■有力馬診断

■[6+]フィエロ 2着

京都芝は[1−4−2−0]、京都芝外1600mは[1−2−1−0]で3着以内を確保。昨年のマイルCSは7番手から直線で馬群を割ってメンバー7位の34.4秒で早めに抜け出したが、最後にダノンシャークとの首の上げ下げに負けてハナ差の2着。直線で手前を替えず、ずっと逆手前のまま走っていた。昨年のマイラーズC2着、今年の安田記念も逆手前のまま走っており、直線で狭くなると逆手前のまま走る傾向がある。いまだに重賞未勝利で今年も勝ち切れないレースが続いているが、マイラーズC3着は超スローの前残りの展開で控え過ぎたこと、安田記念は実績のない東京コースと58キロ、スワンSは外枠で後方からのレースになったことが堪えている。安田記念は8→4着、スワンSは3→2着と着順を上げており、G1、G2を使われて少しずつ地力が強化されている。昨年暮れは香港マイル(6着)も経験した。6歳馬だが、藤原英厩舎が無駄なレースを使わずに大事に使ってきた馬でまだ16戦しかしていない。まだ重賞を勝っていないのは、G3に出走していないこともあるだろう。陣営はG1を勝てる馬と信じているから、敢えてG1、G2で強い相手にぶつけているのではないか。

安田記念4着の走りを見るとG1では少し足りない印象はあるが、京都芝1600m以下ではハイペースになった昨年のマイルCSを除き、必ずメンバー3位以内の上がりを繰り出して3着以内を確保している。3、4コーナーの下りで勢いに乗り、長い直線でトップスピードの持続力を生かしやすい京都芝外1600mはベストのコース。前半3Fは33.7〜35.3秒、5Fは56.7〜59.4秒。ハイペースでもスローペースでも速い上がりを繰り出しているように展開に左右されにくいタイプ。今年はG1馬が9頭、G1で連対がある馬が16頭、重賞勝ち馬が15頭と実績馬が揃ったと言われているが、有力馬はそれなりに死角を抱えており、世界レベルのモーリスを除くとそれほどレベルは高くない。Mデムーロ騎手に乗り替わり、直線で手前を替えて昨年以上のパフォーマンスを発揮できれば、今年のメンバーでも勝ち負けできるのではないか。1分31秒台の高速決着への対応力はこのメンバーでは1番。年齢的にG1制覇のラストチャンスとみた陣営は勝負の仕上げを施している。Mデムーロ騎手が出遅れないことが最低条件。モーリスの爆発力を完封するにはスムーズさとタイミングが重要になる。

■[6+]モーリス 1着

堀厩舎に転厩して若潮賞、スピカS、ダービー卿CT、安田記念を4連勝。2走前のダービー卿CTは出遅れて後方2番手からメンバー最速の33.0秒で大外から豪快に突き抜け3馬身半差で圧勝。レースのラスト3Fは11.6−11.7−10.9秒。急坂のある中山でラスト1Fが0.8秒も速かったのは、モーリスの爆発力の凄さを示している。全面野芝の秋開催を除き、中山芝1600mの最速タイムはダービー卿CTを勝ったダイワメジャーの1分32秒3だったが、モーリスは1分32秒2で走り0.1秒上回った。ダイワメジャーはその後、天皇賞(秋)、マイルCS(2勝)、安田記念を制している。こういうインパクトのある走りをした馬は経験則でG1で勝ち負けすることが多いが、次走安田記念を1番人気で制した。安田記念は3番手からメンバー8位タイの34.5秒で後続を引き離し、ヴァンセンヌの追撃を振り切った。勝ちタイムは1分32秒0。ダービー卿CTのインパクトを考えると拍子抜けする勝ち方だったが、正攻法のレースでG1を勝ったことは地力強化の裏付けとなる。パドックでは馬体がさらにボリュームアップして迫力が増し、世界レベルのマイラーの雰囲気があった。

今秋は毎日王冠で復帰する予定だったが、背中に痛みが出たため回避し、ぶっつけで臨むことになった。休み明けで最終調教の動きがそれほど目立つものではなかったため、ムーア騎手でも3番人気になっている。G1前に社台の馬に何か不安が出たときは、本当にそんなことがあったのかと思わせるほど、高レベルのパフォーマンスを発揮して連対する馬が多い。最終調教は地味に映ったため評価は下にしたが、馬体、気配は春と大きくは変わっていない。人気にならないように敢えて良く見せないようにしているのではないか。馬なりでも首を使って動けており、最後は馬自身が前に出ようとしていた。休み明けで絶好調ではないが、このレベルの馬になると普通に仕上がれば力は出せる。調教後の馬体重は前走より12キロ重い522キロ。長距離輸送で絞れて前走くらいの体重で出てくるのではないか。マイルCSは高速決着になりやすく、少しの判断ミス、不利が明暗を分ける。サトノアラジンも強烈な末脚があるが、現時点ではモーリスの方が地力が上(順調さではサトノアラジン)。京都巧者のフィエロを負かすとすれば、末脚に爆発力があるモーリスなのではないか。最後に強烈な末脚で飛んでくる。

