金子京介・菊池グリグリの重賞回顧トーク・きさらぎ賞回顧

菊池 日曜に京都で行われたきさらぎ賞も回顧していきましょう。








きさらぎ賞回顧



展望トークはコチラ
https://regimag.jp/blog/kyo_guri/view/detail/entry/317431

<当日の馬場状態について>

200209きさらぎ賞馬場

菊池 京都はBコース使用の2週目でした。先週に続いて内の傷みが目立っており、引き続き外差しが利く状況が続いていますね。ただ、先週よりは内を通って馬券圏内に駆けた馬もいたかも…程度。

京介 パトロールビデオで馬場の上から撮った映像だと、向正面から本当にごっそり洋芝が剥げている場所もあるんだね。野芝が埋めているのか?と言われるとそうでもないし、かといって馬場のやや内から真ん中もボコボコ。そして大外もみんなが通っているから大して良くもない。

菊池 日曜は冷え込みが厳しかったようで、お昼頃から雪がチラついていました。少なからず馬場への影響もあったのではないでしょうか。 土曜12Rの芝1200m(2勝クラス)と、日曜10R山城S(3勝クラス)が同じ1分9秒6でした。

京介 準メインの短距離戦で1分9秒台後半だからねえ。重馬場かな?と勘違いするぐらいの馬場状況だよ。だけど湿ったというほどじゃないよね。開催中は、雪が降っていることなんて気づかなかった。ダートが全く湿ってなくて、砂煙ももうもうと上がっていたから。

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<パドックについて>

菊池 8頭立てでした。パドック映像を見直してどんな印象でしょう?

京介 まだ肉付き甘い中でも、仕上がり整っている馬が多かったと思うよ。オッズ通り、サイモンルモンドはさすがにひ弱に見えたけれど、グズグズにダメな馬はいなかったと思うよ。

菊池 大幅な増減はありませんでしたね。

京介 間隔が結構あいた馬が半数いたけれど、ちゃんと緊張感があったし、そこの問題はなかった。

京介 それでもアルジャンナは、確かに良かったと思うけどね。ビビッドな反応しすぎて、返し馬で掛かって目立つほど暴走したらしいね。

菊池 川田騎手も折り合いに苦心している様子がありましたね。

<レース展開について>

京介 曇り空だったけれども、思ったより明るかったね京都競馬場は。ファンファーレが鳴っている最中からゲート入りは始まっていたし、全然淀みもなく入れてたんだけど、8頭立ての割にはサクサク急ぐというほどじゃなかった。最初に入ったのは3番トールヴィルから。ゲート開くまで37秒ぐらいは掛かっていたよ。

スタート

菊池 1番コルテジアが好スタート。5番グランレイが外にヨレるように出て、6番サトノゴールドにぶつかり、玉突き的に7番ストーンリッジもぶつけられていました。

200209きさらぎ賞01

京介 ストーンリッジには軽く触れた程度だけどね。少頭数だとどうしてもこういう妙な挙動が目立ってしまうよね。

2F目~4コーナー

菊池 まずは間から少し促しつつ武豊騎手の4番ギベルティがハナへ。2番手は外から7番ストーンリッジが抑えつつ浮上。1番コルテジアが3番手で、頭数の割には縦長になっていきました。

200209きさらぎ賞02

京介 しかもこれ、縦長の隊列になっているのにラップはかなり落ち込んでいるんだよね。後ろの騎手が下げ過ぎだとは思うけど、予想通り武豊騎手の信頼できるペースダウンだね。

菊池 4番手の5番グランレイは極端に頭の高い走り。頭というか、首が起きてしまって、競馬の走りが出来ていないような。これは走法というより気性面の問題ですね。かなり幼いようで…。

200209きさらぎ賞03

京介 これは小さい画面の映像でもかなり目立っていたから覚えている。前駆が浮いてしまっているよね。高脚を使ってしまって、だいぶ走りにロスがある状態。

菊池 8番アルジャンナは5番手外。川田騎手は馬場の悪いところを避けつつ、不利を受けないように気を付けている様子の位置取り。

200209きさらぎ賞向正面

京介 とはいえ、馬群全体がラチから離れて進んだわけではない。一応芝が緑色に見える箇所を通っているかな、ぐらい。そこまで逃げている馬やラチ沿いの馬と、全然別のルートを通っているわけではないよ。

