金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・金鯱賞編

菊池 日曜には中京で金鯱賞が行われました。こちらの回顧をしていきましょう。

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金鯱賞2019回顧



展望トークはコチラ
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<当日の馬場状態について>

菊池 土曜は「芝=良」・「ダ=稍重」で始まりましたが、日曜は前半の早い時間から雨がポツポツしたようで。お昼過ぎになると「ダ=稍重」に、芝も13:24の発表で稍重へと変更になっていました。

京介 関東の方でも雨は心配していたんだけど、中京の方は結構早くから雨に見舞われてしまっていたよね。土曜日にパンパンの良馬場だったものが、昼過ぎに稍重に変わるなんて変更のタイミングが非常に早い。だいぶ降っていたんだろうね。

菊池 開幕週で、原則的には内有利かと思いきや土曜は意外と差し・追込みが届いていましたよね。むしろ雨が降った日曜の方が差しにくい馬場になっていたようで。

京介 ここら辺は年によりけりだなあ。1月1回中京の芝がボロボロだった昨年は、2回中京がやや前有利傾向だった。今年の1回中京芝は前有利のままに終わったのに、なんでこんなにズブズブの馬場になってるの?と。時計は速かった印象かな。

京介 そして日曜日。雨が降って稍重に変わり、見た目にも地面が掘れているように感じたけれども、騎手が「スタミナが削がれる」「構えよう」と感じるほど、時計のレベルが落ちる馬場じゃなかったように思う。一気に悪くなったようにみな感じていたけれども、時計は速くはなく標準レベル、といったところだったかな。その馬場のレベルに対する騎手の認識のズレなのか、みなあまり早く先頭に立ちたくない気持ちが生まれての、ちょっとした差しそびれだったように思うなあ。

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<金鯱賞・パドックについて>

菊池 13頭立て。頭数は多くありませんでしたが、G1馬が5頭出走して、毎日王冠や札幌記念のようなスーパーG2感がありましたね。

京介 うん。確かにG1馬は基礎が違うなと感じさせるパドックだったね。連闘であまり絶好調でもないショウナンバッハの前後と見比べると、やはり筋力の強さや背中の緊張感やら、そういった基本的な体幹と出力の部分が違いすぎるもの。

京介 それぞれに微妙な隙はある体つきだったけれども、上位人気馬はそれぞれにみな説得力のある強さがあった。細くても素晴らしいバネ、皮膚が厚くても肉付きが頑丈頑健など。評価で落ちる馬は、人気馬以上の武器があんまり見つからない感じだったね。

菊池 休み明けの馬が多かったこともあり、13頭中11頭が馬体増。二桁増の馬も3頭いました。

京介 馬体増は全てポジティブに考えてよい造りだったけれども、今回2桁馬体重増は結局みな走らなかったな。まあ相手関係の問題も、コース適性の問題もあるから。

<レース展開について>

京介 映像だと表に出ている人はみな合羽装備で、スタンド前は白い傘が一様に並んでいた。この時間帯で結構降っているなあと感じさせたね。

京介 中京芝2000mのスタートはスタンドの真ん前。ファンファーレが鳴り終わるぐらいからゲート入りは始まった。暴れる馬などは例によっていなかったんだけど、ちょっと足元を慎重に見ていたのか、サクサクとは進まず。とは言え、全く淀みなしに13頭が入ったからそれほど時間が延びることはなかった。おおよそ51秒ほどでのスタート。

菊池 バラついたスタートでした。目立ったのは11番リスグラシューの出遅れ。見直すとゲート内でトモを落としてバランスを崩しながらの発馬でしたね。

京介 なんだか馬体をうねりながら出たよね。どういう姿勢だったんだろう。おおよそ2馬身半ぐらいは不利に思えた。

京介 あとは、5番タニノフランケルが、ちょっと左にモタれて出て4番スズカデヴィアスと3番サトノワルキューレにやや影響。少し玉突きになってしまったかな。6番ペルシアンナイト、13番メートルダールもちょっと良くなかった。10番アルアインと12番モズカッチャンの一歩目を躓いたと判定するなら、おおよそ3分の2ぐらいの馬が出遅れたこととなる。

菊池 一方、良いスタートを切ったのが1番ダノンプレミアム。朝日杯FS当時もかなり良いスタートを見せていましたが、この馬は本当にゲートが上手いですね。一気に1馬身抜けて川田騎手は他馬を待っているようでした。そこに気合いを付けながら5番タニノフランケル、7番ギベオンが追い付いて来ます。さらに9番ムイトオブリガードまで。

