金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・札幌記念編

菊池 日曜の札幌では札幌記念が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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札幌記念回顧



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<天候・馬場について>

菊池 札幌は週中の雨の影響も残って、土曜は芝こそ良馬場でしたが、ダートは稍重でした。芝も、金曜午後は芝も稍重でしたね。

京介 ここのところ札幌競馬場は、毎日のように降雨予報が続いているし、本降りではなくてもちょっとばかり天候が崩れ気味だそうだね。朝一番の札幌競馬場パドックの映像見るといつも曇り空だよなあ。

京介 木曜、金曜ともに微妙な天候だったそうだし、今週はもともと馬場が緩んでいたと判断した方がいいね。JRAのホームページ、馬場情報にある「金曜日午前の含水率」が13%ほどはあった。

菊池 日曜は午前中に雨が降って、一時は「芝=稍重」になりました。直前のレースを見ていても、馬場が渋って芝は決して差しやすい馬場ではなかったですよね。

京介 水はけが非常に良くて、開催当日に雨が降ってもなかなか稍重や重にはなりにくいものなんだけれども、土曜日からの流れで意外と含水率があって、その上でやや重のゾーンにすぐ達したということだね。

京介 日曜日は馬群の内側だけでなく、ほとんど全面的に蹄跡が目立っていて、見るからに凹凸がついていた。だけども重馬場の時のように芝がえぐれて土が飛び、2列目以降の騎手のゼッケンや帽子を汚すというほどの悪化じゃなかった。

京介 札幌記念の直前の芝レースまでは、逃げや4角先頭に押し上げていた馬が必ず勝ち負けしていて、あんまり外からの末脚がハマる状況でもなさそうだった。内も外も悪くて、力の足りない馬同士の条件戦なら、結局ロスしない内が有利になる傾向だったね。ちょっとは馬場の補正をしていたかも。

菊池 全面的に馬場が荒れてきて、余力がないと伸びを発揮できない。かなり体力が求められるタフな馬場になっていると感じました。

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<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭が集まりました。昨年と比べると豪華なメンバーでしたね。

京介 例年は不利と言われる条件戦上がりのマイスタイルやスティッフェリオ含めて、今季絶好調の馬や実力十分の馬が、一斉に出揃ったという印象だね。今年はなかなか良いメンバーだった。

京介 ただし、G1級の馬もそれなりの態勢を整えて登場すると、やっぱり可動域の広さや馬力の良さ、胴周りがしっかり緊張できている度合いが全然違うね。マイスタイルもしなやかで十分スピード感があるんだけど、G1で戦えている馬は単純な馬体の幅が違いすぎる。モズカッチャンでも分厚さが違うと感じるもの。

京介 そういう部分では、G1で戦えている馬にまともな仕上げで出てこられると、札幌適性だけに賭けている馬じゃ勝負にならないな、と感じさせたパドックだった。それだけの出走メンバーのレベルがあった、ということだね。

菊池 1着賞金7000万円、年間で唯一の定量G2だけありますね。

京介 物足りなかったのはネオリアリズム。もともと骨が太めでちょっと鈍足かな、と思わせるタイプなのにトモ周辺がしっかりして、腰が一切ブレないのが強みだったのに、後肢がかなりブレていた。遠征帰りの疲れが抜けきれていなかったかもしれない。追い切りではそういう部分をあまり感じさせなかったんだけれど…。逆に十分な休養を経ていたマカヒキは、元々良い造りなのにこのメンバーでも上位を張れる形に見えたね。当日の人気推移は妥当だと思う。

菊池 ネオリアリズムはオッズの動きも控えめでしたね…。

<レース展開について>

京介 札幌2000mのスタートは4コーナー引き込み線手前、待避所のすぐ目の前。とは言え、札幌記念はこの競馬場の目玉レース。人が入れるギリギリの部分にまで観客で埋まっていて、スタンド前は大いに盛況だった。喧騒が近く、静かにレースに入れる様子とはいかなかったね。

京介 とは言え、ゲートに入り始めれば淀む馬もなしにサクサク進む。1番、9番がほぼ同時にゲート入りしてから数えて、およそ45秒でスタートが切られたのなら早い方でしょう。全く混乱はなかった。

