金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・紫苑S編

菊池 土曜に中山で行われた紫苑Sも回顧していきましょう。

紫苑Sはランドネ(7番人気3着)を穴馬として推奨!
180908紫苑S穴推奨

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紫苑ステークス回顧



展望トークはコチラ
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<天候・馬場について>

菊池 開幕週の中山は芝・ダートともに良馬場でスタートしました。阪神は雨の影響を受けていましたが、中山は秋の暑さがあったでしょうか。風はどうでした?

京介 朝の船橋法典に降り立った辺りで、もう生ぬるい風が出ていて結構な暑さを感じたけれども、競馬場はことさら暑かったね。まあまあ日差しも出ていたし、今週また腕に日焼け跡がついたぐらいだよ。競馬場までの地下馬道は今週扇風機を置いてなかったようで、とんでもない熱気が溜まっていたらしいね。

京介 そして今週は確かに結構風が強かったね。あれは南風かな?4コーナーから1コーナー方向、直線追い風が出ていて、これがまた全然涼しくないんだよね。それにパドックは建物に遮られてしまうから、全然いい風が入って来てくれなくて…。

京介 結局今年も、涼しくなった新潟末期開催と比べると、また暑さがぶり返した開催になったね。

菊池 土曜を見る限りは昨年ほど露骨に外有利ではなかったですかね。フラットくらいの印象を受けていたのですが、日曜になるとやや外有利の気配が濃くなったでしょうか。

京介 馬場状態はそもそも絶好だし、内側が悪かったということは全くない。だから基本的には先行有利で、ペースが妙に落ちつけばやはり差し追い込み不発は当然だと思う。そして土曜日はかなり向正面での向かい風が強かった。中山1600mも2000mも、向正面がそれなりに長くここでせめぎ合いが起こるコースなのに、この中盤で風に押されるためか、馬なりで外から捲りに行くのが苦しい。展開の動きが落ち着いてしまいがち、というのはあったと思うよ。

菊池 馬場はフラットで、差し・追い込みには厄介な風があったと。

京介 だけど今週は、人気馬が本当に強かった。力のある馬が先行しても有利、外を回しても唯一1~2番人気の馬だけは伸びてくる。だけど力の劣る馬ではなかなか人気馬を出し抜けず、ロスありきで外を回る馬は展開が向いての激走は一切なかった。人気薄だと、逃げの手に出る以外は全くチャンスがなかったんじゃないか。適性有利というのが事実上ないような日だったね。

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<パドックについて>

菊池 フルゲートは埋まらず16頭立てでした。全体の印象はいかがでしたか?

京介 一昨年も昨年もそうだったけれども、みんな発汗が凄かった。やっぱり9月中山のパドックは暑いよ。ミストも導入されていないし、熱気が篭ってしまう。

京介 全体のイメージとしては、1勝馬の比率が結構多かったし大半がマイラーだったから、胴が短く馬体の薄い馬が単純に多かったよね。距離不安だらけ。体格が思わしくなくて、運動神経があれば何とかできていいけれど…というタイプが半数以上だったと思う。バネも物足りないしね。

京介 特に夏場それなりに使ってきていた馬が伸びて来るのかと思いきや、みんな疲れで痩せていた感じだったね。まだ春の有力馬相手に見劣りする実績しかないのにこの状態だったら、やはり今年は休み明けの馬=春の実績馬重視ということになる。

<レース展開について>

京介 中山内回り2000mのスタートは4コーナーの出口に切られていて、待避所近くではなくスタンドの目の前。この日はだいぶ観客も多かったし結構うるさい場所のはずだけど、ファンファーレが鳴っている途中から既にゲート入りは始まっていたね。

京介 今回も特にゲート前で嫌がる馬もなし。サクサク入った方。16頭だけれども50秒ほどでスタートが切られた。

菊池 3番パイオニアバイオが前かきをしていて、これはまた出遅れるかな?という雰囲気もありましたが、こちらはゲートを出て。10番ロマンテソーロが出遅れましたか。

京介 13番ホクセンジョウオーが出遅れてしまったのは大きいね。これで逃げ馬候補はだいぶ楽になるでしょ。その他では5番ロサグラウカ、9番カレンシリエージョ辺りも怪しかった。

