金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・アイビスSD編

菊池 日曜の新潟ではアイビスSDが行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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大谷 清文 (著), 奥野 憲一 (著), 互當 穴ノ守 (著)

アイビスSDはナインテイルズ(8人気3着)を穴推奨に指名!
180729アイビスSD穴推奨

アイビスサマーダッシュ回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/185128

<天候・馬場について>

菊池 新潟は最高気温が39℃にもなったんだとか!?暑かったですよね、お疲れ様でした。あと、風も強かったようですね。

京介 いやあ本当に直射日光が強かった。日焼け止めももっと効果の強いものにしないといけないね。でも新潟はパドックが表にある分、ガラス張り屋内の中で蒸してしまう福島のパドックよりはちょっとマシだったかな。

京介 それと日曜日は海風が結構きつくて、せっかくこの開催から配置したパドックのミスト設備も、霧が風に負けてみんな観客側へ散ってしまうんだよね。自分らがミスト浴びるのは…まあちょっと助かるけど。馬にとっては暑さでキツイ1日になったかもね。

菊池 開幕週の新潟、土曜の1000m戦は3歳上500万下の閃光特別。前に行った馬、それも外枠での決着で、比較的素直な結果だったと言いますか。

京介 そうだね。あのレースはパドック推奨3頭だけで○▲◎決着だったんだけど、「直線競馬でいいタイプ」が上位に並んだ典型的なレースだった。
180728閃光特別ガチンコ

菊池 これはありがとうございました。僕も前日予想で注目していた2頭が高評価で、安心して買えました。

180728閃光特別前日予想

180728新潟09Rワイド

180728新潟09R馬連3連複

180728新潟09R3連複

京介 外ラチ沿いの芝も非常に良好、クッションが効いて時計が出る馬場状態。基本的にはなかなか先行馬が止まらない芝だったと思うよ。すなわち、例年通りの芝だね。

京介 2~3歳戦の芝でやけに優秀な時計が出ていたし、例年よりも気持ち速いんじゃないか?という感触もあった。ここも54秒じゃ済まないんじゃないか、という予測はしていたよ。


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<パドックについて>

菊池 17頭立てでしたが、2勝馬まで混じっているメンバー。1年以内に重賞を勝った馬は不在でした。

京介 パドックの半数はこの暑さに負けていたのか、だいぶパドックでの歩様がだらしなかったと思う。気配の良くない馬が多かった。うーん、最近見た短距離重賞にしては、全体のレベルが低いパドックだったと思うよ。

菊池 馬体重の大幅な増減も少なかったですね。16番ブロワが12キロ減だった程度で。

京介 でもパドックの感触だと、もっととんでもない馬体重増減があってもおかしくない様子だったけどもなあ。気配落ちがだいぶ多くて、肉付きも物足りない馬が多かったから。

京介 軸が定まらず、バランスの悪い歩様をしていた馬ばかりが歩いていた印象だけどね。

<レース展開について>

京介 ゴール地点から直線競馬のスタート地点を遠目に眺めると、水蒸気というか蜃気楼というか、遠くの像がぼやけてゆらめいて見えるぐらいなんだよ。それだけスタンドから相当遠い場所にある直線競馬のスタート地点待避所は、関係者以外誰もいない。ファンファーレの音が聞こえなかったりするんじゃないか?

京介 赤旗が振られてファンファーレが鳴りだしたところからもうゲート入りは始まっていた。映像で見る限りは、ゲート前で淀むような様子もなし。17頭立てだけれども、40秒弱ぐらいでスタートが開いた。だいぶ早かったと思うよ。

菊池 6番ラインスピリットが、やや躓き気味のようなスタート。11番クラウンルシフェル、13番ノットフォーマルも出負け気味。その他は概ね揃っていたでしょうか。

京介 4番ベストマッチョと17番ペイシャフェリシタも結構怪しかったね。

菊池 まず、外では16番ブロワ、14番レッドラウダが初速の速さで前へ。12番ナインテイルズ、間からは8番ラブカンプーも徐々に外へと向かいながら。1番アクティブミノルは出ているんだけど、さすがに最内枠では…という感がありました。

京介 やっぱりオープン以上のレベルでダッシュのいい馬が揃うと、1枠の不利は改めて感じるね。アクティブミノル酒井学騎手は最初から必死に押しているのに、最初の200mは2列目半ぐらいになってしまう。まあ、外ラチ側に寄せていく分のロスがあるから当然なんだけど。

