金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・札幌2歳ステークス編

菊池 土曜に札幌で行われた札幌2歳Sも回顧していきましょう。

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札幌2歳ステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/191697

<天候・馬場について>

菊池 札幌は「芝=稍重」・「ダ=重」でスタート。お昼頃には一段階回復して、「芝=良」・「ダ=稍重」になりました。

京介 土曜日の札幌がずっと、というわけではないだろうけれども、メインごろにはいい風が出ていて日差しも高かった。パドックが物凄く混雑して人の頭で埋め尽くされていたけれども、みんな軽装だったし非常に過ごしやすい1日だったようだね。木金はまた雨とぶつかるのかとやきもきしていたんだけれど、そんな心配をよそに。

京介 とはいえ、馬場はだいぶボロボロになってきたのがハッキリわかる様子だった。さすがに最終週で、途中には雨の中での開催日もあったしなあ。レーススタート直後のしょっぱなから、土煙が上がっていたぐらいだからね。

菊池 血統の偏りも見られましたね。やけにトニービン持ちの馬が走るとか、ハービンジャーが穴をあけたとか。

京介 さすが菊池くん、良く見ているね。1着馬に軒並み同じタイプが勢揃いしていたわけじゃないけれども、ラスト1~2Fがガクッと掛かる荒れ馬場で、カーブが緩い小回り。土曜日の競馬だけでも、歩幅が狭いタイプは全く脚が続かず、惰性で生きる大トビ血統が幅を利かせていたね。

京介 しかし最近は「ダンチヒ向きかな?」という雰囲気の馬場状態になると、とたんにハービンジャー旋風かのように高額条件で顔を出してくる血統になったよなあ。ハービンジャー産駒が年々優秀になってきているのもあるけれど、最新のダンチヒ=今ならハービンジャーというイメージが濃くなってきた。デインヒルの仔は日本じゃ大した旋風を巻き起こせなかったからね。


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<パドックについて>

菊池 フルゲート14頭が埋まりました。新馬戦を好内容で勝ったと見られた3頭が上位人気、コスモス賞勝ちのナイママがこれに続きました。

京介 とはいえやっぱり、この時期の2歳馬は鍛錬不足。函館・札幌で勝ってきた馬は早熟で細いから、一つ勝って体が縮こまってしまう、脾腹がさらに寂しくなってしまう馬が大半。身のこなしの良さを維持できない馬が多くて、格上挑戦に対応できない。

京介 クラージュゲリエ、アフランシール、ウィクトーリアの人気3頭は、モニターで見ても「体を削ったの?」と感じるぐらい細い形だった。アフランシールは馬体重が増えていたのに腰をうねって姿勢も低く、脾腹が薄かったね。

京介 だけど、人気薄ながら激走したニシノデイジーは、確かにいい仕上がりだったよ。緊張感を適度に保ちつつ、四肢の伸びやかさがあって歩幅もいい。函館組はどれも…と事前に思っていたし大半は予想通り悪くなっていたんだけど、この馬だけは目立って良く動いていた。

<レース展開について>

京介 札幌芝1800mのスタートはスタンドの真ん前なんだけれども、ファンファーレが鳴っている途中から奇数枠をもうゲートに入れていたね。みなおとなしく、ほぼ同じタイミングで入り始めていた。

京介 ゲート前で淀むどころか、みんなだいぶ前向きでガシガシゲートに入っていたね。2歳戦にしては相当早かった。おそらく35秒も待っていなかったんじゃないか。それよりわずかに早いぐらいでゲートが開いた。

菊池 スタートでの出遅れは2番エメラルファイト、10番ウィクトーリアも出負け気味でした。

京介 あとは外の11番クリスタルバローズ、13番テイエムバリバリの他路線組だね。とは言え、みな1馬身も遅れていなかったと思う。ほとんど揃った、と言ってもいいぐらい。

菊池 まず出脚が目立ったのは4番ラバストーンと、外から9番ラブミーファイン。そして6番セントセシリア、7番ナンヨーイザヨイ。行きたがった5番アフランシールは岩田騎手が抑えようとしていました。コーナーワークで4番ラバストーンが先頭、2番手が6番セントセシリア、7番ナンヨーイザヨイ、9番ラブミーファインも差がなく続いて先団は4頭。

