金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・日経賞編

菊池 土曜の中山で行われた日経賞も回顧していきましょう。

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日経賞回顧



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<当日の馬場状態について>

菊池 中山は朝から雨。降ったり止んだりがあったんですかね?朝イチの発表は芝・ダともに良でしたが、芝は午後から稍重発表になっていました。

京介 うん、降らないだろうと思ったら局地的に弱く降ったようだね。現場は開門時はどんよりとしたほど暗くはならず、もうちょいで雲が晴れるかな、という程度だった。午前中は傘が必要かどうか悩むぐらいの、しょぼしょぼとした雨量だったよ。それでも一度は稍重になったけどね。

京介 その後、午後からほとんど雨はやむ。だけど雨足は悪くならなかったけれど、寒の戻りというか、非常に肌寒い風が吹き込んで、メイン付近になってもかなり肌寒かったよ。これは参ったね。自分は軽装というほどではなかったけれども、もうちょっと薄着だったら手足がシビれるぐらいの冷たさはあった。

菊池 先週から3回中山開催ですが、先週まではAコース使用でした。見た目には傷んでいても、内を通る馬の好走が多かったですね。

京介 まだBコースに替えていないはずなんだけど、今週の中山芝はかなり前が残ったよね。確かに菊池くんの言う通り、内側から3~4頭分ぐらいはボロボロに荒れていて馬群が通れば土煙もちょっと上がるんだけど、内枠の先行馬が相当に有利走で、外を回る馬がなかなか追いつけなかったのは事実。差し馬が途中捲って動こうとするほど、ジョッキーにそうさせるほど、逃げ馬に自由自在にされ続けていた1日だった。

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<パドックについて>

菊池 12頭立てでした。全体の印象としてはいかがでしたか?

京介 日経賞はいつもそうなんだけど、冬の重賞からの連戦で大して変わり映えしない体つきの馬と、休み明けで出てきて馬体甘めの馬同士の対戦になりがち。なので、どの馬もだいたいは腰の支えが良くないものなんだよ。その中で、ここをしっかり狙ってきている馬は、明らかに準備万端という緊張した体つきを示すから、わかりやすい部分はある。

京介 なので中間の追い切り映像でだいたいイメージを掴めていたとはいえ、メイショウテッコンは非常に良い造りに見えた。単純に前走からの仕上がり上昇があったと思うよ。そして、エタリオウはだいぶ素晴らしいレベルの馬に成長しているね。その他の関東馬、高齢馬は推して知るべしというレベルかなあ。適性や状況を考えていろいろ穴馬は選ぶものの、人気上位馬がしごく真っ当だったと感じた。

<レース展開について>

京介 有馬記念で有名な中山芝内回り2500mのスタートは、3コーナーカーブの始まり辺りに切ってある。スタートの位置を引きの映像で見直すと、改めて「外枠ゲートは先行するのが難しいよな」と感じるよね。あの角度の差は結構大きいよ。

京介 幸いにもスタート時に強い風はなかった。スタンドの喧騒からはだいぶ離れた位置。ファンファーレが鳴っている最中から、もうゲートに向かう馬がいたほど。良い意味でとぼけていて、落ち着き払った気性の馬ばかりだし、ゲート入りもほとんどスンナリ。ほんの20秒ちょっとで11頭が入ったし、最後の大外クリンチャーをゆっくり入れてからスタートしたのが、最初から数えて40秒弱と早いゲートだった。

菊池 バラついたスタートでしたね。まずは1番メイショウテッコン。今回はスタートを決めて、先手を奪いに行きました。スンナリハナに立てましたね。

京介 一歩目は横並びで出たようには見えるんだけど、あの程度の行き脚じゃ中山2500mで外からグワッと積極主張するには全然足りない。外枠各馬の騎手もそれをすぐ察して、様子を見ながら手綱を引くし、結果隊列もすぐバラバラになって内枠が優勢を取ったわけだね。

