金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・京王杯SC編

菊池 土曜の東京で行われた京王杯SCも回顧していきましょう。

京都新聞杯はサトノソロモン(6人気・複勝480円)を推奨
190504京都新聞杯穴推奨

京王杯スプリングカップ回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/244907

<当日の馬場状態について>

菊池 週中にほぼ雨がなく、当日も良いお天気でしたね。

190511週馬場

京介 いやそれでも先週のようなことがないかとびくびくしていたよ(笑)。快晴予報だったけれども一応折りたたみ傘持ってきたし…。先週末は土日ともに真っ青な快晴で、雲行きが危ぶまれることも全くなかった。適度に心地よい緩い風が吹き込む、気持ちの良い競馬日和だったね。先週もこんな感じならよかったんだけど。

菊池 仮柵移動でBコース使用でした。ただ、芝コースは内の良し悪し以前に、高速化が目立ちました。7Rの古馬500万下(芝1400m)で1分20秒4、9Rの3歳500万下(芝2000m)で1分59秒3。

京介 速かったねえ。土曜東京7Rなんてむっちゃくちゃ低レベルだったのに。全体にはちょっと先頭が競りになるとガンガンペースが上がる、という特徴があったみたいだね。

190511週馬場分析

京介 仮柵をBコースに移動したら、うまいこと逃げ馬が工夫して後続の末脚をごまかして鈍らせる、と考えていたんだけど、総合的なスピードがないと全然最後まで持たない馬場だったようだね。内枠がやたら有利なのと、道中4コーナーまでやや内を進んで、なるべく高い位置を取っていた方が後半優勢だったという「ラチ沿い有利」があったのは確かだけど、それでも差し馬優勢だった。土曜日はピッチ走法の馬がかなり有利だったかも。

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<パドックについて>

菊池 フルゲートは埋まらず16頭立てでした。展望では、格は微妙なメンバーだと話しましたがパドックの印象はいかがでしたか?

京介 パドック1周目で10頭ぐらい下げられる、ぐらいの低調なムードは確かにあったよ。人気上位の馬はみんな標準以上に良かったけれども、全体に高レベルというパドックではなかったね。

京介 結局は、多頭数出しした厩舎にしか印は振っていないんじゃないか。関東の下位厩舎が、このタイミングで気配上昇させてくる感じではなかったしね。

菊池 馬場入り後にサトノアレスが競争除外となりました。

京介 サトノアレスは気配イマイチだったので評価を下げていたけれども、返し馬は先入れしていたのにあんまり反応良くは進んで行かず、前肢の捌きがだいぶ硬いように見えた。結局は跛行して取り消したみたいだね。今日がちょっとハマらなかったように見えたし、昨年レベルに上げるのもなかなか難しそうな様子がある。

<レース展開について>

京介 東京芝1400mのスタートは、向正面の中腹辺り。今回はあまり馬場側で喧騒が大きかったわけでもないし、ファンファーレが鳴っている途中からサクサクゲート入りが始まっていたね。奇数はかなりアッサリ入っていたな。意外と偶数枠をゆっくり入れていて、結局ゲートが開くまで50秒ほど掛かったけれども、全然遅くはない。

スタート

190511京王杯SCスタート

菊池 かなりバラついていましたね。10番タイムトリップ、11番エントシャイデン、12番ロードクエスト、16番スマートオーディンらがボコっと目立つ出遅れ。

京介 外枠の偶数枠が確かに妙におかしな様子だったねえ。内の方では5番ストーミーシーが半馬身ほどの遅れから後退したけれども、これはいつも。エントシャイデンは思った以上にゲートでの癖が悪いね。

菊池 好スタートからポンと出たのは4番トゥザクラウンでしたが、押して外からハナに立ったのが13番ブロワ。さらに15番ダイメイフジも先行していきました。

京介 先行する意図を持った馬と、下げようと考えていた馬とでハッキリ分かれる隊列になっていた。

2F目~4コーナー

菊池 13番ブロワの2番手に15番ダイメイフジ。4番トゥザクラウンは譲って3番手。そして6番ロジクライ、8番キャナルストリートと続いていました。

190511京王杯SC2

京介 全員3コーナーでラチ沿いを埋めるように寄っているし、仮柵移動で荒れた部分は完全に隠れているようだね。しかも馬群は結構バラけ気味。

菊池 この後ろに7番リナーテ、9番タワーオブロンドン、2頭の内に1枠2頭。そして14番スターオブペルシャと、このあたりまでが中団。

京介 リナーテは最初のダッシュでフーッと控えるような動きに見えたのに、この6番手内ポジションだった。他の馬が行かなさ過ぎたか。タワーオブロンドンは手応え良いままで、直線に向くまでほぼ脚を使ってない。