・ギベオンは結局、枠の並びが良かったね。内側の馬4頭が露骨に出遅れてくれるなら、そりゃこの枠からでも余裕で2~3番手になるわ。10番アルアインがあんまり速くなかったからなあ。

菊池 1コーナーまでが長い中京芝2000m。ゴール板過ぎで5番タニノフランケルがハナを奪いきって2番手に7番ギベオン。3番手の内に1番ダノンプレミアムと外に9番ムイトオブリガード。

京介 そうそう。中京の2000mは先行争いが1コーナーに入る前までに早くも一段落するぐらい、1コーナーまでが長い。この距離での1コーナー争いで4~5頭分大外を回ることはまずない。

菊池 その後ろの列、5番手に6番ペルシアンナイトと10番アルアインが併走。この後ろ、前から7頭目に8番エアウィンザーがいました。徐々に挽回して11番リスグラシュー。このあたりが中団。

京介 シュタルケ騎手は差しなら大丈夫だけど追い込みはかなり下手だし、前で展開させて上手い騎手。やはり出遅れたままにはしておかないね。いい押し上げだった。

菊池 中団より後ろのグループは内に3番サトノワルキューレ、並んで12番モズカッチャン。そして後方3頭は2番ショウナンバッハ、4番スズカデヴィアス、13番メートルダール。

京介 スズカデヴィアスはちょっとスタートから可哀想だったけれどもね。1コーナー前後で動く隙も無かったし。それにしても、実績足らずの馬が見事に全馬後ろに回ったなあ。

菊池 前半1000m通過は61秒0でした。馬場悪化を考慮してもややスローといったところでしょうか。5F目が12秒9とガッツリ緩んで、そこで馬群が凝縮しましたね。

京介 そうだね、結果論だけれども今年は2分ちょうどの決着だから、単純に1000mを1分ちょうどで通過すれば平均ペース。そして金鯱賞は、例年この程度のスローにはなる。タニノフランケルは2馬身リードしての逃げだけれども、やはり今年も後続の追撃は手ぬるい。そして当然、後続は3コーナーから接近してくる。

菊池 馬群は一団になった後に、下り坂の区間でペースは上がりつつ4コーナーへ。隊列そのものは変わらず直線に向いて来ました。4コーナーを回りきるあたりで、1番ダノンプレミアムは既にハコ内から外に出しつつ進路を確保。

京介 映像的には、3コーナーでの隊列がそのまま誰も動かず直線に向いた形で、外から被せたりまくる動きは見られなかった。残り400mの地点で馬群が横に広がってから、いざここから叩き合いという競馬になっている。

京介 だけど、この映像の中で10番アルアインは結構追っ付けているんだよね。柴山騎手としては仕掛けているんだけれども、実際進出できていない。中京の3~4コーナーカーブは、本当に外捲りがしにくそうだなと感じる場面。

菊池 5番タニノフランケルが粘り込みを図りますが、坂の中腹までに7番ギベオンが並びかけて行きます。ただし、その直後まで1番ダノンプレミアムが急接近。さらにその直後には8番エアウィンザー。外から11番リスグラシュー。

京介 ダノンプレミアムは坂下ではまだちょっと待っていた様子。ギベオンの外、9番ムイトオブリガードが簡単に垂れてしまったので、そこがあっさり開いて、ほぼ持ったまま抜けてくる。

京介 リスグラシューは4コーナー出口から大外、ほぼ自力の仕掛け。8番エアウィンザーは、ダノンプレミアムが空けてくれた内を通しての接近。

菊池 坂の後半で一気に1番ダノンプレミアムが抜け出して後続を振り切りました。懸命に迫る11番リスグラシューも2着がやっと。8番エアウィンザーも最後は脚色が同じに。

京介 エアウィンザーもリスグラシューも、その後ろでモタモタしている馬と比較して欲しい。後ろの馬たちは完全に惰性で流れ込んでいるだけなのに対し、エアウィンザーですらしっかり伸びている。なのにダノンプレミアムは、この2頭よりもはるかに上の手応えだよね。

菊池 1番ダノンプレミアムの川田騎手、ラスト30mあたりで振り返る余裕を見せつつのゴールでした。

京介 いや素晴らしいバネだったな。リスグラシューよりも重馬場上手いよな、と思うぐらいしっかりしたグリップ力で、フットワークの伸びやかさも素晴らしかった。

京介 そしてレース直後のスロー映像を見ても、この時点で馬場はかなり怪しい。真ん中ルートは結構掘れている。斜めの映像だとまだ緑色が多いけれども、上からあるいはパトロールビデオなどでは路盤むき出しになっている箇所が結構多い。雨もしっかり降ったし、ちゃんとした重馬場レベルだったんじゃないかと思うよ。

