金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・平安S編

菊池 土曜の京都で行われた平安Sも回顧していきましょう。

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平安ステークス回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/246408

<当日の馬場状態について>

菊池 京都も中間に降雨がなくて乾いたダートでしたね。

01_馬場状態


京介 京都は曇り空だったようで、そこまで明るくなかったように見えたけれども。雨が降る程の悪化はなくても、ちょっと肌寒さがあったぐらいかな。

菊池 加えて土日の京都は風も強かったようですね。やけに内・2~3列目あたりにいた馬の好走が目立ちました。

02_馬場分析


京介 風の方向が何だかおかしかったようだね。向正面で内ラチ沿いから馬場の外側方向に風が吹いていて、内ラチを進む馬がむしろ砂を被らず、馬群の外を回る馬が砂を被りまくっていたという。この日は逃げ差しにかかわらずかなり内枠有利で、平安Sの直前までは1番に気が全く勝てず、全て6番枠より内の馬が勝っていた。

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<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭立てでした。4歳に58キロ・59キロを背負う馬がいたレアなメンバー構成でしたね。前年覇者もいて、上位の層が厚い年でした。

京介 アナザートゥルースが良いなと思いながら見ていたんだけど、今回休み明けで出てきた有力馬のレベルがだいぶ高かったね。あれ、チュウワウィザードとオメガパフュームは確かに格上だわ、アンタレスS組はちょっとレベル差感じてキツイかな、という感じはした。

菊池 オメガパフュームの12キロ増、クイーンマンボの14キロ増など、実績馬の大幅馬体増もありました。

京介 クイーンマンボは、だいぶゴツゴツしてダート馬としていい形になってきたなと思う印象とは裏腹に、骨量多めになってくると成績は落ち目なんだよな…。牝馬でこの形は良くないのかな?逆にオメガパフュームは確かに良い形になってきたと思う。

京介 やっぱりこのレース、斤量を背負う格上馬がやってくるとG1級とG3で足りないレベルとの格差を凄く感じるわ。

<レース展開について>

京介 京都ダート1900mのスタートは、4コーナー終わりの直線入口付近。メインスタンドからはちょっと外れて、そこまで喧騒が目立つ場所ではないにしても、今回はファンファーレが鳴っている最中から、もうゲート入りが始まっていたね。

京介 画面がアップする時にはもう偶数枠が入っていた。全体でおおよそ40秒ぐらいなら、だいぶ早い方だね。

スタート

03_スタート


菊池 1枠2頭が出遅れ、6番モズアトラクションも良いスタートではありませんでした。ただ、展開に影響するような出遅れはなく、先行したい馬は出て、後方からの馬が出遅れてという程度。

京介 なんかどれも一歩目は怪しかったなあ。ヨレたり躓いたり。サンマルデュークは相変わらずスタート改善しないねえ。

菊池 最初の直線が長いので各馬様子を見つつになることの多い京都ダ1900mですが、好スタートからまずは8番サンライズソアが先手を主張。10番ハイランドピークの武豊騎手は五分のスタートでしたが、外から行きたい馬が多いと見るや控えています。

04_1コーナー手前


京介 スンナリ行ってしまったサンライズソアを相手にテン争いを繰り広げるのは分が悪いし、こちらはスタートでちょっと右にヨレた後手があるしね。

菊池 外枠から前に行く動きを見せたのが12番マイネルオフィールと14番マイネルユキツバキ。さらに11番クイーンマンボ、16番ロンドンタウン、15番サトノティターンらも位置を取りに行きました。

京介 内枠の馬に出遅れが多くて、真ん中枠の馬も内に寄せやすかったから、外枠の馬が比較的早めから挽回できたようだね。スタート直後は態勢不利に見えたけれども。

1コーナー~4コーナー

菊池 一旦は12番マイネルオフィールに前に出られたものの、再び主張しつつコーナーワークで8番サンライズソアが先頭で1コーナーへ。2コーナーの時点で既に、かなり馬群が縦長になっていました。