菊池 中団より後方に5番ストーミーシー、10番タイムトリップ。そして12番ロードクエスト、11番エントシャイデンがバラバラといて、離れた最後方に16番スマートオーディン。

京介 結局出遅れた馬はみんな後方だったね。道中で挽回をせず、直線に賭けるつもりで決め打っている様子。

菊池 前半600m通過は34秒2、800mが45秒5と出ました。逃げ馬は異なりますが、昨年とほぼ同じペースでしたね。このレースとしては平均的な流れだったと見て良いでしょうか。

190511京王杯SC3

京介 昨年も従来のレコードを更新する運びだったけれども、今年もそれぐらいの水準で進んでいたということだね。隊列は4コーナーでも外に4頭分膨れることなく、やや縦列のまま。果たして差し追い込み馬はその位置でいいのか?というところ。

直線入口~ゴール

菊池 隊列に大きな変化は見られず、馬群は縦長のまま直線に向いて来ました。直線に向いて早々に13番ブロワは一杯になって、15番ダイメイフジ、4番トゥザクラウンが並びかけてきます。直後の内には6番ロジクライ。馬場中央に出した9番タワーオブロンドンは先頭まで4~5馬身のところ。

190511京王杯SC4

京介 2列目で併走していたロジクライとトゥザクラウンだけれども、トゥザクラウンが壁関係なくサッと抜け出し、ロジクライの戸崎圭太騎手は前の2頭が垂れて壁になる可能性を気にして、トゥザクラウンの後ろに回り、1馬身半遅れた。この時点ではトゥザクラウンの方が明らかに良い仕掛けをしているように見える。

京介 タワーオブロンドンは大外を回し過ぎたりせず、先頭を射程に置いていつでも追い出しOKという態勢。

菊池 坂を登って4番トゥザクラウンが先頭に立ちますが、9番タワーオブロンドンの脚色が良く、完全に届く気配。その内から8番キャナルストリート、そして6番ロジクライもジリジリ接近。

京介 キャナルストリートの石橋脩騎手はいい仕掛けだったね。馬にそれなりの性能があれば、勝つチャンスもあった追い出しだ。目の前に邪魔する馬もいない。真横がタワーオブロンドン。

菊池 残り200m過ぎでも4番トゥザクラウンはよく粘っていましたが、ラスト100mあたりで9番タワーオブロンドンが並びかけると一気に差し切り。

京介 脚勢的には「危なげない」という差しきりだったよね。中団位置辺りから伸びてきたのはこの馬だけで、他は完全に追い込みチャンスを狙う仕掛けだったし。

190511京王杯SC5

菊池 4番トゥザクラウンが2着に残るかにも見えましたが、ゴール前の急失速で捕まってしまいました。並びかけたのは6番ロジクライと、坂でモタモタしたものの、ゴール前でようやくエンジンの掛かった7番リナーテ。

京介 あの流れでロジクライがトゥザクラウン相手に逆転するとは思わなかった。坂下ではまだ動かない方がよいと鞍上は判断していたということか。まあハナ差だけれども。

190511京王杯SC6

京介 リナーテも同じく、キャナルストリートが動いた時はまだ進路が大丈夫かなという感じ。キャナルストリートに先に行かれたけれども、坂上平坦部分でググっと盛り返す脚を残していた仕掛けだったね。キャナルストリートの動き出しが悪かったわけでは決してないんだけれども…。

<結果を受けて…>

190511京王杯SC結果

菊池 勝ち時計は1分19秒4。昨年のレコードを0.1秒更新しました。

京介 結果はタワーオブロンドンの完勝という流れだけれども、着差は2~4着とそれほどついていない。9~10着辺りの馬も、もうちょっとうまく運べばロスなく回れば、いい所があったでは?と思わせるぐらいの着差。速い時計となったのはこの速い馬場と、ダイメイフジ→トゥザクラウンの連携があってのもの。

