金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・小倉記念編

菊池 日曜に小倉で行われた小倉記念も回顧していきましょう。

オッズの大家が集結!必読の一冊



大谷 清文 (著), 奥野 憲一 (著), 互當 穴ノ守 (著)

小倉記念はマウントゴールド(5人気3着)を穴推奨に指名!
180804小倉記念穴推奨

小倉記念回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/186296

<天候・馬場について>

菊池 今週の小倉はお天気の心配もなく、土日ともに良い天気。芝・ダともに、終始良馬場のまま行われました。

京介 良い天気ではあるけれども、今年の猛暑はホントに心配になるよ。また38℃前後の最高気温が予測されて、当日もその通りになるっていうね。パドックは地面が濡れるほどのミストシャワーが出ていたようだけれど、それでも現地に行った人の体調を気にしたいよね。当然、激走した馬の次走も注意したい。何度も短い期間で連戦は効かないだろうし…。

菊池 開幕週ほどではなかったですが、引き続き速い時計が出る水準ですね。

京介 そうなんだよね。下級条件は若干落ち着いた時計だったかな。それと全体に外差しも決まり始めた。それでもなかなかに速い時計が出ていて、スピード馬場に対応できるタイプじゃないと勝負にならんと。サンデーサイレンス系にキングカメハメハ系がいつも勝ち負けしている状況だったね。

京介 同日の小倉6R未勝利戦が芝2000mだったんだけど、ルーラーシップ産駒とスズカマンボ産駒が穴をあけていたのが印象深かった。2分を切る決着時計だったのに、前走好走馬の脚が続かず、それまで大敗続きだった馬が唐突にスイッチが入る…という特殊な状況だったね。

<パドックについて>

菊池 12頭立てでした。ただ、上位人気はいずれも57キロを背負ったように、メンバーは濃かったですね。

京介 しかもその背負っている側の馬が、どれも非常に良い仕上がりだった。追い切りからそう感じていたけれど、トリオンフもサトノクロニクルも、しっかりした肉付きで隙のない仕上がりだったように感じる。七夕賞が相当タフな競馬だったためか、マイネルサージュとメドウラークは連戦で微妙に疲れが出ていたかな。腹構えも緩くなり、後肢がくたびれていて、緊張感が落ちていたね。

京介 暑いだけでなく馬場が特殊な福島開催で激走した馬の次走は、やっぱり下げで見ておいた方がいいのかも…。


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<レース展開について>

京介 小倉芝2000mのスタートは、4コーナーの引き込み線。待避所の屋根からほんの20mもない所にゲートが設置されているから、移動も時間が掛からない。映像では赤旗が振られたと同時にもうゲート入りが始まっていたね。

京介 こんなに暑いのに外ラチ沿いは人垣で埋め尽くされていた。この日の小倉競馬場の入場は40196人、これまでの3万6千人ちょっとの記録を大幅に更新したそうだね。竹内涼真目当てでやってきた人が多かったそうだけれど…。

京介 頭数も少ないし、ファンファーレが鳴ってから40秒もせずにスタート。これはかなり早い方だったと思う。

菊池 スタートは概ね揃っていましたね。6番マイネルサージュがいつもどおり後方。

京介 映像の角度では12頭横並びに見えたよね。ただ大外のサンマルティンは妙に二の足が効かなかった。そして10番サトノクロニクル、デムーロ騎手はスタートして出鞭を利かせている。2回に分けて4発も入れていたようだし、何だなんだと思ったよ。

菊池 前は11番トリオンフが逃げる構えまで見せつつ、外から浮上。そして間から7番マウントゴールドも前へ。浜中騎手がジワッと先頭に立って11番トリオンフ武豊騎手は2番手に収まる構えで1コーナーへ。

京介 1コーナーに入る前に、1番キョウヘイはちょっと進路をカットされたかな。馬が嫌がり頭を上げて1列後退。

京介 ときにテン争いが激しくなった時は、前半3Fを33秒台で争うこともあるレース。今回は少頭数ということもあるけれど、トリオンフが持ったままでこのポジションを確保できる流れだったということ。

菊池 2頭がゆったり先導しつつ、3番手内に9番エーティーサンダー。そして4番手に10番サトノクロニクル。その後ろの列は内に3番ストーンウェア、並んで4番ストロングタイタン。

