上だったための外押し上げというように見えました。直線入口でも持ったままでしたし。

京介 デムーロ騎手は序盤から道中、一切慌てていなかったね。やはりプラタナス賞で似たような押し上げをしていたことが自信になっていたのかな。また、行きっぷりのいい馬を加減しつつ折り合いピタリで進められたというのも、評価したいポイントだね。抑え込んで溜め殺ししてしまう騎手が多い中で…。

京介 それと左回りはエンジンの掛かりが本当にスムーズ。このままデムーロ騎手を背にしたまま、フェブラリーS出走にこぎつけられるのかな?

菊池 次走はJDD(7月11日)が目標とのことです。ナイター競馬は経験済み、今年は間隔も2週間チョイ空きます。右回り克服が課題でしょうか。

京介 全日本2歳優駿、伏竜Sで鎬を削ったドンフォルティスが出てくるのかどうか?がまずポイント。そうじゃなければ、右回りで若干ズブくなる部分の克服だけが課題かな。

グレートタイム

菊池 グリムに譲っての3番人気でした。ただ、ガチンコ予想のパドックではこちらが高評価でしたね。

京介 自分好みの体型ということもあるけれどね。飛節がスラッと伸びて、芝馬のような運動神経があるタイプ。若干薄手というのは母譲りのところもあるかな。スピード馬場ならまず安定感は高いだろうと見ていました。

菊池 ヒヤシンスSに続いて、また後方からの競馬になってしまいました。

京介 脚の速さは確実にこのメンバーでは上だと思ったし、過去に上がり3F35秒台を記録できたのも唯一この馬だけ。そしてレースでも最後その片鱗を見せてくれたけれども、ルメール騎手は距離が長くて反応が悪いと見ているようだね。

京介 だけどこの馬の履歴を縦に見直すと、明らかに勝負所でモタつく面が改善されていないんでしょ。まだまだレースで全力を出せているわけじゃないと思うんだけどなあ。まだ伸びしろはあると思うよ。ただ、この馬をガツンと狙う場面は、東京のダートマイルではないんだろうね。

菊池  母のミラクルレジェンドの履歴をなぞるようなレースを使った方がいいのかもしれませんね。

京介 ゆくゆくは2000mを超える距離のレースも使ってほしい。ただ、レパードSはいかにも合っているタイプだと思うんだけどなあ。

エングローサー

菊池 夏の早い時期からデビューしており、芝の重賞に2度も出走。新潟2歳Sで穴推奨したのが懐かしい(4着・笑)。トランセンド産駒なのに、ダートを使ったのが今年の2月になって初めてという履歴でした。フレッシュな部分はあったのかもしれませんね。

京介 ダート馬として比較すると、かなり細身。トランセンド産駒はどれも脚長、脾腹薄くトモも薄く直飛節で腰良しというタイプが多い。この馬もそうだね。だいぶ非力に過ぎるから、厩舎が最初は芝使いしようと思わせる体型だった。

京介 ずんぐりしてモタモタするタイプに比べれば、仕上がり早めで痩せ気味。ダート馬としてはあまり見映えのしないタイプ。確かに厳密に考えれば、パワー不要だった今日の馬場にピッタリ合っていたのかも…と感じるね。

菊池  距離は未知数ですが決め手があるタイプと信じて、田中勝春騎手は後方待機に徹しました。ただし、迷わず最内というよりは、坂の途中で一度詰まって、仕方なく内に切り替えていた感じですかね。

京介 展開のアヤは間違いなくあったと思うけれど、一度勢いを切った後の判断は良かったね。芝のスピード上位のメンバー相手に戦ってきた経験が、ここで生きたとも言えるのかな。

菊池 ダートにもマイルにも目処が立った形ですね。1000万下からの出直しになりますが。

京介 いや、この走破内容だったらすぐ通用するんじゃないの。ダート1200mでもいいんじゃないかというスピードはあると思うよ。脚抜きは良い方がいい。

その他

菊池 4着ホウショウナウ、5着セイウンクールガイともに、前で主張してヘコ垂れずに残った形でした。というよりも、後ろで不利を受けた馬が多かったために、この2頭が残せた印象です。

京介 2頭ともにまだ手先に弱い所はあるんじゃないか、という印象だった。一応1分35秒台で走破したけれども、全く不利がない内容。評価は指数でどれだけのものが出るのか、次第だね。

菊池 8番ハーベストムーンは、直線入口のあと勝ち馬に寄られて一旦後退、その後挟まれて手綱を引っ張るほどの不利。7番グリムは2列目の内なのですが、そこから外に持ち出せず、進路を探してモタついている間に勢いに乗れないまま。良い位置を奪えた馬でも、スンナリと行かなかった展開でした。

京介 変な負け方をした人気馬は、どれも向正面や直線でひと悶着あるので、見直してみた方がいいよ。高速馬場の重賞は、勝馬が鮮やかだった反面、得てしてこういう事象が多数起こりがちだね。

菊池 エプソムCも荒れない重賞ですが、このユニコーンSもたいがい上位人気馬同士で決着しますね。今回の低配当の肝は、最後の2着争いにあったと思いますが、あそこでもグレートタイムの方がグッと前に出るものなんですね。

京介 直線で見事な抜け出し方をしたセイウンクールガイも最後坂上で止まってしまうし、エングローサーもいい競馬になったけれど競り合いでもう一伸びできなかった。東京ダート1400mではおそらくこういう決着ではないのでしょう。ダート1600mだから、多少道中甘さのある展開でも、最後にスタミナが求められて、中距離馬の方が追いつくことになる。

京介 今年は珍しく青竜S組がダメだったけれど、それでも地力評価の高い人気馬同士で決まったし、ある程度レベルの高い資質が求められるということなんだろうね。

<教訓まとめ>


・またもやデムルメ決着が成立。資質の高い馬に上位騎手が確実に回ってくる構図がある上に、確実に力上位の馬を上位に食い込ませるような騎乗を心がけているためもある。両方がミスすることはまずないと思った方がいいか。

・何らかの不利があったためとはいえ、ダート路線で2度以上負けている馬や、前走接戦勝ちで評価されすぎるタイプは、単勝期待値が著しく低くなるもの。

・早くからデビューした無敗馬や準無敗の馬が有利なレースなので、遅生まれはかなり不利。好走馬は2~4月生まれが大多数で、5月・6月生まれの馬はやっと前走勝ってここに出走してくることが多いが、いつも非常に分が悪い。ちなみにルヴァンスレーヴは1月生まれ、夏の新潟デビュー時点からデムーロ騎手を確保できる能力を示していた馬。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・リョーノテソーロ
…追い切りは抜群の動きで肉付きも非常に良かったが、蹄も大きく繋も太め、全体に骨量豊富な筋肉質の体型。パサパサの良馬場なら馬券に絡めていたレベルまであった。今日は細身ばかり走る馬場状態で条件超不利。

<菊池>
・ベストマイウェイ
…さすがにスピード勝負は分が悪いと思っていたが、さらに両前落鉄で道悪馬場(滑りやすい)も堪えた。コーナー4つの競馬+追えるパワータイプ騎手とのコンビで見直したい(内田博騎手は理想的だった)。気性的にかなり難しいところがある馬なので、大敗が続いた後でも狙いたい。ただし、安定を望めないことは覚悟する必要がある。

~~~~

菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は宝塚記念を京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。