金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・府中牝馬S編

菊池 土曜に東京で行われた府中牝馬Sも回顧していきましょう。

サウジアラビアRCはドゴール(7番人気2着)&アマーティ(4番人気3着)を穴馬に推奨!
181006サウジアラビアRC穴推奨2着

181006サウジアラビアRC穴推奨2

競馬大予言・秋G1号が発売中!
18年10月号・競馬大予言

https://www.amazon.co.jp/dp/4773025964/

府中牝馬ステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/200916

<天候・馬場について>

菊池 土曜の東京は芝・ダートともに良馬場でスタートしました。

京介 朝からずっと曇りがかっていた一日で、だいぶ肌寒さを感じたね。さすがに今週の気温はちゃんとした秋模様だったよ。あいにく青空を見られる時間帯はなかったけれど。

菊池 開催2週目、引き続きやや外を通る差し馬に有利だったと見て良いでしょうか。

京介 午前中の少頭数では、逃げ馬が人気馬を出し抜いて押し切るシーンがあったり、外国人騎手同士の叩き合いがラチ沿いで行われたりと、内ラチ沿いも特に問題はなかったと思うよ。あくまで、一様に芝が良かったと考えた方がいいかな。

京介 それでいて能力のある馬が、外から差し込む分には問題なかったと。力の劣る馬が後ろで待っていて、外から追い付くシーンは一度もなかったと思う。

ブログランキング
↑他の競馬ブログもチェック!(ブログランキング)↑







<パドックについて>

菊池 11頭立てということで頭数は揃わなかったですが、メンバーは濃かったですね。

京介 思っていたよりも素晴らしいメンバー、みんな緊張感高めでレベルの高いパドックだったね。

京介 パドックが始まる前のフロンテアクイーン+14kg、リスグラシュー+12kg表示を見てオッと思ったけど、全く太くなかったし、いい肉付き。しかもこの両方ともに激走したという。

京介 ジュールポレールも申し分のない形だったし、狙っていたカワキタエンカやクロコスミアも、全く悪い所がなかった。みんな良い動きをしていて、ちょっとこれはレベル高過ぎるんじゃないかと思ったね。

<レース展開について>

京介 東京芝1800mスタートは、2コーナー引き込み線の後ろ。今回はゲート入り結構慎重で、1頭ずつ確認しながら入れていた。でもまあ全く問題を見せる馬はおらず、46秒ぐらいでのスタート。

菊池 10番リスグラシューがあまり良いスタートではありませんでした。11番ミスパンテールもひと息でしたね。

京介 全体のスタートは横並びで揃った方。ミスパンテールが若干立ち上がり、リスグラシューに接触。リスグラシューも1馬身、ミスパンテールは半馬身ぐらいの遅れなんだけど、外枠を引いていた2頭だから影響は徐々に大きくなる。

京介 ソウルスターリングも2歩目3歩目が怪しかったね。すかさず挽回しに行ってはいるけど。

菊池 まずは1番クロコスミアを交わして9番カワキタエンカが先頭に立ち、グングン引き離していきましたね。1番クロコスミアが2番手、内に3番ソウルスターリング、並んで5番キョウワゼノビア。その2馬身後ろには2番フロンテアクイーン。並んで6番ジュールポレール。

京介 ソウルスターリングが2コーナー狭い所を強引に突っ込んだので、フロンテアクイーンが気遣って1列下がる場面あり。

京介 クロコスミアの岩田騎手は、カワキタエンカが強気主張するのを分かっていたようで、向正面入り口で手綱をじわりと引っ張る。そしてこの時点で隊列はだいぶ縦長に。

菊池 中団より後ろに7番メイズオブオナー。11番ミスパンテール、外に10番リスグラシュー。4番ディアドラ、8番アドマイヤリードは最後方から。

京介 ディアドラとアドマイヤリードは、スタートを素直に出たのに最後尾に下げている。ミスパンテールは急いで押し上げたりはしていない。先頭の動向とは、だいぶ思惑が違う感じだね。

菊池 前半800m通過は46秒4、1000m通過が58秒2でした。大逃げの9番カワキタエンカは速いペースで飛ばして行きましたが、離れた2番手の1番クロコスミア以下は平均~やや遅い流れだったでしょうか。

京介 先頭と2番手のリードは1秒ぐらいかな。クロコスミアの位置で平均、後ろの馬群の半分より後ろ辺りはスロー。決め手のない馬同士であれば、3~4番手のソウルスターリング辺りが良いポジションだったはず。

