金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・アルゼンチン共和国杯編

菊池 日曜に東京で行われたアルゼンチン共和国杯も回顧していきましょう。

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アルゼンチン共和国杯回顧



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<天候・馬場について>

菊池 東京競馬場は土日を通して良馬場でしたね。

京介 日曜日は朝から曇り空で、2Rぐらいからぽつぽつと弱い雨が…。でも、幸いにも本降りには至らず。止んだのは6~7Rぐらいかな、馬場を軽く湿らせる程度の霧雨で済んで、その後はメインまで曇り。結構肌寒い1日だったけど、馬場にはほぼ影響なかったか、一瞬渋ったにしても1時間そこらで乾いた程度でしょう。

菊池 Bコース使用の2週目、内は見た目に少し荒れていても適度に踏み固まっている状態で、概ねフラットということでいいでしょうか。

京介 そうだね。スローペース症候群になっていたこともあるけど、前残りの競馬がかなり頻発していたし、内を通ったから消耗した…という馬はいなかったんじゃないかな。馬場の大外を回って伸びた馬も、ちゃんと瞬発力や決め手のあるタイプばかり。全然外有利に寄ってくれなかったし、展開待ちのタイプはまず無理だったと思う。

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<パドックについて>

菊池 12頭立てでした。頭数は寂しかったですが、8頭が単勝オッズ20倍未満で10倍未満が5頭。

京介 完全に人気は京都の3連発G1に奪われていたけれど、地味にこのレースも出来の良い馬は多かったよ。

京介 六社S組が人気の中心ではあったけど、目黒記念1、2着馬ももちろん良い形だったし、アルバートも狙いが次とは言えキッチリ整っていた。それに比べると、ガンコはまだ本調子に足りない分、劣っていたか…というぐらい。印を打たなかったところでは、ホウオウドリームの気配の良さが目についたね。

京介 今日の開催を終えた後でパドック映像を改めて見直しても、いい気配の馬が大半だったように思う。レースは「もう一回やりなおせよ!」と言いたくなる酷い内容だったとはいえ。

<レース展開について>

京介 東京芝2500mのゲートは、直線の上り坂の目の前。2400mとは違って坂下にゲートが切られている。映像を見るとちょっとモヤがかっていたのか、全体に白けていた映像だけれども、雨は降っていなかったよ。

京介 スタンドは人がまばらというわけでは決してないんだけど、案外静かだったね。ファンファーレが鳴っている最中から最初に8番ルックトゥワイスが入っていた。馬装整備があって最後に馬場に出てきた馬にこの措置は、ちょっと問題があって先に入れたのかな?ゲート内でも相当うるさそうにしている様子。

京介 その他の馬は特に全く問題はなかった。頭数も少ないし慎重に入れていたけれど、ルックトゥワイスが入ってからはちょうど1分ほど、ゲート入り2頭目から数えると32秒ほど。

菊池 先は長いのでみんなそんなには慌てませんが、バラついたスタートでしたね。

京介 12頭のうち半数が出遅れているようじゃ、とぼけた空気だったなと感じるね。4番ガンコは今回も出遅れか。やはりいい状態ではなさそう。

京介 8番ルックトゥワイスは、先ほども触れた対策をしていたにもかかわらず、前走と同じく出遅れ。前走のは一過性のものだと思って評価したけれど、連続して出遅れるようになった。何か気性面の悪い所が、急に表に出ているのかも。

菊池 まずは勢いよく出した10番ウインテンダネスがじわっと前へ。2番ノーブルマーズと出方を探り合いつつ、1コーナー手前から先頭に立ちました。外から12番ヴォージュが2番手、内に2番ノーブルマーズが並んで2コーナーへ。

京介 ここらあたりは事前に予測がついた形。ガンコやルックトゥワイスは出遅れで全然絡めなかったけれど。

菊池 その後の列に1番エンジニアと5番マコトガラハット。その後ろ、中団に6番パフォーマプロミス、4番ガンコ、7番ムイトオブリガードなどが続いて、8番ルックトゥワイスは後方から3番手、後方2番手に9番アルバート。

京介 全体にすぐ隊列が縦に伸びやすいレース。馬場の内目は結構荒れているんだけど、ラチ沿いを避けて走るような馬はいなかったね。

菊池 3ハロン目から流れが落ち着いて、中盤は全くペースの上がらない超スローの流れになりましたね。全くと言って良いほど道中の攻防はなし。

京介 みな内を通らないとちょっと辛いと思ってはいたはずだけど、自分の馬の能力に自信が持てないのか、向正面でも3コーナーを過ぎても、全く動く様子なく。先頭はしめしめと思っていたはずだけども。

菊池 3~4コーナーでも動きはなく、むしろ先団の各馬は手綱を引っ張りきり。馬群は徐々にひとかたまりになりながら直線へ。

京介 そう。ここまで道中の攻防らしきものもなく、露骨に何か悪癖を見せたわけではない、見所の全くないレース展開だったね。ただし、最後尾の馬も先頭から1秒以内には収めてきていた。とは言え、隊列を押し上げられないまま4コーナーに差し掛かってしまっては、前の組だって止まるわけない。

