金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・JBCクラシック編

菊池 日曜の京都ではJBCクラシックが行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

JBCレディスクラシックはアンジュデジール(6番人気1着)を穴馬に推奨!
181104レディスクラシック穴推奨

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JBCクラシック回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/204705

<当日の馬場状態について>

菊池 雨は土日ともに降りませんでしたね。乾いたダートとして振り返っていいですね。気温もほどよく競馬日和だったようで何よりです。

京介 天気はかなり良かったようだね。時間帯としては、ちょっと西日が強くなってきたあたり。さすがに最近は寒くなってきたし、場内に熱気がこもるといっても軽装で出るほどではなかったようだけど、陽気が強い天候だったようで。

京介 ダートはちょっと深いように感じたけど、それよりも砂煙がもうもうと舞い上がるぐらいに、パサパサに乾いていたことが大事。いつもメチャメチャ軽い京都ダートにしては、やや軽いぐらいかな?で収まる水準。先行差しイーブン、言うほど前有利の偏りもなかったぐらいか。
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<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭が埋まりましたが、今年はJRA開催の特別ルールということで地方馬は僅か3頭でした。

京介 いやー、さすがにねえ。地方馬も目一杯いい仕上げで臨んでいたんだけど、馬力の差、緊張感の差、バネの差は目立つところだった。本来、JBCはこれぐらい力の差がある馬が半数以上を占めているわけだ。今年は例年に比べて中央勢が分厚いJBCだったということを、データーを見直す時に注意したい。

京介 それと普段の交流重賞高額レースは、主に関東圏の競馬場で行われている。今回は京都競馬場で行われるから、ぼんやりと「関西馬有利かな?」とは予想していたんだけど、実際に関東馬はちょっとおかしい気配があったなあ。若干痩せ気味というか…。張り艶の良さと腰つきの効きは、明らかに関西馬の方が良かった印象だね。

京介 サウンドトゥルーもセンチュリオンも、輸送なんて問題にしていない年齢のはずだけど、ガチ目にビッシリ仕上げて目についた水準の馬は、関西馬ばかりだった。

菊池 上位人気の3頭が三つ巴の様相でした。

京介 文句なしにその3頭はみな良かったからね。ケイティブレイブは腰の支えバッチリ決まっていたし、オメガパフュームは全く見劣りなく緊張感十分。

京介 だけどちょっと気になったのが、サンライズソアがずっとパドックの真ん中、芝生でばかり回っていたこと。あれ?パドック最後尾に回されたりとかは過去にあったけど、そんな馬だったっけ?G1パドックを気にしてしまうタイプだったのかな?ホライゾネットをゲート裏まで装着していたそうで。

<レース展開について>

京介 JBCクラシックは、レディスとは違ってダート1900m。ゲートの位置は直線の4コーナー寄り。芝を挟んでいるとは言え、当日の大歓声は凄かっただろうね。

京介 ファンファーレが鳴り終わって輪乗りをしばらく続けてから、まず13番オールブラッシュがゲート入り。なぜかしばらく間を置いて、20秒後にサウンドトゥルーが続く。次に奇数枠が入り、偶数の馬はモタつくことなく続々収まる。最初のオールブラッシュが入ってからゲートが開いたのは66秒後、といったところ。

菊池 4番サンライズソアがゲート内でうるさかったですが、無事に出ましたね。概ね出るべき馬は出ていました。

京介 13番オールブラッシュは、先に入れて宥めた甲斐なくちょっと遅れ。14番オメガパフュームは元からゲートのいい馬じゃないけど、ちょっと遅れる。9番ノンコノユメはいつものこと。

菊池 まずは先行争い、外から15番テーオーエナジーが逃げたい構えを見せ、内では3番シュテルングランツ(的場文男御大)も主張はしますが、4番サンライズソアのスピードが勝っており馬なりでハナを切りました。出脚がイマイチだった10番テイエムジンソクも1コーナーでは外3番手まで浮上。