菊池 下りに入る2F目で8番ラブカンプーが先頭に並んできました。やはり速かったですね。2番手が14番レッドラウダで、間に12番ナインテイルズ。内から徐々に接近は7番レジーナフォルテや10番モルフェオルフェ。ラチ沿いに16番ブロワ。

京介 ラブカンプーは明らかに1頭強気に抜けて出ていく構え。レッドラウダも、テンに出していくだけなら、外枠であれば可能なんだね。

京介 レジーナフォルテはどうやらここまで持ったまま馬なり。それに対してブロワは、さすがに格下か…と感じる追走態勢。他の馬がやって来てアッサリ後退してしまう。

菊池 15番ダイメイプリンセスはその後ろの列で進路を探しつつのレース運び。 やや離れて、追い上げてきた6番ラインスピリット。

京介 ラインスピリット辺りの位置で、ポジションはだいぶ不利に感じるね。

菊池 アングル変わって残り2F地点。ここまでの前半は11.8-10.0-10.3でした。ほぼ昨年と同じ水準のペース、そこまで大差はないですが、いくらか速い部類ですよね。

京介 それでもまあ、2F目が10秒台を切る程の年もあるから、顕著に速くはないけれど、差しが来てもおかしくないかな?というバランスだね。

菊池 残り400m地点では条件馬が脱落。8番ラブカンプーが先頭をキープしつつも、他馬が徐々に並びかけてきて差はありません。15番ダイメイプリンセスはその後ろの列で進路をまだ確保できていないところ。

京介 ダイメイプリンセスは2列目に押し上げているけれど、目の前に3~4頭似た手応えで横並び。一瞬は怪しく感じる場面もあったよね。

菊池 15番ダイメイプリンセスは、徐々に内の方へスライドする動きを見せながら8番ラブカンプーの真後ろへ。そこから、7番レジーナフォルテとの間にできた僅かな隙間に突っ込みました。

京介 これ!ここだよね。ラブカンプーがあそこでアッサリバテてしまうようなキャラなら、真後ろに食らいつくのはリスクになったはずだけれど、ラブカンプーに抜けきる実力があるから進路ができる。お互いの能力を察しているからこそのルート取りだったと思うよ。

菊池 残り1Fで先頭に並ぶと、一気に15番ダイメイプリンセスが抜け出して1馬身1/4差を付ける完勝劇。

京介 いや、このメンバーでも残り300mで一枚違う加速力を示すとは思わなかった。走破力がまだまだ違いそうだね。

菊池 2着争いは、8番ラブカンプーが粘りとおして、3着は流れ込んだ12番ナインテイルズ。

京介 ラブカンプーは51kg、ナインテイルズは56kg。一緒の横並びになって、同じ脚色になってしまってはダメだったね。脚がないのはラブカンプーの方に感じるんだけど、後半の惰性でやられてしまうから。

京介 そして直線後半、事実上ビシッと加速をつけて差してきたのはダイメイプリンセスだけだった。その他は脚も使えず流れ込むのが精一杯の様子。

<結果を受けて…>

180729アイビスSD結果

菊池 勝ち時計は53秒8。過去10年では最速タイ。53秒台の決着は、実に7年ぶりでした。

京介 いやこれは素晴らしい時計。夏の新潟ってかなり軽い部類の芝で、年によってそこまで上下差がないはずだから、十分評価しても良いはず。

菊池 森田直行厩舎は初重賞制覇がワン・ツーでした。

京介 ダイメイプリンセスは勝ち負けして当然と思ったけれど、ラブカンプーも踏ん張るとは思わなかったなあ。お見事という他ない。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ダイメイプリンセス

菊池 CBC賞から中3週、馬体重は+4キロでした。当日の状態はどう映りましたか?

京介 あくまでまずまず、腰つきがもともと良い馬でその緊張感はちゃんとキープできていた。ちょっと暑さを気にかけていた、ぐらいではある。あと、多少後肢の捌きの硬さはあるかな。それを直線競馬ではプラスにできていたけれども。

菊池 外枠でしたが、進路を確保出来ずに内へ寄りながらの差し切りでした。枠を活かしたレースとは言えず。裏を返せばどこの枠でもこのメンバーでは上でしたね。

京介 内枠から他の馬がワーッと迫ってきた時にどうするのか、だったけれど、あの進路の探し方だったら若干中から内の枠の方がもっとスンナリ行けたんじゃないか、とは思うよね。

