金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・アルテミスS編

菊池 土曜に東京で行われたアルテミスSも回顧していきましょう。

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アルテミスステークス回顧



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<天候・馬場について>

菊池 土曜の東京は芝・ダートともに稍重で始まりましたが、お昼から良馬場に回復しました。

京介 雨かも、という予報だったけれど日が差すのが意外と早かったかな。ちょっと肌寒い風が出たりはするけど、午後は日差しが強いと感じる1日で、東京7~8Rぐらいから快晴と言っていい状況だった。思ったよりも晴れたね。いい天気だったよ。

菊池 Bコース使用の初日でしたね。

京介 だけど意外というか、ラチ沿いの蹄跡が結構目立ったなあ。もちろん最内の掘れている部分は隠れているけれど、全体に荒れるのが早かったように思う。

京介 内側が良いだろうとイメージしながら臨んでいたんだけど、本当に外差しも届くフラットな馬場だったんじゃないかと思った。そもそも金曜日の雨もほぼ影響がなかったよね。また、推定上がり最速馬が固まって好走していたように、なまくらな先行馬が位置取りの差で残せるような状況ではなかったと感じたね。ハッキリと決め手が必要な、距離適性ありきで末脚を生かせるタイプが有利だったと思う。


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<パドックについて>

菊池 15頭立てでした。全体としてはどのような印象を受けましたか。

京介 あんまり前情報を入れずにパドックに臨んだら、エールヴォアとビーチサンバが素直に感心するほど良くて、さすが関西有力厩舎だわと思ったよ。その2頭はかなり上昇気配を感じたね。レースを使って良くなった形だった。輸送負けもなかったしね。

京介 全体に関東馬は、一つ勝って落ち目に見えるタイプが多いんだけれども、実際評価しにくい形が多かったなあ。

京介 グレイシアは悪くないんだけど、なんかおかしかった。多分仕上げたことで硬さが出てしまったのでは。シェーングランツは、藤沢和雄厩舎にしてはトモも弱めで、まだ全然緊張感を見せていない形。「え、これ甘すぎない?」と思ってしまいました。ディープインパクトらしさ、バネの良さは確かに見せていたんだけど。

<レース展開について>

京介 東京芝1600mのスタートは向こう正面の中腹。ファンファーレを演奏している最中から、もうゲート入りは始まっていたね。どの馬も嫌がることなくサクサク入っていたし、残り1頭で30秒ぐらい。43秒ぐらいでのスタートで、今回も早い方だったと思う。

菊池 バラついたスタートでした。人気サイドでは3番シェーングランツ、11番ビーチサンバ、5番ミディオーサもあまり良いスタートではなかったですね。

京介 ビーチサンバは10番アフランシールが右ヨレした影響を受けた形だね。しかしまあ、すぐには挽回できず。アフランシールは相手を邪魔したあと、だらしなく最後尾に後退しているし、こりゃ随分な迷惑だな。

京介 スタートで半馬身リードしたウインゼノビアは、どうやら行く気なく控える。

菊池 隊列はすんなり決まらず、外から徐々に浮上の15番ライデンシャフトが3F目に差し掛かるあたり、向正面の坂の手前で先頭に立ちました。2番手が2番グレイシアと7番キタイ。そして1番トスアップが内から。

京介 ライデンシャフトが先頭に行ききるのも、内5頭ほどが横並びで出ていたから決して楽ではない。グレイシアが積極策に出たために他馬の目線も厳しいし、結構脚を使わされた感じだね。

菊池 上位人気では、5番ミディオーサが徐々に挽回して内の7番手あたりまで浮上。8番エールヴォアは向正面で頭を上げるようなシーンもありがなら9~10番手あたり。14番ウインゼノビアは好スタートから下げて、いつの間にかこれらと同じような位置。

京介 ウインゼノビアの機動力、決め手の低さから考えると、やはり下げ過ぎだよね。逆にミディオーサは、序盤押し上げて行き脚を宥めながらも脚はあるように見える。前半のペースがやたらに速いから、勝負になる馬はこの辺りに固まっていたと思う。

菊池 後方から徐々に進出は11番ビーチサンバ、3番シェーングランツは後方内でじっくりと構えていましたね。

京介 ビーチサンバはこれ、逆算して考えるといい所で動いたね。馬群の外を回ることになるけれども、緩急が大きく出た場面でスピードを殺さずに進んでいる。

京介 シェーングランツの武豊騎手は、馬なりに任せてゆったりしたリズム。こういう風に走らせた方がいいタイプだと感じてのものなのかな?

