金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・中山金杯編

菊池 5日は東西の金杯が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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<当日の馬場状態について>

菊池 寒かったですが、天気は良かったですね。そして、カレンダーの関係もあってか大盛況だったようで。

京介 いや、ホントに驚いたよ。朝一番にスタンドの方の席確保ができなかったぐらいだもの。ここ数年で一番混雑したんじゃないかな。G1レース並みの警備員を配置するべきだったかもね。

京介 天気はだいぶ良かった。おそらく予報通り10℃を超えるぐらいで、結構ポカポカする陽気だったね。雨雲がやってくる様子もなく。だからこそ来やすかった、というのはあるだろうね。

菊池 Cコース使用の初日というのはいつもどおりですが、やや内か?という程度で、展開次第では差しも届く雰囲気だったでしょうか。

京介 スローであれば間違いないく逃げ馬が残るけれども、ちょっと道中揺さぶられると大外の差しが届くようになっていたね。というか、Cコース初日はどのルートも良かったと思う。この日はフラットと考えた方がいいね。

京介 それにしても、パドックで出て来る馬を待ちながら見ていた中山10RカーバンクルSはびっくりしたね。超ハイペースの展開ながら前の組が止まらず、1分7秒0という時計が出るとは。もうちょっと真剣に気付いて、速い馬場に対応できるキャラを選ぶべきだった。


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<パドックについて>

菊池 フルゲートは割ったものの16頭が揃い、メンバーの平均レベルも高かったんじゃないでしょうか。

京介 例年の中山金杯は、大半の人気馬が緩い馬体で出てくるし、今年に関しては日も照っていたから発汗する馬もいた。だけど、例年と比べて仕上がりのいい馬は多かったように思うね。ダメな馬同士のチョイスでパドックを迷うレースかと思っていたんだけど、今年は良い馬が片手で収まらなかった。

菊池 毎年恒例の大幅馬体増ですが、今年もチラホラ見えましたね。

京介 間隔を空けて出てきた馬の馬体増はホント判断に困る。見た目には大した太目ではないんだけど…と思っても実になっていなかったりするし、やはり高齢馬が唐突に増えているのは、マイナスと考えるべきだね。今回で言えば、明け4歳のタニノフランケルは納得の増量だけど、7歳マイネルサージュが増えるのは、半年近く空いたとしても良くないかな。

<レース展開について>

京介 いやそれにしても、現場でもG1並みだと思っていたけれど、画面で見ても物凄い人だかりだったな。中山芝2000mのスタートは直線入口に切っているんだけども、結構うるさいムードだったのに、ファンファーレが鳴っている途中からもうゲート入りは始まっていた。

京介 今回もゲート入りで暴れる馬はなし、30秒ほどで偶数枠も含め大半の馬が入ってしまっていた。今回はだいぶサクサク進んだね。スタートまでおよそ44秒というところでしょう。

菊池 細かく見れば色々ありますが、有力どころでは8番マウントゴールドが出負け気味。6番エアアンセムも良いスタートではありませんでした。

京介 実況では7番マイネルハニーが良いスタートを切ったと言っているけど、この馬だけが良かったわけではないよね。内枠の4頭はみなスタートが良かった。外の黄色帽や11番ウインブライトもそこそこ良い方だったし。

京介 目立つ出遅れというわけではないけれども、14番ブラックバゴと16番マイネルサージュは行き脚が甘かった。菊池くんが触れた6番エアアンセムと、5番のサンマルティンもスタートは一息だったね。

菊池 まずは3番コズミックフォースや外から9番ストロングタイタン、10番ヤングマンパワーらが前に出てきますが、内から押して押して1番タニノフランケル。テン乗りの内田博幸騎手がかなり激しく手綱をしごいていきましたね。

京介 タニノフランケルはスタート一歩目が明らかに悪かったけれども、そこから追っ付け挽回。ここで隙を見せずに行かせたのは正解だった。態勢的には、最内枠だから他の馬も譲ってくれた…という雰囲気だけれども。

菊池 何とかスピードに乗った1番タニノフランケルがラチ沿いで先頭を守ると、前述の先行各馬は譲るかたちで1コーナーへ。11番ウインブライトの松岡騎手は後に「主張する馬が多かったので」とコメントしていましたが、内の先行馬を見る形で5番手外あたりから。8番マウントゴールドも徐々に挽回しようとこのグループに接近。

