金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・マーメイドS編

菊池 日曜の阪神で行われたマーメイドSも回顧していきましょう。

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マーメイドステークス回顧



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<当日の馬場状態について>

01_馬場状態


菊池 金曜が全国的に雨だったので、阪神も土曜は「芝=稍重」・「ダ=不良」で開催が始まりました。ただ、そもそも開幕週がやや時計の掛かる重い馬場で、その上に雨だったので東京よりしっかり道悪感がありましたね。

京介 とは言え、土曜日の時点では直線内から外かのどちらか一方に偏って有利が生まれたわけではなかった。騎手もいろいろと試していたようだけど、結局内外全面的に馬場を使っての勝負をしていたと思う。土曜日の時点ではフラットだったはず。

菊池 そして日曜は東京と異なり、しっかり晴れて馬場は回復傾向。6Rの3歳未勝利(芝1200m)が1分10秒0。8R3歳500万下(芝1800m)が1分48秒5。良馬場でも時計の掛かる水準でしたよね。

京介 時計が掛かっていたのは十分に確認できた。ただ、日曜日になって芝はもっと悪くなったと思う。1日消化した分なのかな?4コーナーでラチ沿いを通る馬群内側から土煙がもうもうと立つようになっていたし、直線は後方から大外をぶん回した馬がグイグイ伸びようになっていた。外伸び傾向が、日曜日中盤あたりから顕著に出始めたタイミングだったね。流石に東京競馬にかかりっきりの自分は、この現象に気づけなかった。単純に先行馬不利の様子だったと思うよ。

02_馬場分析
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<パドックについて>

菊池 フルゲート16頭が揃いました。展望でも話しましたが、重賞勝ち馬が不在で格上挑戦の軽ハンデ馬が多いメンバー構成でしたね。

京介 まあ、大半どころかおおよそ全馬にそれなりに弱点があって、非力で頼りない馬も多かったと思う。それでも頼りなく見えたとしても、軽ハンデの方が有利、という条件だけれども。

菊池  人気も割れに割れていました。1番人気は最終的にセンテリュオで4.6倍でした。単勝オッズ10倍を切ったのは4頭でしたが、9番人気(クィーンズベスト)すら16.4倍という拮抗したオッズ。

京介 人気は現場派の人が押し上げているのかな?確かに準オープンを勝てるレベルの実績上位馬、あるいはオープン馬の方がパーツはしっかりしている。馬体を横で見比べて良いのは確か。だけど、人気になったのはどれも54kgの馬だったね。

京介 デキが良いと感じたのは前走1着馬。夏の牝馬はやっぱり好調が持続しやすいものなのかな。格上挑戦の馬馬多かった分、ひ弱だけれども脚運びはしっかり動く馬が多かったと思う。

<レース展開について>

京介 阪神はメイン付近でも結構良い天気でやれたようだね。少し弱めに風も出ていたのかな。

京介 阪神内回り2000mのスタートはスタンド前、直線の前半ポジション。今日はそこまで喧騒もなかったようで、ファンファーレが鳴っている途中からサクサクゲートが始まっていた。偶数枠もあまり待たずに入ったようで、おおよそ50秒でのスタート。

スタート

03_スタート


菊池 揃ったスタートで、目立った出遅れもありませんでしたね。

京介 ハンデ戦で頼りない馬が多かったと思うんだけど、ゲート処理はだいぶ上手く行ったようで。ハンデ戦でこれだけスタートが揃うのは珍しいよ。いかにも先行争いが熾烈になりそうな横並びっぷりだったね。

菊池 まずは各馬様子を伺いつつでしたが、間から10番レーツェル。そしてこれを内から9番アドラータが気合いを付けて交わして行こうという動き。外から13番ダンサールも前付けの構え。5番ランドネは逃げられず。

京介 スタートが揃いすぎたから、内の方で3番サラスが微妙に挟まれて後退している。2番ウスベニノキミは進路なく包まれて、前に出したいのにまごまごしていた。

京介 ランドネはこの並びだったら主張できると思ったんだけれども…。デムーロ騎手はスタートを出て最初だけビシッと押していたけれど、どうも走りが空回りする。アドラータが前に出てから追うのを止めた感じ。

京介 その他も、内枠から主張する馬はなし。大半は2桁枠番から積極的に行く馬が多かった様子だね。しかしスタンド前通過の時から既に、内ラチ3頭分からダートかのように土煙がもやもやと立ち上る。雨が降っていたわけでもないのに、内側がかなり悪くなっていたように見える。

