<注目ポイント>
過去10回で3連単10万円超が4回、7万円台、6万円台が2回ずつと波乱度が高いレース。その10回で1番人気は【3・1・0・6】連対率40%。ただ複勝率で見ると、50%の2~4番人気のほうが上である。
このように上位人気の成績は悪いわけではないのだが、それでも波乱が多いのは、8番人気以下の馬が過去10回で9頭も馬券に絡んでいることが要因。特に10番人気は【2・0・2・6】複勝率40%と上位人気に負けない結果を残している。
また過去10回で、逃げた馬の成績は【1・2・1・6】で複勝率40%。短距離の新馬戦や未勝利戦は先行して勝ち上がった馬が多く、逃げ馬の選抜は難しいかもしれないが、そんな中でも積極策を示唆している馬がいたらマークしておきたい。
<注目馬>
〇エスカレイト
6月29日の函館芝1200m新馬戦でデビュー。序盤は中団もすぐに行き脚がつき、3コーナーでは3番手まで進出。直線入り口で先行勢の外に並びかけると、最後は逃げたストームサンダーを競り落とし、デビュー勝ちを決めている。
ロードカナロア産駒の函館芝1200m・2歳戦全成績(今年の7月11日現在)は【9・8・3・16】連対率47.2%、複勝率55.6%。G3函館2歳Sは【0・1・0・4】も、6番人気のナナオが2回前に2着と好走している。
〇カイショー
栗東坂路で52秒3-11秒7と、上がり1Fに秀逸の時計をマークし、早くから評判に挙がっていた一頭。迎えた函館開催開幕日の芝1000m新馬戦は、二の脚の速さで先手をとると、2着に3馬身差をつけての逃げ切り。勝ちタイムの56秒4は、ハギノトップレディのレコードを46年ぶりに更新するものだった。
過去10回で前走函館芝1000m戦勝利の馬は【1・0・1・10】複勝率16.7%と低いが、レコード勝ちのスピードで、データを覆したい。
〇クラディスティーナ
オープン馬ブーケファロスの半妹。デビューとなった6月22日函館芝1200mの新馬戦は、好スタートから4番手を追走。3~4コーナーの手応えこそ他馬より劣ったが、直線に入ってもしぶとく脚を伸ばし、先に抜け出したクワイエットアイに接近。最後はねじ伏せるような形で勝ち星を掴んでいる。
父のパドトロワはG3函館2歳Sと同コースのG3函館SS勝ち馬。鞍上予定の横山武騎手は過去10回【0・1・2・2】複勝率60%と、レースとの相性は良好だ。
〇タガノアラリア
栗東坂路で51秒2の好時計をマークし、期待された新馬戦。スタートから押していくも二の脚がつかず、序盤は後方からの競馬。勝負処の手応えも怪しかったが、直線に入ると最後に目立った脚を見せて4着入線。1番人気を裏切る結果だが、素質の一端は見えた。この一戦を叩いた効果か2戦目は追走も楽になり、残り100mあたりで先頭。後続の追撃を抑えて勝ち上がっている。
2戦ともに時計のかかる馬場で走った経験を、開催最終週に生かしたい。
〇トウカイマシェリ
デビュー前の栗東坂路で1F11秒台を連発。母はG3北九州記念を勝ったトウカイミステリー、兄にオープン馬トウカイエトワールと血統面も優れ、注目されていた一頭。当然のように新馬戦は1番人気に支持されたが、結果は2着。ただ勝ったブラックチャリスが強すぎた感もあり、評価を下げるレースでは無かった。実際、続く2戦目は好位から難なく差し切りを決めている。
中1週続きとなるので当日の気配は要チェック。問題が無ければ好戦可能だ。
〇ブラックチャリス
函館芝1200m・牝馬限定の新馬戦でデビュー。序盤は先行2頭から離れた3番手を追走。徐々に差を詰め直線に入ると、懸命に抵抗するトウカイマシェリを残り100mあたりで振り切り、最後は抑える余裕で快勝。1週前にルージュサウダージがマークしたレコードタイムを0.2秒更新と、時計面の価値も高かった。
鞍上予定の浜中騎手は過去10回で【2・0・0・3】。キタサンブラック産駒は、昨年のサトノカルナバルが勝利と、データ面も味方する。
〇マイオウンウェイ
母はG3シルクロードSを勝ち、スプリンターズS3着とG1でも好走したアウィルアウェイ、叔父にマイルCSを制したG1馬インディチャンプを持つ良血馬。新馬戦は、スタートを決めて先行策に出ると、前評判の高かった人気2頭を寄せつけず逃げ切っている。
前走阪神芝・1200mコースから臨んだ馬は過去10回、該当1頭で着外だが、前走阪神芝・マイル以下まで広げれば【0・1・1・1】複勝率66.7%。函館組よりメンバーレベルの高い阪神で勝ち上がった点は重視したい。