京介 マウントゴールド武豊騎手は、空間が空くのなら2列目の内を取りに行けそうな動きは見せていたんだよね。結局絶好のハコ内は3番コズミックフォースが入ったし、4番ランガディアもブロックするように塞いでいたから実現しなかったけれども。

京介 それにしても、2番アドマイヤリードに入られて3列目の内を譲ってしまった、ランガディアの北村宏司騎手は判断が甘いなー。

菊池 2コーナーでは1番タニノフランケルが2馬身リード。3番コズミックフォースが続いて、その後ろに9番ストロングタイタンとコーナーワークを利用して浮上の2番アドマイヤリード。この後ろに4番ランガディア、10番ヤングマンパワーの態勢。

京介 この1コーナー通過で、隊列が絞られる。坂上ゴール板通過辺りでは2列目も行けるかな?と思われていた馬が、だいぶ後ろへ下がってしまったね。

菊池 中団あたりに内から5番サンマルティン、8番マウントゴールド、外に11番ウインブライト。この後ろは人気薄各馬が続いて、後方から4~5頭目に15番ステイフーリッシュと6番エアアンセムがいました。12番タイムフライヤーはさらに後方。

京介 この時点で見る限り、ステイフーリッシュは圏外に見える。いややっぱり、中山金杯の大外枠は、位置取り争いを考えるとだいぶ不利だよね。

菊池 1000m通過は59秒9。もっと遅い年もままありますし、前半のラップはクラスごとの差もあまり出ないコースなので、平均ペースと見てよさそうですね。淡々と流れているといったところ。

京介 この水準の1000m通過は条件戦でもたまにあるレベル。オープン馬からすると、比較的厳しくない水準と考えればいい。

菊池 ちょうど1000mを通過するあたりで、外から一気に動いて行ったのが15番ステイフーリッシュ。残り800mまでの1ハロンの間に、一気に外3番手まで押し上げていきました。これに乗じて12番タイムフライヤーも同様に浮上。

京介 はたから見ると「あれ?かなり脚を使わせた捲りか?」と思ったんだけれども、1000m通過の前後で先頭タニノフランケル内田博幸騎手はかなりペースを落としていた所。1000m標識を通過したすぐ次のタイミングでの捲りだから、一気にペースアップさせたわけではないんだね。馬の意図に逆らわず進ませた形。

京介 ステイフーリッシュの捲りと対照的に、この時点で馬群の内にいる馬は、馬群が緩んでペースダウンしていることに対応できず、ガチャガチャしているしね。5番サンマルティンなどは結構酷い様子だった。10番ヤングマンパワーは3コーナーで狭くされて躓いての後退。

菊池 4コーナーでも1番タニノフランケルは変わらないリズムで淡々と逃げており、番手の3番コズミックフォースの方が手が動いていました。さらに外から15番ステイフーリッシュ。4角出口から直線入り口にかけては馬群が大きく横に広がりました。

京介 さすがに中山の2000mで3コーナーを過ぎれば、どんな展開だろうが後方はある程度仕掛けておかないといけない。今回はまくりが途中で入ったにしても、1200m通過して1分12秒台を超えているんだから、壁の後ろでまだモタついている馬は厳しいポジションなのが間違いないよ。

菊池 コーナーワークで再びリードの1番タニノフランケルでしたが、坂に差し掛かると徐々に後続接近。それでもしぶとく、ジリ脚の15番ステイフーリッシュは交わせずに、膠着したまま坂上。

京介 そう。今回は捲りが途中で起こったけれども、4コーナーから直線の残り200m標識にかけて、全然隊列の変化がない。先行馬にもステイフーリッシュにもまだ余力が残っていて、ここで先頭に接近できていない馬は、最後にもう一つギアが上がらないと届かない状況。

菊池 しかし、坂の後半でさすがに苦しくなり、一気に後続が殺到。その中で、外からグイッと伸びたのが11番ウインブライト。15番ステイフーリッシュもバテずに伸びましたが、外から交わされてしまい2着止まり。

