金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・チャンピオンズC編

菊池 日曜の中京ではチャンピオンズCが行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

京阪杯はナインテイルズ(12番人気2着)を穴馬に推奨!

181125京阪杯穴推奨

チャンピオンズカップ回顧



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<当日の馬場状態について>

菊池 先週も週中に雨が降らず、芝・ダートともに良馬場で開催されましたね。

京介 全国的に良いお天気だったね。中京のダートは土日ともにパサパサ、砂煙がもうもうと舞い上がるぐらいだった。風はそこまで強くなかったそうだけど。

菊池 土曜の中京ダートは逃げが残りまくりでしたね。

京介 しかも穴馬ばかりね。あ、あの馬だったら放置しても大丈夫でしょ…と他の騎手が考えていたら、あれよあれよと逃げ切られるパターンが相当多かったんじゃないかと思う。とにかく無理して逃げる、というだけだったブービー人気の馬が激走した例もあった。

京介 全体に少し時計が掛かっていて、4コーナー大外回しが全然通用しない。ある程度4コーナーで先頭射程圏内にいないと勝負にならない、という状況だったね。

<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭が揃いました。ゴールドドリームがいないのは残念でしたが、その他は概ね出てきたといったところでしょうか。

京介 外国馬はともかくとして、どの馬も大半が11月に走っていたし、唯一の例外ミツバも10月に叩いて出てきていた。ある程度近況の様子が分かる状態で出てくるレースではある。

京介 その意味でも、高いレベルでまとまっているけれど、おおよそ前走見た通りの仕上がりという馬ばかりだったよ。ここにきてグンと良くなった、とかはないレースだね。だもんで、能力の片りんをこの秋に一度も見せていない…という馬ではいつも厳しい。

菊池 ケイティブレイブは+10キロ。ちょっと余裕があるようにも見えてしまいました。

京介 それは正直感じたなあ。動きの重苦しさはそこまでではないんだけど、やっぱりお腹が弛んでいたんじゃないか…とは思う。ただ、ガス抜きというか、ここで全然レースをしていないから、東京大賞典はある程度上昇を見込んでもいいのではないかと。

京介 チャンピオンズカップが中京開幕週、すなわち12月頭。そして東京大賞典は月末とは言え、そこまでたった中3週しか空かない。東京大賞典も出ると表明している馬にとっては、このチャンピオンズカップの仕上げが本当に難しくなるね。レベルは東京大賞典の方が落ちるけれども、両取りなんてできっこないし、必ずどちらかの気配が甘くなってしまうのは仕方ないかな。

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<レース展開について>

京介 中京ダート1800mのスタートはスタンド前。芝コースを挟んでその向こう。とは言え、この日は1年でおそらく一番入場人員の多い日で、歓声がかなり響く。今回はファンファーレが鳴り終えるまでずっと輪乗りを続けて、しばらく場が静まってからのゲート入り。

京介 今回は意外と慎重で、1頭ずつ丁寧にゲートを入れていた。個別で見れば問題を見せた馬はいなかったけれど、何となく遅かったね。ノンコノユメがゲートに入ってから立ち上がったりと大暴れしていたけれど、着地して落ち着いた場面でのスタートだった。最初に9番サンライズソアが入ってから75秒は掛かった。結構遅い方。

菊池 バラついたスタートでした、7番サンライズノヴァが後方。中~外枠の各馬もあまり良いスタートではありませんでした。

京介 差し馬の有力馬は、だいたい出遅れていたんじゃなかろうか。サンライズノヴァ、ノンコノユメ、オメガパフューム、ウェスタールンドと。

菊池 まずは1番アンジュデジールが押して先手を主張。2番ルヴァンスレーヴもスタートを決めて2番手、発馬ひと息の9番サンライズソアはハナを切れず、8枠2頭の方が前に出て行きました。

京介 サンライズソアはちょっと押せば行けるぐらいの差だったんだけど、モレイラ騎手は慎重だったね。ルヴァンスレーヴは軽く促していい反応。出遅れもあるし、内で包まれることもあるんじゃないか…という不安を払しょくする好発進だった。

菊池 1コーナーまでに概ね先団の隊列は決まって、1番アンジュデジールが先頭、2番手が2番ルヴァンスレーヴ、その外に14番ヒラボクラターシュ。そして、15番インカンテーションと続きました。その後ろに3番パヴェルと9番サンライズソア。