05_2コーナー


京介 これは毎年そうなりがち。序盤に争う馬と、序盤はどうやってもエンジンが掛からないズブい追い込み馬とでだいぶ差が開く。

菊池 向正面に入って、前の3頭は変わらず。4番手内に11番クイーンマンボ、並んで16番ロンドンタウン。この後ろの列に内から5番アナザートゥルースはスタートからずっとスムーズ。その外に13番メイショウスミトモ、15番サトノティターン。

京介 ロンドンタウンは良い位置。サトノティターンは先行しようと試みていたけれども、周りにもみんな同じ動きをされたので良い場所を奪えなかった。

菊池 ちょうど中団あたりに9番ジョーダンキングと10番ハイランドピーク。そして、後方3番手で1コーナーを回った1番オメガパフュームがその外まで浮上。これを見ながら7番チュウワウィザード。後方は人気薄がパラパラといて、6番モズアトラクションは後方2番手にいました。

京介 隊列が決まってみると皆納得という位置だね。ハイランドピークは調子が悪い時期だと、テン争いでそもそもあまり速くないんだろうなあ。

京介 チュウワウィザードとオメガパフュームが中団やや後ろというのは予想通りだった。ここから2頭ともにとぼけた競馬をすることを期待したんだけれども…。

菊池 前半1000m通過は60秒2と出ました。見た目のラップタイムとしてはむしろ遅いくらいなのですが、映像では激しい流れに見えました。各馬の動きを見ても、前が楽なペースで行っているようには見えず。このあたりはやはり風の影響だったでしょうか。

06_ラップタイム


京介 前半にサンライズソアがアッサリ単騎とはならず、1コーナーから外枠の馬がどんどん動こうとしていたのが印象的だったね。それを風を受けるタフな環境でやっていたからこそ、先行勢がだいぶこの時点で消耗していたのかも。

菊池 3コーナーの下り坂では、先行各馬が後続の追い上げに抵抗しようとペースアップ。手が動いている馬も見られました。そして、4コーナーに入るあたりで一度マクリの動きを止めていた1番オメガパフュームが一気にスパートをかけて再び進出。

07_3-4コーナー


京介 3コーナー頂点で、10番ハイランドピークが一度2列目外を押し上げようと試みるんだけれども、馬の実力が足りず動きが半端に。そしてその仕掛けを見てからなのか、デムーロ騎手が強気に動いたね。

京介 そしてこの時点で、7番チュウワウィザードは上手くエンジンが掛かり切っていない様子。59kgの馬に先に上手く出し抜かれたんじゃないか、というように見える。

直線入口~ゴール

菊池 前は4頭が雁行状態で直線へ。ここで8番サンライズソアがスパートすると、2~5番手あたりにいた先行各馬を一気に振り切ります。既に先行馬は抵抗する力が弱く、一気に差し・追込みが台頭しそうな流れ。

08_直線入り口


京介 サンライズソアは好位勢を振り切るには十分の脚なんだけれども…追いかけてくるのはアナザートゥルースや、オメガパフュームら強力馬。さてここからどうなるか、という直線。

菊池 残り200mでは外を通った1番オメガパフュームの脚色が断然で、8番サンライズソアも失速気味。外から併せて追い込んでくるのは7番チュウワウィザードと6番モズアトラクション。そして内を捌いて5番アナザートゥルース。

京介 チュウワウィザードとモズアトラクションは、オメガパフュームの動きに比べるとワンテンポ以上遅かったと思うけれど、直線の脚はかなり良かった。

菊池 ラスト100mあたりでは1番オメガパフュームよりも、外2頭の脚色が優勢。一瞬は6番モズアトラクションが差し切るかにも見えましたが、併せていた7番チュウワウィザードが差し返すように内からひと伸びしてハナ差先着。

