金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・中山牝馬S編

菊池 土曜の中山で行われた中山牝馬Sも回顧していきましょう。

■競馬大予言19年春G1号
19年3月大予言

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中山牝馬Sはフロンテアクイーン(5番人気・単勝1050円)を推奨
190309中山牝馬S穴推奨

中山牝馬ステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/227743

<当日の馬場状態について>

菊池 中山は週中の雨の影響で、土曜は朝一の発表が「芝=稍重」・「ダ=重」でのスタートでした。一応、芝レースが始まる前に「芝=良」に発表が変わりましたね。

京介 土曜日はなかなかに暖かく感じるほど、日差しの勢いが強かった。雲も晴れていたし、乾燥するのも早かっただろうね。ずっと日が当たる4コーナー付近が、結構乾いていたそうで。金曜日の朝に14.0%だった含水率が、日曜日朝には10.7%になっていたから、中山としてはまともな良馬場というところ。

菊池 お天気が良かったにせよ回復が早かったあたり、風もありましたか?

京介 風は多少出ていたけれど弱めだったと思うよ。それよりは雲がほぼなくて、馬場がずっとひなたにあって芝が光るぐらい、直射日光が強かったことが大きかったのかな。

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<パドックについて>

菊池 14頭立てでした。全体の印象としてはいかがでしたか?

京介 毎年パドック自体は微妙なレースなんだけど、今年もまあそれなりに良いかな、という水準だったね。好不調の差は結構目立って出るパドック。個人的には、ノームコアもアドマイヤリードもイマイチだったなと感じた。

京介 自分はランドネとワンブレスアウェイ、アッフィラートは良く見えたなあ。あと、フロンテアクイーンは腹ボテ体型に見える形。昔から腹ボテ体型になったり、ときおり脾腹をスカッと寂しく見せたりと印象が変化するタイプだったけれども、今回は肉量が増えて皮膚がやや厚くなった印象だった。

<レース展開について>

京介 中山芝内回り1800mのスタートは、スタンドの真ん前。今日はまあまあ良い天気だったんだけど、そこまで観客大入りという様子ではなく、喧騒が目立たなかったね。今回はファンファーレが終わってすぐゲート入りが始まる形。

京介 なんか今回は奇数枠がちんたらしていたなあ。まあ、取り立ててゲートで嫌がる馬もなし。頭数も14頭と少なめで、45秒程度のスタート。特に問題はなし。

菊池 バラついたスタートでしたね。9番ウラヌスチャームは出遅れたうえに挟まれて後方からの競馬を余儀なくされていました。14番ワンブレスアウェイあたりも出遅れ。2番ノームコアも良いスタートではありませんでした。

京介 ワンブレスアウェイは変な姿勢で出て躓いた格好か。それと10番デンコウアンジュが右にキレるスタートで、これで9番ウラヌスチャームと8番ウラヌスチャームが玉突きになってしまった。

京介 その2か所以外は、おおよそ横並びでスパッと出た形だね。それにしても3番カワキタエンカは、2~4歩目がいつも速いなあ。

菊池 まずは内から3番カワキタエンカ。さらに5番クロコスミア、6番ランドネ、12番ウインファビラス。外枠を引いてしまった13番ミッキーチャームは口を割ったりしながら1コーナーへ。

京介 ミッキーチャームの反応は困りものだね。2列目外ぐらいの位置ではボケっとしてて促して1列目に並んだかと思いきや、そこで抑えたいのに馬はより先頭に立とうとカッカしてしまってる。

菊池 1コーナーでは馬群が広がっていましたね。3番カワキタエンカが単騎先頭をキープした後ろは6番ランドネと13番ミッキーチャームが併走。そして、出遅れたのを挽回しようとして掛かったのか、14番ワンブレスアウェイが外から浮上。

京介 うーん。確かにワンブレスアウェイは力んでグーッと進出してしまっている。その後折り合いは一応付いているけれど、ここで結構脚を使った印象はあるね。改めて、スタートでのミスあるなしは本当に大事だな…。