菊池 マカヒキはもっさり出て後方になりました。まずはスタートを決めて1番マルターズアポジー。すんなり隊列は決まるかと思いきや、大外枠を引いた16番アイトーンが。スタート直後から押して押して出ムチを入れて。最初はポーズだけかと思いましたが、最後の直線かのように国分恭介騎手が馬を追いまくっていましたね…。

京介 ここまで前残りの傾向が目立っていた札幌芝だし、大外枠を引いてしまって態勢不利だからね。ここまで押して何とか前で勝負できる。札幌は本当にストレート部分が短いから。

京介 出遅れたのはマカヒキのほかに、3番アストラエンブレム、14番ミッキースワローと15番モズカッチャン。

菊池 それでもハナは取り切れず。1コーナーは1番マルターズアポジーが先頭、2番手は強引に16番アイトーンが8番ネオリアリズムを強引に交わして浮上。

京介 ネオリアリズムのモレイラ騎手は、いつもより気持ち1列前のポジションを取りがちだけれども、今回も行き脚は良かった。海外遠征だと掛かったりする馬だけれども、今回は問題なさそう。

菊池 2コーナーを回る場面は引きの画になりますが、かなりの縦長馬群。C.ルメール騎手のマカヒキが後方から2番手、M.デムーロ騎手のモズカッチャンが最後方でした。

京介 改めて札幌2000mの外枠はだいぶ不利だなあ。出負けしたからと息を入れてのんびり追走していると、あっという間に後ろに置かれてしまう。デムーロ騎手からしたらこんな出遅れをしたらしゃーなし、腹をくくろうという心づもりだろうけど、当人もこんなに後ろになるとは驚いていたんじゃないか。

菊池 前の3頭が1~2馬身ずつの等間隔で縦長に進んだ後の4番手に4番マイスタイル、その後ろの列は6番クロコスミアと10番スティッフェリオ。この後ろも並んで、2番サングレーザーと7番ゴーフォザサミット。

京介 先頭がまあまあ争っているので、良いポジションのように見えるのは3~4列目の4頭。ゴーフォザサミットは良い位置で回れたなあ。内も突けるし外にも出せる。

菊池 中団より後ろは3番アストラエンブレム、9番サクラアンプルール。そして14番ミッキースワローと13番スズカデヴィアス。さらに後ろに12番サウンズオブアース、11番ナイトオブナイツ、1000m通過あたりでようやく動き出した5番マカヒキが後方2番手外。最後方は15番モズカッチャンのまま。

菊池 1000m通過は59秒1。馬場を考慮すれば、かなりのハイペースで推移したと見ていいでしょうか。

京介 2000m戦で2分を切る決着になるのなら、これでもまずまずのペースなんだけれども…。例年の札幌記念と比べても速いし、なんせ札幌では珍しい稍重。結果論だけれども2分を遥かに超える決着でもあったから、これはだいぶ速いペースだよね。前で構えていながら、先行馬は全く余裕がないんじゃないかと。

菊池 3コーナー手前で16番アイトーンは早くも失速を開始。1番マルターズアポジーも既に怪しく、4番マイスタイルが先頭に代わって、3番手の8番ネオリアリズムも怪しい手応え。一気に後方の各馬が押し寄せてきます。縦長馬群は3~4コーナーの中間地点では横長馬群になっていましたね。

京介 馬群が横に膨れるのは、3コーナー手前から押し上げる差し馬の仕掛けタイミングが、複数同時だから。この流れを追っ付けながら外を回り、余裕がなく脚溜まっていない様子の馬はかなり不利だよ。

菊池 5番マカヒキは外を回していて、これ何頭分ですか?かなり大きくコーナーを回りましたね。一方、M.デムーロ騎手は馬群の真ん中あたりでしょうか。他馬との差を詰めつつ様子を伺っていました。

京介 マカヒキはざっと8頭分は外だったね。札幌記念でこのルートを通る馬は本当に珍しいぐらい。だけどデムーロ騎手がやや内を回ったとて、この流れだと先行馬がみな同時に止まってしまう。4コーナーから直線で垂れて来る馬を捌ききれない可能性も大きい。

菊池 直線に向いて、一気に先頭に立とうという9番サクラアンプルールが先頭。これより先行していた馬は全て失速。直後から12番サウンズオブアースが接近し、一瞬は「やったか!?」という手応え。

