金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・ステイヤーズS編

菊池 土曜に中山で行われたステイヤーズSも回顧していきましょう。

京阪杯はナインテイルズ(12番人気2着)を穴馬に推奨!

181125京阪杯穴推奨

ステイヤーズステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/209043

<天候・馬場について>

菊池 このところ雨がないので中山も芝・ダートともに良馬場で開催が始まりました。

京介 日差しはあるけど適度に冷たい風が吹き込んでちょっと肌寒く、カラッと晴れていて大分乾燥していた。端的に良いお天気だったね。だけども、メインレース頃になると、パドックはだいぶ西日が強くなるなと感じたよ。光線が目に痛い。

菊池 中山芝はフラットな状態で始まったと見て良いでしょうか。

京介 芝はかなり良いと思っていいよ。逃げ差し共にフラット、初日から外を回る追い込みが届いていた。時計はまあまあ速いのに、インベタピッタリ回っても上手く伸びない印象はあったね。

京介 とにかく今週は、地力ある馬が相当安定していたね。人気の1・2番人気がかなり強かった。特定の体型が強いとかはなく、いい仕上がりの馬がちゃんと伸びていて、体力で劣る馬が直線に至る前に売り切れていた競馬ばかりだった。


ブログランキング
↑他の競馬ブログもチェック!(ブログランキング)↑







<パドックについて>

菊池 朝起きてみんなビックリ、四連覇の懸かったアルバートが出走取消でした。

京介 やっぱりこの日の朝だよね?深夜まで起きていてそんな情報、チラッと感じ取ることすらできなかったもの。いや競馬場に到着して初めて聞いて、本当にびっくりした。単勝オッズも激変しているし、予想は一からやり直しだよ。

菊池 結果、13頭立てのパドックでしたが、どのような印象でしたか?

京介 アルバートのあのガッチリした体つきを真横に置いて比較したわけではないけれど、やっぱり腰が甘かったり、かなり非力だったり、要所が弱くてパンとしていない馬だらけだったね。

京介 いいステイヤーが何頭もいたパドックでは決してない。さすがに今回は、今年の関東の重賞で一番レベルの低いパドックだったのでは…とちょっと思ったよ。自分はリッジマンは、ベストでいい仕上げができたとは思っていない。他のメンバーがそれなりの準備をまるでしていない、という相手だったからじゃないかと思っている。

京介 マサハヤダイヤは結構ステイヤーとしていい形だったね。ハービンジャー産駒がこの距離に大挙してやってくる年も近いかもしれない。コウキチョウサンは、いい形だと思ったんだけどな…。メドウラークはまあ平行線だけど、脚元がちょっと良くなかったかな。

京介 あと、このレースは返し馬の気配がとにかく悪い。有力視されている馬でもフットワークがガサツで、瞬発力を一切感じさせない質の走りをしている。馬場に出てからもボケっとしているタイプが多いしね。毎年げんなりしているのは、記しておこう。

<レース展開について>

京介 映像を見直すと、西日がホントかなりキツイね。スタンド前は観客で埋まっていたけれど、その辺りはおおむね建物の影になってしまっている。

京介 中山3600mのスタートはスタンド前だけれども、ある程度観客の数もそれほど多くはないし、ちょっと不人気のためか歓声もまばら。赤旗が振られてからすぐゲート入りはサクサク始まっていたね。

京介 頭数も少ないし、気性的にとぼけたタイプが多いレース。誰もゲート入りには困らなかった。スタートまでおおよそ40秒チョイといったところかな。

菊池 スタートはバラついていましたが、ゴール板を三度も通過するステイヤーズS、勝敗を決するほどの影響力はない中で致命的というほどの出遅れもなく。

京介 8番マサハヤダイヤ、9番ネイチャーレットが近走と同じように出遅れた。ネイチャーレットは野中騎手が慎重なのか、だいぶポジション取りには消極的。

菊池 まずは押して先手を主張したのが6番カレンラストショーでした。外から人気の1頭、12番アドマイヤエイカン、14番アルターも前へ。出たなりで2番ヴォージュもラチ沿いを先行。3番モンドインテロも好位内に収まりました。これらの直後に11番リッジマン。

京介 まあまあの有力どころは、みんな先頭との差5馬身以内の前付けだったね。アドマイヤエイカンが前に行ったから、リッジマンの蛯名騎手もいいポジションに寄せたように思う。

菊池 徐々に縦長になりつつ、好位勢の後ろに4番コウキチョウサン、13番メドウラーク。後方は人気薄の各馬が続きながら、スタンド前に戻ってきて2周目へ。前半1000m通過が63秒1、2000mが2分7秒台でした。

