菊池 日曜には中京記念が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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大谷 清文 (著), 奥野 憲一 (著), 互當 穴ノ守 (著)

函館記念はエアアンセム(5人気1着)を穴推奨に指名!
180715函館記念穴推奨


中京記念回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/183996

<天候・馬場について>

菊池 中京は引き続き37~38℃という猛暑の中。厳しい暑さが続きますね。

京介 ちょっとズレた名古屋地方は、40℃を超えた場所もあったとか。中京競馬場は馬場の方だとあんまり風もなかったようだし、随分過酷な環境で競馬をやっているなと感じるよ。

菊池 芝はBコース使用の2週目でも荒れた状態で、土曜から内を避けて通る騎手が多かったですね。

京介 あの芝の色はどうなんだろうなあ。暑さで乾燥しすぎだから芝が枯れているんじゃないか、と感じはする。また、外に持ち出せば外が伸びるし、内が荒れるなら荒れるに任せるという方針かな?土煙もかなり高く上がるようだったしね。

京介 自分が担当している福島競馬場でも、「馬場に出て穴を埋める作業を積極的には行っていない」感じがするんだよ。馬場の様子と見るということではなく、あまりに直射日光が強すぎて馬場も熱されているし、補整作業をする人たちに継続して業務をさせるのが危険な環境なんじゃないかな?中京競馬場はあの福島よりも暑かったわけだし、ほとんど荒れるに任せた、という可能性を感じる馬場だったね。

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<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭が埋まりました。そこそこ良いメンバーが揃って、人気も割れていましたね。

京介 良い馬は多かったと思うけれど、しばらくスランプが長続きしている馬も多数いたし、そういう馬がこの暑さで復活しているほどには感じなかったな。相変わらず中京記念のパドックは、「ダメな馬はここでもダメ」というのが正しい表現だと思う。ウインガニオンも、正直昨年の方が良かったと思うよ。夏場になると張り艶や動きが上向くのは確かだけれど。

菊池 ところで、こう暑いと夏負けする馬も出てくると思いますが、夏負けをモニターパドックからキャッチする方法ってないんですかね?現地じゃないと厳しいですか?

京介 今回は中京の芝が速めで、スピードが必要だからということもあって注目していたけれど、後肢を一旦後ろに蹴って前に引き上げる「戻しの動き」があるよね。まずスピード馬場ではこの動きの機敏さが必要。そして夏場のパドックで、この戻しがまるでできず、後肢が重たくてトモが流れてばかりの馬は、股関節が緩んでいる。体に熱も溜まっているし、だらしなく柔らかいだけ、ということになる。

京介 今回のロジクライやリライアブルエースは、比較的大きな歩幅で歩いて、しっかり後肢を深く戻せていたし、その速さもあった。ガリバルディやムーンクレストは、後肢を後ろに伸ばす動きはいいのに、後肢を引き戻す度合いが全然足りていなかったね。夏場の重賞好走機会が多いガリバルディだけれども、今回は夏負けっぽい気配を感じたなあ。

<レース展開について>

京介 中京の芝1600mスタートは1~2コーナー中間の引き込み線にある。何だか無風のように感じたし、スタンドに出ている人もまばら。天候は快晴なのに、蒸す上にどんよりした空気が画面からも伝わってきたよ。まあ、うるさくはなかったね。

京介 相変わらずファンファーレが鳴っている途中からゲート入りはもう始まっている。画面がアップするともう偶数枠の番だった。どの馬も促すとすぐゲートに入るし、暑いからとガチャガチャする馬もいない。というかそんな元気もないかな。今回はおおよそ45秒ぐらいだね。

菊池 3番ブラックムーンが出遅れ。1番スマートオーディン、14番ミエノサクシード、11番ワントゥワン、4番リライアブルエースあたりも良いスタートではありませんでした。バラけたスタートでしたね。外に出したい差し馬の騎手は、そもそもゲートを遅めに出ようという考えもあったかもしれないですね。

京介 出遅れても挽回が効く末脚を持っているタイプだからこそ、の作戦ではあるね。ただ自分の目には、13番ウインガニオンもいいスタートではなかったように映った。スタートから相当追っ付けて、何とか前に行く。