京介 大きく出遅れたのは3番アクションスターと5番ブラックバゴ。そして6番ルックトゥワイスは出遅れこそ大きくはなかったけれど、スタートを決めた集団に比べると遅れてしまい、後方3番手に。あとから考えると、ルックトゥワイスはこの後手を最後まで挽回しきれなかったね。

菊池 2番手に2番ゴーフォザサミット、その外9番カフェブリッツも抑えながら3番手。10番ハッピーグリン、4番サクラアンプルールと続いて3~4コーナーへ。

京介 ゴーフォザサミットはいい枠の恩恵を目一杯活かし、序盤から下手に譲らず高い位置を確保した。この開催の石橋脩騎手は、本当に先行意識が高いと思う。

京介 ハッピーグリンの服部騎手も、カフェブリッツの真後ろという。過去歴から考えるとずいぶん前目だね。

菊池 スタンド前まで大きく変わらない隊列で来て、7番エタリオウは中団あたり。その直後の外に12番クリンチャー、内に6番ルックトゥワイスといった隊列でした。

京介 クリンチャーは序盤に押っ付けたりはしていなかった。ただ、持ったままで進ませるにはキツイ枠だったよね。

京介 エタリオウはなんだか、手前を替えるたびに斜めにキレているなあ。11番チェスナットコート、12番クリンチャーは4コーナーからスタンド前までで結構翻弄されている。

菊池 1000m通過は62秒7と出ました。少し馬場悪化があったとは言え、早めに隊列が決まった分もあって遅めの流れ。そして、この先の中盤で武豊騎手はさらにペースを落としましたね。

京介 ペースが落ちたとしても急激ではないから、後続がなかなか気づかない。2コーナーを過ぎても、隊列は2頭ずつ並んだ縦列のままだよね。好位で追走するゴーフォザサミットやカフェブリッツも歓迎して受け入れているし、結局前の組を攻めたてない。こういうレース展開が最近本当に多いよね。

菊池 中盤のペースダウンを察知した7番エタリオウのM.デムーロ騎手は向正面半ばから進出して3コーナー手前では差のない2番手へ。ただし、その他は武豊騎手の絶妙なペースアップに動けない馬も多く、3コーナー過ぎから9番カフェブリッツは鞍上の叱咤にも応えられなくなっていました。早めに手を打ったデムーロ騎手はさすがですね。

京介 レース後のコメントだと、意図せずに馬がハミを噛んで動いたとデムーロ騎手が友道調教師に言ったそうだけど、映像を見ると軽く促しているよね。まあ適当な方便なのかな?でもまあいい判断だったと思うし、そりゃここで動かなきゃまずいだろう、という残り1000m地点だよね。3コーナーで動いていたらさすがに遅すぎたし、先に動いておいたからコーナーを回る際にエタリオウは息が入っている。

菊池 4コーナーでは懸命に12番クリンチャーも差を詰めて来ますが、マクリ切るには至らず。直線入り口で既に、前に行った1番メイショウテッコンと7番エタリオウによる一騎討ちムードとなっていました。

京介 エタリオウの手応えと他を見ると、「そこで仕掛けていたらそりゃ遅いよ」となるよね。本当は2番ゴーフォザサミットが前の2頭の真後ろにいるから脚があれば十分射程圏内なんだけども、この馬は力が足りなかった。

菊池 直線に向いて、やはり後続は追い上げ切れずに突き放される一方。1番メイショウテッコンが懸命の粘り腰を発揮すると、7番エタリオウも振り切られてしまいます。

京介 途中まで見ていたら、9割方デムーロ騎手にやられたわ…と諦めていたんだけど、さすがにここまで楽な展開で運べたのなら、メイショウテッコンの方にも脚が残っていたか。最後の競り合い、残り200mを過ぎて、メイショウテッコンが振り切る動きを見せる。こんな力あったんだ!と驚いたよ。

菊池 内からスルスルと浮上して3着争いを決めた4番サクラアンプルールも含め、前の3頭はほぼ同じ感覚で200mくらい走り続けながらのゴールとなりました。

京介 その通り、直線最後のもうひと悶着というものも発生せず、みな脚色一緒となってしまった形。後ろの組はスパート性能も劣ったし、速い脚も足りなかった。集中力切れ、というのもあるね。