京介 テーオーエナジーは本気でハナを取りに行ったような行き脚にも見えたけど、サンライズソア睨まれたらさすがに行ききれないか。相手が内枠だし。

京介 テイエムジンソクは、確かに良いスタートとは言えなかったし、その後も馬なり。今回は主張をする気はなかったようで。

菊池 2コーナーまでに隊列はおおよそ先の4頭の並びで決まり、6番マイネルバサラ、13番オールブラッシュまで先団は6頭。その後に1番センチュリオンが続いて、2馬身離れたところに8番ケイティブレイブがいました。その後ろ、10番手あたりの外に14番オメガパフューム。

京介 ケイティブレイブは、序盤前付けしてもいいポジションにいながら、周りの動きを見つつ少し抑えたという形。無理をさせていないし力んでもいない良い形。

京介 オメガパフュームは、これ完全にケイティブレイブマークでしょう。馬群内に入れるつもりが全くないし、外を回るのは覚悟、という感じかな。

菊池 後方に7番サウンドトゥルー、12番アポロケンタッキーも序盤からあまり気の入らない追走で後方でしたね。9番ノンコノユメは、さらに3馬身ほど離れた最後方。

京介 アポロケンタッキーは、まんまと出遅れてしまったから…。それにホントは最初からビッシリ追っ付けないと前付けしに動かないズブいタイプだし、周りを見ていたら後ろに勝手に下がってしまう。

京介 ノンコノユメは、まあこれは仕方ない。展開が崩れるのを待ってのポツン最後尾追走。

菊池 カメラが中団~後方を映していた向正面の半ばあたりで、ペースが落ち着いた4ハロン目あたりから10番テイエムジンソクは抑えが利かずに外から4番サンライズソアに並び、一旦は前に出ていましたね。

京介 テイエムジンソクが最近見せてる妙な掛かり癖だね。ここは向正面の大きな上り坂なんだけど…。でも、終いの競り合いで弱いテイエムジンソクからすると、ここで仕掛けるのはまあまあ正解なのかな。馬の事情を加味しつつ考えたら。ここまで慎重に入って持たせたし、勝負所のチョイ前で仕掛けるのはいいでしょうと。

菊池 前半の1100m通過が66秒8と出ました。まずまず流れている方と見ていいでしょうか。

京介 全体に隊列は縦長、しかも中盤でテイエムジンソクが明らかに先頭をつついた動きをして、ラップも上がっている。なかなか息を抜く間がない、という流れだね。有利なのは先行集団からちょっと置いて追走している差し馬。

菊池 3コーナーの入り口では10番テイエムジンソクが先頭をうかがいます。4番サンライズソアはこれに抵抗しなければならず、後にルメール騎手もその分で終いにバテたというコメントをしていましたね。 4コーナー前にもう一度ハナを奪い返して4番サンライズソアが先頭、10番テイエムジンソクは後退。4コーナーでは15番テーオーエナジーの方が、2番手からサンライズソアに並びかけました。その直後まで8番ケイティブレイブが浮上。

京介 体力的にはまだ大丈夫であっても、坂の頂点の上り下りを走るリズムが、これで乱される効果は明らかにあったと思う。

京介 先団から離れたちょうど良い位置で追走していたのは、実は幸騎手のセンチュリオンなんだけど、この馬と併走して押し上げてきたケイティブレイブの方が、脚色は優勢だったね。オメガパフュームは、ケイティブレイブの外で完全マークなんだけれども…。

菊池 直線、4番サンライズソアが後続を振り切りに掛かりますが、これにジワジワ迫った8番ケイティブレイブが残り100mあたりで差し切り。その後ろから14番オメガパフュームが猛追。

京介 1900mで強い逃げ馬が結構いいペースで行ってるから、まだ先頭と後方の追い込み馬とはだいぶ差があった。だけどこれが見る見るうちに詰まり、直線の半ばでアッサリ変わる。サンライズソアはかなり耐えた方だけれども、やっぱり疲れ気味の脚だったね。