菊池 まず、7番アメリカズカップ・8番マイネルアウラートが前に出ますが、そこに外から13番ウインガニオンが加わっていきましたね。12番ロジクライもついていくスピードは見せますが、鞍上の浜中騎手が手綱を引いていました。

京介 ロジクライは本当にスピード値が高いね。結構この時点で速い流れになっているはずだけれど、行きっぷりが半端ない。前がやり合う流れになっているのに、これを楽に抑えて追走出来た。

菊池 前の3頭は誰も引かず、併走状態のまま。12番ロジクライが離れた4番手になり、内の6番コウエイタケルは前のグループから引きつつ5番手。併せて15番ムーンクレスト。その後ろに9番ダイメイフジ、直後の内に2番ロワアブソリューと5番フロンティア。このあたりがちょうど中団あたり。中団グループの後列外に16番グレーターロンドン。14番ミエノサクシード、内に1番スマートオーディン。最初の2Fで馬群は縦長になりました。

京介 先頭が3頭、離れたロジクライ以下が9頭、さらに離れた後方集団が4頭という隊列だったね。

菊池 中団グループから5馬身くらい後ろに4番リライアブルエース、10番ガリバルディ、11番ワントゥワン。最後方が3番ブラックムーン。

京介 これらはみなスタートで出負け&出遅れた馬か。とは言え、ここまで下げたのは作戦も馬場読みもあったはず。

菊池 前半600m通過が33秒8。速い流れだとは思っていましたが、スプリント戦並だったのにはビックリ。それも、逃げている13番ウインガニオンは荒れた内の馬場を避けて、3~4頭分外を回っていますから、これは厳しい競馬ですね。

京介 ウインガニオンもコントロールしにくく息を入れにくい流れ。おまけにマイネルアウラートがピッタリ張っているんでしょ。これも外を回るから振り切れずにいる。ラチ沿いを進むアメリカズカップは、最初の2コーナーからずっと馬場の悪い最内を通ってこのペースだし、こちらも厳しい。

菊池 内を通ろうとする馬も何頭かいて、横に大きく広がりながら、直線へ。ラチ沿いを回ってきた7番アメリカズカップがコーナーワークで先頭に立ちます。ただ、昨年のウインガニオンのように1頭だけ良い馬場の上を走っているわけではなく、もうもうと土埃を蹴り上げながらの走りでした。

京介 アメリカズカップもあまり絶好調というムードではないけれど、通ったルートのこともあって、蹴りが全て地面に伝わらず、力が逃げているような走りに見えたね。この場所はもう完全に悪くなっていた。

菊池 馬場の四分どころあたりを通っている13番ウインガニオンも、後続を突き放すような脚は残っておらず、一気に4番手から脚を伸ばしてきた12番ロジクライに交わされてしまいました。ちなみに仕掛けられてロジクライが内に切れ込んだ件は、後ほど。

京介 ロジクライの通過ラップもおそらく厳しい方じゃないかと思うけど、こちらは断然脚が残っていたね。他の先行勢を完全に置き去りにする脚がある。

菊池 残り200mあたりで12番ロジクライが先頭に立ちます。そこへ外を通った指し・追込み馬が殺到。しかし、追いかける方も楽ではなく、伸びが一息の馬も多数。その中で16番グレーターロンドンの伸びが目立ちました。

・大外16番から、ずっと馬場の外を回って、緑色の芝が十分残っているルートのみを回って来た強みが、後半に生きてきたね。距離ロスは結構あるけれど、内で滑りそうになる不利に比べれば遥かにマシだったんだろう。

菊池 坂上の攻防は、残り100mあたりで16番グレーターロンドンが先頭。12番ロジクライも2着は確保できそうな態勢。最後まで続いたのは3着争いで、5番フロンティアが確保しかけたところ、4角でほぼ最後方だった4番リライアブルエースが脚を伸ばして、最後に浮上しました。

京介 リライアブルエースも、加速というより惰性に乗っかって最後は何とか…という脚色だった。体力的にかなりタフなところまで要求されたレースだったことが、上位馬の脚色からもわかる。