京介 だけども、カワキタエンカは直線に向くまで一切後続との差が詰まっていないし、ペースダウンもない。しかもこのまま、直線しばらく半秒ぐらいのリードを保ったまま我慢を続ける。

菊池 各馬大きな動きはないまま直線へ。2番手以下は6番ジュールポレール、2番フロンテアクイーン、10番リスグラシューが、9番カワキタエンカに迫ってくる勢いで、その後ろ、大外に出して4番ディアドラが追い込み。

京介 縦長の隊列のまま直線に向いたし、直線も馬群が内側に寄ることなく、結構バラバラになっていたね。差し追い込み馬にとっては、非常にやりやすい馬群の形になっていた。

京介 ジュールポレールがまずカワキタエンカを捉えに行く。それを見て斜め外のフロンテアクイーンとリスグラシューが接近。ここまで、外に持ち出す強引な動きもなく、ほとんど真っすぐ足を伸ばした仕掛け。

菊池 残り100mで9番カワキタエンカは一杯になって、一気に追った3頭が上位争いに加わりますが、これらをまとめて外から差し切ったのが4番ディアドラ。2~3着も差のないところで、10番リスグラシュー、2番フロンテアクイーンの順で入線。6番ジュールポレールは僅かに遅れて4着。

京介 自分は56kgのディアドラの方が、事前予想では斤量も不利だし先に動くものと思っていた。だけどルメール騎手は序盤から下げて、直線も様子を見つつ我慢。リスグラシューのデムーロ騎手も、2kg差を生かしてディアドラを出し抜くようなタイミングで追い出していたと思う。

京介 だけどディアドラは、このリスグラシューの仕掛けを的確について行き、坂上でほんの少し外に出すぐらいの軌道修正。2kg差があるのを全く感じさせない差しきりだったね。上がりタイムも驚いたけれど、これホントに56kgだったの?と違和感を感じるようなレース運びだった。それだけ馬の力を信じていたということかな。

<結果を受けて…>

181013府中牝馬S結果

菊池 勝ち時計は1分44秒7。過去10年ではダントツで最速の時計が出ました。毎日王冠が1分44秒5だったので、こちらとも差のない水準で。

京介 自分はカワキタエンカをまあまあ狙っていたから悔しいけれども、このタイムで走破できる性能のある馬が多数いたこと、そして強気に引っ張る馬がいたからこそ出たタイムだと思う。

京介 いやしかし、超スローばかりの展開が多い府中牝馬Sも、やっぱりその気になればこのタイムが出るんだよね。しかも、上位拮抗となるほどまともに走れる馬が多数いる。本当に牡馬と牝馬の差は全くないと思っていいんじゃないかな。

菊池 では、上位馬について。

ディアドラ

菊池 8キロ増で498キロ。京都記念が500キロだったので、同水準でしたね。

京介 もともと薄手で腰がしっかりしているのが強みのタイプだけど、最近は筋肉の付き方がいいから、腿の長さを生かせるような歩きになってきたと思う。だけどパドックで見る限りは底力のある馬だし、2000m向きだと思ったけどなあ。例年の軽いタイプが出し抜く府中牝馬Sではなく、こういう馬に向くキツイ展開になったね。

菊池 パドックで、「56キロだからと軽視できないな」というのは確認できましたが、最後方からリスグラシューを差し切るとは…。

京介 いやはやホント驚きだよ。リスグラシューはレース運びを見直しても最初の出遅れぐらいで道中全くミスをしていない。底力要求のレースになったとはいえ、2kg差は本来かなり大きいはず。勝ちきるのは本当にびっくりだわ。しかも好タイム戦で。

京介 古馬になって完成に近づいたハービンジャー産駒は、ポテンシャルの高さが本当に凄い。何度も反省しているはずなのに、自分はまだまだハービンジャー産駒をバカにしていたよ…。もっと凄い性能があると考えた方がいいのかなあ。

菊池 次は香港に直行という話がありましたが、まさか天皇賞に登録してくるとは!!