菊池 前半800m通過は46秒2、1000m通過が58秒7でした。3~4コーナーの区間、中盤がガッツリ緩むペースになりましたね。

京介 そうそう、前半結構きついペースで行った分、コーナーで区切って何とか息を入れる区間を確保したという逃げ。下げ過ぎたか?と感じるのはそれだけ前半に余裕を作れなかったことの裏返しでもある。だけどこのペースコントロールが後ろにバレると、帳尻にならないんだよなあ。

菊池 馬群は徐々にひとかたまりになりながら直線へ。人気の2番グレイシアは上手く進路を確保したように見えましたが、外から14番ウインゼノビアが内に切れ込みつつ伸びてくると抵抗できずに失速?

京介 ここで反応が鈍かった理由が明確には分からないけれども、少なからず序盤から速いペースを2列目で追走していたし、この馬の性能からして微妙に脚が溜まっていなかったようだね。本当に強い馬ならあの狭くされた場面で伸び返してもいいんだけど。

菊池 坂で外から脚を伸ばしてきたのが11番ビーチサンバ。なかなか先頭に立てないでいる14番ウインゼノビアを一気に交わして、坂上で先頭に立ちます。これについて行くのが5枠の2頭というようにも見えましたが、大外から3番シェーングランツが接近。

京介 ビーチサンバは4コーナー途中から馬群外を回る追い上げで、直線の伸びを見ると流れにピタリハマった仕掛けだったと思う。決して無理した形ではない。

京介 シェーングランツは残り300m坂の中腹ぐらいだとまだ4馬身ぐらい遅れていたよ。ここから坂上で一気に伸び返す。

菊池 先に抜け出した11番ビーチサンバ、これに大外から迫った3番シェーングランツがゴール前で差し切り1着。3着には8番エールヴォアが浮上。

京介 5枠の2頭、エールヴォアとアフランシールは途中まで同じ脚色だったんだけど、坂上の平坦部分になってエールヴォアの方がグイグイ惰性に乗れた。直線に入るまでの馬群の捌き方が勿体なかったな。

京介 シェーングランツは直線で置かれた感じに見えたし、実際仕掛けも遅かったと思う。展開も向いたけど、瞬発力が目一杯引き出された差し脚だったね。あの位置取り不利を覆すのは実際スゴイ。

<結果を受けて…>

181027アルテミスS結果

菊池 勝ち時計は1分33秒7。第一回の1分33秒8を上回ってレースレコードです。

京介 ペース自体も速かったし、勝負所で遅くした流れに付き合わず、後続も間髪入れずに仕掛けていた。ビーチサンバはおそらく平均的にずっと脚を使っていた形だと思うよ。例年はペースが確実に遅めで、ある程度の位置取りが必須になるレースだけど、今年は走破力と瞬発力が求められたね。そして、馬場が速いと改めてディープインパクト産駒が強いなあ。

菊池 では、上位馬について。

シェーングランツ

菊池 札幌の未勝利から6キロ減の474キロでした。印象はいかがでしたか?

京介 腹構えはフックラ。トモ周りの筋肉がまだ寂しいし、腰も甘め。後肢のバネは十分感じるけれど、そこまで実が入っていない形に見えたんだよね。「ディープインパクト産駒だからと甘えるなよ?」と正直レース前は思っていたよ。この馬の持ち味の方がガツンと生きる流れになっちゃったなあ。

菊池 武豊騎手はゆったり構えて直線勝負。大きなストライドで伸びて来ましたね。ただ一頭、上がり33秒台となる33秒8をマーク。

京介 これは素晴らしい調整力、時計察知性能だと言わざるを得ない。サンデーサイレンスの仔、孫まで超有力馬をさんざん乗りこなしてきた武豊騎手だからこそ、の末脚だったと思うよ。

菊池 次は厩舎で調整して阪神JFとのことです。

京介 札幌未勝利勝ちからこの中間、藤沢和雄厩舎でずっと調整してこの結果だからね。一抹の不安は感じるけれども、厩舎に置いて結果を出したのなら…というところかな。放牧に出る暇があれば出てほしいんだけどなあ~。

菊池 あれ?この馬の勝利により、ますますグランアレグリアは朝日杯FSに向かう可能性が上がったのかな!?