<結果を受けて…>

180722中京記念結果

菊池 勝ち時計は1分32秒3。展望トークの時にも想定していましたが、レコードタイムが出ました。

京介 中京は福島や函館に比べてもクッションが効き過ぎなのか、トップスピードの持久力が維持できる馬場状態だった。開催の傾向からしてもこれぐらいは出る。500万下条件よりも1秒以上速いはずと普通は考えるし、その通りになったね。

菊池 あの荒れ馬場でありながら、逃げ馬グループが互いに引かず。意外なまでのハイペースでしたね。差す方も苦しかったでしょう。

京介 差し馬の方も、馬群から外に持ち出して工夫しつつ大外をぶん回ししたり、あるいは馬群がバラける隙を突こうと斜めに行ったり、道中で一工夫なりしていた方が止まってしまった印象があるよ。枠番なり隊列なりに無駄な動きをせず脚を溜められた馬が有利だったように思う。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

グレーターロンドン

菊池 人気が割れていた中での1番人気でした。元々体質が強くなくて、中でも蹄に難のある馬。当日の状態はどう映りましたか?

京介 この馬としてはまずまず、という水準だと思うよ。良くもなく悪くもなくという状態がずっと続いていた馬。そして今回も、エクイロックスは残っていたようだね。でもゆとりある造りではなかったし、近走並みの力は出せるかな?という仕上げだったでしょう。

菊池 馬場状態からは外枠が有利になり、道中も直線も比較的馬場の良いところを走れました。また、流れも向いたのが良かったですね。

京介 今年は時計が速い影響でどうなるかと思ったんだけれど、蓋を開けてみれば中京記念の例年通りの傾向だったよね。別に内ラチ沿いが有利になるような状況ではなかった。なので、このレースの一番のツボにピタリとハマった感じ。内枠の馬が外へ張り出す動きが必要なのに対し、大外枠の馬は枠なりにまっすぐ進めばよかったから、事実上距離損がなかった。

菊池 このあとは、サマーマイルシリーズ優勝を目指すのかどうか。蹄の状態次第というところでしょうか。

京介 陣営としては、最近G3回りだったけれども、どんどん上を目指す意欲はあるはず。毎日王冠辺りを次の目標にしそうだけれどもね。

ロジクライ

菊池 +10キロでした。仕上がりはどう映りましたか?

京介 いや素晴らしかったね。この馬はメンバー中で一番良い馬とは決して言わないけれど、一番良く動けていたと思うよ。夏に強いというよりは、消耗していないリフレッシュされてきた強みを感じた。他のみんながだらしなく歩いているそばだから、余計にね。

菊池 浜中騎手のペース判断は正しかったですね。無理に前を追いかけず、早めに先頭に立ち、後続も追い上げられないか?というところに、グレーターロンドンだけが迫ってきて差されてしまいまいしたが。

京介 レース運びは全く文句なし。何だかんだ、逃げるスピードは確かにあるはずなんだけれど、浜中騎手が乗る時は妙に違う。宥めて上手く後半脚を合わせる騎乗になっているよね。

菊池 元々持ち時計がある馬ではありますが、マイラーズCを経験してきたことも活きましたね。

京介 その通りだし、冬場に結構使ってきた馬だから、そこで諦めて休む判断が良かった。

京介 改めてレース全体を見直せば、これはなかなか強力な内容だったと思うよ。通過ラップが厳しいはずなのに、差し馬と同じ上がりでまとめているし。

菊池 直線で仕掛けられた時に内に切れ込んだのは気になりました。節分Sの時はそういう面も見られなかったので、たまたまのことでしょうか。

京介 結果、後から見直すと、ウインガニオンは外に張って来なかったし、そのまま外へ向かえばいいのに…と思う。だけど、ウインガニオンがあの場面でバテてきそうだったし、交わす寸前ぐらいで変な挙動をしていたよね。ウインガニオンが内ヨレの挙動に釣られて、大げさに避けたのがああなったのではないか、と思う。逆算して考えれば、ちょっと最後のアヤになっちゃったよね。