<結果を受けて…>

190310金鯱賞結果

菊池 勝ち時計は2分0秒1。前日の同距離・500万下が2分1秒2でしたから高速馬場という水準ではなかったと思いますが、メンツを考えると馬場の影響は結構大きかったんじゃないでしょうか。

京介 雨はどんどん降っていたし、時間が経つにつれて悪くなっていたものだと思う。

菊池 結果的に、ある程度は力どおりに決まったと言える決着と振り返って良さそうですね。

京介 力通りかは、まだ分析が必要じゃないかなと思っているけど、上位の馬の能力が非常に高いのは間違いない。そして、大きく敗れた馬が、「そこまで重馬場下手の分の負けだったのか?」は、詳しく見直したい所。

菊池 では、上位馬を振り返りましょう。

ダノンプレミアム

菊池 昨年のダービー以来、+4キロで502キロでした。見た目には良い仕上がりに映りましたね。

京介 うん。お尻の形が悪くて全然容量がなさそうに見えるんだけど、背中がしっかりしていたし、そのお尻も横に膨らんでかなり張りがあった。鍛えてきたなと良く分かる造りだったよ。

菊池 スタートが上手く、危なげない立ち回り。横綱相撲で最後は余裕の勝ちっぷりでした。

京介 これは勝ってから言えることだけれど、この強さで2番人気扱いだったらおいしいと言えるよなあ。調教を見ていない時は半信半疑よりももっと低い扱いだったけれど、追い切りの動きはかなり説得力があったんだよね。これは凄い馬になっている、という予感がしたほどだよ。

京介 うーんやっぱり、現4歳世代最強というのは間違いなかったということかなあ。ダービーで1番2番人気した馬が、結局その後古馬相手にその実力をいかんなく発揮しているよね。

菊池 次走については1週間様子を見てからとのことで、明言されていませんが、大阪杯だと過去最短のローテになりますね。

京介 確かにその部分は心配。ローテーションは若いころからだいぶ甘やかされていた馬だから。連戦というのに耐えられるのかどうか…。

リスグラシュー

菊池 +2キロで458キロでした。状態はどう映りましたか?

京介 馬体重を聞いた時点で「まだ増えるのかよ!」とは思ったんだけど、映像は逆に不安を覚える細さだった。現物を見ると寂しく見えるねえ。骨が基本的に細いからかな。実馬をパドック間近で見たら、筋力の張りやら威圧感やらあるから、そういう寂しさは感じないんだけど。

京介 しかし背筋がしっかりして小さいはずのお尻を丸く見せるし、後肢のキレは本当に素晴らしい。トップクラスで通用するほどのいい状態を、2年どころか3年も維持できるなんてすごいと思う。まだまだ評価は高いよ。

菊池 スタートは相変わらずというか、過去最悪だったようにすら見えましたが、シュタルケ騎手も冷静に挽回しましたね。

京介 あれはもう少し詳細を追いたいね。足回りに嫌な材料があったりしてないか?と。重馬場は本来上手いから、グリップできる馬だと思うんだけど…。シュタルケ騎手が単純にミスっただけなのかな?ちょっと良く分からない。ただ、動き出してからの挽回は非常にスムーズ。ここら辺は、渋った馬場での扱いやすさが生きた印象もある。

菊池 唯一、外から伸びてきたように直線で見せた脚はさすがでしたね。

京介 確かに。このレースでも外を回った馬は誰一頭として伸びてなかったのに。これは単純な地力と考えていいね。

菊池 この後は香港のQE2世Sに向かうようです。

京介 海外に出るのなら、馬場状態を気にして欲しいね。昨年末の香港はとんでもない前有利馬場だったし、春の香港もめったなことでは外だけ有利な馬場にはならないから。

エアウィンザー

菊池 チャレンジC以来の競馬で、4キロ増の512キロでした。どんな印象でしたか?