菊池 この後ろの列に12番ウインファビラスと5番クロコスミア。これらの後ろの列は1番アドマイヤリード、7番フロンテアクイーン、11番フローレスマジック。

京介 クロコスミアは枠の並びを見てからの作戦なのか、今回は珍しく主張せずにガッチリ控えていた。向正面の半ば通過ぐらいで6番手ぐらいか。もっと引っ張りそうな感じもあった。

菊池 後方に2番ノームコア、4番アッフィラート、10番デンコウアンジュ。そしてポツリポツリと9番ウラヌスチャームに8番レイホーロマンス。

京介 アッフィラートは4番枠なのに、2コーナー過ぎの時点で早くも外に構えている。9番ウラヌスチャームは最初の挟まれた不利が響いてモタつき、ここまで何もできなかったに近い。

菊池 800m通過は48秒3、1000m通過が59秒8でした。ラップの詳細については後述もしますが、4F・5Fの時計を見ると、先行馬が揃った割に落ち着いた流れとも取れるのですが、5F目に妙なペースアップがありましたね。

京介 これは序盤2コーナーで外から力んで進出していた14番ワンブレスアウェイが、その勢いのまま向正面で捲るように動いて先頭と並んだ箇所だね。ワンブレスアウェイはここで先頭をつついている。

菊池 14番ワンブレスアウェイの動きもあって、3番カワキタエンカは一旦ペースを上げた後に、もう一度緩めるような格好に。これが先行馬にダメージを与えた上に、後続に追い上げる隙を作るような格好になっています。3コーナー前後のラップが緩んだ区間で、後方待機勢が仕掛けて行くと、馬群は一気に凝縮。

京介 先行馬はお互いのポジション争いで2度3度と脚を使っているのに、後続との差があまり開いていない。事前の想定とはチョイ違ったけれども、これは完全に差し追い込み馬の餌食だね。

菊池 4コーナーでは、外から進出の11番フローレスマジックがマクり切って一気に先頭。こうなると先行各馬は抵抗が難しくなります。合わせて外から後方待機勢が一気に押し寄せる追込み展開の様相に。

京介 馬群の一番大外を回っていた4番アッフィラートは距離ロスがあるかな?と思いきや、脚が止まるどころか、完全に外の追い込み馬の方がイキイキし始める流れになる。

菊池 直線に向いて11番フローレスマジックが先頭に立つと、先行各馬は失速。外から7番フロンテアクイーン、さらに後方2番手にいた9番ウラヌスチャームが接近。さらには軽ハンデの4番アッフィラートまで。

京介 どの馬に目を配ればいいのか分からないぐらい、追い込み馬がみな坂上で同時に伸びる形になったね。

菊池 坂を登り切ると早めに抜け出した11番フローレスマジックは一杯。7番フロンテアクイーンと9番ウラヌスチャームの叩き合いになり、7番フロンテアクイーンが僅かにハナ差だけ先んじました。

京介 いやあ、見ごたえのある叩き合いだった。久々にハンデ戦らしい僅差の凌ぎ合いとなった内容だね。

<結果を受けて…>

190309中山牝馬S結果

菊池 勝ち時計は1分47秒7。過去10年ではやや速いほうの時計ですが、道悪での施行が2回あったことを考慮すると、平均程度でしょうか。

京介 それにもともと「スローペースになりやすいレース」でもあるし、「凡戦のレース展開」で落ち着くことも多いレースだった。今回のレースも、もうちょっと速い時計で決着して欲しい印象ではあるね。

菊池 何と言っても5F目の11秒5と、6F目の12秒4という、この400mの区間が勝敗を分けた大きなポイントであると考えられます。中団から後方にいて、外を追い上げた馬にバッチリ展開がハマったと。

京介 スタートで不利を受けてしばらく後方2番手にいた馬が勝ち負けに絡めたんだから、やはり前の組がお互い削り合って沈んだ、という影響が大きかったと見るべきだよね。

菊池 では、上位馬について。

フロンテアクイーン

菊池 最終的には単複ともに5番人気でしたが、一応僕の穴推奨でした(展開読みに少し自信があったので馬券はこんな感じで、ソコソコうまくいきました)。3連復はちょっと安いな、と思いましたがハンデ戦なので仕方ないですかね。