京介 最後の残り50mで一気に差し馬が来たね。ズブズブのレース展開であれば、あとゴール板が50~80mほど向こうにあるはずだけれども、おおむねタニノフランケルが踏ん張れる程度のペースだった。8割がた成功した逃げだったと言えそう。

京介 そしてその意図を裏切るように動いたステイフーリッシュの藤岡祐介騎手が見事だったし、中山だとちょうどいい脚を使えるウインブライトの反応の良さが見事だった。

<結果を受けて…>

190105中山金杯結果

菊池 勝ち時計は1分59秒2。レコード決着の15年以外では最速のタイムでした。

京介 そうか、今年はどちらかというと速い時計で決着した方なんだね。さすがに最近前有利の傾向が続いたから、途中から緩めずに動く仕掛けになった。タニノフランケルは良く粘らせた方だと思うよ。

菊池 11着までが0.3秒差にひしめき合う大混戦でした。

京介 結局、この斤量設定で正しかったってことだね。この僅差の決着を演出できるハンデキャッパーのセンスが素晴らしい。ウインブライトは58kgでも重たくなかったし、他の馬は55~56kg程度が妥当だったと。

京介 細かく見ると、勝負所でそれぞれ窮屈になった馬も多いんだけど、結局は馬群をグッと割り切れる勢いがなかったよね。何か一味二味も足りない馬が、馬群の中でロスなく運ぶ競馬を選択して、上手く行かなかった…となっただけだと思う。

菊池 ステイゴールド産駒が1・2・4着。この点は金杯らしい決着でしたね。

京介 ステイゴールド産駒は、金杯に関しては「怪しいかな?」と思う程度の仕上げでも走られちゃうね…。これは適性の差があると認めなければいけないか。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ウインブライト

菊池 馬体重は12キロ増えて490キロでした。金杯は大幅馬体増の馬が苦戦する傾向だったのですが、これはパドック的にポジティブに捉えられる馬体増でしたか?そもそも、芦毛だし腹袋が大きくて、パドックでジャッジするのが難しい馬だと思いますが。

京介 いやそうなんだよね。本当に難しいタイプ。というか、この馬は以前から中山で付き合っていて、張り艶をよく、トモが充実しているように見せたことがない。だけど今回はトモの寂しさがなかったし、腹構えもいい形に見えた方だった。これで絶対大丈夫だぞ!とは到底思えないけど…。

菊池 松岡騎手は馬の力を信じて、強い馬としてのレースをしましたね。お見事でした。

京介 前が残る流れに逆らって、坂上でちょうどいいギアが合ったように伸びて来れたのはこの馬だけでしょう。58kgを背負っているのにこの性能、中山である程度上がりが掛かる競馬が本当に合うということだろうね。

菊池 次の目標は中山記念の連覇ということになるようです。

京介 もうさすがに中山コースでの強さを認められているから、3番人気以内にはなるだろうけれど…。しかしなんで他の陣営は、この馬をマークして動かないんだろう?いつも軽視していながら、ここまで上手く出し抜かれているのに。

ステイフーリッシュ

菊池 こちらは6キロ増えて456キロ。デビュー時が450キロだったので、もっと増えて欲しいくらいだと思いますが。

京介 まだだいぶ細いし華奢に見える。そして後肢がかなり細い方。とは言え、ステイゴールド産駒だから…。四肢の捌きはかなり機敏だったよ。ただ、中山だと好走の自信なくすぐらいの脾腹の薄さなんだよな…。腰が凄くいいわけではないので。

菊池 何と言っても、強気に動いた藤岡祐介騎手の判断が見事でしたね!

京介 先頭がペースダウンを試みようとしていた矢先だったものね。そして後方で黙ったまま瞬発力を駆使するタイプではないし、この馬の持ち味はこのロングスパート性能。外枠がいいとはいえ、外すぎないか?と思ったし、レースでは実際不利な立ち位置に追いやられたけれども、良くあそこから挽回して最後にも脚を残したもんだ、と思うよ。藤岡祐介騎手の柔軟な解釈がないと、おそらく好走することはなかったと思う。

菊池 今回の結果も受けて、概ねこの馬をどこで買ってどこで買えないか?は見えてきましたね。改めて、コーナーで動けることを活かせないコースでは無用かな。

京介 こういう動きをさせて持ち味を生かすタイプだから、直線の長いコースはやっぱりいただけないよね。また、内枠を引くと競馬に制約が出るし、それも良くないと思う。

タニノフランケル

菊池 10キロ増で528キロでした。巨漢馬ですが仕上がりはどうでしたか?