京介 序盤はまあこんなものだね。縦長にはなるけど、それでもだいぶ遅い。中距離レースではないから。

菊池 中盤は12秒台後半のラップを淡々と刻み、13秒台は1回。道中の機微も対して発生せず、遅い流れで推移していますね。

京介 作戦の中で、1周目である程度差を詰めたりするかな?と思っていたら、誰も動かなかった。まず序盤は消耗させず、脚を温存という。

菊池 ペースが上がったのは2周目の向正面でした。

京介 スタンド前でもまだまだ動かない。そして、残り1200mを切ったあたりから、ようやく競馬が始まるという感じ。ここまで離れた後方にいる馬はただついて回っただけ。道中でちょっと差を詰めていたら多少は楽だと思うんだけど…。

京介 そして、先頭が3コーナー手前辺りからスパートを始めるけれども、先頭にいる有力馬がトップスピードに乗ってコーナーを通過しているし、後ろからではなかなか追いつけない。

菊池 3~4コーナー中間で先頭は2番ヴォージュに変わって、圏内は5~6番手以内に絞られたかな?と言う態勢で直線へ。

京介 7枠橙帽2頭のさらに外を回ろうとする馬は結構きついよね。そして、インベタでまだ待っているコウキチョウサンとマサハヤダイヤは、エンジンを掛けそびれている印象。

菊池 直線に向くと12番アドマイヤエイカンが外から先頭へ。勢い良く抜けたこの馬を追ったのが11番リッジマン。ジリジリ迫って坂上で先頭が交代。

京介 この抜け出しが見事というより、序盤に射程圏で運べていて、相手を完全マンマークできたレース運びが見事だった。アルバートが後ろにいたら、こうは上手く運べなかったはず。

菊池 その後ろからジリジリ伸びた3番モンドインテロが、2着アドマイヤエイカンに際どく迫ったものの3着まで。

京介 ビュイック騎手は押しての前付けで、3コーナーではアドマイヤエイカンとリッジマンの間。前後する位置取りで内を回っていた。レース運びは全く文句なし。ここからの叩き合いで劣ってしまったのは、馬が劣ったと考えるしかないね。

<結果を受けて…>

181201ステイヤーズS

菊池 勝ち時計は3分45秒2。過去10年、良馬場での施行時だと2番目に遅いタイムでしたが、このレースにおいて時計の話はあまり意味がないですね。

京介 ステイヤー条件は単純にタイムが遅すぎるから平凡ということはないけど、もっと速い上がりでまとめてほしかった…とは思うところがあるな。5Fロングスパート勝負にはなっているけど、ラストが12秒6と垂れてしまうのか…とは思った。

京介 長い距離で実績のあるリッジマンが、前で競馬をして最後までバテずに生き残った。その後ろから競馬をして流れに間に合わなかった馬は、単純に経験不足もあるけれど仕掛け遅れ。アルバートがいなくなったことで、騎手の側が戦前にイメージしていたレース展開よりも、厳しさがかなり減ってしまった、とは思う。

京介 そして逆の意味で、田辺騎手はアドマイヤエイカンを堂々と先行させたことは、正解だったと言える。有力馬が強気にプレッシャーを掛けてくる確率が減るから。この日の状況に恵まれたのはこの馬だろう、とは思うよ。

菊池 では、上位馬について。

リッジマン

菊池 最後は3.9倍の1番人気でした。当日の仕上がりはどうでしたか?

京介 メリハリはかなり良かったよ。その意味での仕上がりは良かったと思う。だけどこの馬、今年2月のダイヤモンドSで見た時は、もう少し腰つきはまともだったんだけどね。かなり腰砕けのような歩様になっていた。だもんで、やっぱり叩いた方がいいんじゃないの…とは感じたね。万全のアルバートがいたら、負けていたでしょとは思うんだけどなあ。

菊池 スウェプトオーヴァーボード産駒がステイヤーズSを制覇。キタサンブラックの母父サクラバクシンオーと似たモノがありますね。この馬は、やはり母父カーリアンの影響が大きいでしょうか。

京介 歩様を見ているととにかく四肢の反発力が弱くて手先が緩く感じるんだけど、それで全体にバランスが取れているのは、カーリアンのいいところだね。それと、エンドスウィープの系統があまり馬力タイプばかり輩出していないし、かなり万能にいろんな条件で対応できる産駒を出す優秀な面がある。

菊池 次はダイヤモンドSが目標ということになるでしょうか。ハンデ次第ですが好勝負になりそうですね。

京介 間違いなく1番人気にはなると思う。現段階で確り動けていることは、かなり評価されるだろうね。

アドマイヤエイカン

菊池 こちらが2番人気でした。当日の仕上がりはどうでしたか?