190309中山牝馬S穴推奨

190309中山牝馬S的中

190309中山牝馬S的中2


京介 まあハンデ戦の場合はそうだね。3連複、馬連は「この人気薄が来たのに!」という妙に安く感じる配当となりやすい。単純な単勝人気通りの評価とは言えないものだし、みんな広めに手を広げがちなのでしょう。

菊池 2着キャラのこの馬が勝ち切れたのは展開に依るところも大きいですが、三浦騎手も上手に乗ってくれましたね。

京介 いや見事だったよね。コーナーで仕掛けそうな馬の真後ろで風除けにしつつ、下げ過ぎない位置、外を回り過ぎない位置。アッフィラートなどと比べると、大味な決め打ちではない形での、丁寧なロスのない騎乗だった。

菊池 この後のローテはどうなるやら。福島牝馬Sなら多少背負っても、それなりの信頼はできると思いますが、ヴィクトリアマイルの適性は…厳しいものがありますね。

京介 まあ、デンコウアンジュのように、雨が降ったヴィクトリアマイルの場合はスピード寄りとも言えないから。この馬の重賞制覇の可能性はあくまで運によるものとしか。ただ、このあとも独自の武器をしっかり磨いてほしいよね。

ウラヌスチャーム

菊池 4キロ減の496キロでした。500キロ級の大きな牝馬ですね。

京介 追いきりだと何度も手前を替えたりと、姿勢がハマらない部分を見せているんだけど、パドックだと本当に良く見える形。おまけにこの日はトモのハマりがよくて、後肢の捌きがしっかりしていた。ただ前脚の歪みがなあ…。小回りだと気になって仕方がない。自分は勝ちきるのなら2200mや東京向きだと思うよ。

菊池 この馬はスタート直後に不利があって後方からでしたが、結果的には良かった面もありましたね。ミナリク騎手の3~4コーナーの立ち回りも見事でした。

京介 いやほんと、これはパトロールビデオをみな見直してほしい。3コーナーでは間違いなく後方2番手にいたのに、フロンテアクイーンの真後ろに隙間があったのか、アッフィラートの内に押っ付けることなくじんわり進入しつつ差を詰めている。それでいて直線は手前をクルクルと替える動作もない。ビシッと追えている。あ、本当はコーナーから直線の立ち上がりで一歩ずつ3回替えたんだけども、一度姿勢が決まってから追い出している時には替えてない。

菊池 勝ちきれなかったですが、斤量面も考慮すると福島牝馬Sに進めば本命はコチラかなという感じがありますかね。

京介 うーんそうかなあ。実は騎手が変わるとこの前脚の歪み+手前替えの癖が影響して、後半の伸びが鈍るんじゃないかとみているんだけど…。もちろん能力は高いけれども、本質小回り向きじゃないと思うんだよ。

アッフィラート

菊池 6キロ減で442キロでした。準オープンの身で格上挑戦でしたが、他馬と比較してどうでしたか?

京介 これはありていに言えば、ちゃんと仕上げてきた藤原英昭厩舎の馬だよね。ずっと体が大きくならず、常に細身で頼りない肉付きだったし、事前にはおそらく見劣りするだろうなと思ったんだけど、今日は腰がバッチリハマっていた。後肢の捌きもしっかりしていたね。勝つほどとは思わなかったけれど、バテずに上位に食い込んでくるイメージは持てた。

菊池 展開に乗じて軽ハンデも上手く活かした3着でした。引退レースだと思われるので、もう一歩欲しかったかもしれませんが、概ね良い結果だったのでは。

京介 自分としてはそれこそ、2着に届いてほしかったよ~。いい穴馬拾えたと思ったのに、そこは残念。

その他

菊池 1番人気ノームコアは7着でした。後方追走は良かったですが、結果的に内の先行馬が軒並み後退したので直線では全く進路を得られませんでしたね。

京介 田辺騎手からすると、斤量が重たいなという自覚はあったのかもしれないね。それに、外枠の馬が果敢にレースを動かしていると、内枠で馬群の中にいる馬はホント序盤も道中も何もできない。今回は目の前の5番クロコスミアが進出に消極的で、勝負所で何もしてくれなかったのが痛かった。外に出すにも馬が多数いて難しい塩梅だったし、直線もしばらく壁。事実上脚を使ったのは250mぐらいじゃないか。