京介 今回の流れを先に読めていたのなら、ストロングタイタンはもう1列前でも良かった。だけどアブドゥル騎手は今週が初めての騎乗だし、馬の気のままにという動きでも仕方ない所。

京介 ストーンウェアがこのポジションにいるのは、蛯名騎手はかなりやる気だなと思ったけれど、デムーロ騎手も前目だし武豊騎手は2番手。トップジョッキーは今日はそういう馬場、今回は高い位置を取れていないとダメな展開だと読んでいたのかもしれないね。

菊池 その後ろのグループが一団で、内に1番キョウヘイ、外に5番キンショーユキヒメ、間に2番レイホーロマンス。この後ろの列の外、前から10頭目が12番サンマルティン。さらに6番マイネルサージュ、最後方が8番メドウラーク。

京介 メドウラークは追走スピードがこの程度なんだろうなあ。サンマルティンは最初に指摘した通り、テンに案外行けなかった。

菊池 前半1000m通過が60秒0でした。良馬場の小倉記念としては落ち着いた流れでしたね。超スローというほどではないですが、ややゆったりとした流れ。

京介 例年1分57秒台で決着する小倉記念と考えると、2000mを半分に割って59秒弱ぐらいでも遅いと感じる条件。ここまではかなり前の組が楽をしている、という判断で良いでしょう。これはもう、前の2頭が文句なしのレース運びだわな。

京介 当然ここまで遅いと、後半はかなりペースアップすることになる。しかしここまで、まだ2列ずつの縦列なんだよなあ。

菊池 3コーナーあたりから徐々にペースアップして、11番トリオンフは持ったままの手応えで先頭へ。懸命に食らいつく7番マウントゴールド。その頃、4番ストロングタイタンが急失速してあっという間に最後方まで後退。心房細動だったようです。

京介 そうだったのか。この馬はどうも小倉とは相性が悪いね…。

菊池  直線に向いて、11番トリオンフはあっという間に2馬身リード。手応えは楽々で完勝モード。

京介 いくら前半楽をしていたとはいえ、前で構えている馬がこの上がりを記録するのは圧倒的。後ろの組が追っ付け余裕ないのに、こちらが全く急ぐ場面なかったよね。

菊池 2番手は懸命に粘ろうとする7番マウントゴールドを交わして10番サトノクロニクルが浮上。その後ろはもう誰も届かず…。

京介 全体の着差を見ると、向正面での隊列そのままで誰も前の組を交わせず、脚色一緒での流れ込みというモード。この記録をしてラスト持ったまま突き離した、勝ち馬の強さばかりが目立つレースだった。

<結果を受けて…>

180804小倉記念結果

菊池 勝ち時計は1分56秒9。決して速いペースではなかったですが、レコードが出ました。まさかの上がり33秒5!!

京介 前半が緩い方だったとはいえ、2番手の馬にこの上がりを記録されてはね。後ろは確かにどうしようもない。

菊池 この展開では後続は届くはずもありませんね。馬場状態を読み切ってレースを作った、武豊騎手・浜中騎手の勝利という感じがします。

京介 ちょっと無茶をすれば行ってもいい馬はいたと思うけれどね。確かに後ろの馬たちが、先行キャラにレース運びを任せ過ぎた。

菊池 人気サイドでの堅い決着になるという点は、京介さんの見立てどおりでしたね。前日予想の1・2番手でキッチリ。

京介 菊池くんの推奨馬もものの見事に3着確保。例年、人気馬がコケてばかりのこのレースで人気決着を読めたのは、トリオンフの小倉適性は相当高いでしょうという指摘があってこそだね。

菊池 では、上位馬について。

トリオンフ

菊池 プラス2キロで馬体重532キロでした。大きな馬ですが、状態はどのように映りましたか?