菊池 3番トゥルーヴィルが後方内にいて、6番サトノゴールドが後方2番手。最後方に2番サイモンルモンド。

200209きさらぎ賞04

京介 サトノゴールドは案の定後方。サイモンルモンドは結構押っ付けているのに最後尾で置かれている状態。

菊池 800m通過が49秒5、1000m通過が62秒0というスローペースでの推移。このあたりは武豊騎手のペースコントロールといったところ。

200209きさらぎ賞05

京介 しかもこれ、2番手に3馬身リードを広げているのにこれだけ遅いんだものね。後ろの騎手が相当下げているように見えるけど…。

菊池 3~4コーナーの動きは、2~3番手の2頭が徐々に差を詰めて、これに後続も少しずつ付いていくような流れでした。

200209きさらぎ賞06

京介 坂の頂点辺りで、逃げ馬は息を入れているのに対して後続が早めに詰める格好になる。自分はもうちょっと馬群が一団になると思ったけど、前4頭後ろの4頭とで分かれる形になったね。

直線入口~ゴール

菊池 各馬4コーナーを大きく回りながら直線に向いて来ました。最内を通った4番ギベルティですら、シルクロードSを勝ったアウィルアウェイと同じようなコース取り。かなり内を大きく開けて、馬場の真ん中~外を使っての競馬でした。

200209きさらぎ賞07

京介 4コーナー前半までラチ沿いにいたけれど、下り坂ゾーンを終えてから馬場の外に持ち出す形だね。逃げたギベルティは、思ったよりもリードを広げられず、すぐに詰められてしまった。

菊池 直線に向いてくると早々と7番ストーンリッジが先頭。そして1番コルテジアが接近。4番ギベルティは苦しくなって後退し始めます。

京介 ギベルティは体力切れでもしたのかと思いきや、かなりスローだったところからハロン11秒5に急変するスパート勝負で、食らいつけなかっただけのようだね。楽逃げだったのは確かなんだけど。

菊池 残り200m過ぎで8番アルジャンナは大外から迫るものの、やっと3番手に浮上するか?というところで届くか怪しいムード。

200209きさらぎ賞08

京介 ストーンリッジとコルテジアは、完全に芝の緑色がはっきりしているゾーン。本来ならこの辺りでも大外と言われるようなルート。ここから3頭分大外に持ち出しているアルジャンナは、明らかに無駄に外行き過ぎという感じに見えたね。

200209きさらぎ賞09

菊池 前は2頭の叩き合いを1番コルテジアが制して、7番ストーンリッジが2番手。ようやく外から8番アルジャンナが迫って来ますが、クビ+半馬身届かず3着まで…。

200209きさらぎ賞10

京介 いやあ、ラストの脚を見ても、アルジャンナは脚を余していると思う。勝った馬が上がり最速を記録したわけではないし、これは位置取りの差ではあるよね…。

<結果を受けて…>

菊池 勝ち時計は1分48秒3。このところ毎年馬場が悪いので、ここ4年では最も速い時計でしたが…といったところでした。

200209きさらぎ賞結果

京介 そういえば近年は重馬場の状況が続いていたね。まあ良馬場ならこれぐらいか。

菊池 アルジャンナが負けた…ということ以外には、劇的な驚きはないですね。実は。

京介 だけど上位3頭とそれ以下が、思った以上に着差がついたなと思った。それと自滅も多かったと思う。

菊池 では、上位馬について。


コルテジア

菊池 2キロ増えて454キロでした。仕上がりはどう映りましたか?

京介 体は硬い方だけど、だいぶ腰が確りしている馬。捌きが硬すぎるから長く脚を使えず、京都のマイルで2戦して決め手で劣ったという履歴。だから、京都の重賞を連戦していながら巻き返せる条件があるというのが驚きだった。

菊池 絶好のスタートから控えて3番手。4コーナーは目立つ手応えでうなるように浮上しましたね。松山騎手も手応えがあったそうで強気の騎乗でした。

京介 前で受けて立つ競馬をするとイマイチ粘れなかったけれども、追走を加減して一瞬の加速力を比べる競馬になると、持ち味を引き出せた形だよね。だからと言って、こういう僅差の適性比べが大事なレース内容となるとは、全然思っていなかったけれども。

菊池 鈴木孝志厩舎はこれがJRA重賞初制覇(19年サマーチャンピオン・グランドピルエットで交流重賞勝ちは有)となりました。

京介 鈴木孝志厩舎は結構成績の波が大きいタイプで、信用できない時は相当怖いんだけれど、昨年の秋口からかなり調子が上向いているように見えるね。これまでは重賞でずっと全消しでもいい厩舎だったけれど、何かつかんだのかも。

菊池 この先はどうでしょうね。記録面では特筆する事項もないレースというまとめになりそう・・。

京介 アルジャンナの自滅のように見えるし、とにかくタイミングが良かったと思う。こういう流れになること、馬場状態になること自体が少ないからなあ。

ストーンリッジ

菊池 6キロ増の460キロでした。パドックの印象はいかがでしたか?