1コーナー~4コーナー

04_2角


菊池 主張した9番アドラータが2馬身ほどのリードで1コーナーへ入ると、2コーナーまでにそのリードを広げつつ。離れた2番手が10番レーツェルとなりました。コーナーワークで挽回の5番ランドネが内3番手。その外に13番ダンサール、12番フローレスマジック。

京介 ダンサール、フローレスマジックともに序盤それほど急かす様子はなく、結構楽にポジションを取れたようだね。

菊池 この後ろに1番サンティール。並んで11番モーヴサファイア。この後ろが中団あたりで内に6番カレンシリエージョ、14番クィーンズベスト。

京介 クィーンズベストはテン争いで負けた感じでこの位置。差す競馬はできるけれども…。

菊池 中団やや後ろに15番スカーレットカラー、そして2番ウスベニノキミと16番レッドランディーニ。後方は4番センテリュオ、8番ウインクルサルーテ。その後ろに7番チカノワールと3番サラス。

京介 サラスは序盤に触れたけど内から行くわけにもいかず、仕方なく最後尾。さてどうするか。センテリュオも枠なりに行くとこの位置になってしまった。

京介 レッドランディーニはスタートから慎重。あまりにみんながスタートを横並びで決めたので、横目で見てテンに行く選択はなかった感じで控えていた。

菊池 前半1000m通過は59秒8と出ました。見た目には速くないですが、この日の馬場状態を考慮すればやや速い流れだったでしょうか。

05_1000mタイム


京介 先頭のアドラータは1コーナー過ぎから微妙に飛ばして少し離す単騎逃げ。2番手以下は60秒半ばといった通過タイムでしょ?そこまで速くはないと思う。遅すぎでもない。ただ、これを途中から追いかける必要はないよな、という水準。2番手レーツェルが放置したのも分かる。

菊池 4コーナーの手前までに先行馬が苦しくなり、後退を始める馬も。同時に後方待機勢が動いて、4コーナーではかなり横に大きく馬群が広がりました。12番フローレスマジックが先頭に並ぶ勢い。

京介 3コーナー途中から、馬群の外を回ってフローレスマジックが仕掛けようと接近を始めていた。もちろんそこに食らいついていく好位勢。

京介 しかし内ラチ沿いを回っている馬は、ランドネを筆頭に、追走の余裕がない。内ラチ沿いは1周ぐるっと馬場が悪かったのか?馬群の外を回る馬に続々交わされていく様子だった。

06_4角


直線入口~ゴール

菊池 直線入り口でもう12番フローレスマジックが先頭に立ちますが、直後から11番モーヴサファイアが接近。さらに14番クィーンズベスト、16番レッドランディーニとその後ろの差し馬が台頭する勢い。

京介 レッドランディーニは3コーナーで後方付近にいたはず。それが直線入口でこの勢いで駆けあがっているなら、かなり上手くスピードに乗せられていたということ。これはいい仕掛けだった。

菊池 12番フローレスマジックも坂の入り口で既に脚色が怪しく、その後ろから並びかける11番モーヴサファイアも脚が続くか?は微妙なところ。明らかに勢いが良いのは16番レッドランディーニでした。

京介 フローレスマジックは直線で先頭に立ち、手前を替えた所で微妙に内にモタれる。追って頭が上がる馬だし、今回も案の定という様子だった。

京介 モーヴサファイアは立ち回りが見事で、直線上手く進路が開くような位置を取れたのに、この捌き方だとハンデ戦では勢いに乗せきれない。乗り方が悪いわけじゃないんだけど、惰性が効かないからね。

菊池 残り200mで16番レッドランディーニが先頭。さらに馬群を捌きながら内へ切れ込んで行く15番スカーレットカラーが良い伸び脚。この8枠2頭で決まったか?という態勢で坂を登り切るところ。

07_残り200m


京介 スカーレットカラーは緑帽2頭の真後ろで壁になったのに、すぐに判断して進路を内に切り替えた。岩田騎手好判断。しかしこれが最後まで続かないのが、ハンデ戦の怖い所。

菊池 坂を登り切ると阪神の直線ゴール前は下り坂。ここでさらにもう一列後ろから、4番センテリュオと大外から3番サラスが急接近。

京介 最後尾を追走し、4コーナー終わりぐらいから一番大外へ持ち出すロスがあったサラスだけれども、加速つくのがここで間に合ってくる。この仕掛けでも他が止まる分、間に合うのがハンデ戦らしいところ。