京介 サウンズオブアースの藤岡祐介騎手は本当に見事だったね。4コーナー途中でもうビッシリ追い出しているから周りの様子を見られない可能性が高いのに、全く詰まることなく惰性をつけて外を回れた。サクラアンプルールをキッチリ捉えているし、仕掛けピタリでしょう。

京介 サクラアンプルールの仕掛けが成功したかに思えたけれど、1000m通過タイムと動き出しを考えると、このサクラアンプルールの位置でも速いぐらいだったね。

菊池 しかし、これらの脚も長くは続かず。大外から脚を伸ばした5番マカヒキがダービー以来の勝利に向けて先頭に…立ったかというところ。ずっと息を潜めつつチャンスを待っていた2番サングレーザーが、一瞬の間隙を突いて急接近。さらに、馬群を捌いてきた15番モズカッチャンが外に出して猛追。最後は3頭が横並びになってゴールイン。

京介 馬群の壁の後ろで構えてちょっと待たされたために、手応えは抜群に残っていたとはいえ、サングレーザーもモズカッチャンもあんなところ割るか?!というルートを伸びてきたよね。

京介 最後はサングレーザーが首の上げ下げの運が良くてギリギリ優勢だった。けれども、写真を一瞬見ただけでは分からないぐらいの僅差だったね。レース映像だけではとてもとても。

<結果を受けて…>

菊池 直線に向いて直ぐに先頭に立った9番サクラアンプルールが3頭目の先頭馬。直線も二転三転する展開で。なんか昔の競馬みたいで面白かった、というざっくりした感想もありますが、非常に見所の多い2000mでしたね。現地でレースを見た方も面白かったんじゃないでしょうか。

京介 前列がしのぎを削り、ノーマークに近い格下馬も道中・直線と見せ場がたっぷりで、最後に刀を抜いた実績上位馬がゴール寸前つばぜり合いを見せる。いやはや凄いレースだった。正直な所、どの馬も疲労が残るレースになったりしてないかな?

菊池 勝ち時計は2分1秒1。レースの上がり3Fが37秒6、上がり3F最速が36秒0。2・3着馬は道中が後方2番手と最後方だった馬ですね。

京介 実際、流れが壊れたんじゃないかと思われる上がりの掛かり方なんだよね。仕掛けを待てた馬、4コーナーの他馬の動き無視で追い込みに徹することができた馬が上位に並んだけれども、格下馬が同じ仕掛けで追い込めたかというとわからないな。

菊池 逃げ馬が意地の張り合い突っ張り合いで暴走して、中団の差し馬ですら早仕掛けだった。バテ合いで、いかに脚を溜められたかの勝負でしたね。

京介 昨年の天皇賞(秋)や、この夏の七夕賞がこれぐらいレース上がりの掛かる競馬だった。だけど、今のエアレーション馬場で渋った状況だと、なぜだか必要以上に激しくなるレースになってしまうなあ、という印象。下級条件戦の傾向に一切則らない、とんでもない底力勝負だった。

京介 賞金の高いレースで、「うちの馬にもワンチャンスあるかも?!」のムードをチラつかせられたから、どの馬もやる気になったレース…という背景はあったかもしれないね。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

サングレーザー

菊池 安田記念からプラス2キロの488キロ、JRDBパドック担当の伊原さんも直前では最上位評価でした。

京介 映像だとかなり痩せて見えるね。そしてお尻が寂しく、斜尻に見えて華奢。だけどこれがこの馬の本来の形。背中のラインが一切ブレていないし、手先のバネがいいのでこれでレベルの高い勝負ができる。

京介 だけどこういう形こそ、一瞬の脚を求めるマイル向きだろうと思うんだけどね。福永騎手が一度4コーナーで詰まった後、伸びてくるマカヒキを目標に盛り返させたファイトが素晴らしかったと褒めるしかないなあ。

菊池 ラチ沿いをロスなく進み、3~4コーナーの仕掛け合いの中、静かに待って、直線半ばも無理をせずに前が開いた瞬間に猛追。道中の位置は上位4頭の中で高い位置にいましたが、3コーナーから直線半ばまで脚を溜められたのが大きかったですね。