京介 ナンヨーイザヨイは、今回は前に行かせたんだね。前回の反省ありきということで。でもラブミーファインの横に付けて、制するぐらいに速いとは驚いた。

京介 1コーナーでまだ馬群が縦長になっていないばかりか、先団が固まってやや横に広いような馬群。まだ動きがありそうな気配だね。

菊池 直後に8番ダディーズマインド、内に5番アフランシール、10番ウィクトーリア。その後ろに14番ナイママ、さらに3番ニシノデイジーも徐々に浮上。11番クリスタルバローズ。これらの後ろに1番クラージュゲリエが控えて、2番エメラルファイトと続きます。

京介 アフランシールは2コーナーから向正面序盤まで、しばらく掛かりっぱなし。制御も苦労していた様子。

京介 エメラルファイトが後方3番手の立ち位置なんだけれども、このポジションが先頭から5馬身もないぐらい。縦長にはなってない。

菊池 その後方に少し遅れて12番トーセンギムレット、13番テイエムバリバリ。

京介 この2頭は最初の1コーナーで馬群にも食らい付けていなかったし、一旦追いかけようとしたけれども、集団がペースアップし始めた時にくっついて行けなかった。完全にスピード不足。

菊池 前半800m通過は48秒2、1000mが60秒4でした。発表が良に回復したとは言え、稍重寄りですし芝も荒れているので、この流れは決して遅くないですね。

京介 2歳戦の中距離重賞で、1000m通過が60秒台になること自体が結構少ないはず。このレースを過去10年遡って、大半が61秒0~62秒半ばぐらいだし、ちょうど10年前ロジユニヴァースが勝った2008年が60秒3だった。それぐらい、このペースは稀なハイペースに属する水準だと思うよ。

京介 1列目が横並びのように進んでいるけれども、全然緩い流れではないということだね。今年はどういうスイッチが入ったのか分からないけれども、かなり先行勢が積極的だった。こりゃ流れは後ろに控えている馬に向くね。

菊池 3コーナーで早くも先頭が交替し、2番手付近にいた3頭も既に怪しい手応え。その後ろの列から10番ウィクトーリアが顔をのぞかせて、外からは14番ナイママが浮上。そして後ろの列からは3番ニシノデイジーや11番クリスタルバローズも接近。

京介 ニシノデイジーが3コーナーのチョイ手前で動き始めたのがペースアップの合図のようだったね。4頭ほどが馬群の外から似たようなタイミングで動いたから、鞭を入れてもズブい反応だったクラージュゲリエは、ラチから6頭分以上大外に振られる羽目になった。

京介 ウィクトーリアは向正面時点で2列目半ぐらいの位置、それをコーナーは馬群の隙を縫って内側から押し上げようとするんだけれども、ここでごちゃごちゃやっていたウィクトーリアよりも、馬群の外を一気に仕掛けていったナイママの方が速い。いい形でスピードに乗って、一気に先頭に出たね。これだと内でまごついていた馬は惰性が効かず潰れる。ダートのハイペースのような展開だな。

菊池 一気に14番ナイママがマクリきって、先頭で直線へ。直後から3番ニシノデイジーが接近。さらに、外から浮上は1番クラージュゲリエ。

京介 ニシノデイジーは捲って動いても良かったけれども、ナイママ五十嵐冬樹騎手の仕掛けを見て勝浦騎手が加減しながらコーナーでガッと行くのを抑えていたね。外ぶん回しにはせず、ナイママの後を付いて行くように進んだ。

京介 クラージュゲリエは4コーナーの後半でようやっと勢いがついたかのような伸び脚。フットワークがキレイだから後半伸びそうだけれども、スタミナ的にカツカツの脚色か。直線で再度右手前に戻してしまう。止まってはいないけれど…。

菊池 直線では、14番ナイママを捕らえて3番ニシノデイジー。ゴール寸前まで抵抗を受けたものの、クビ差退けて1着でゴールしました。

京介 これは惰性と仕掛けのタイミングの差もあったかな。でもこれだけタフなバテ合いで、止まらずに脚が続いたニシノデイジーは、ちゃんといい脚捌きを続けられたスタミナがあってこそ。