リライアブルエース

菊池 一応、穴推奨には挙げましたが、当日は4番人気でした(汗)。

180722中京記念穴推奨

京介 確かに、意外なほど安定感があるかのように評価されていたね。京王杯でいい指数が出過ぎたってことなのかな。

京介 だけども、もちろん中間の動きも良かったし、馬体もスッキリ整っていたね。横で見比べても良いと言える仕上がりだったよ。

菊池 戸崎騎手は後方から外へ外への動き。勝ち馬の後ろを回って、馬場の良い所を伸びてきましたが、グレーターロンドンとはさすがに力の差がありましたね。

京介 ただ、レース運びを見直せば、今回の馬場では内枠が仇になった気はするよ。ここから外へ持ち出さなければいけないし。

京介 それでもやっぱり、4コーナーで一番グレーターロンドンに接近したのに、斤量の差がありながらさらに引き離されたのは、さすがに地力の差かな。

菊池 5歳ではありますが、まだ伸びしろがあって楽しみな馬ですね。関屋記念はもう少し前で立ち回って欲しいですが。

京介 本来は後方一手のタイプじゃないと思うしね。なるべく外枠を引きたい。

その他

菊池 4着はフロンティア。古馬相手に見せ場十分でしたね。

京介 福永騎手は中京記念だといつも外を回るルートなんだけど、この馬でも緑色の芝を通るよう徹底していた。さいごはちょっと脚が上がってしまったけれど、これは3歳の若さかな。現状ではまだ力差を感じる。年末年始ぐらいにはもう古馬相手の重賞でも通用するだろうけど。

菊池 5着ワントゥワンは直線で内を通したのが良くなかった印象も。

京介 後半は確かに伸びているんだけれど…。この馬は大外ぶん回しなどで、長くいい脚を使うことができないタイプだと思っているんじゃないかな。ジョッキーやら陣営が。

京介 それと、イチかバチかで内を突いたけれど、マイネルアウラートが後退した関係で、坂下で狭くなって頭を上げてヨレるシーンもあったね。大半の騎手は外へ行ったけれど、内を突くリスクは発生したということ。個人的には、もっと首を上手く使うようにならないと…と思うなあ。

菊池 時計が速くなり、前走で1400mを走っていた馬が1・3着。時計の速いマイラーズCを走っていたロジクライが2着でした。

京介 つまりは、レベルの高いレースで揉まれつつ僅差の競馬、見せ場十分の競馬をしていた馬同士だったと。

菊池 中京芝の高速化で、中京記念は外差し&外枠有利こそ残っても、好走するタイプは変わってきそうですね。それを示してくれた今年の中京記念だったかな?と感じました。

京介 そうなるとディープインパクト産駒やハーツクライ産駒、サンデーサイレンス系統の有力血統だらけになりそうだけれどもなあ。ここまで速くなると、ステイゴールド産駒じゃもうダメだろうね。

<教訓まとめ>

・今年は毎日のようにピークが38~40℃となる酷暑が続いた年。美浦や栗東も暑さが続いたようで、当日のパドックや馬場も暑さの吹き溜まりのようになっている。レースを終えた後のダメージが心配。はたして夏場に連戦は効くのだろうか?

・当日になって雨が降るかどうか悩む可能性はあるが、中京開催の経過や前日の傾向から、時計が速いかどうかは推測が立つ。しかし、時計が速くても遅めでも、結局は外枠優勢になりがちなレースなのかもしれない。

・おりからの暑さもあるので、この中京記念で仕上がりが上向くことなどほとんどあり得ない。良くて前走並み。休み明けでリフレッシュしてくる馬ならともかく、前走大敗馬はほぼ変わらないと思って対処した方がいい。

・今回は57kg以上の馬が全滅。時計の速い決着のハンデ戦、というのが難しかったところで、外を勢い良く回すのも難しく、直線でもエンジンを掛けにくいとなると、単純に重たいことはかなり不利。1分34秒台ぐらいに時計が掛かるなら、要求される資質も変わってくるので通用するのだが。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ウインガニオン
…おそらく昨年ほどの絶好調でもなかったと思うが、斤量の差があって押しても行きにくく、道中も全く緩められない展開。G1→G3だったが息を入れられなかった。これで次走、評価が甘くなってマークが落ちるようなら…だが。

<菊池>
・フロンティア
…状態は良好、成長も見込めた。内枠からしぶとい走りで3着争いに加わったのは立派。関屋記念では大半の古馬との斤量差が今回以上に大きくなる。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はクイーンSとアイビスSDを京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。