京介 実はあの3コーナー過ぎから、「サクラアンプルールのように福永騎手は動こうとしていたんじゃないの?」と感じるフシはあるんだよね。あのルートって多分、8番ネオリアリズムの真後ろに構えていて、そのルートが空けばズドンと決めるつもりだったのに、モレイラ騎手が存外垂れるのが早かった。アテが外れたように思えるんだよなあ。切り替え切り替えしているうちに、直線半ばはサウンズオブアースに閉じ込められるし、ヤバいと思ったはず。

菊池 展開を味方に付ける好騎乗での勝利でしたが、2000mにメドが立ったと言って良いものでしょうか?どうでしょうか。天皇賞(秋)は、今回とは大いに異なる展開となるので、また別の話にもなりそうな気がしますが。ただ、馬が完成の域に入ってきて、かなり強くなっていることは確かでしょうね。このあたりのバランスをどう整えていくかが次走以降の予想におけるポイントとなりそうです。

京介 そうだね。自分は安田記念のあの流れで3着に持ち込めない時点で、かなりがっくりしたんだけれども。底力を測り間違えたというか、いい経験をしてこの夏にもっと格を上げてきたと判断した方がいいのかもしれないね。

京介 とはいえ、父ディープインパクトは偉大だわ…。他の兄弟が2000mの距離をこなせたタイプだとは到底思えない。サングレーザーだけだよ決め手に淡泊なところがなく、高いギアにグッと上がる馬は。

マカヒキ

菊池 ジャパンC以来の休み明けで6キロ増の506キロ。姿勢良く歩けていて状態は良さそうに映りましたが、いかがでしょうか。

京介 骨量が結構ちゃんとしているから、筋肉が落ちていなければ問題ないタイプ。後肢も伸びていたし、今回も良く見せた方だよ。十分に勝ち負けを期待できる形だった。現状は、痛い所が全くないと見て良さそうだね。

菊池 C.ルメール騎手は慌てずに後方待機。そして、横綱相撲の大外ブン回しで、「一番強い馬」としての競馬をしていますね。

京介 天皇賞(秋)でも末脚を見せたように、意外と重馬場でも能力大幅減がないタイプ。ちゃんと力もある。とは言え、良馬場の方が良かっただろうなあ。

菊池 天皇賞(秋)が、この馬にとっての勝負の一戦になりそうですが、コースを考えると大阪杯の方がチャンスはありそうにも思えます。ひとまず今回の競馬で復調したと見ていいものでしょうか?

京介 少なからず能力が落ちた、衰えた部分が見えた、という馬ではないと思うよ。「勝ち運がないキャラになってしまった」というぐらいでしょう。

モズカッチャン

菊池 今回は484キロでした。ドバイ前の京都記念との比較で4キロ増。エリザベス女王杯との比較で8キロ増でした。

京介 ローズSでも京都記念でもそうなんだけど、後肢の踏み込みに若干難がある馬だから、何だかトモの弱みが残っているような歩き方をするね。今回は遠征帰りという部分もあったし、ビッシリとは出来ていない現状だった。

菊池 M.デムーロ騎手は最後方を追走して、バテた馬を捌きつつの進出。最後は際どいところまで迫りました。この騎乗も見事でしたね。

京介 その通り。今回は流れがハマって騎乗も見事だった分で間に合わせた部分がある。走破内容通りの評価はするべきだけど。

菊池 次はどういうローテになるんでしょうね?エリザベス女王杯に直行なのか、京都大賞典を挟むのか。

京介 ハービンジャー産駒だから間違いそうだけれど、この馬は2000m~2400mの王道路線を堂々と歩ませていいタイプだと思うんだよね。切れ味で負けてしまうならそれは仕方のないことだけど。

その他

菊池 4着はサウンズオブアース。惜しかったですね。一瞬はこの馬にやられたか?とすら思えたほど。昨年の札幌記念も4着でしたが、今年はさらに見せ場がありました。

京介 追い切りで結構良い動きを見せていたのはあるけど、この馬洋芝が相当上手いんじゃないのかな。母父ディキシーランドバンド、体つきも骨量があって柔らかすぎるタイプ。上がりの掛かる2000mがピッタリなんでしょう。ただ、引き続き勝ち運がないという。

菊池 5着はスティッフェリオ。4着から0.3秒負けでしたが、この馬も力を付けていますね。

京介 4コーナーで他の先行馬と同時に垂れてしまいそうになっていたのに、直線は右手前のままで盛り返した。あれだけ見事に抜け出したサクラアンプルールを逆転しているんだから、相当体の使い方が上手いね。重たい芝、荒れた洋芝は相当良さそうだから、来年の北海道シリーズも期待したい。パドックを目の前で見て飛びついたセントライト記念の4着は、今でもガッカリしている。軽い芝が苦手というキャラだろうね。