京介 サンライズソアの2列前にルヴァンスレーヴがいるんだものなあ。こりゃ参ったと思ったよ。

菊池 13番ミツバも今回は追走していて外の6~7番手あたり。内に6番アスカノロマンがいて、この集団に8番ケイティブレイブがいました。差がなく11番オメガパフューム、10番センチュリオン、4番アポロケンタッキーと続いて。

京介 スタートで出遅れるといくら挽回してもこの辺りの位置取りになってしまうのが、中京ダート1800m。それを考えると、ケイティブレイブがここまで半端に下げたのは勿体ないと言える。

菊池 後方に7番サンライズノヴァ、5番ノンコノユメ、最後方にポツンと12番ウェスタールンド。

京介 ここらの馬は全く序盤無理していない。まあ最初の3Fは流すか、というぐらいの反応。

菊池 1000m通過は61秒9と出ました。先行争いが発生せず、昨年よりも更に遅い流れになりましたね。

京介 そう。ここまでは見えていた。サンライズノヴァが逃げても遅いだろうし、横山典弘騎手が勝算ありで先手を奪っても、こうしてペースが落ち着く。

京介 このレース展開だと、2列目と3列目ではえらい違いになる。控える選択をした方が読み違えた、とは言える。

菊池 先団に大きな動きはないまま4コーナー。ここで馬群は大きく外に膨れました。特に中団以降ですね。「みんな中京下手かよ!?」みたいな感じで。その結果、内ラチ沿いを通っていた12番ウェスタールンドが、離れた最後方から一気に差を詰めることが出来ました。ゴールドシップの皐月賞ほどではないけど、それに近いようなワープ(笑)。

京介 残り3F分を全力でトップスピードに入れる脚はどの馬もあるから、急カーブのコーナーを回りながらの仕掛けになるんだけど、中京の4コーナーはこうなってしまいがち。それと、みんな示し合わせたかのように残り600mの標識を過ぎてからの、同時の仕掛けだったためもあるね。

京介 ウェスタールンドは3コーナーで5馬身ぐらい集団から遅れていたから、何だこの馬とぼけすぎじゃないのかと思ったけど、離れた位置から俯瞰できたからこそ、藤岡祐介騎手はイチかバチかの賭けではない、視認した上でのインベタ狙いができた。

菊池 直線に向いて、1番アンジュデジールが粘り込むところに、内から2番ルヴァンスレーヴがあっさりと並びかけてきます。そして外から9番サンライズソア。他の好位勢は脱落して、これらの後ろまで12番ウェスタールンドが接近。

京介 ウェスタールンドの藤岡祐介騎手が狙ったのが、黒帽ルヴァンスレーヴの真後ろだからね。これは本当に見事な狙い。デムーロ騎手なら抜けるはず、という意識もあったかな。

京介 ちょっと半端な位置からの立ち回りになってしまったサンライズソアだけれども、コーナーでやや外を回りながらでもしっかりした足取りで押し上げてくる。一度は先頭に立とうか、というシーンもあったほど。

京介 だけどルヴァンスレーヴは、このサンライズソアがやって来てから強めに追い出す余裕がまだあった。ここからビッシリ追うと、余裕の手応えでどんどん抜けてしまう。

菊池 残り200mまでにケリを付けた2番ルヴァンスレーヴは後続を引き離す一方、2番手争いは1番アンジュデジールがさすがに苦しくなって、9番サンライズソアが前に出ますが、ゴール寸前で12番ウェスタールンドが2着争いを制しました。

京介 いや~辛い。藤岡祐介騎手のあのワープがなかったら、サンライズソアが文句なしの2着だったのに。

京介 道中内ラチ沿いを守って競馬した馬が、1着2着4着だったわけだね。流れがやや遅かったこともあったし、コーナーで外に振られる損が徐々に後半響いてくる展開だった。

<結果を受けて…>

181202チャンピオンズC

菊池 勝ち時計は1分50秒1。奇しくも3年続けて同じ決着タイムでした。

京介 時に大接戦、そして今年は断然人気の圧勝と、いろいろレースの形は変わっているのに同じ時計なんだねえ。不思議なもんだ。

菊池 先行馬が楽になるというムードは戦前からあり、実際にその通りの決着ですが、そこに速い上がりを使えたウェスタールンドだけが後方から突っ込んで来られた、というのはある面で昨年のゴールドドリームとも似た現象ではありますかね?細かい事情は色々あるけれど。