<結果を受けて…>

190323日経賞結果

菊池 勝ち時計は2分34秒2。良馬場でもこれくらいのタイムで決着することがあるので、稍重だったと考えるとまずまずですかね。

京介 特に序盤の1200m近くが遅いペースで進んだし、最後は上位馬がみな余力あるような入線。こんなものでしょう。

菊池 これぞ武豊!という老獪な逃げ切り。早めに察知して動いたデムーロ騎手、頑なに自分の仕事に徹した横山典騎手。名人たちにこれだけしっかり働かれると、他の騎手は苦しいですね。

京介 特に、今回掲示板に載ったのは、内枠で出遅れなかった馬なんだよね。展開の優位がまず好位勢にあり、その優位を全く渡さなかった。名実ともにG1馬がいなかったメンバーなので、実質展開の恩恵も大きく出たと考えていいと思う。

菊池 では、上位馬について。

メイショウテッコン

菊池 2キロ増えて510キロでした。仕上がりはいかがでしたか?

京介 前回はモニターでのものだけれども、腰の上下ブレが目立っていたと思うよ。それが今回は全く感じられなかった。現場でも背中・腰ブレが全くなかったし、歩きもしっかりしていたね。調教の内容も一変していたし、前回がダメだったというだけでしょう。もちろん唐突に出遅れてしまう怖さはあったけれども。

菊池 この2戦の大敗があっても、3番人気で単勝4.9倍。しっかり売れていましたね。

京介 そうなんだよ!週中に名前順で馬柱を比較するだけなら、5番人気ぐらいであってもおかしくないよね。鞍上が武豊騎手、最内枠を引いたという事実。出遅れたら台無しだったにせよ、上手く行けば…という画をみなが描きやすかったということもあるでしょう。前回好走しているルックトゥワイス、エタリオウがどちらも好調教&好仕上がりということで、それより上の人気にはならなかったけれど。

菊池 次走は天皇賞(春)に向かうでしょうか。大幅な上積みがあるかというと?今回ひと仕事終えた感もあるような。

京介 それは言っちゃだめだよね(笑)。だけど現時点での実力では、そう言われても仕方ないか。上手く運べたのなら、エタリオウと能力拮抗ぐらいの馬なんだぞということを覚えておいて、いい状態の時に上げ下げするという馬でしょう。

菊池 とは言え、天皇賞で武豊騎手の逃げとなると簡単には目を切れませんね。ただ、ユーキャンスマイルが先約で乗り替わりかな?このあたりは追ってまた要確認…。

京介 松山弘平騎手が逃げずともラジオNIKKEI賞を勝ったけれども、もう一度逃げない競馬で重賞での好走を果たすなら、安定感も増してくるんじゃないか、とは思うけどね。

エタリオウ

菊池 こちらは菊花賞以来でしたが、6キロ減の466キロでした。数字は減っていましたが、成長は感じられましたか?

京介 いやホントいい馬になっていたよ。後肢の捌きがキレキレだもの。腰にビシッと芯があって緊張感も素晴らしい。今回はこの馬だけがG1級のレベルにあったんじゃないか、とは思う。

菊池 スタートも安定してきて、中団~やや前で競馬できるようになったのは大きな強みになりますね。何度も言いますが、デムーロ騎手の動く判断も良かったと思います。

京介 その勝負所に差し掛かる前までは、ポジションを取ろうとするときに不必要な蛇行があったり、まだ難しい馬なんだなあ…と思ったけれどもね。これまで重要なレースで、何度も過怠金が発生する斜行をやらかした問題児、ということは忘れちゃいけない。自分はそれもあって、中山初になる今回は相当評価を下げたんだけど、ホント鞍上の好騎乗によってそれが表に出なかった運もある。

菊池 またまた2着で引き続き1勝馬のまま天皇賞に挑むこととなります。2着固定の3連単・馬単が売れそうですね(笑)。

京介 実際のところ、その通りの結果になっているし、レースを勝てると確信に至る大幅好転となった材料が感じられないからね。強いのは間違いないんだけど。

サクラアンプルール

菊池 4キロ減で484キロでした。8歳馬ですし特に変わったところはなかったですかね?