菊池 3番人気ミッキースワローは13着でした。直線半ばで挟まれたにしても、それ以前にグッとギアが入る瞬間がなかったですよね。中団より後方にいながらにしてこの大敗。囲まれる競馬は苦手ですかね?大量投票の感じからしても、デキの問題ではなさそうに思うのですが。

京介 明らかに人気を集めていたし、現地評価が高かったのは事実だよね。サングレーザーの真後ろで構えていて、様子を見ながら慎重に運んでいた。そして追っ付けているサウンズオブアースとは対照的に、コーナーワークがド下手で、勢いに乗りきれず進路も狭まって追うのを止めたと。

京介 実力というよりも、洋芝が合わないんじゃないかな。この馬はスティッフェリオが凡退したセントライト記念を、見事な立ち回りで勝った馬でしょ。あんまり骨太ではなく後肢が細いキャラで、軽い芝向きのタイプじゃないかと。軽い芝向きの外回し追い込み馬なんて、成績が安定するわけないけれども、この流れで力が出ないというのはねえ。

菊池 ネオリアリズムは14着。この展開になって踏ん張れるだけのデキがなかった、という面もあったでしょうか。

京介 最大の原因とみるならやっぱり中身…ということになってしまうけれど、重賞になるとモレイラ騎手にマークが集まり過ぎなんだよね。「ちょっと楽に行けば踏ん張れる」ようなエクスキューズが必要な馬だった場合、しっちゃかめっちゃかに揉まれて消耗が早い…というような。

京介 今回も3コーナーでマイスタイルが先頭に立ち、これを追いかけようと手が動き始めた辺りで、後続差し馬集団が一斉に仕掛け始めた様子だった。モレイラ騎手のペース判断が見事な分、そこを狙って被されているようには思うね。だから重賞のモレイラ騎手はまだしばらく買いにくい、という面を感じる。まあでも今回は、ネオリアリズムはこちらの予想以下の中身だったのが最大の原因だろうけどね。

菊池 とりあえず、今回の競馬を見て思うこととしては、アイトーンは厄介な存在だということ。今後もこの馬がいるレースは、変なことが起こりそうです。

京介 自分はドバイ帰りの馬のデキのなさも、気を付ける要素だと思ったよ。ネオリアリズムなどは、複数国に遠征した上で、勝って帰れていない。馬のリズムが悪いままに国を跨いで輸送する疲れというものが、結構大きいんだなとパドックを見て感じたよ。

<教訓まとめ>


・海外帰りの馬は扱いに気を付けたい。実績最上位だけに人気になりがちだが、今年国内重賞で連対があり、当日1番人気だったマツリダゴッホとダークシャドウがやっと2着しただけで、まず負ける。今年いいところがなく、負け続きの馬は勝つまでの状態に戻せない。

・札幌の稍重は、他の競馬場で言う重馬場ぐらいの認識で臨むべき。まず決着時計2分は超えるし、オーバーペースになりがち。洋芝+エアレーション効果+なおかつ緩んだ路盤というのはかなり酷。

・改めて、前走国内G1を好走し、仕上がりや体調に問題がないG1格ある馬が有利なレース。函館記念好走馬はサマー2000シリーズ優勝が懸かっているものの、相手のレベルが格段に上がってしまう。このクラスの壁を覆せない。穴を狙うなら、G1級が全員海外帰りだったりした場合。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・スズカデヴィアス
…涼しい気候もあって、今シーズンの夏はかなり伸びのいい歩様でいい気配で来れている。軽い芝向きの薄手の直飛節、函館&札幌ともに馬場も流れの質も合っていない。力差を考えると大敗も仕方ない。秋口にすぐ巻き返しそう。

<菊池>
・ミッキースワロー
…ほぼ何もしていない。今回の件はノーカウントとして、改めて次走で健闘したい。ひとまず、多頭数で揉まれるような展開は不向きな可能性。良馬場・縦長の展開や外枠など、条件は付くが今回のような競馬にならない状況で見直したい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は新潟2歳SとキーンランドCを京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。