京介 ずん胴体型で馬体の幅はある馬なのに、全体のシルエットはスッキリ見せる。そして背中も腰つきも全くブレない。脚運びはちょっと地味な馬だけれど、巨漢馬はこういう仕上がりこそ理想というお手本のような造りだったね。

京介 背中と腹筋のバランスが取れているから、大きなものがスッキリ見えるし、動きの無駄がないと。だらしない部分が全くないのがいいよね。

菊池 逃げても良いくらいの手応えで2番手、終始楽な競馬でしたね。小倉はかなり合っている馬のようで。1番人気連敗のジンクスを12年ぶりに破りました。その12年前に1番人気で勝ったのがメイショウカイドウ。武豊騎手とのコンビだから感じるのかもしれませんが、第二のメイショウカイドウと呼ばれる馬になりそうな…。

京介 週中の展望からそのことは指摘していたけれど、自分らとは関係ないほうぼうから、レース後になってメイショウカイドウの指摘は上がってきていたよね。自分はそれをレース直前どころか週中から言っていたんだぞ!と。

菊池 小倉でメチャ強いのはヨシとして、せっかく小倉記念を勝ったんだからサマー2000優勝の権利をみすみす逃す手はないですね。

京介 今回は結果的に隊列有利と小倉適性で勝った形だけれど、この馬は後肢のバネセンスが頼りなくて胴回りが強いタイプ。新潟記念に来るのなら、激しいレースになって欲しいね。新潟大賞典のような流れだと、そうなると分かっていても瞬発力の差で取りこぼすから。

サトノクロニクル

菊池 4キロ増で462キロでした。中間にはバリバリ追い切りもやっていましたが、状態は良さそうでしたね。

京介 飛節の角度がだいぶ深い馬なんだけど、その後肢を目一杯上手に捌けていたし、腰がバッチリ決まっていた。かなり十分と見える脚捌きだったね。これは厩舎を褒めたい。

菊池 早めに好位を確保。スポット騎乗だったM.デムーロ騎手ですが、さすがの好判断でしたね。

京介 そこが素晴らしいよね。スタート直後の出鞭の判断。こっち新潟の現場でトリオンフ&サトノクロニクルの堅い馬券で勝負していた会員さんは感激の悲鳴をあげていたよ(笑)。あれはホントに見事な判断だったと。あれがないと2着はなかったはず。

菊池 ちなみに、M.デムーロ騎手は距離が短いという趣旨のコメントをしていました。やはり2000mでは少し忙しい?

京介 いやいや、何だかんだで2000mでしか連対していないんだから、ピントが合う合わないの問題で現段階では2000mでしょう。というかデムーロ騎手と手が合いすぎなんだから、デムーロ騎手が乗ったうえでちょっと長めの距離に挑戦してみてよ、とは思う。

菊池 小倉記念といえばトニービンを持っている馬がお馴染みですが、今回はメンバー中で唯一この馬だけがトニービン入りでしたね(父ハーツクライの母父がトニービン)。

京介 これはホントに傾向が変わらないね。だけど今年も、スローだったとはいえスパート地点が相当速めで、直線の一瞬の加速力ではなく、トップスピード持久力が高いレベルで求められる。そういう部分で我慢できる強みを伝えているんだろうね。傾向が続く限り、否定はしません。

マウントゴールド

菊池 一応、穴推奨としましたが、キッチリ人気になっていましたね。当日は単勝10倍を切っていました。

180804小倉記念穴推奨

京介 池江泰寿厩舎の3頭出しの中では、一番下の人気だったんだけど、この馬まで単勝が売れるとは驚いた。小倉の人たちはホント池江厩舎好きだなあ~。

菊池 中10週というローテ、今回は10キロ増えて452キロでした。

京介 いつも背中のラインが薄くて胴回りのくびれが気になっていた馬だから、もっとあと15kgぐらい増えてもいいんだよ?と思っているんだけどね。レースを勝った後に馬体を減らさず、今回こうして増えたのはかなり好感持てるよ。

京介 脾腹のラインはスカッとしていてまだトモが薄いけれど、いいバランスを保てていた。もっと増えて!