菊池 ゴール前では3/4馬身差まで14番オメガパフュームも詰め寄りましたが、8番ケイティブレイブが貫禄で押し切り勝ち。3着には逃げ粘った4番サンライズソア。大外から追い込んだ9番ノンコノユメは4着まででした。

京介 オメガパフュームは、ちょっと外を回るロス分が、ずっと積み重なった分の差かなあ。ノンコノユメはこの展開でサンライズソアを差し切れないなら、距離適性の差としか言いようがない。相当いい伸びだったけれども、追走性能が悪い馬だからね。

<結果を受けて…>

181104JBCクラシック結果

菊池 勝ち時計は1分56秒7。平安Sでは良馬場でも1分55秒台が何度も出ているので、思ったより時計は落ち着いていました。上がりの掛かる馬場状態だったことが主に影響していると見るべきですか?

京介 そこは間違いないね。標準良馬場ぐらいの京都ダートだと思うんだけど、「どこかで加減しないと持たない」という心理は働いたと思う。なかなか楽に行かせてくれなかったことで、3コーナー前後の上り下りでスピードアップさせるのをためらわれた、という流れがあったのでは。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ケイティブレイブ

菊池 10キロ増で518キロでした。過去最高体重でしたね。

京介 目野厩舎所属時のラストフェブラリーSに出走した時は、516kgだったから、この体重に乗せたから偉いということはなくて誤差程度のもの。だけど、杉山晴紀厩舎に移って、腰周りがだいぶしっかりしたんじゃないかと感じる。以前はもともと腹ボテ体型だったとはいえ、お腹ばかり突き出て背落ちに見えたし、バランスもそこまで良くはなかった。

菊池 先団の後ろで構えて差す競馬。福永騎手は自信を持って王者の乗り方でしたね。個人的にはこの馬の能力が上だと思っていたので、むしろ3番人気だったことに違和感がありました。

京介 そこは、中央ダートでほぼほぼ結果が出ておらず、「中央ダートに戻ればどうせダメなんでしょ?」と思われたことが、心理的に影響したとは思うよ。だけど今回は、そのジンクスに打ち勝って、テイエムジンソクをも全く寄せ付けない完勝だったね。

菊池 次はチャンピオンズCでゴールドドリームと再戦。そして、ルヴァンスレーヴと初対決です。

京介 うーんでもどうかなー。今では3歳の方が強いかな。1か月あると追い付かれそうだし。

オメガパフューム

菊池 4キロ増えて454キロ。ダート馬にしては大きくないので、僅かでも馬体増は良かったですね。

京介 適度に使い続けて馬体が増えるというのは、この時期の3歳馬にとってはかなり良いこと。馬体の緊張感も上々、キレも感じる動きだった。

菊池 和田騎手はケイティブレイブを見ながら進めましたが、3~4コーナーでの加速で置かれていたのが最後の差に響きましたね。ラストは良い脚を使っていますが、急なペースアップには対応しきれていないということでしょうか。

京介 サンライズソアを交わすぐらいはイメージして乗っていたけれど、和田騎手にとってはケイティブレイブがあんなに伸びると思っていなかった感じかな。この大一番で外へ逃げながら走ってしまう、修正し切れていない悪さが出る辺りも、3歳馬の若さだと感じた。これぐらい事前に察しておけよ、と感じるけれど…。

菊池 しかし、この2着は大きな価値があると思います。チャンピオンズCに向けて、良い経験になったのではないでしょうか。

京介 このレースがまだ成長途上のもので、次走反動がないということならば、かなり良いステップになったと思うね。ルヴァンスレーヴよりもいい経験をしたと思うんだけどなあ。陣営も次走は外膨れの癖を治しておいてほしい。

サンライズソア

菊池 4キロ増えて514キロでした。仕上がりはどう映りましたか?