菊池 スタートを決めて主張したのは8番ランドネ。内から2番オハナ、これを交わして11番ハーレムライン、さらに16番ロフティフレーズが勢いついて2番手へ。14番ノームコアもポジションを獲りに行って5番手。

京介 ノームコアは高いポジションを確保しつつも、鞍上の手は一切動いていない。

京介 ランドネより内側の馬は、ちょっとスタートの勢いが物足りなかったね。上り坂の時点で、もうランドネは結構楽な態勢でハナに持ち込めている。

菊池 その直後の内に1番マウレア、並んで6番クイーングラス、そして15番レッドベルローズ、12番アヴィオールあたりが固まって中団グループ。この直後に3番パイオニアバイオ、並んで7番メサルティム、外から交わしていく9番カレンシリエージョは一気に先団まで。

京介 ホントは6番クイーングラスと7番メサルティムが1番マウレアよりも前にいたんだけれど、7番メサルティムが1コーナー手前で頭を上げて暴れる。この隙に武豊騎手は1コーナー最内を1.5列分ぐらいは押し上げられた。

京介 ちゃんとノームコアを左前外にマークできる位置につけるんだからさすがだわ。

菊池 後方には4番サラス、5番ロサグラウカ、13番ホクセンジョウオー、10番ロマンテソーロ。

京介 サラスは田辺騎手がスタート後結構追っ付けて出していくんだけれども、スタンド前の上り坂に差し掛かるあたりで行き脚が鈍く、7番メサルティムが後退した関係で若干詰まるポジションになってしまう。まあ、確かにもともと出足は鈍い馬だから仕方ないか。

京介 ホクセンジョウオーはまるで挽回する気がないというか、序盤のリズムが悪すぎるね。

菊池 前半1000m通過は60秒1、極端に遅い流れではなく、ランドネのマイペースといったところだったでしょうか。

京介 前半3Fを35秒1で入ったんだけど、これはゲート後1コーナーまでしばらくストレートだからここまで速いのは普通。その後のコーナーでだいぶ緩めて行けたね。ランドネはほとんど単騎だったし、上手いコントロールができた。

京介 そしてこの流れを察して9番カレンシリエージョ松山弘平騎手が捲って2番手に押し上げるんだけれども、同調して動く馬が他にいない。全体のペース急変とはならず、先頭をペースアップさせるきっかけにはなった、ぐらいだね。

菊池 3コーナー過ぎあたりから徐々にペースアップ。捲って2番手浮上の9番カレンシリエージョ、16番ロフティフレーズは苦しくなって、外から11番ハーレムラインが浮上。個人的には一瞬、やったか?という感も(笑)。ただ、4コーナーでハーレムラインが少し膨れた分、そのスペースを見逃さなかったのが14番ノームコアのルメール騎手でした。

京介 3コーナーに入って捲りが来ているのに、人気のマウレアやノームコアは全然動き出していない。ついでに言うと後方のサラスもまだ周りの馬群の動きがないので消極的。

京介 だけど残り600mを切れば、全員が一斉にスパートをし始める。仕掛けている馬がそれぞれ微妙にブレるのは仕方ないことだけれど、この動きに楽について行けているのが強い馬の特権、という印象だね。

菊池 直線に向いて、8番ランドネはまだ手応えがありますが、11番ハーレムラインとの間に割って入った14番ノームコアの手応えが抜群で、一気に抜き去りました。

京介 いやこの脚は驚きだなあ…。こんなに強いの?という感じだわ。先に断っておくと、今回の出走メンバーは確かに2000m持たない馬が大半だったんだよ。ビシッと末を伸ばせれば非常に強く見えてしまうのは確かだけれども。道中の導き方、マウレアの頭を4コーナーまで押さえつけつつの仕掛け方が抜群だったね。

菊池 1番マウレアは14番ノームコアと比べると外に出すのが遅れてしまい、8番ランドネを交わす脚はあるものの、前は遠くに。

京介 これはルメール騎手のマークが上手かった。3列目の内にいるマウレアはスローペースならもちろん不利だけれども、序盤でその目の前に割って入り、マウレアが割って行きたいルートを8割型封じていたからね。