■相馬眼予想(抜粋)

京都は晴れ、芝ダートとも良馬場。今週からB→Cコースに変更され、内の荒れた部分がカバーされた。土曜はある程度前につけた馬が好走するレースが多かったが、流れたレースでは外も伸びていた。少し時計は掛かるようになってきたが、流れが緩むと上がりが速い。マイルCSは流れ次第で1分32秒0前後の高速決着になる傾向。高速決着、高速上がりに対応できる馬を重視したい。

次に展開だが、逃げるのはケイアイエレガント、カレンブラックヒル。好位にレッドアリオン、ロゴタイプ、リアルインパクト、中団にレッツゴードンキ、アルビアーノ、ダイワマッジョーレ、ダノンシャーク、フィエロ、イスラボニータ、トーセンスターダム、ヴァンセンヌ、サトノアラジン、後方からモーリス、クラリティスカイ、レッドリヴェール、アルマワイオリといった展開。

過去5年の前半5Fと連対馬の脚質は、56.7秒(差し−追込)、58.6秒(稍重)(先行−先行)、58.2秒(稍重)(差し−差し)、58.3秒(緩い馬場)(追込−先行)、56.7秒(差し−差し)。雨で馬場が緩んで前半5F58秒台で流れることが多いが、昨年は良馬場で前半3F33.7秒のハイペースになった。最近のマイル重賞は流れがそれほど速くならない傾向。今年は平均程度か。

今年も1分32秒0前後で走れるかどうかがひとつのポイント。過去1年の芝1600mで1分32秒2以下で走って連対した馬はダノンシャーク(マイルCS1着)、フィエロ(マイルCS2着)、ケイアイエレガント(ヴィクトリアM2着)、モーリス(安田記念1着、ダービー卿CT1着)、ヴァンセンヌ(安田記念2着)。ケイアイエレガントは東京が超高速馬場だった。

これらの馬にマイルよりレベルの高い中距離路線組のイスラボニータ、前走スワンSを勝ったアルビアーノ、前走富士S2着のサトノアラジンあたりが加わったレースになるのではないか。人気順に整理するとイスラボニータは久々の芝1600m、初京都、モーリスは休み明け、フィエロは詰めの甘さ、サトノアラジンはG3を勝ち切れず、アルビアーノは距離1F延長&2キロ増、ヴァンセンヌは前2走惨敗と各馬それなりに死角を抱えている。

イスラボニータは毎日王冠3着、天皇賞(秋)3着、マイルCSで天皇賞(秋)組が好成績、内枠、エリザベス女王杯を勝った蛯名騎手が評価されて1番人気になったが、久々のマイルで京都も初めて。マイルCSを勝った皐月賞馬ジェニュインとイメージがダブるが、ジェニュインは京成杯AHでハイペースの2着があった。過去10年で天皇賞(秋)から連対した6頭には全て古馬の芝1600m以下のG2以上で連対がある。イスラボニータは激流を経験していない。

アルビアーノはNHKマイルCで2着があり、芝1600mも守備範囲だが、馬体がマッチョ化してきており、これから短距離向きにシフトする可能性がある。距離延長と斤量2キロ増で古馬一線級を相手に勝ち負けできるかどうか。ただしスワンSは最後までラップが落ちておらず、勝ちタイム1分20秒2も優秀。前2年は3歳馬コパノリチャード、ミッキーアイルが勝ったが逃げ切りだった。その点でマイルCSで通用する可能性を残している。

相馬眼的に世界レベルのマイラーとみているモーリスを狙う。ダービー卿CTの大外一気はインパクトがあった。中山で1分32秒3で走れれば、京都なら1分31秒5前後で走れる。安田記念を先行して1分32秒0で勝ったが、あれがモーリスの本来のパフォーマンスではない。差すレースをしたときに最大パフォーマンスを発揮する馬。外枠は不利だが、能力と末脚の威力でカバーできる。豪快な直線一気で能力と末脚の威力の違いを見せつけるとみる。香港マイルも勝てる世界レベルの馬。

フィエロは得意の京都でおそらくG1を勝つラストチャンス。陣営は渾身の仕上げで勝負にきている。スタートを決めて中団で流れに乗り、直線で自分のスペースを確保してきちんと手前を替えてトップスピードに乗れば頭もある。全てが噛み合えばG1馬になっておかしくない馬。1分31秒台の高速決着への対応力はこのメンバーでは1番。モーリスの末脚を完封するには、スムーズさとタイミングが重要になる。完璧なレースができるかがカギ。

◎モーリス 1着
○フィエロ 2着
▲サトノアラジン
△イスラボニータ 3着
注アルビアーノ
☆2頭
(穴馬はなし)

馬単3,400円的中!
馬連1,780円的中!
ワイド690円的中!
3連複2,000円的中!
3連単12,000円的中!

競馬アナリストGM