菊池 例年スタミナ勝負になりやすいアルゼンチン共和国杯の面影はなく、上がり勝負。逃げた10番ウインテンダネスは坂上あたりまで先頭をキープしていましたが、後半3ハロンでビッシリ11秒前半の上がり勝負となるとキレ負けして当然ですね。

京介 これはいかにも直線まで待ち過ぎたものだと思うなあ。直線入口で2馬身リードはできたけれど、大トビ過ぎるタイプ。直線坂で左手前に替えてから、加速力の差で競り負けてしまう。

京介 他の差し馬は大半が横一線となった。直線坂下で壁を捌く必要がない位置を確保し、切り替えの必要なくビッシリ追い出せた馬が、じわじわと伸びてくる。

菊池 レース上がり33秒3という究極の上がり勝負になって、外から脚を伸ばした6番パフォーマプロミスが差し切り。2着に7番ムイトオブリガードが浮上。3着は4番手追走の5番マコトガラハットが流れ込みました。

京介 ここは明らかにスタミナではなく、バネの差だったね。後肢の回転が速いパフォーマプロミスに、オドノヒュー騎手に必死の叱咤。目黒記念の時とは違い、丁度いいタイミングで伸びきって、ムイトオブリガードを上手く退けられた。マコトガラハッドは51kgが効いたね。

<結果を受けて…>

181104アルゼンチン共和国杯

菊池 勝ち時計は2分33秒7。昨年より3秒7も遅いタイムでした。

京介 頭数が少なかった…前のプレッシャーがなかった…というのもあるけれど、逃げたウインテンダネスは京都大賞典の焼き直し、超スロー逃げのキレ負けをここでもやらかした。確かにノーブルマーズは、このレース展開では底力を発揮できないけれども。

京介 松岡騎手は今回のメンバーを見渡して、真後ろにいるノーブルマーズが力を出せない展開に持ち込むことに意識を割き過ぎた…というのがあるのかな?有力馬4頭を分析したうえで、この逃げに持ち込んだようには思えない。

京介 このレース展開のハンデ戦では、クラスの格なんて実際の所関係なし。いやしかし、こんなへんてこなペースでの決着で、ここまでガチガチに収まったのは結構驚きだった。マコトガラハッドが2着だったらちょっとは分かるけど…。

菊池 では、上位馬について。

パフォーマプロミス

菊池 京都大賞典を当週に回避して、ここへ挑んで来ました。宝塚記念と比べて6キロ増でしたが、仕上がりはどうでしたか?

京介 もともと腰がバッチリ決まっていて、歩様が窮屈なのはいつも。そのうえで、レースごとに張りが落ちたり良くなったりと変化がある馬だけれど、今日は良い方だったと思う。まあ、同じ厩舎のルックトゥワイスの方が自分は良く見えたけどね。このレース展開だと、細かく脚を使える強みが生きたと感じた。

菊池 オドノヒュー騎手は今回の来日から2週目で重賞初制覇を達成しました。

京介 オドノヒュー騎手は今週がラスト、たった2週間の短期免許だったんだってね。それは知っていたんだけど、今週の騎乗がとにかくおかしくて…。下級条件レースの半分は必要以上に控えていたし…。何だろうな、馬場でも調べていたんだろうか。

京介 だけどこのレースはメイチで乗っていたし、直線の捌きも外すぎず内も避けて壁もなし。見事な進路取りだった。その上で速いリズムの追い方で、馬と噛み合う騎乗はしていたね。

菊池 上がり勝負になってキレましたね。今後はどう歩か微妙なところですが、ステイゴールド産駒ということで有馬記念だと穴人気しそうですね。

京介 今回は隊列に対して素直な競馬だったけれど、ちょっとしたスタミナ勝負になると目黒記念のように脚が続かなくなる。硬い捌きのタイプだからね。なのでなるべく内枠が欲しいし、似たようなスローになって欲しい方。

ムイトオブリガード

菊池 前走から+2キロ、状態は引き続き良かったですかね。

京介 阪神大賞典に格上挑戦したころは、まだ肉付きが中途半端で背落ちしているように見えたけど、ここ最近は胴回りがガッチリしてきて伸びやかさも十分、重賞レベルに入れても見劣りはしなかった。陣営が早くから強い馬に当てるレベルの評価をしていた通り、軌道に乗ってから完全に本格化した気配だね。

菊池 勝ち馬を見ながらのレース運びでした。このキレ負けについては悲観する内容ではないですね。

京介 その通りだね。ポジション考えれば、いつもの四位騎手の乗り方通り過剰に後ろ過ぎ。レース展開を制するつもりなしの仕掛けだった。これで外を回って確り伸びてきたし、見ての通りバネは素晴らしいものがある。

菊池 仮に次走がステイヤーズSだったとして、人気になりそうですが適性はどうですか?