京介 それとJBCクラシックのレース運びをなぞろうと思っていた馬がみな頓死したね。疲れも影響しているのかな?仕掛け方が全然噛み合わなあかった、という理由の方が大きそうだけれど。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ルヴァンスレーヴ

菊池 490キロ、前走比2キロ増で出てきました。

京介 いや良かったよ。身のこなしも機敏で、背中のラインに芯が通っている良い姿勢だったね。それと他の馬がみなJBC帰りで疲れているのか、どこかしらぎこちなさがあるメンバーばかりだったから、放牧明けでフレッシュな状態で臨めたことが顕著な差として現れていたと思う。

菊池 スタートを決めて2番手。ジャパンCのアーモンドアイのようでしたね。1コーナーで勝ちが決まったようなものでした。

京介 これなんだよなあ。ルメール&デムーロ騎手が最近この積極姿勢を見せているよね。末脚が文句なしに鋭いタイプを、道中大事に乗って直線弾けさせる競馬にするのかなと思いきや、果敢に前に出してから同じ上がり脚を使わせるようにしている。

京介 強い馬を前付けさせていい上がりを出す、これをやれば勝ち方としてどこからも文句は言われないし、競馬の内容も安全。絶対にこのスタイルの方がいいに決まっている。ウェスタールンドの競馬もまあそれなりに凄いんだけど、あの形では絶対に大きなレースを勝てないし、前走のように不利を受けたりする可能性も高いわけだから。

菊池 次は、年明けのフェブラリーS。その後は海外が視野に入るようです。既に国内には敵なしの状態、海外に行くほかないですね…。

京介 シンボリクリスエス産駒から、こんなパターンの最強クラスの馬が出るとはね。フェブラリーSのパドックでどういう足回りをしているのか、きちんと確認したい。

ウェスタールンド

菊池 武蔵野Sから2キロ減の480キロでした。仕上がりは見返してみてどうでしょう。

京介 映像だとちょっとわからないな。こんなものかな、ぐらいのメリハリではあったね。直飛節で腰が甘いから、長い距離の方がいいんだけど。東京2100mでジャパンカップダートを引き続き開催してくれていたのなら、絶対に中心馬だわ、という形。

菊池 上手く行くときはこんなもの…の典型のような競馬でしたね。藤岡佑介騎手もレース後のコメントに、「こんなに空くかというほど空いた」と(笑)。

京介 チャンピオンズカップでは、過去にもサウンドトゥルーのような成功例がある。先行して踏ん張るタイプと直線に賭けるタイプとで、上がりが全然違う結果になる特異なコースだとも言える。だけどこの上がり34秒台というのは凄すぎだね。東京のダート1400mならともかく、中距離だとまあ出ないよ普通。

菊池 ただ、この馬に安定を求めるのは難しいですね。裏を返せば不発が続いても見切れないタイプということにもなりますが。

京介 その通りなんだよねえ。馬群から離して追走する、というのも実際どうなのかと。まだ新鮮味もあるし、若いから上手く行ってる戦略だけれども、疲れてきたら…。

京介 それと結構、蹄の状態がギリギリだったという話もある。この後の休み方、経過も注目しておきたい。

サンライズソア

菊池 JBCクラシックから8キロ増えて522キロでした。

京介 こちらはレースでキツイ競馬が続いていたけれど、腰の支えがしっかりしていたし、全く問題のない良い仕上がりをキープできていたね。良い意味の前走並み。

菊池 発馬がひと息でしたが、その後の動きを見ても、モレイラ騎手は逃げようとしていませんでしたね。

京介 自分なら立ち回らせても扱えるという自信があったのかな。あるいは戦略的に、陣営の方からテンが厳しくなるはずだからという情報でも舞い込んだか。あの4コーナーからしっかり脚を使わせられたのは、かなり高い技術だとは感じたけれども、総合的に見て勿体ないな、とは思ったよ。