京介 天皇賞(秋)は、あってもいいかもしれないね。力は十分足りるよ。誰が乗るのかな?間隔が詰まってしまうのは気がかりだけれども。

リスグラシュー

菊池 12キロ増えて460キロ。過去最高馬体重でしたね。4歳秋にして背丈も伸びて来たような印象を受けました。

京介 ここで増えて実際に性能も伸ばしているというのは、単純に素晴らしいことだよ。2歳の早い時期から稼働している馬だから、いつ燃え尽きるのかこちらは気が気でない。なのに、ピークが短いはずのハーツクライ産駒牝馬で、ここまで息の長い活躍をして、しかもまだ成長しているとはね。

京介 この体重増でも腹構えはスッキリ見せて、まだ細身に見えるし、身のこなしや連動、全体の躍動感は全く落ちていない。

菊池 出遅れ気味でしたが、手頃な頭数なのですんなり挽回できましたね。ほぼ完璧な競馬をしたと思います。今回は相手が強すぎた印象で。

京介 いやあ…あの仕掛けで「仕掛けが早かった」はありえないよ。ベストだったと思う。相手が悪すぎたということなのかなあ。

京介 ルメール騎手が2kg差あるのに、デムーロ騎手をマークして動いた…みたいな戦略は、本当なら凡ミスだと思うのに、それを力の差で覆されてしまったと。

菊池 次はエリザベス女王杯ですね。個人的には、距離延長は微妙ですけれども2走目がベストなので、今年は昨年以上の結果に期待ができると思っています。ここに来て馬体が大きくなったこともポジティブに評価したいです。

京介 そこは同感だね。

フロンテアクイーン

菊池 この馬も14キロと大幅な馬体増がありました。やや余裕はあっても、そこまで太い印象ではなかったですね。中山牝馬Sと同水準の体重でした。

京介 そうだね。腹構えをスッキリ見せていたし、トモの張りも充実していた方だと思う。メイショウサムソン産駒はみんな毛艶悪い方だから、そこは気にしなくてもいい。特に腰の支えが良かったのは褒められる。

菊池 スムーズに好位から、上がり勝負にも対応してきましたね。

京介 いやそれにしても、キチンと仕上げていい出し抜け方をしたレースで、こんなに強力な馬がズバズバと伸びて来るとは…。例年通りのスローだったら、ワンチャンス勝てても良かったかもしれないのに。

その他

菊池 4着はジュールポレールでした。標準的な56キロを背負った馬の結果が、コレっていう感じですよね。ディアドラが充実度で乗り越えたけど、並の56キロはこういう結果になりがち。

京介 その通り。他の馬を引き連れるような仕掛けになるものだし、考えられる限りの上がりの限界を使った方だと思うよ。もちろん、このレース内容は牝馬G1馬としても真っ当なレベルだと思う。

京介 だけどダンチヒ系の強い馬は、不器用さこそあるけど斤量に関して全く苦にしないなあ。体の芯が強い、というのを証明した形だね。

菊池 3番人気ソウルスターリングは10着でした。やはりメンタルが戻り切らないですかね…。

京介 蹄にちょっと難もあるけれど、集中力を維持できないというのが困った所だね。位置取り的に、クロコスミアは交わさないと…。

京介 いやそれにしても、今年は久々に牝馬の中でもレベルの高い馬が揃った府中牝馬Sだった。4歳世代が全体に強烈、ということでもあるのかな?

菊池 それは大きいですね。あとは、ノーザンF勢がサトノダイヤモンドに勝たせるために京都大賞典を避けた、というのもあったのかな?これは妄想になっちゃいますけども。

<教訓まとめ>

・1800mを1分44秒台で走破できる馬が、ぞろぞろと出てくるような高速馬場ではなかったはず。上位馬は素直に性能の高さを褒めていい。フロンテアクイーンは裏街道路線でもいいので、どこかで重賞を勝ってほしい。

・改めて、東京コースの好走履歴が多い馬は、このレースでの立ち回りが安定している。今回が東京コース初めて&1度走っているけど大敗今回が2度目、という馬が実績に比べ苦戦しがちなレース。

・今年は上位馬のレベルが高過ぎたため、準オープン上がりの馬が全く馬体でもレースでも通用しなかった。本来はここまで露骨に能力差が開くレースではないはずで、今年が特殊。相手関係をよく見たうえで、昇級馬は的確な取捨をしたい。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ジュールポレール
…斤量を含め不利な条件が多く、レース前はノーマークだったし、実際にレースでも伸び負けはしたが、とんでもない大健闘と見ていい内容。毎日王冠2~3着と同じぐらい価値のあるものなので、次走不当な評価を受けるなら注意。マイルが良さそう。

<菊池> 
・ミスパンテール
…涼しい日だったにもかかわらずパドックの時点でビッシリ汗をかいており、今回はレース前に終わっていた模様。鞍上も気のない追走に終始。これがガス抜きになれば。

~~~~

菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は菊花賞と富士Sを京介さんと展望していきます。よろしくお願いします。