菊池 1番クラージュゲリエは直線で何度かフラフラしつつも0.1秒差の3着は確保。2番エメラルファイトは追い込んだものの4着でした。

京介 エメラルファイトはホント勿体なかった。手応えはおそらく感じていたであろう石川裕紀人騎手、4コーナー通過途中で馬群の内を割りそうな狙い方をしていて一旦止めて外、4コーナー出口ではクリスタルバローズとクラージュドールの間を狙っていたけれども、手前替えのタイミングが合わずにその外へ振っている。これは仕掛け遅れ、仕掛けそびれでしょう。

<結果を受けて…>

菊池 勝ち時計は1分50秒1。馬場状態を考えれば、まずまず標準的な時計といったところでしょうか。

京介 札幌でやや重から重になった直後、ぐらいの状況だったものね。まだ多少湿っていただろうし、パンパンの馬場には程遠かった。良くこの水準の時計でまとまったなと思うよ。単純に昨年より1秒以上速いのはいいね。

菊池 3→14→1→2→5という掲示板。14番ナイママだけ外枠で頑張りましたね。

京介 本来、札幌2歳Sは若干外枠有利のレースで、内枠の馬でクラージュゲリエのロスやエメラルファイトのような詰まりミスがあったら圏外へ去る。仕掛けワンテンポ遅れていた馬が浮上できたのは、前で争った馬がガッツリ潰れたから。ナイママは自分の競馬がしやすかったという意味でも、やっぱり外枠有利なレースだったと思うよ。エメラルファイトも詰まるキャラだったら外枠を引きたかった。

菊池 では、上位馬について。

ニシノデイジー

菊池 函館で未勝利戦を勝ってから中5週のローテでしたが、馬体重は2キロ減。しっかり作り込んでいたと見ていいでしょうか。

京介 そうだねえ。こちらの想像以上に仕上がりが良かったよ。中5週で一旦放牧に出しても、休養十分と言える準備期間もないし、ただ輸送疲れするだけだと思っていたから。また、北海道に滞在していた記者の評価もなかなかに低かったし。その意味でもいい仕上がりでやってきたのは驚きだった。

菊池 後方からじっくり進んで3コーナー手前から進出。勝負どころでの手応えは目立ちましたね。

京介 こういう馬場状態が合うのも確かなんでしょう。コーナーでもモタつかず、きれいで伸びのあるフットワークを維持したまま直線の捌きもスムーズだった。仕上がりの勝利でもあるし、いろいろ噛み合ったよね。

京介 前走の未勝利を勝った時のIDMで、ここで上位争いするぐらいには力が足りる相手関係だった、というのはあるだろうけれど。

菊池 勝浦騎手からはベタ褒めのコメントが出ていました。当面の大目標はホープフルSですかね?今後の見通しは いかがでしょう。

京介 いやー、おそらく背中も結構いい馬なんだろうね。最近のハービンジャー産駒は全然早熟で止まったりしないし、2歳重賞を勝ったハービンジャー産駒だから…と軽視できないかも。右回りの上がり掛かる条件がいい、ということだからね。

ナイママ

菊池 今回は6キロ増えて442キロでした。仕上がりはどう映りましたか?

京介 細く造っていながらも、腰周りにしっかり緊張感があって、脚の短い馬ながら後肢を柔らかく捌けていたね。パーツは全く問題なかった。改めて、もうここ数年の北海道所属馬は仕上がりで五分以上に持ち込めるものと思った方がいいね。門別仕上げが優秀だわ。

菊池 前走と同様に相手を絞ってのマーク戦、五十嵐冬樹騎手はウィクトーリアを目標に動いたとのことです。結果として動き出しが早かったと振り返っていますね。

京介 でもそれは実績最上位で、人気として注目されていた馬だからね。誰かにマークされているのは仕方ない。おまけにクラージュゲリエを後方でモタついていたのを一瞬確認して動いている。人気馬に関してはどれもちゃんと出し抜いているんだよ。

京介 敗因はニシノデイジーのようなメチャメチャキレイに展開が嵌る人気薄をマークしてられなかったこと、そこまでケアしてられなかったこと、に過ぎない。

菊池 この後は川崎(河津厩舎)に転厩して東スポ杯を目指すということです。イメージとしてはプレイアンドリアルのパターンですね。

京介 いやー…でもまあこれ以上は厳しいんじゃないの?今回の馬体を見ても、改めてバネがある方じゃないと思うし、結構ちゃんと緊張していた厳しい仕上がりだからなあ。上がり目はどうかな?それと河津厩舎に行くと馬が緩むしね。