菊池 次はどこに使うやら。東京大賞典だとして、いかがでしょう。

京介 かなり背丈のある馬だし、自分は合っていると思うよ。ただ、JBCクラシック、チャンピオンズカップと両方根詰めて走ったからなあ…。照準を据えて使ってきたケイティブレイブには負けちゃうかも。

その他

菊池 4着はアンジュデジール。横山典騎手としても思い通りの競馬が出来たと言うことでしょうね。すがすがしい感じのコメントがありました。

京介 今週は土曜日からとにかく前が有利な状況、しかも突っ張ってみたら1コーナーで競り掛けてくる馬なし。サンライズソア陣営、主に河内洋調教師に何か変なこと吹き込んだんじゃないの?(笑)

京介 ただ、あそこまで上手く行って馬場も良くて、それでも現状ではサンライズソアに差されてしまう…というのが現段階の能力なのでしょう。これは認めないといけない。来年まで力をつけて来るかどうかだね。サンビスタの再現、あるか?!

菊池 5着はオメガパフュームでした。不向きな展開の中、頑張った方ではありましたか。3歳馬としてはよくやっている方だと思います。

京介 これも、JBCクラシックが思ったよりも激戦になってしまって、疲れが取れなかったパターンではないかなと。あと、ルヴァンスレーヴがいない東京大賞典には結局出て来るそうなので。ここはガス抜きぐらいの勝負気配だったのでは。

菊池 ケイティブレイブは11着でした。敗戦の弁に、「西日」というコメントがあり、Twitterなどで話題になっていました。

京介 確かに映像を見ていると、西日は実際にキツイよ。ゲートに入ると真正面が西日だし、日の角度も低い。だけどどちらかというと、気が散ってしょうがなかったということが大事なのでしょう。自分は、体つきも甘かったし、何よりJBCクラシックを経て中3週でここ、というのがよっぽど厳しいんだろうなと考えるよ。

菊池 レース全体としては、ただただルヴァンスレーヴの強さが際立つ結果でしたね。

京介 それとJBC組の疲労って、思ったよりも大きいんだなと感じたよ。アンジュデジールもレディスクラシックの後じゃなければ、2着には残せていたんじゃないかと思うもの。唯一、山元TC帰りのルヴァンスレーヴが、ピカピカのデキで出て来れたのなら、3歳56kgだったとしてもアドバンテージがあったというのは、正直パドックを見たら納得はいったね。

京介 来年も評価するべきは、JBCクラシックで奇妙な競馬をして負けた方、余力ある方を評価すべき。ピタリ上手く行って勝った方は疲労が残る。これをちゃんと汲んだうえで、東京大賞典に行く気がない馬を評価したい。

<教訓まとめ>

・3歳世代が今年はダートの古豪をどんどん打ち負かしており、2着のウェスタールンドはダート路線に転向して間もない馬、JBCからの疲労を我慢した3着サンライズソアは4歳馬。もう、下からの突き上げが余裕で通用しているので、上のクラスに留まっている高齢馬は消しでいい。来年以降もこの世代が活躍しそう。
・天皇賞(秋)→JC→有馬記念の連戦が非常に苦しいのと同様に、JBC→チャンピオンズカップ→東京大賞典の日程はかなりキツイ。賞金が一番高額なのはチャンピオンズカップだが、JBCを経ずにここ一本に絞って勝負しにきた陣営が有利なのは間違いない。
・末脚確かな有力馬を、前付けして同じ脚を使わせるという戦法が、今年は特に顕著なように思える。この技術を会得できない騎手はどんどん序列を下げそう。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・オメガパフューム
…和田竜二騎手が落馬負傷、今回はC.デムーロ騎手へのスイッチ。しかしJBC→ここ→東京大賞典と駒を進める日程で、今日は仕上がりやや半端に思えたし、東京大賞典には和田竜二騎手も間に合う。1800mも特段得意そうには見えなかったし、正直な所馬群後ろから外というヘボい仕掛けだった。適当な代打をこなしただけ、という内容。東京大賞典は当然注目。

<菊池>
・ケイティブレイブ
…やはりJBCクラシック→チャンピオンズCの連勝は厳しかった。今回は仕上げからヤラズ感満載で、東京大賞典での巻き返しに期待したい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。今週は阪神JFとカペラSを京介さんと、中日新聞杯はオクノさんと展望していきます。よろしくお願いします。