菊池 ズバ抜けてストライドの大きい3番サラスが一完歩ごとに差を詰め、最後の最後で押し込むように併入。僅かにハナ差で16番レッドランディーニを捕らえました。

08_決勝線


京介 いやあ、後から見てもレースを勝つための仕掛けじゃなさそうなんだけどね。あれで間に合うとは驚いた。よっぽど他の馬が、道中からガチャガチャして無駄な動きをしていたんだなと。

<結果を受けて…>

09_結果


菊池 勝ち時計は2分0秒3。過去10年全てが良馬場での施行ですが、3番目に遅いタイムでした。

京介 これは良馬場扱いになっているけれども、実際のところどうだったんだろう。やや重に近づくぐらいに湿っていたのではないかと。内ラチ沿いもだいぶボロボロだったから、先行馬がグイグイペースを上げていくのが難しい状況だったんだろうと思うよ。

菊池 ただし、今年は明らかに時計の掛かる水準ですし、馬場差を考えれば低レベル戦ではなかったですね。この馬場なりに締まった展開になり、速い時計での決着。踏ん張り切れる馬がいなかったがために追込み決着といったところでしょうか。

京介 そうだね。まだ開幕2周目だから、陣営も内ラチ沿いが良いだろう前提で作戦を組んでいるはず。まさかここまで馬場が悪いとは…というのが、レースを終えての感想なんじゃないかな。

菊池 では、上位馬について。

サラス

菊池 増減なしの524キロでした。牝馬としてはかなりの巨漢馬。パドックの印象はいかがでしたか?

京介 横で見比べると、明らかな胴長体型だよね。後肢も長い。中山でも見たことがあるけれど、高速決着はどう見ても無理でしょと思うぐらい、骨量があるタイプで飛節の曲がりが顕著。当日の仕上がりは、まずまず良いかと感じる程度だった。でも1番良いとは思えないぐらい。

京介 内回りコースで内が良い馬場なら、こういう鈍足追い込みタイプが間に合うわけがなかったと思うよ。

菊池 前走が後方待機策で上手く行き、今回もじっくり構える乗り方でした。気性面のこともあり極端な競馬をしているようですが、展開と作戦がバッチリでしたね。

京介 後方待機策をするというより、それしか手がないタイプだと思うよ。今回は思ったよりも馬場が荒れて、パワーが要求される状況になったし、ラスト1Fも12秒8とだいぶ掛かったね。いい末脚をいつも繰り出そうと試みて、今回は一番ドハマりしたという解釈がいいのでは。

菊池 今後、似たレースがあるか?というのは難しいところですが、勝ちパターンが定まってきたのは良いことですね。

京介 最低限、重賞で追い込みに回ったとして足りるレベルのスピードがあると確認できたのは大きいと思う。紫苑Sや日経新春杯だとホントグダグダだったから。成長して体が固まってきたんだと思うけど。

菊池 オルフェーヴル産駒にとっては昨年春(18年皐月賞・エポカドーロ)以来となる久々の重賞制覇になりました。母ララアは良い産駒を出している繁殖ですが、5頭目にして初の重賞ウイナーとなりました。ちなみにサラスは今年のフローラSで1番人気だったセラピアの全姉です。

京介 セラピアももうちょっと1年2年ほど、いい筋肉がついて体が固まってきたら、重賞でいい所がある馬だと思うんだけど。

レッドランディーニ

菊池 6キロ減って、444キロでした。状態はどう映りましたか?

京介 気配はなかなか良かった。体つきに無駄がなかったし、後肢がちゃんと伸びている。動きにキレはあったね。

菊池 3コーナーから進出して直線は一番の手応えでした。ただ、池添騎手のコメントでは先頭に立って最後の3完歩でフワっとしたようです。確かにそんな感じの差され方に見えましたね。

京介 ラスト1Fのラップが11秒4→12秒8と急落していたし、阪神の4コーナーでグワーッと動いた馬がちょうど息切れしそうなタイミングだものね。乗っている身からしても、そういう手応えはあったんだと思う。ハンデ戦で強気に勝ちに動いたからこそ、サラスのような無欲の追い込みが嵌ってしまう場面だった。