京介 武豊騎手ももちろん流れに対応、バテた馬に詰まらされることなく上手く直線仕掛けている。そして待たされた分最後の脚もあったし、実績上位のディープ産駒ならこの流れで伸びる。だけどあの勝負所の後先は、ノームコアにしてやられた、という印象が強いね。

菊池 14番ノームコアはあっという間に3馬身差を付けて圧勝。2着には遅ればせながら浮上の1番マウレア。8番ランドネは後方から内を突いて伸びて来た3番パイオニアバイオの追撃を凌いで3着を確保。

京介 ランドネは完全に流れを仕切っていたけれども、1600mや1800mではない2000mのスローペース瞬発力勝負で、その性能を上手く引き出したノームコアが強かったという内容だったね。

京介 それにしてもラスト1Fの11秒2は鋭い。展開がこういう遅い流れだったから…ではなく、まだ最後のギアに余裕があることの証拠だと言える。全体のラップは直線追い風の影響があったとは言え、ね。

<結果を受けて…>

180908紫苑S結果

菊池 勝ち時計は1分58秒0。重賞に昇格してからの3回で、断然速い時計が出ました。

京介 馬場自体は絶好だし、展開次第で時計が出る状況なのは当然だと思う。だけども、昨年よりも出走しているメンバーの格は落ちると思ったのにね。これで記録を更新したというのは、正直驚きだよ。

菊池 上位4頭はいずれも道中では内を立ち回った馬でした。外からの差し・追い込みは届きませんでしたね。

京介 1000mを前後半で2分割したら、前半よりも後半の方が2秒以上も速い。距離適性も要求されるようなロングスパート勝負になったから、距離微妙かな?と思える馬だったらインベタを回ってこないと押し上げるのは不可能だったろうね。展開に恵まれて…という要素が一切ないレース展開だったかなと。

菊池 では、上位馬について。

ノームコア

菊池 4月後半のフローラS以来でした。馬体重は増減なしの458キロ。モニターではここを本気で獲りに来た仕上がりのようにも見えましたが、現場での印象はいかがでしたか?

京介 微妙に痩せて見えるぐらいにスッキリした形で、引き続き良い動きだった。後肢の捌きに一切淀みがなかったのはいいね。だけど、春も良いと思ったしこの日も良い形に見えたけれど、春から秋にかけてグンと上積みしてきたようには思わなかったけれどね。

京介 だけど、レースパフォーマンスとしては今回の方が断然上に思える。やっぱりハービンジャー産駒は、外国人騎手が乗らないと本来の性能は出せないものなのかなあ?

菊池 外枠でしたが、先行して大きく外を回らないように立ち回り。ルメール騎手は完璧に乗った上に最高のタイミングで進路が開いたんじゃないでしょうか。

京介 周りの馬のレベル、先行勢の実力がそこまで大したことなかったし、捲ってきた馬は慌てての押し上げだから、距離問題なしの馬に乗っている身としては、バテて空くだろうという確信はあったんでしょう。

京介 序盤からほとんど馬を動かすことなくスピードも十分なようだし、マウレアに先に動かれないことが大事というポジションに見えた。いやそれにしても、ランドネをちょっと交わすぐらいならともかく、あんなに弾けるとはびっくりだよ。

菊池 秋華賞に向けてはいかがでしょう?

京介 アーモンドアイが脚部不安で回避、とかがない限りは、ルメール騎手が乗ってくれないんでしょ?それはどうだろうなあ…。ただし、2000m一切問題なし、小回りでも立ち回り上手というのは、秋華賞でかなり有利な部分が多いと思う。鞍上次第だね。

マウレア

菊池 今回は2キロ増えて440キロでした。先を見ればもう少し増えて欲しかったですかね?仕上がりはどう映りましたか?

京介 やっぱり、もう少し増えてほしかったよ。トモも薄いし腰も甘い、胴回りは寂しく見せる水準。手先にいいバネがあって折合はいいにしても、長く脚を使うスタミナはどうかな?と思うもの。

菊池 出たなりの競馬で進みましたが、もう少し早く外に出したかったですよね。ルメール騎手より後攻になってしまった分、届かなかったですが、逃げ馬はキッチリ捕らえてのゴールでした。

京介 ランドネをちゃんと捉え切る辺り、武豊騎手もちゃんと引き出せてはいたんだけどね。今回はルメール騎手に頭を押さえつけられるレース運びになってしまった。これも紫苑Sにて発生しがちな、内枠の不利だとは思う。

菊池 入線後に歩様の乱れが出て武豊騎手が下馬。検査の結果はハ行ということで大事には至らなかったようですが。無事に出走したとして、秋華賞に向けて上積みはありそうですか?