京介 上でも触れたけど、あの芝生周回。あれはだいぶ気になった。体つき自体は、適度に窮屈に、しっかり緊張して歩けていたし、この馬なりに力はこもっていたよ。でもまあ、G1級の馬?となるとうーん。

菊池 先手はスムーズでしたが、テイエムジンソクに絡まれたのが不運でしたね。G1で1番人気の逃げ馬なので仕方ないですが。

京介 そこだよね。中央のダートG1は、どうしてもスンナリ運ばせてくれないものだし、必ずチャチャは入るよ。道中どこかで先頭に立ちさえすれば、ワンチャンスあり得る気性のタイプがいつも数頭揃っているわけだから。

菊池 チャンピオンズCでは少し人気が落ちそうですよね。次は出走するとすれば乗り替わりになるのがどうか。

京介 でもチャンピオンズCは1800mでしょ?スタートがいいとはいえ、同型が被りにくいから、1900~2100m路線を使ってきた馬。意外と出走メンバーを見比べると、今回よりさらに同型が多かったりして。

その他

菊池 4着はノンコノユメ。道中は置かれ気味でしたが、終いの伸びは改めての復調を感じられました。

京介 やっぱり中央の締まったペース、そして長い直線の方がいいタイプだね。あと一押し、というかもっと激しい前崩れの流れなら、前の馬を軒並み食うまではあったと思う。直前のパドック情報で、後肢にエクイロックスがあったのは気がかりだけど…。

菊池 サウンドトゥルーが5着。この馬なりによく走っていますよね。まだまだ相手関係次第で侮れない。

京介 ただ、馬体はもうそんなに変わってこない印象だね。エンジンが掛かるのも直線に向いてから。果たして、チャンピオンズカップでそう上手くいくかどうか…。

菊池 4番人気アポロケンタッキーは13着大敗。徹頭徹尾、良いところがなかったですね。

京介 どうやら中央向きではないのかも。やはりというか、570kgにもなる馬体で、馬格や骨量があり過ぎる。スピードを上手く乗せられない、加速しないというのが本当のところでしょう。

菊池 10番テイエムジンソクの復活は望み薄でしょうか?とにかく抑えが利かなくなっている上に、苦しくなると競馬を投げてしまうのかな…。

京介 確かに、ちょっと苦しくなって踏ん張れない、ぐらいならわかるけど、最後完全に止まってしまうのがねえ。フェブラリーSで速い流れを追いかけてバテたのが、スランプの始まりになっている。控えてダメ、逃げても淡泊、じゃあどうしろと。古川吉洋騎手も相当悩んでいそうだね。

<教訓まとめ>

・何だかんだ、厳しい流れに巻き込まれてもサンライズソアは粘ったし、配当もガチガチの決着で収まった。バテ合いになるスタミナ勝負になると、おおよそ好走できる馬は限られるし、今シーズン絶好調がそのまま通りやすい。

・サウンドトゥルー8歳がまだ足りているように見えるが、この付近の世代があまりにも強力で、ダート路線をしばらく総なめしていた。実際、適切に使えばまだ賞金を咥えて帰ってくる。そのためにダート路線のトップクラスが空洞化していて、ようやく力が衰え始めたということ。そこを埋めるように、今3歳世代が勢いを駆って席巻しているという側面もある。

・この日のダートG1全てで当日1番人気の馬がキッチリ役目を果たし、馬券圏内に好走していた。ダートのトップクラスは、近走内容比較の序列通り決着することが多いし、大きく凡走したりしないのも教訓。穴馬狙いで無暗に手を広げる部門ではない、堅い配当前提で考えることが大事。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・クリソライト
…長期休養明けだとは信じられないぐらい、パドックの気配が良かった。パドックの外を勢いよくキビキビ歩き、ゲートに向かうまで気合満点。ただ、レースは安全に回ってだいぶ距離ロスもしていたし、激しいレース展開に面食らっていた様子。もっと長い距離向きではあるし、叩けば変わるのでは。

<菊池>
・サウンドトゥルー
…船橋に移籍して地方馬として東京大賞典を目指すことが発表されました。まだ馬券圏内の争いに加わるだけの力はあるはずで、得意の大井では今年も注意。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週はエリザベス女王杯と武蔵野Sを京介さんと、デイリー杯2歳Sと福島記念はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。