京介 いやそれにしても、中山牝馬Sの1枠2枠はホント死に枠だね。有力馬でも脚を余して変な負けを喫することが多い。「中山内回りの内枠の怖さ」を実感させる現象だよね。もちろん次走は注目すべき。

菊池 2番人気ミッキーチャームは最下位負け。初の関東遠征ということもあってか、テンションが高かったですよね。

京介 あの1コーナーで折り合いが上手く行かなかったのは、秋華賞まで積極主張をし続けていた教育の影響でしょう。このメンバーなら一旦構えたい…が意のままに行かなかった。その後もラップはブレるし、脚も上手く溜まっていなかった。

菊池 やはり気難しい馬。自分の形で運べないと脆いのは逃げ馬として仕方ない面もありますね。個人的には悲観せずという考えで。

京介 そうだね。馬体はもちろんいいところはあった。後肢の管も長いし、捌くと歩幅が非常に広い。良い馬だともちろん思っているよ。

菊池 全体的には、展開面で逃げ・先行馬には難しいレースになったということを記憶しておきたいです。

京介 あともう一つ、先を見越してのものなのか時期的にビシッと仕上げるのが難しいためなのか、半端な状態で出すとホント上手く行かないレースなんだなとは感じた。そういった間隙を突いて、アッフィラートのように引退仕上げでバッチリ決まっている馬が自在にスイスイ動いて激走に至る、ということが良くあるレース。そう感じたね。

京介 それと今回、自分はガリガリやり合う超ハイペースが生まれると思ったけれど、実際はそういう争いではなく、ワンブレスアウェイが中盤で仕掛けたためのスタミナ消耗という形。逃げ馬がいくら揃おうが、1コーナーが近く何だかんだカーブで落ち着くので、ハイペースには絶対ならない結局スローに落ち着きやすい質のレースなのかなと思った。その後の展開はともかくとして。

<教訓まとめ>

・今年のようなメンバーが揃っても、逃げ馬候補同士はお互い譲り合い、競り込み合戦とはならなかった。やはりコース傾向と馬場の荒れ具合からして、本質的には前半競りにくく、落ち着いた入りになりやすいレース。差し馬が有利な展開になるかどうか大事なのは中盤。

・引退レースの絡みもあるためかいつも6歳以上高齢馬が穴になるし、パワー+スタミナが結構大事。出走馬の平均より馬体重が重たい方、あるいはトモの幅や腹袋がある方が好走しやすい条件。

・ターコイズSや愛知杯を勝った馬は、今の時期だと当然体調も良く直前まで良い気配を見せるものではあるが、さすがにここはハンデ戦。手応え良く強気に動いて勝ちきれるほど甘くないし、斤量差で能力拮抗の状態にさせられている。今回はワンブレスアウェイが早くから自信満々に動いたことが、レース展開のアヤになった印象。「前走重賞好走馬が多いハンデ戦ほど、差し追い込みが有利になる」という法則にも則っている。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ランドネ
…やはり体格が良く、見映えのいいタイプ。メチャメチャ出来が良かったように感じた。しかしレースは同型も横並び併走、強気に主張しに行く場面もなく、あまりにグダグダ。直線もカワキタエンカの最内を突こうと思ったら、カワキタエンカがバテながら内を閉めるという…。いい所なく終わり過ぎたからこそ、この過程で疲労はない。福島牝馬Sに出るなら注意。

<菊池> 
・ミッキーチャーム
…阪神牝馬Sを使うかヴィクトリアマイルに直行となるかはまだ見えないが、逃げ馬の大敗は仕方なし。今回は輸送で狂ってしまったレース前のテンションも勿論だが、カワキタエンカとの枠順の差も痛かったはず。大敗で人気を落とすようなら面白い存在になり得る可能性を感じます。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末はフラワーCとスプリングSを京介さんと、ファルコンSと阪神大賞典はオクノさんと展望します。よろしくお願いします。