京介 セントライト記念と同様に、良い仕上がりだったと思うよ。後肢の捌きにも勢いがあった。何より腹構えが良くて、馬力のいいタイプ。だけど2走前セントライト記念で高く評価をして、痛い目に遭ったから…。なんだか難しいなあ。

菊池 内田博幸騎手は必ず逃げるという気迫が伝わってくる序盤の動きでしたね。ウオッカの仔らしく初速が速くないので、いつも楽に逃げられるわけではないと思いますが。

京介 今回は明らかに他馬に譲ってもらっての逃げだったものね。そして、コーナーで飛ばすと見せかけて向正面では落とす。あの捲りがなければ…。といったところでしょう。

菊池 今後は他馬との兼ね合いが常にカギとなりそうですね。逃げた方が良いのは間違いないところで。

京介 あと、これまで少頭数の楽逃げでしか勝ち負けしていなかった馬が、他馬のプレッシャーに晒されながらちゃんと踏ん張ったのは、評価すべきじゃないかなと思う。フランケル産駒の牡馬だし、明け4歳以降になって味のある逃げを打てるようになってきたことは、成長と考えたいね。

その他

菊池 4着はアドマイヤリードでした。内をピタリと回って横山典弘騎手らしい一発狙いでした。立ち直ってきましたね。

京介 非常に張り艶や気配は良かったよ。ただ、中山金杯はどちらかというと500kg超える大型パワータイプに有利な条件。牝馬の連対もしばらくない。あれだけうまく運んだのに、グッと抜けて来れないのは、条件不利なのかな…と思った。

菊池 5着はタイムフライヤー。こちらも道中で動いて見せ場はありましたが及ばず。早くダート使ってくれないかな…。

京介 自分は脚元が良くないように感じるなあ。馬体のメリハリは確かに良くなっていて、横に膨れてきているのはいい傾向なんだけれども。

菊池 1番人気マウントゴールドは12着と大敗してしまいました。

京介 指摘した通り、脾腹がだいぶ薄すぎるタイプ。返し馬から変な気配だった。スタート直後に急な上り坂があって、スタミナを奪われるコースは良くないなと感じた。いやそれでも、出遅れて序盤グダグダだったら評価しようもないけれど。

京介 だけど全体にパドックやレースを見直しても、「ステイゴールドってそんなに良いのか…」としか思えない結果だったなあ。他の血統だと、バッチリ出来ているのにグッと来ない馬が多すぎるように感じるね。

<教訓まとめ>

・正月休みを挟んだ変則日程なので、2日か3日にビシッと追えていない時計を出していない馬は評価を下げるべき。最終追い切りが31日、それ以降キャンターだけの馬は論外。重賞の調教映像でも、半数映してくれないレースなのでそれも注意。
・引き続き、G1帰りの馬か、前走3着以内に好走している勢いのある馬を評価するべきレース。今年も前走1着馬が馬券に絡んだ。大敗続きの高齢馬は良くない。前走菊花賞から直行というパターンも、実はなかなか好走できない不利なローテーション。ステイフーリッシュのように中距離を一度挟むならOK。
・6歳以上の高齢馬は斤量の重たい方が勝ちやすいし、若い4歳5歳も、中山のコース実績がある方が好走しやすく、意外と過去実績が重要で新味がないレース。斤量の重たい、中山コース実績ある方からの発想で正解。陣営が明らかにここ狙いの調整をしていればベスト。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・タイムフライヤー
…最後の競り合いで屈したものの、確かに復調気配は見せている。追走も全然ダメ、ラストの加速もないという状態ではない。斤量が楽になる条件を使えれば。

<菊池>
・エアアンセム
…着順は展開のアヤ程度のもので、相変わらず好調キープを示す0.2秒差。メンバー次第ではあるが、AJCCに使えるようなら複穴で押さえたい。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末は3重賞、フェアリーSと京成杯を京介さんと、日経新春杯はオクノさんと展望します。よろしくお願いします。