ビーチサンバ

菊池 新馬勝ち後の2戦目でしたが、何やら馬体評価の高い1頭のようですね。

京介 いやーちょっと想像以上だったな。飛節の折りが深くて腰が歪む馬だと思っていたけど、目の前で見たら関節がキレるし、肌艶も背中のラインもいいし…。でもおそらく新馬戦の馬体からグンと良くなって出てきたんだと思うんだよ。

菊池 勝ちに動いた分の2着という印象。藤岡康太騎手は悪い競馬をしていないと思います。

京介 非常に良い判断で動いたと思うよ。相手が悪かったというか、あんな水準で切れ味を発揮するような馬&騎手がいたのか、ということでしょ。どう見たってシェーングランツの異様さが際立つ直線だもの。

菊池 レースセンスの良いタイプといったところでしょうか?スタートが安定するといいですね。

京介 フサイチエアデールの仔だからフサイチリシャールのように、平均的に脚を使わせて良いタイプだと思う。それにクロフネとはニックスっぽいし、まだ伸びしろもあるでしょう。出来れば早いうちになにかタイトルが欲しいね。

エールヴォア

菊池 500キロの大きな牝馬ですね。マイルは短い?というイメージの馬でしょうか。

京介 確かに明らかに背丈があるタイプだし、直線の反応を見ると距離は欲しいタイプかな。でも腹構えがしっかりしていたし、見映えはかなり良いと感じる。緊張感がパドックでも十分映えるというか、みなぎっている、気配上々の歩き方をするんだよね。

菊池 ジワジワと伸びて来ていましたが、スパっとキレるタイプではないみたいですね。

京介 もちろん長く良い脚を使うタイプだから、ビーチサンバと同じ場面で仕掛けたかったのは確か。でも前半馬群の内に入れて嫌がっていたし、浜中騎手とあまり手が合っていないように見えるなあ。相手強化のレースで判断の悪さを見せるから、浜中騎手は評価が上がらないんだよね…。

その他

菊池 4着はウインゼノビア。追い越されていくタイプでしょうか。

京介 ずっとソエが目立つし、腹ボテでまだ背中がしっかりしていない。現状この形で相手を上手く選んで2勝できただけでも陣営は偉いよ。だからこそ、3歳になってもっと伸びてくる可能性がありそうだから期待したい。

菊池 1番人気のグレイシアは11着と大敗しました。初めての揉まれる競馬で馬が嫌気を出してしまったということですかね?

京介 これは判断に悩むなあ。ありていに言えば、アスター賞から性能を伸ばせていないから、ちょっと厳しい展開になった時に抵抗なくコケたということなんだよね。自分は栗田徹厩舎の馬づくりに原因があるんじゃないか、と思っているんだよね。

京介 今回は天栄F帰りではあるんだけど、背中と腰はしっかり緊張しつつ、四肢に硬さが出ていた。今回ぐらいまでは我慢するかな?と思っていたけれど、その緊張感がスピードに転化し、レースでの前向きさに表れたことで裏目になってしまったね。

京介 栗田徹厩舎はこれまで重賞オープンどころか、準オープンですら勝ち上がったことがない下級条件専門厩舎。今回がその殻を破る勝負気配だったことはビシバシに感じたんだけど、今回も実らなかったということ。こういう上のクラスで勝てない厩舎の仕上げは、時代遅れというか、「やっちゃいけないこと」「方向性違い」をやらかしがちなんだよね。自分は今回の負けは、栗田徹厩舎がイジったせいだと思っているよ。

<教訓まとめ>

・NF天栄やNFしがらき帰りでなくても、厩舎に置いての調整でも、ディープインパクト産駒を東京マイル戦で外すのは難しい。今回は武豊騎手がシェーングランツの真の力を引き出したと言って差し支えない内容だった。

・とは言え、関西の上位厩舎がわざわざ東京遠征の不利を承知で出走してくるからには、結果を求める十分な勝負気配あってこそ。重賞勝ち馬は、重賞勝ちを成している厩舎から、というのを痛感する結果だった。

・前走ルメール騎手が騎乗して勝った馬同士のワンツー。改めて、新馬や未勝利の要所で外国人騎手に回る馬は、素質を見込まれているものと見なして良さそう。



<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・エールヴォア
…どう見ても前半はガチャついているし、直線での仕掛けもモサッとしていて、鞍上が反応の悪さに手を焼いているような動きだった。本来なら1800m以上に距離を延ばして…となるが、むしろ阪神の外回りなら距離不問で期待したい内容だった。もちろん3歳以降に、中距離の番組に出た時に大いに期待したいタイプだが。

<菊池> 
・ビーチサンバ
…母の14番目の仔だが、関西に入厩した馬はかなり打率がよく、金子真人HDは初の所有。運動神経が良くレースセンスが良いので、先々も期待したい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はJBC競走があるので、日曜重賞を優先してJBCクラシックとアルゼンチン共和国杯を京介さんと、JBCスプリントとレディスクラシックはオクノさんと展望していきます。(都合により4重賞が作業量の限界なので、土曜の2歳重賞は割愛します。)よろしくお願いします。