菊池 ペースそのものはそこまで速くなかったのですが、上がりが速くなり全体の時計はレコードと。昨年もそうですが、完全にこの馬場ありきで出たレコードタイムでしたね。

京介 そうだね。結構中盤が速いから、ついて行って我慢するという競馬では押し通せない。このスピード馬場適性を持っていたうえで、ごり押しするのをわかっているトゥザクラウンを交わせるほどの見事なレース運びができたかどうか、という決着だったと思う。

京介 でも目標になるのが分かっていても、トゥザクラウンが4着にまで落ちるとは思わなかった。

菊池 では、上位馬について。

タワーオブロンドン

菊池 8キロ減で518キロでした。パドックの印象はいかがでしたか?

京介 この馬は、馬体は文句なしに良いよ。トモの張りも全く落ちていないし、2歳のころから鍛え直しをしてちゃんと成長できている。背中・腰の緊張感、脚捌きがキレイな部分もちゃんと褒められる。ただ、格で足りるのかどうかというところ。

京介 あと、後肢の蹄正面に若干パテ状の補正をしているんだけれども、前後の脚の交突防止の観点からやっているのかな?蹄そのものが悪くて補整しているのではないかも。

菊池 好位で折り合って馬場中央から危なげない競馬ぶり。特に難しいことはしていないように見えますが、別定G2の1番人気でこういう競馬ができる25歳という点がレーン騎手の凄さですね。ちなみにこの馬はルメール騎手からの代打ではなく、事前に決まっていた騎乗。

京介 え、そうだったんだ。ゴドルフィンもレーン騎手争奪戦に早くから参加していたんだね。

菊池 馬自身としては、1400mに替わるのが絶対に良い!という話をしていましたが、その通り良い内容でしたね。その分、安田記念はどう扱おう?となるわけですが。

京介 そこはどうしても難しいよね。昨年のムーンクエイクも、スンナリ安田記念に出てきてほしかった…。まず無事に出走できるのか?というのと、200m延びてスピード持久力を持たせられるのかどうかと。別に圧倒的な本格化というわけじゃないからなあ。

リナーテ

菊池 2キロ減で488キロでした。牝馬ながら大きな馬ですね。

京介 それでも馬体を間近で見ると、脾腹の辺りは薄いしお尻の横幅ももう一つに感じるよ。ステイゴールド産駒の牝馬で、肉付きムチムチという馬は走らないからこれでいいんだけど。

菊池 サトノダイヤモンドの半妹という良血で早くから期待されていましたが、遂に本格化という印象で。

京介 勝ちきれていないから本格化と表現しにくいけれども、確かに1000万下を勝ち上がった後から、追い切りのタイムも良くなっているし、フットワークの質も上がっていると顕著に感じるからねえ。ここ最近の好調ぶりはポジティブになれる。

菊池 次走はどこを使うやら?ともあれ、坂でモタモタしたのは少し気になりました。

京介 東京コースは展開があればハマる持久力と速力はあるんだけど、本質的に得意なコースとはあまり言えないのかも。2着争いを際どく制した結果からすると、武豊騎手のレース運びが見事だったと考える。あのモタモタする動きは、トゥザクラウンを交わせなくたっておかしくなかった。

ロジクライ

菊池 高松宮記念から2キロ減で514キロでした。仕上がりはどう映りましたか?

京介 なんか今シーズンは良くないな。8分チョイという造りでずっと回しているというか、阪急杯も微妙で高松宮記念もここも微妙に思えたね。後肢のぎこちなさ、腰のハマらなさが良く見せない原因かな。妙に皮膚も厚い。

菊池 好位内で流れに乗りソツのない立ち回り。戸崎騎手にミスはないようにも見えますが、いかがでしょう。

京介 ハコ内で構えていながら、直線坂下でトゥザクラウンにとっとと行かれ、そこで微妙に待ったのはどういうつもりなんだろう?あのレース構成だと勝つチャンスはまあなかったと思う。「今の馬場はこういう仕掛けをした方が上位に食い込める」という解釈ならばあの競馬でもアリ。