京介 ステイヤーズSというタイプかなあ?自分は有馬記念狙いでいいと思うけれど…。ちょっとこの年末年始はいい番組がなくて、京都外2400mの日経新春杯を獲りに行く方向でいいんじゃないかな。

マコトガラハット

菊池 4キロ増で490キロでした。パドックの比較ではどのような印象でしたか?

京介 この馬はどうしても皮膚感が悪くて、腹目がずんぐりして見える幅のある鈍足タイプ。一応、ここ2走は巨漢腹ボテといよりまとまった腹ボテ、ぐらいにはなってきていたから、いい変化ではあった。だけど横並びで上に見えるほどではなかったよ。51kgをもっといい条件だと評価できていれば、点数は回せたけど。

菊池 六社Sの1・2着馬が人気になっていましたが、3着だったこの馬はさすがに人気がありませんでした。しかし、マコトガラハットなのか~という面白さ。

京介 ある程度動ける、好調にある馬が51kgというのが生きたレース展開だったね。現段階では指数がかなり下だったから、ガチンコスタミナ勝負でも足りなかったと思う。いやあ、そっちかあ…という印象。

京介 過去20年ぐらい遡ってみても、ここまで斤量の軽い馬が通用したのは、超スタミナ勝負ではなくむしろ凡戦や超低レベルだった年。

その他

菊池 4着はウインテンダネス。なんでこんなスローの逃げだったのか…。もう少し揺さぶって欲しかったですね。

京介 菱田裕二騎手が前走でダメだと示したから、騎手を替えて臨んだはず。だけど、杉山厩舎がJBCクラシックのJBCクラシックにかかりっきりだったためか?陣営の意図が全く松岡騎手に伝わっていなかったね。しかも松岡騎手からは、逃げたくなかったという弁。

京介 まあ、今回のJBCでごっそり関東の騎手がいなくなって、こちらに残っている関東騎手なんて、現状こんなものだということではあるね。工夫がないというよりは、スタミナ競馬に持ち込むのを怖がる。逃げて強気の勝負で仕掛けるのを恐れる。すべては、ペース音痴がバレてしまうから。

京介 ひょっとしたら、厳しい流れで逃げて2着で差された時の方が、今回の生ぬるい逃げで4着した時よりも、批判の声が大きい世間のムードも影響しているのかも。

菊池 ガンコは見せ場なく6着。状態がイマイチですか?

京介 これはイマイチだったと思うよ。勝負所から縦長の真ん中にいたままだし、先に動いて…という仕掛けもできなかった。三浦皇成騎手は超スローがわかっていた様子だけど、直線で壁の後ろにいたままでは、この馬は活きない。

菊池 ルックトゥワイスは8着。10着アルバートにしても、このペースではどうにもならなかったですね。

京介 アルバートは仕方ない。まあ高齢だし。だけどルックトゥワイスは、パドックの威勢はいいのに、地下馬道を通ってから別馬になっちゃうのかな。気の悪さがだいぶ出ているようだね。馬場に出るのも遅く、ゲートも早めに入れてガチャガチャ、しかも出遅れる。スランプに差し掛かるかも知れないよ。

<教訓まとめ>

・日曜日の東京は、決して断然前有利の馬場ではないのに、超スローペースの逃げ残りがかなり発生した。上位ランクの騎手がごっそり京都に行ったので、誰もペースをまともに読めなかったための前残り状況。アルゼンチン共和国杯のレース単体で見ても、今年はJBCの同日という特殊な状況があったため、売り上げも例年より低く、オッズ的な攻略も難しく、騎手の配置も怪しかった。

・今年に関しては、「まともな状況ではない=例年とは流れが変わる年」と予測すべきだった。レジまぐのレース展望では超スロー瞬発力勝負だと読めていたが、マコトガラハッドが有利になる水準だとは思っていなかった。もっと思い切った方向に舵を切っても良かったと思う。

・休み明けの反応イマイチな藤原英昭厩舎だが、今回はJBCの裏開催に2頭出し。NFしがらき帰りの馬にオドノヒュー騎手、勝負気配は高かったと読むべきだったか。

・モレイラ騎手がこの週だけ短期免許を空けていたように、例年はG1開催もなく外国人騎手は来週から、という谷間の週。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ノーブルマーズ
…腹構えがどっしりした筋肉質のタイプ。広いコース、カーブの大きいコースのスタミナ勝負が理想。東京開催でないとおいしくはないが、次走叩いて流れが一変した時は注目。

<菊池> 
・エンジニア
…折り合いに苦労した分で伸びきれず。オープンでもやれるので距離短縮での巻き返しに期待。ディセンバーS→中山金杯 のルートか。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はエリザベス女王杯と武蔵野Sを京介さんと、デイリー杯2歳Sと福島記念はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。