京介 でも輸送だしなあ…。どうするんだろう。栗東入りするのかな。体が減るのを何かしらで解決したとしても、秋華賞&オークス上位馬相手に逆転できる武器を何か見せたわけではないしねえ。

ランドネ


菊池 こちら京介さんの穴推奨でした。最終的には7番人気!

180908紫苑S穴推奨

京介 人気がちょっと良く分からなかったね。やけに印の薄い専門紙も多かったそうだけれども。だけどできれば、2着になって欲しかった。

菊池 角居厩舎からの転厩初戦でしたが、状態はいかがでしたか?

京介 柔らかい脚捌きを今回もキープできていて、落ち着きも良かった。今回は背丈もちょっと伸びていたんじゃないかな。推奨するに十分な造りだったと思うよ。

菊池 逃げてよく頑張りましたが結果は3着。次走に向けてはいかがでしょう。

京介 今回はどう見ても先行同型不在で、目一杯上手くいったのは確かだね。これでラストの坂でグッと粘り腰を使えない辺りが、ブレイム産駒の限界なのかな…。期待はしているんだけど、転厩のゴタゴタがある中でのG1出走だし、何とも言えないなあ。

その他

菊池 4着はパイオニアバイオ。最後はよく詰め寄り増したが、仕掛けが後手に回ったのがもったいなかったですね。

京介 スタートで押しているのに全然前に行けなかったね。この馬が4列目の内ラチ沿いにいて、何かできたか?という部分もあるし、うーん。動かせていないと感じるなあ。実は鞍上交替の上積みあるんじゃないかな?

菊池 3番人気サラスは13着でした。やや緩い仕上げだったのでしょうか?

京介 この馬はオルフェーヴル産駒の500kg超え大型馬らしく、骨量があり過ぎるタイプなんだよね。後肢が鈍すぎで。展開が向かなかったのは確かだけど、要求されるスピードの次元が一つ低い馬場状態じゃないと苦しいかな。

菊池 ハーレムラインは惜しかった…。少し緩かったようですが、大野騎手は上手くカバーする騎乗を見せてくれたように思います。

京介 ロングスパート戦に近い形になってしまったのが、本質マイラーの馬にとってキツかったよね。できれば内枠を引きたかったかと思う。馬体の形もまずまず良かったし、レース運びは文句なかっただけに。

<教訓まとめ>

・オークス掲示板に好走した馬は、改めて紫苑Sのメンバーでは実力上位。大半が距離持たないメンバーだらけなので、折り合いもついて適度に脚を使える強みが大きい。人気にはなりがちだが、馬券的にはここから入るのが基本だろう。

・ハービンジャー産駒の2000m重賞適性は、改めて素晴らしいと感じる。この条件で外国人騎手が騎乗している時はベルーフの小倉記念で4着したのが最低着順で、とんでもない複勝率になっている。

・フローラS好走馬だけでなく、スイートピーS好走馬も、この紫苑Sとは相性が良さそう。3歳春にオークス前哨戦の中距離を使おうとするのも、中距離適性を陣営が認めている証拠とも言えるし、レースの流れも案外同質のものになりやすい。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・パイオニアバイオ
…馬体は確かに良かった。ただ、フローラSも途中から捲っての先行。そもそもスタートが安定せず、かなり癖のある脚の使い方をするので、木幡巧也騎手では荷が重たかった。明らかに脚を余したようにも見える。オークス7着は能力序列通りとも言えるし、マウレアの次点程度の評価はしていいはず。別の中距離重賞でチャンスがありそう。

<菊池> 
・パイオニアバイオ
…ゲート内で前かきしていたように、スタートの不安は解消していないものの、末脚は堅実で今回も崩れなかった。噛み合えば3着争いに加わる可能性は十分あり、乗り替わりや道悪などのきっかけで今回の上位3頭を逆転する可能性は考えておきたい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はローズSとセントライト記念を京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。