京介 自分は「良く挽回した」という競馬だと思っているけれども、須貝調教師が阪急杯で横山典弘騎手に激怒した内容と、本質的に似て無くないかな?と。それに比べたらロスは小さいけれども、ワンテンポ追い出しを待たされたわけだから。

菊池 高速決着も距離延長も、この馬には良かったはずだと思うのですが、結果は横並びの2着争いに加わっての3着まで。やっぱりこの臨戦過程はあまり良くないと思うのと同時に、能力の天井でもあるかなと感じられますね。

京介 高松宮記念で結構頑張っていたからなあ。この馬はレースに対してバッチリピークが来ないと勝てないタイプじゃないかと睨んでいるんだけど。

その他

菊池 4着はトゥザクラウンでした。3番人気だったので人気を下回る結果ではありますが、見せ場は十分でやるべきことは出来ている印象。重賞初挑戦の内容としては悪くないですよね。

京介 そこはその通り。1400mで1分19秒台の決着になるのに、下級条件でキレなんて必要なわけがない。だけどG2のメンバーともなると、見事な技量を駆使し、末脚を間に合わせる差し馬が必ず登場する。跳びが大きく頭の高い強引な走法だから、坂上でキレを使って迫る馬にやられてしまったという解釈だね。4着まで落ちてしまうのは、レース質との相性の問題だな。

菊池 スマートオーディンは7着。大味な競馬しかできない分、極端な結果になりやすいですね。その分、安田記念に出てくるなら少し押さえても良いかな、という感じはありますが。

京介 いやー、自分も信じすぎた…。結局は京王杯SCで大外8枠は相当分が悪いというデータ通りだったね。レコード更新レベルの超高速決着だから、単純に出遅れて馬群の外を大回りし続けるだけでも、期待値はガンガン薄れてしまう。脚質的な不利、かつ物理的なロスの差で常識的に考えるべきだった。馬は本当に良いから。

<教訓まとめ>

・雨と高速馬場でまた解釈はだいぶ変わるが、改めて東京芝1400mのG2レベルで、大外8枠は競馬がキツすぎる。先行しても無駄足をだいぶ使うし、差し追い込みに回ってもコーナーでのロスが目立つ。圧倒的な不利枠と考えてもいい。1枠が3コーナーカーブ進入時に減速させられるのも、このコースの特徴的な不利要素。有力候補を3~5頭ぐらいに絞ったうえで、中枠に入った馬から買うレースだろう。

・やけに藤沢厩舎がこの超スピードレースで強いのは、500kgを超える馬であっても大型馬の超大トビではないから。パワーが十分あるのに腰が強くピッチの速い走りの馬を輩出できるから、この条件でピッタリ。池江泰寿厩舎は大トビ+タフネス方向でちょっとズレる。細かな所を見ると、生産している馬に差があるなと感じた。

・もちろん馬ありきではあるが、今週の超絶速い時計が出る馬場は、今の軽すぎる馬場での仕掛けのピントがハマっていることが結構大事だったように見えた。土日重賞制覇のD.レーン騎手も素晴らしいが、戸崎騎手も当日は芝で2連勝中、日曜日メインはクロコスミアで激走。ダートの不良馬場でもたまに騎手の寡占状況が起こるように、「今の馬場での勝ち勘がある・ピントが合う」というのも、際どい争いで大事だったように感じた。



<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・エントシャイデン
…500万下で負けていた時とは体つきが雲泥の差。確かにオープン級の馬体にはなってきている。今日はパドックで虫が邪魔だったのかやたらと尻尾を振る仕草を見せ集中しておらず、スタートも3馬身ほどの出遅れで致命的ロス。直線内を突いたが別に良いルートではない。うーん、時計掛からないとダメか?まあ、良く考えれば1600mは欲しいタイプだが。

<菊池> 
・スマートオーディン
…上がり最速で7着。自分の競馬は出来ているが、馬券圏内には届かなかったという内容でした。展開の助けが要る追込み馬に仕上がったので、人気落ちでも簡単に目を切らないようにはしておきたいです。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末も2重賞なので、平安S・オークスともに京介さんと展望します。よろしくお願いします。