菊池 この馬がソラを使ったことも含めてサラスに味方した感がありますね。

京介 けどこの馬も相当良い条件、馬場の悪い部分を通らずに済むいい枠を引いての結果だから。

菊池 これでオープン入り。今後はちょうど良い番組があるでしょうか。

京介 もうちょっと成長する余地はあると思うんだけど、過去の重賞挑戦の履歴を見ていると、あんまり外回り1800mが得意じゃなさそうなんだよね。来年の愛知杯とか…。

スカーレットカラー

菊池 6キロ増で470キロでした。4走続けて馬体増、昨年12月の逆瀬川Sと比較すると都合24キロも増えましたね。

京介 そうそう。昔中山のフェアリーSで2着した時には、436kgで痩せた体つきだった馬だったのに、今回のパドックでムチムチした馬体を見て驚いたよ。だいぶ馬が変わってきたと思った。ヴィクトワールピサ産駒の牝馬はこういう、2段目の成長を見せるところが侮れない。

菊池 前走のパールSが久々で一変の内容でしたが、今回も見せ場十分の内容でしたね。

京介 最後の直線で壁になったのはちょっともったいなかったね。上位2頭よりも斤量少し重たかった立場だけに。

菊池 この後はどこでしょうね。2000mでもやれそうな印象を受けますが。

京介 胴が結構短いタイプだから、今回2000m持たせられたと思いこまない方がいいと思う。岩田騎手もおそらく感じてると思うけどね。この馬は勝つなら1800m以下じゃないかな?

その他

菊池 4着はセンテリュオでした。後方にいたので、流れそのものは向いていたと思われますし、進路がなかったというほどでもなかったですが…。

京介 いやあれはポジションが悪いと思うよ。直線入口で内と外どちらに向かってもいい位置にいたつもりかもしれないけど、直線で外に向かう時、7番チカノワールを押し退けている間に結構脚を使っていたと思う。斤量も54kg、重い斤量を背負うのなら半端に包まれる位置にいてはダメ。

菊池 2番人気だったモーヴサファイアは6着。今回は先に抜け出した分、踏ん張り切れませんでした。

京介 いい条件だったと思うし、レース運びは完璧だった。直線もちゃんと進路がある所で伸ばしているしね。馬が反応しなかっただけだと思う。それはレース適性なのか、ハービンジャー産駒だと限界があるのか…。まあ、休み明けは基本的に不利なレースだから。

菊池 今回は自分の考えでクィーンズベストを中心視してしまいましたが、やっぱりマーメイドSの父サンデーサイレンス系は絶対だなと…。反省しています。基本は父SS系。極端な話、8頭ボックスで当たるレースでした(苦笑)。

京介 いやあ確かに…。今回なんかハービンジャー産駒に向く馬場だと思うんだけど、それでもサンデーサイレンス系の方がもう一段高いギアを使うよね。

菊池 そして、改めてパールS組の優位性。

京介 個人的に今年はパールS組来ないでしょうと思っていたわ。必ずフォローしないとダメというか、パールSの2~4着馬が必ずと言っていいほど来ている。これはもうある程度信じていい要素だと思う。

京介 自分は過去10年、4歳馬の人気薄が全く来なかったから5歳以上から選ばないといけないものと思っていた。4歳馬でも人気薄の方が来るのか…。こちらは考えすぎない方がいいのかな。

<教訓まとめ>


・パールSは本当に最重要レース。もう何年続けて勝ち馬を輩出しているのか?というぐらい。パールSが距離不足、という競馬で足りなかった馬を選ぶのがポイント。

・夏の3回阪神はそこまで超高速馬場ではない。開幕週と比べて一気に馬場が悪化しやすい傾向にもあるし、開幕週の時計が速くないなら2周目はほぼ荒れ馬場。2周目の2000mハンデ戦は比較的パワーが必要。若干長めの距離適性を持つ馬を評価したい。

・デビュー時や2~3歳でオープン好走した当時よりも、4歳になって馬体重が20~40kgほど増えて、明らかに別馬になっている馬の方が好走しやすい。3歳時の貯金で走っている馬ではなく、古馬になって成長&筋力増した馬に注目したい。今年のスカーレットカラーのような充実ぶりは高く評価したい。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・ダンサール
…こういうオチになるだろうな、とは思っていたが、先行馬同士の駆け引きで道中無駄に変な仕掛けをしてしまい、直線脚をなくした様子。というか、今回はずっと馬場の悪い内側ばかり走っていた。仕上がりはかなり良かったと思うので、次走スンナリなら。

<菊池> 
・センテリュオ
…今回はふかし遅れで圏内まで届かなかったものの、自分の脚は使っている。京都外回り向きでエリザベス女王杯が楽しみな1頭。秋にかけての成長に期待。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末は2重賞なので、ユニコーンS・函館スプリントSともに京介さんとと展望します。よろしくお願いします。