京介 かなりお尻が薄い馬だね。目立つ斜尻で。お尻を横に振って変な歩き方をしていたけれども、緊張感はあったね。

菊池 新馬勝ち以来の2戦目。前走と同様に2番手から早め抜け出しを狙って惜しい内容でした。

京介 レース運びはほぼ文句ない。ギベルティよりも上がりの競馬に対応できる性能があったということだね。

菊池 兄姉は全馬が勝ち上がっているクロウキャニオン産駒ですが、今年はPOGの注目度もイマイチでした。それでもしっかりクラシックに乗ってくるあたりがさすがですね。

京介 どうしても重賞レベルになると頭打ちになる血統だけれど、ここからその枠を破れる馬なのかな、というところ。

菊池 これでトライアルはどこでも使えますね。この厩舎なので、毎日杯から皐月賞は無理しないローテになるかもしれませんが。

京介 もうちょっと成長してきそうな体つきをしているから、改めて目の前で馬体を見てみたい。

アルジャンナ

菊池 プラス4kgで462kgとなりました。体重の割には脚が長くて背丈もある馬ですよね。

京介 細身とも言えないし、トモ回りがしっかりしていて、馬体の安定感はかなりあると思う。いや、ピークとは言わないけれど「これなら勝つでしょう」と正直思ったよ。返し馬で暴走していたらしいけれどね。でもレース途中で破綻するような場面は見せていなかったけれど。

菊池 勝馬の真後ろで競馬をしていたものの、勝負所の4コーナーで離されていました。最後確実に追い上げてはきているんですが、エンジンの掛かりが案外でしたね。

京介 思った以上にクラシックディスタンス向きで、軽い流れだと反応が悪いのかもね。後肢の捌きしっかりしているとは言え、大型馬というほどではないから、推進力もまだ頼りないのかも。

京介 でも、例えしっかり弾けられない馬場状態が悪かったとしても、川田騎手はもう京都で20勝以上しているわけだし、これぐらいは対応してほしいと思うわ。やっぱり仕掛け間違いだったと思うよ。

その他

菊池 4着はギベルティ。武豊騎手らしいスローペースに持ち込めたのですが、直線では上がりの競馬に対応しきれませんでした。

京介 栗東滞在するぐらい、陣営はやる気があったと思うんだけど。結構腰つきが甘くて、大型馬らしい緩さがあったように思う。

京介 それと個人的には、中距離でも全体に上がりが掛かる馬場だと思っての推奨だったんだけれど、結局は上がり3F33秒台の性能が必要になっていたんだね。こういう競馬をするとよくないんだな、というのは実際あった。

菊池 サトノゴールドは見せ場がなかったですね。上がり負けは理解できますが、やはり太かった影響もありそう。

京介 サトノゴールドはこれ、もう追走スピード不足だと思った方がいいな。ギベルティと同じく、上がりの速い流れが苦手なんだろうけど。

菊池 グランレイはやはり朝日杯FSが上手くいきすぎ。まだ幼さが目立ち、気性面の成長待ちという印象を受けます。

京介 グランレイはそれこそ、スローペースで高い位置取りを早めにとっていく競馬が苦手なんだろうね。他の馬に速い流れで引っ張ってもらえないとダメそう。パドックはかなり良い造りに見えたよ。

<教訓まとめ>


・きさらぎ賞でまた1番人気がコケた。このきさらぎ賞に出てくる馬なので、どこかしら難点があるからこそ、弱い相手を選んで出走している。「抜きんでて強い」という馬では決してないし、天気が悪かったり馬場が相当荒れていて特殊な状況でもある。毎年、ワンチャンスで逆転できる程度の力差であると意識したい。

・サトノダイヤモンドのように、大外を回してアッサリ勝つレベルの馬が登場しない限り、逃げ+2番手の馬は有利なレース。少頭数でスローになりがち、馬場の大外もそれほど伸びにくい、逃げる馬も直線通るルートを自在に選べるという強みが大きい。

・松山弘平騎手は今年に入って重賞3勝目。力がやや劣るのではないかと思われた馬でも勝ちに行く姿勢が素晴らしい。高齢騎手が寒い時期になって全然動けていないからこそ、年齢30歳以下の若手の勢いに改めて注目したい。なぜか1月から、全国的に重賞でノーマーク人気薄や不人気騎手が勝ちまくっているが。


<次走巻き返し警戒馬>

<京介>
・グランレイ
…序盤からずっと高足を使っていて、追走でもう余力がなかった。口向きの悪さは確かにある。今回は難しい場面だと思っていたが、やはり速い流れで進む条件の方がいい。

<菊池> 
・サトノゴールド
…スピード負け、上がり負けもあるものの、そもそも今回は緩い仕上がりだったように見える。似たようなスタミナの活きる状況かつ今回の敗戦で人気が落ちるなら次走改めて。

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菊池 では、今回の回顧はここまでです。次の週末は東京新聞杯・きさらぎ賞を展望します。よろしくお願いします。