菊池 今回はトリオンフが強すぎたので仕方なしですね。重賞初挑戦としては頑張った、という感じでしょうか。

京介 しかも本来は流れが向いたし、例年の勝ち負け水準のタイムで走っている。トリオンフに必死に食らいついたから踏ん張れたと言えるのかな。いい粘り腰だったし、小倉適性あったうえでの展開有利。

京介 条件が良かったのは確かだけれど、記録は評価していいという内容。

その他

菊池 4着はレイホーロマンス。上がり最速となる33秒4で懸命に追い込みましたが届かず。ただ、久々に良い所が見られました。

京介 実はこの馬、前走より追い切りの動きは良かったんだよね。今回は小倉記念の穴パターンである「内枠+軽量」に当てはまるし、その穴パターンの通り「ゴール前になってやっとジリジリ」と伸びてきていたね。このラスト100mぐらいで軽量が生きて、3頭ぐらい交わすという形。

京介 なので、この内容を見て評価をアップさせるということはないよ。

菊池 3番人気サンマルティンは7着に敗れました。昨年より強い相手、昨年よりハンデが重くなったらコロっと負けてしまい。この馬の資質に期待した身としては残念です。間違えました。

京介 デキとしてはどうだったかなあ。今回は上位人気がさらに良かったしなあ。レースとしては出遅れが勿体ないと感じるけれど、この馬の昨年のロングスパート力を凌げるほど、前にいた組が小倉に対応したというところだね。捲りタイプは相対的に相手が弱い時でないと評価しにくい。

菊池 昨年は戸崎騎手とともにピンポイントで参戦して好走しましたが、この小倉記念は、騎手が小倉に腰を据えて騎乗していることが結構重要なんですよね。今回は1・3着が小倉騎乗。その点でも、ピンポイント参戦の池添騎手とコンビを組むこの馬を中心視したのは間違いだったと反省しております。

京介 なるほどね。池添騎手は長期的に見て小倉に問題がある騎手ではないんだけれども。確かに武豊騎手にしてやられた印象は大きいし。

菊池 あとは、宝塚記念を使った馬よりも天皇賞(春)からでローテにゆとりがあることも重要かと。サトノクロニクルが証明してくれたと言いたいところですが、ストロングタイタンはアクシデントがあったので、スッキリ言えない結果ともなってしまい残念ですが。

京介 というよりこの暑さだからねえ。リフレッシュされてピンポイントで狙ってくる馬の方が、体調面で有利ということがあるんでしょう。ピンポイントで狙うわけだから、陣営が「この馬は小倉が向くぞ」と見抜く力が必要で、中期的に調整を合わせる運営力もないとね。

菊池 そう言えば、小倉記念は入場人員レコードを21年ぶりに更新したとのことでした。竹内涼真さんの来場によるところが大きい…というか、全てだと思いますが。凄いですね!(笑)。

京介 レースのスタートの映像で、例年よりも人が入っていたように思うしね。この暑さの中でこの入場を叩き出すのは、やっぱり別の力が働かないと無理かなあ。

京介 ご新規さんがいらっしゃったときに、堅い配当かつ武豊騎手が勝ったというのは、導入としては良かったのかなあ。超爆荒れする例年の小倉記念になって、「ギャンブルの悪い部分」をさらけ出す結果にならなくて良かったよね(笑)。

菊池 売り上げはさておき、競馬場のイメージアップに向けても良かったんじゃないかなと、今回ばかりは思います。現場は大変だったと思いますが、福岡県はギャンブルに寛容な土壌がありますし、女性に還元するサービスは大いに良い効果をもたらすんじゃないかと。

<教訓まとめ>


・トリオンフは事前に小倉の重賞を勝っていたし、ある程度小倉コースの適性アリと見られていた存在。こういうキャラがいつもの小倉記念ではいなかった。直線入口で4~5頭横並びになるハンデ戦の大混戦では、また1番人気軽視の方向で扱いたいレース。

・トニービンの血を持つだけでなく、池江泰寿厩舎調教馬も毎年強力。厩舎の3頭出しも、やはりそれなりの勝負気配だったと言えそう。

・かなり蒸し暑い天候が続くので、直前でビッシリ追い切られている状態でない方がむしろ良いのかも。そして相変わらず休み明け有利のレース、大幅な移動がある七夕賞組は不利を抱える部分がある。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・キョウヘイ
…細身の体型だが、今日の馬体はかなり良い部類に感じた。激走するスピードレンジが下ブレしている馬で重馬場でないと勝負にならないが、だいぶ気配は良好。夏~秋口の大雨に見舞われれば。

<菊池> 
・サンマルティン
…気性難のムラ駆けタイプなので大敗は仕方ないとして、問題は使う番組の難しさ。下り坂+直線平坦が良い馬なので、小倉か京都ということになるが適当な番組があるかどうか。陣営の采配に期待したい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は関屋記念とエルムSを京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。