京介 常にずんぐりした体型で出てくるタイプだろうから、モッサリして見えても問題ないタイプとは言え、歩かせるとやっぱり鈍いねえ。かと言って後肢が緩すぎるからダートは無理だし…。これだけの容量を支えるセンスは褒めるべきなのかな。

菊池 先頭に立つところまでは、ほぼ完璧なレースだったと言えるんじゃないでしょうか。

京介 好位に取りつけたことも、アルバートがいなくなった今年に関しては好判断。そしてレースでも、先頭を交わしに動いたタイミングが見事だったね。ラストにモンドインテロに差されない、ちょうどよい仕掛けだったと思うよ。

菊池 5歳秋にして、2歳時以来の重賞連対。今後もこの路線で頑張れそうですね。

京介 だけど、勝ちきることは難しいんじゃないかなあと思うけどね。もう5歳なのか、まだ5歳なのか。もうちょっと手先の返りや体つきが、変わってきてくれないかなあ。

モンドインテロ

菊池 近走は不振続きでしたが、2年前に3着のこのレースで、久々に馬券に絡みましたね。

京介 この馬なりにキッチリ整っていたし、腰つきはまとも。だけどボリュームは増えてこないね。痩せていた形で、良い仕上がりということ。
・しかしビュイック騎手があれだけ追っ付けてもなかなか動かないし、ズブさは相当目立っている。今後も期待値は低そうだね…。

菊池 ダイヤモンドSはハンデ次第でしょうか。

京介 おそらく背負わされることはないかもだけど…。誰が乗るんだろう?日本人騎手だと無理じゃないかと感じるレース内容だった。

その他

菊池 4着はマサハヤダイヤ。良い脚で追い込んで来ていましたね。

京介 この馬は適度な馬力と骨量があるズブ馬だね。大野騎手は前回捲って動いたのに、今回は慎重になり過ぎた印象。2周目途中で後方3番手って、あまりにも後ろすぎでしょ。残り1000mを切るぐらいから捲って動いてほしかったわ。脚は続くんだから。これでいい競馬だったと言ってほしくない。

菊池 5着はアルター。こちらも最後までバテずに健闘でした。

京介 ステイヤーの距離自体はいいと思うけれど、この馬は他馬をやたらと気にする気の弱い部分があるそうで。自分の中ではかなり上手く行った方だね。上を目指せるとは、ちょっと思っていない。

菊池 アルバートが無事なら四連覇だった…と言いたくもなる決着でしたね。

京介 レース数を絞っているとは言え、もう今年は7歳。落ち込みも目立ってくるだろうし、今年のチャンスを失ったのは痛手だよね。

<教訓まとめ>

・どんなレースでも、断然人気一本被りの差し馬が直前で取り消すと、レース展開そのものが大幅に変わる。しかし最近は、どの騎手も前日時点で授かった作戦に拘り過ぎ。アドリブで判断できる騎手がいないのなら、レース展開は膠着しがち。なので狙いは先行馬。

・アルバートがいてもリッジマンが勝ったとは思わないが、ステイヤー条件は3000m以上の距離で勝ち負けを何度も演じている馬が有利なのは間違いない。ステイヤーとして鍛えられる厩舎は皆無、まず経験あってこそベストな仕掛けが可能。馬体的に終わっているモンドインテロが目一杯の内容で好走し、活きのいい格上挑戦各馬が変なテンポで仕掛けて流れが合わない負けを喫している通り。

・ステイヤー条件は近走の内容も大事。前走2000m重賞を使っていた馬は全コケした。2500m以上のレースで体を慣らしていないと、後半の我慢が効かない。スピードがあり過ぎる、という扱いもできる。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・マサハヤダイヤ
…初めてこの条件を使って、後方をちんたら進み、完全に気のない仕掛け遅れになっていながら勝負圏内まで来れた。ハービンジャー×キングカメハメハという掛け合わせだが、ステイヤー性能はある。今回の馬体増はかなりポジティブになれる変化。

<菊池> 
・マサハヤダイヤ
…このレースで上がり最速を記録して馬券に絡めないのは珍しいケース。要するに、この距離でもバテないどころか脚を余してしまった。人気になると思われるが、ダイヤモンドS・来年のこのレースでは要注意。

~~~~

菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は阪神JFとカペラSを京介さんと、中日新聞杯はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。