10_決勝線


京介 いや、これはもうモズアトラクションが上手くハマったと思ったんだけどね。最後の叩き合いで、モズアトラクションは頭が下がらなかったなあ。

菊池 1番オメガパフュームも、5番アナザートゥルースに捕まらなかったように、大きくバテていない3着でした。

京介 59kgを背負っている馬だからこそ、そりゃ早く動かなければいけないとは言え、コーナー途中から堂々とした動き出しで直線もちゃんと一度先頭に立った。しかもラストの2頭追い込みに対しても抵抗しようとしたし、内容は非常に濃かったね。やっぱりG1馬だなあと。

<結果を受けて…>

11_結果


菊池 勝ち時計は1分58秒1。現在の施行条件になってから、最も遅い決着時計でした。

京介 今回は馬場が乾き過ぎ、風の方向が良く無くてブレーキの影響になった、と解釈した方がいいのかなと。しかしこんなズブズブの追い込み決着になるなんて、想像だにしなかった。

菊池 逃げ・先行馬の攻防を見るに、時計が掛かったのは馬場の影響が大きいですね。当日の強い風も影響していたと考えられます。

京介 内容を見れば、せめぎ合いも激しく、上位馬のレベルが低いわけでもないしね。ある程度補整を入れるべき内容でしょう。

菊池 では、上位馬について。

チュウワウィザード

菊池 7キロ増えて482キロでした。パドックの印象はいかがでしたか?

京介 この馬は前も思ったけれど、お尻が案外小さいね。そこまでダート的筋肉量が豊富という馬ではない。それでいて後肢の管が長く、腰の支えがいい。飛節の形や角度も良好で、芝のスピード馬に寄った形をしている方。

京介 だけどこういう形の馬としては、仕上がりはなかなか良かった。最初から勝負になる造りだったはずだよ。

菊池 じっくり後方で溜めて、道中も大きく動かず。1番オメガパフュームを差し切った、というのは斤量差があったにしても立派だったと思います。コース適性があって、展開的にもドハマリだったモズアトラクションに抵抗したのも素晴らしい。

京介 だけどこの流れを最後まで読み切ったうえでの追い込みだったのかなあ?馬の力を信じていて、手応えも十分にあったにしても、川田騎手の叱咤の割に、道中馬が進んで行かなかったね。多少は斤量が堪えたのかもしれない。

菊池 さて、次は帝王賞ということになるでしょうか。一気に上位有力候補となりましたね。

京介 G1級と戦ってはいるし、G1級と言える水準の指数は出している。帝王賞がどれぐらいのメンバーになるのか、だね。ただ、オメガパフュームも強敵になると思うけど。

モズアトラクション

菊池 6キロ減で490キロでした。状態は良さそうでしたね。

京介 そうだね。前走は使い詰めも影響して背中が間延びして疲れ切った形だったんだけど、その肉付きのバランスが一気に改善していたんじゃないかと感じた。腰もブレていなかったしね。立ち直ったのは間違いない。それに今回は生涯最高パフォーマンスだったのが間違いないはず。

菊池 京都ダ1900mは2勝のコース巧者。当日に色々と考えて、ジョーダンキングを買うならこの馬も買わないと…と思い直して買ったのですが。ムラ馬にしても今回は人気がなかったですね。

京介 コース実績はあるにしても、このレース傾向にそぐわない、不利と言える後方一気のタイプ。そして、オープンを2戦して全く勝負になっていないスピード性能…。やっぱり物足りないと感じるだろうね。

菊池 大外ブン回しの大味な競馬しかできない・1900~2000mがベスト、というのが大きな特徴で、安定感を求めると失敗するタイプ。今回は絶好の買い時だったはずで、馬券にできず残念です。