クラージュゲリエ

菊池 新馬戦から6キロ減で462キロでした。相変わらず2人引きで、気性面の危うさというか、幼さが見られましたね。

京介 映像だと、というか今回のメンバーの中に入れると、脾腹が寂しく全体に細く映ったね。しかし池江厩舎らしく、背中から腰に掛けて全く緩みがない。その部分はさすがと思ったよ。だけど兄のプロフェットと同じく、この時点で整いすぎて物足りなさを感じるんだよなあ。

菊池 発馬は互角でしたが、控えて中団やや後ろから。前走ほど折り合いに苦労した印象はなかったですが、今回も直線でフワフワしていて、デムーロ騎手も追いにくそうでしたね。

京介 これが一番勿体なかったね。こればっかりは、追い込み馬を内枠から捌く難しさと、初騎乗の弱みといろいろあって、力任せにせざるを得なかった部分だね。内枠だからこそ、ナイママのように自在かつ緻密な競馬の組み立てができなかった。

菊池 素質は高いけど、精神面の成長が欲しいといったところでしょうか。あとは、広いコースの方が良いのは間違いなさそう。

京介 それとあの勝負所でズブい気性、これがどういう理由でああなるのか、も解決したいね。どっしりして来ると同時に改善するものなのかなあ。

その他

菊池 4着はエメラルファイト。京介さんの推奨馬でしたが、惜しかったですね!

京介 メチャクチャ惜しかったうえに、パドックも良く流れも良く、4コーナーで十分脚があるのをレース見て確認したからなおさら悔しいよ。いやあ~どう見ても進路ミスだよなあ。外枠引いて素直にナイマママークだったら間違いなく来ていたね。

京介 1戦1勝馬同士の重賞で馬券にならず4着、しかも次走は人気になるというのが一番いやなパターンだわ…。

菊池 3番人気アフランシールは5着でした。この馬の評価はいかがですか?

京介 確かに良いバランスの馬だね。ちょっとこの日はだいぶ腰に緩みがあったように見えた。胴長に見えたのはそれとの連動の問題でしょう。短期間に体が大幅に増えたことで、まだ万全に整えるのが難しかった過程じゃないかなあ。なので、ビシッと緊張できていた馬との差が出た感じだね。函館デビュー馬って結局こうなりがち。

菊池 2番人気ウィクトーリアは7着。敗因はどのあたりでしょう。

京介 パドックが単純に悪かったよ。背中とお腹がくっつきそうなぐらいに細く、後肢も満足に捌けていなかった。いや、新馬初戦の記録を見たらこんなに弱い馬じゃないと思うんだけど…。

京介 函館の中距離新馬で速い時計を出して勝つのは、妙に反動が出てしまうのかも。今年は勝った馬が函館勝ちの後だけれども、改めてこの馬の落ち目を見ると「前走函館組はやっぱりだめだわ」と思ってしまう。

<教訓まとめ>

・今週は3場でハービンジャー産駒が重賞を勝ち条件戦で穴をあけまくった。初年度2年目の産駒が良くなくて、オープンクラスだと常に一枚下の馬に扱われがちだが、昨年度辺りからどれも優秀。今後重賞に出てくる産駒はA級種牡馬としてちゃんと扱うべき。

・過去の札幌2歳Sでも、内枠の馬は極端な追い込みがハマる展開でないとなかなか浮上しないし、一つは不利を受けがち。先行馬のレース運びの安定感を求めるなら、外枠の馬から評価すべきレース。馬場はかなり荒れている時期なので、外ロスの心配をするより内で詰まる心配の方が大事。

・前回のメンバーが大したことなかったナイママも、素質が高いと思われていた馬に対して仕上げの差で優位に立ち、レース上手の分で勝ち負けに持ち込んだ。改めて札幌オープンを経験し、強気の競馬をした馬の優秀さが際立つ。地方所属馬が非常に有利な重賞の一つと言えそう。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・エメラルファイト
…レース評価の通り。非常に勿体ない仕掛けになってしまった。出遅れたのは別に良いが、脚を余すような形になってしまったのがいただけない。オープンでも力は足りるはず。

<菊池> 
・なし

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週も3重賞なので、紫苑Sと京成杯AHを京介さんと、セントウルSはオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。