京介 今年のサクラアンプルールは正直言って背中のラインやトモの張りがイマイチだねえ…。疲れとは思わないけど、加齢のせいなのか、緊張感が乏しい。今回のメンバーで、近走走っているのと同じだけの力で走れば、IDMで足りたということが大事だったという。

菊池 今回は好枠を活かすべく、横山典騎手はスタートだけ決めたらラチ沿いにへばりついて離れない、そして3着をキッチリとゲットしました。なんか、また似たような競馬ができそうな時に、複勝圏を考えればいいでしょうか。

京介 この馬の場合はもう馬体面、性能面や戦略の限界が見えているからね。IDMでの比較で、新味を見せそうな馬が3頭もいないと感じた時に、「前走程度でも足りるよ、内枠ならなお良し」という扱い方でいいのでは。

その他


菊池 2番人気ルックトゥワイスは6着でした。人気の方が間違っていたパターンですかね?売れすぎというか。

京介 でも実際、レース振り評価をすると前走もそれなりに優秀で能力上位だし、馬体も良く見せる。確かにいい気配ではあった。それに2走前に中山2500mをそこそこいい立回りで勝っていたことも、後押しの材料にはなったのでしょう。今回は出遅れが痛恨過ぎたように思うなあ。

菊池 クリンチャーは7着でした。仕上がりがひと息でしたか?

京介 腹ボテに見せるタイプとは言え、仕上がりが一息だったと思うよ。少なくとも有馬記念の方が可能性はチラッと感じた。手先もだいぶ緩みがあったしね。

京介 この馬としてはスターダムから外れているんだし、そろそろ何度も言っているようにダートに行ってほしいんだよなあ…。

菊池 また4歳が重賞を勝って、今年の天皇賞(春)は菊花賞の上位人気&上位好走馬が多数出走。近年としてはけっこう珍しいことになりそうです。もちろん喜ばしいこと!

京介 となると、単純に馬がいいからとエタリオウを素直に信じるわけにはいかないのか。これは悩みどころだね…。

<教訓まとめ>

・名実ともに格上G1馬が登場したら、超スローのペースにも対応して好位からグイグイ攻めてくるので、展開など関係ない。しかし今年のようにG1馬不在のメンバーだと、事実上の駆け引きが発生しやすくなり、展開の影響で結果が変わる。G2~G3級ばかりだからこそスローペース=前残りに直結する。武豊騎手もいい条件を得て見事に応える騎乗だったが、これを倒すG1級がいなかったということが大事。
・間隔を空け過ぎた馬は、いろいろな背景を考慮しすぎるためか、慎重な競馬になりがち。エタリオウは変なコケ方をしてもおかしくなかったのに、鞍上が見事な判断を見せて力を出させたと考えたい。本来はこのローテーションは不利。
・長距離路線から転じたカフェブリッツが、スローペースなのに全く勝負にならず、結構びっくりしている。瞬発力や緊張感というものもそれなりに必要なので、求められている適性に開きがあり過ぎると考えるべき。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ルックトゥワイス
…弱い馬だとは思わない。仕上がりも良かった。ただ戸崎騎手が出遅れてから大事に乗り過ぎて、してもいい場面で全然挽回をしなかったのはだいぶ不満。最後はジリジリ来ている。荒れた芝に脚を取られノメっていたようだし、もうちょっとちゃんと走るはず。

<菊池> 
・クリンチャー
…展開とトラックバイアスに翻弄されて結果としてはスピード負けの部分も。天皇賞は内枠が必須。連続騎乗だと良いと思いますが果たして。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末は久々に2重賞。大阪杯・ダービー卿CTをともに京介さんと展望します。よろしくお願いします。