京介 この馬はバランスのちょうどいい箇所にぴったりはまっているタイプという印象。トモの張りもいいし腰つきもまともだけど、総合的にレベルが非常に高い、と思える歩きをしている。

京介 このメンバーに入れても見劣りは全くしなかったよ。現場の人たちもそう評していたのでしょう。おそらくは。

菊池 中団内をロスなく立ち回り、直線はダノンプレミアムを直後から追いました。さすがにこれまでより相手が強かったですね。

京介 そうそう。今回の競馬は「消極的じゃなかったか?」という疑問を差し挟む余地がない。かなり攻めた内容だと思うよ。これは、ダノンプレミアムに4コーナー以降横並びできなかったのが良くなさそうに見えるだけで、相手が強かったよ。

菊池 道悪はプラスに働くと思っていたのですが、巧拙については巧いという解釈で良さそうですよね。となると、大阪杯は出走できたとしても逆転できるかというと??

京介 いやーまだわからない。G1でも馬券圏内に入るのは間違いないレベルにあるとは思うけど、「ダノンプレミアム相手に勝つ」だけじゃなく「競り勝って他馬も凌ぐ」ということになると、何か目立つ武器が欲しいよね。

京介 あと、中竹厩舎の時に強烈に強い競馬をし始めて、角居厩舎に戻ると競馬が小ぢんまりしてしまう…というのも無きにしも非ず…とは思うんだよなあ。

その他

菊池 ペルシアンナイトは4着でした。序盤に掛かっていたのもありましたが、直線で伸びを欠いたのは休み明けの分もありましたかね。

京介 ホントこの馬は左回りが下手というか…。下がるムイトオブリガードを避けて差すのがあまり上手くなかった。ただ、渋った馬場上手なら坂上になってから上位に対してもっと食い下がって欲しかったね。まあ、ちょっと余裕もあった。あと、陣営も妙に諦めているけど馬自身も休み明けの競馬を舐め過ぎ。何だか勝負所でグッと来ないな。叩くと違うんだけど。

菊池 5着はアルアイン。こちらは伸びずバテずの流れ込みという感じで。

京介 まず、直前の鞍上交替はやはり影響したでしょう。柴山騎手なんて、こんなG1レベルの馬に対しての攻略情報なんて何も入っていなかっただろうし…。前も後ろもケアした結果、どっちつかずの仕掛けになってしまった感じでは。

京介 勝負所の追い出しで、ペルシアンナイトに内から押され、外からリスグラシューに被され若干怯んだ格好で遅れてしまう。そして完全圏外かなと思わせた後、勝負付けがほぼついた後からジリジリ伸びていた。スタミナは消耗していない。瞬時の反応が悪いだけ。

京介 だけど大阪杯はああいう箇所でビビッドに反応する要素が絶対必要だからなあ。まあ今回は運がなかったと諦めるほかないかな。

菊池 モズカッチャンは9着。+14キロということもあってか、ちょっとピリっとしなかったですね。

京介 昨年エリザベス女王杯の時から嫌な感じがするけれど、不振が長引いているように思えるねえ。体が締まり切らないのも正直良くないな。脚を回すピッチが悪いもの。

<教訓まとめ>

・かなりレベルの高い年だったからこそ、リスグラシューを評価したい。牝馬の一線級は牡馬のトップクラスが並ぶ中距離部門に殴り込みをかけても、もはや余裕で通用する。いくら重馬場が上手いとはいえ、牡馬の重馬場上手の馬相手に通用するのは本当に凄いこと。今回は牝馬だから若干評価を下げられた面もあったはずだが、その牝馬不利のイメージは払拭すべき。

・毎年そうだが、中日新聞杯と過去の12月金鯱賞とはレベルが違っているし、中日新聞杯勝ち馬が金鯱賞に出てきても全く通用しない。中日新聞杯はハンデ戦多頭数である分、外差しにブレる傾向があるが、金鯱賞はレベルが超高い3F瞬発力勝負。

・瞬発力性能が優秀なディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライ産駒のA~S級がこれからもわんさか出てくるレースになるはず。別系統の馬では勝負にならないかも…。逃げや先行馬が足りるには、メンバーレベルが落ちる少頭数になるのを確認してからか。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・タニノフランケル
…かなり調子は良かったと思う。しかし上がり性能の限界という感じ。まあ最後は完全に止まっていた。吉田隼人騎手の逃げが下手だったというのと、今週は開幕週なのに逃げ馬全滅という馬場不運もあった。今回の大敗がなにか味付けになればいいが…。

<菊池>
・ギベオン
…かなりメンツの弱かった中日新聞杯を勝ったものの、本質的に2000mは長いでしょう。中山記念なら結果は違ったのでは?と思わせる内容。相手関係次第ではあるものの、1600~1800mの方が良いはず。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末はフラワーCとスプリングSを京介さんと、ファルコンSと阪神大賞典はオクノさんと展望します。よろしくお願いします。