菊池 サマースプリントシリーズ制覇に名乗りを挙げたことになりますが、このあとはどこで買えるでしょうね。レース間の相性が良いのはセントウルS。

京介 今回のメンバーは他の短距離重賞であんまり勝負にならないレベルの馬ばっかりだったしなあ…。芝1200mは条件クラスから当てにならないキャラだったし。どうだろう。

ラブカンプー

菊池 増減なしの424キロ。直前でも一貫して評価が低かったですね。

京介 胴回りが巻き上がるように見えるぐらい寂しくて、腰がだいぶ弱いからねえ。この体重にしては背がある方なんだけど、とにかく華奢で…。いやホント見映えしないタイプだわ。

菊池 51キロで乗れるように減量したM.デムーロ騎手。引き続き直線1000mでの好成績を維持しました。

京介 さすがに今回は過剰人気だと感じるけれども、レース運びから後半の持たせ方まで、デムーロ騎手は本当に完璧だわ。馬が減速しかけた時に惰性を目一杯残して失速させない、その騎乗騎座が素晴らしいんだろうね。

菊池 この後は北九州記念に向かうようです。

京介 まだまだ成長途上と感じるけれども、もっと馬体の安定味は出てくるはず。ちょっと休んで充電に充てたい所だけれど。

ナインテイルズ

菊池 一応、穴推奨には挙げましたが、複勝350円が示すとおり、ソコソコ売れていました。
180729アイビスSD穴推奨

京介 いやいや、それでも単勝8番人気なら十分に穴馬ですよ。菊池くんお見事です。近走の内容から比較すると、売れていない方に入ると思うけどね。

菊池 近走好調と、1000mが合っていることが好走要因ですかね。次はルミエールオータムダッシュまで買える場面がないかな…。そして、そこでは恐らく人気…。

京介 とは言え、この馬は芝1200mでも渡り歩ける対応力とセンスは感じる。パドックで暴れている時にだいぶ後肢が暴れるタイプなんだけれど、むしろそれは好調のシグナルでもあるし、まだ別のレースでチャンスはあると思うよ。

その他

菊池 4着はレジーナフォルテ。頑張りましたが、3歳時の3着を下回りました。

京介 やっぱり関東馬は51kgじゃないと厳しいのかな…と思わせる結果だったね。デキはかなり良かったと感じたよ。やっぱり夏場に上向くんだろうな。

菊池 5着ラインスピリットはスタートが今ひとつだった割に頑張りました。

京介 昨年もほめたし今年も気配は良いと思ったよ。ただ、直線競馬はあの静かなスタートや、コースレイアウトやらいろいろ合っていないのかもしれないね。次走は注意したい。

菊池 カラクレナイは6着、上位争いには参加できませんでしたが、まずまず走っていますね。

京介 だけど物足りなさはまだあるなあ。胴回りも相変わらず細いし、後肢を柔らかく捌けていない。良い時はもっと歩きに勢いがある馬だったし、最後の競り合いでラインスピリットに負けないでしょう本来。

菊池 ベストマッチョは18着に敗れました。

京介 いやこれはガッカリで…。スタート一息から追走でも苦労し、全く流れに乗れなかった。当日は蹄も良化していて読み通りいい仕上がりだったのに。これは芝では厳しいと認めないといけないね。56kgで急に初芝激走で期待するのは良くなかったか…。

<教訓まとめ>

・改めて、決着時計の差はあるものの、韋駄天SはアイビスSDにとって非常に良いローテーションでもあるし、そこの勝ち馬は相当に有利。ましてや、オープンクラスで圧勝できるタイプは、適性をかなり信頼していい。

・ナインテイルズは韋駄天Sから着順を上げた。改めて、直線競馬は馬だけでなく騎手にも適性はあるし、同じローテーション同士で争うなら鞍上交替の効果が結構出る。

・パドックで脚運び悪く見せるタイプでも、この直線競馬はスピードがあれば足りてしまう。中期的にちょっと落ち込んでいることは全く問題ない。オープン、重賞相手に逃げていること、先行できていることの方が遥かに大事。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ベストマッチョ
…長年、課題だった蹄の問題がやっと解決なったかも。当日は若干小ぢんまり見せたが、コンパクトで歩様も機敏だった。しかし初めての芝、ノーマル蹄鉄でちょっと苦労したのだろうか?環境の変化が大きすぎた。もちろんダートに戻ってこそ。

<菊池>
・ラインスピリット
…ナインテイルズと枠が逆なら3着はコッチだったのでは?引き続き状態は良さそうで、今年も北九州記念で押さえたい1頭。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はレパードSと小倉記念を京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。