京介 東京の2100mで走れるようなキャラだと使いでがあるんだけども…。いい状態もあまり長く続かないし難しいよね。

オメガパフューム

菊池 フェブラリーSから12キロ増で462キロでした。小柄なこの馬にしては珍しく、幾らか余裕があるように見えましたね。

京介 この馬で筋肉の配置がしっかりしているな、と感じるのは珍しい方。いつも手先がシャープで薄い馬だと思っていたから。だもんで、これは単純な成長と考えて良いのかな、と。

菊池 最内枠ということで後方からのスタートを切って、外から浮上していきました。59キロを背負っていましたが、M.デムーロ騎手は勝ちに動く競馬をしていましたね。あながち、ただの叩き台のつもりではなく、勝つ気もあったのだと受け取りました。

京介 むしろ、キツイ場面である程度の脚を測る意味でも、斤量重たいのを承知で強気に動いたのは次につながるはず。

京介 この日の馬場傾向からは、いくらか有利があったようにも感じるけど、それでも今回は条件がキツかった。

菊池 帝王賞に向けては、どの面でも条件が好転しますね。

京介 その通りだと思う。最有力扱いでもいいのでは、と思うぐらい。

その他

菊池 4着はアナザートゥルースでした。スタートからスムーズで道中の位置も当日の傾向的には良いポジション。これでこの結果だと、少なくとも1・3着馬とは力差が大きい印象です。

京介 斤量差があっただけにねえ。その馬力格差というものは感じてしまう。ただ、もう少しこの馬は強くなれると思うけどね。

菊池 サンライズソアは5着でした。ずっとプレッシャーのある展開でしたね。同時に、やはり外国人騎手じゃないと結果を出すのが難しい馬なんだなぁとも感じます。

京介 仕事としては十分に果たしたと言える内容だったけれども、プレッシャーは確かに大きかった。ただ、競り掛けてきたのは格下の馬のはずだし、そういう意味でも「これぐらいの馬の競りで最後に影響しちゃうの?」とは思う。

菊池 全体的には実績上位馬がしっかり走ったという印象。その中で、モズアトラクションはハマればこれぐらいやれる、というのは覚えておきたいところ。

京介 ただ、今年の追い込み決着は例外扱いじゃないかなあ。ここまでズブズブになるとは。G3しか勝ったことがない馬で、オメガパフュームのように動こうと思っても、普通は絶対に成功しないはずだよ。先行馬重視、リピート好走注意とすべきレースだと思うけど…。

<教訓まとめ>

・斤量を背負う馬は体の芯がしっかりしていてスタミナも上であることが多いし、馬体を比較してもそれは十分に理解できる。57kgと58kg以上にはかなりの格差があると感じたし、背負う馬でも嫌わなくて良いレース。

・最近の乾燥しすぎのダートは、別の条件と絡んで内か外かの極端な有利が出やすい印象。オープン馬であってもそうなってしまうから、乾ききった砂が顔に当たることがいかに厳しい条件、馬を苦しめる状況かということ。

・また関東馬があと一歩馬券圏内に足りなかったが、パドックの横比較でも若干小さめの体つきに見えた。輸送がそんなに堪えるの?という疑念もある。ただ、G3を1つ勝てただけの馬で、関西馬の庭である京都1900mで逆転するのは、非常に克服しにくい課題だと見えた。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ジョーダンキング
…地力もちょっと劣るかもだが、中団馬群の中を進んで直線一度包まれる。追い込み馬が外からもう来ている流れで、先行馬を上手く捌けず後手を踏んだ形。1900mだとかなり不利な格好。バラけて最後足を伸ばしているように、自力としては4着馬あたりに足りた印象。

<菊池> 
・サンライズソア
…2~3番手に終始楽をさせてもらえず、ラップ以上に厳しい展開となっていました。また、パドックでパシュファイアを付けているように難しい馬で外国人騎手騎乗時に良績が偏っているのも確か。今後は乗り替わりを常に気にすべきでしょう。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末は3重賞なので、ダービー・目黒記念は京介さんと、葵Sはオクノさんと展望します。よろしくお願いします。