≪注目ポイント≫

 昨年は3連単が万馬券に届かず堅めの決着に終わったが、最近6回で10万円超が半分の3回、4回前は53万2180円の大波乱も起きているG1オークス。ただ勝ち馬を見ると、過去10回は全て3番人気以内である。

 人気別成績も、1番人気【6・2・0・2】勝率60%、連対率80%、2番人気【1・3・3・3】複勝率66・7%、3番人気【3・0・1・6】複勝率40%と上位人気が強い。

 G1桜花賞は、1番人気こそ5着だったが、馬券圏内は2~4番人気で決着。雨中で好時計が出たようにレースレベルも高かったことから、オークスも人気が予想される桜花賞上位組が優勢と見ておいたほうがいいかもしれない。

 過去10回で外国人騎手が6勝(ルメール騎手4勝、Mデムーロ騎手2勝)。今年も有力馬に騎乗予定なので要マークだ。


≪注目馬≫

◎アルマヴェローチェ

 G3札幌記念2歳Sはマジックサンズを相手にハナ差2着に入り、G1阪神JFは見事に差し切りを決め、昨年の最優秀2歳牝馬に選出。阪神JFから直行のG1桜花賞は、エンブロイダリーに迫るクビ差2着と、変わらず牝馬戦線のトップクラスに位置している。
 ハービンジャー産駒は過去10回の複勝率27.3%だが、6番人気以内の3頭は全て馬券圏内で、昨年は2番人気のチェルヴィニアが勝利。元々桜花賞よりオークス向きと評されており、エンブロイダリーにリベンジも可能だ。


◎エリカエクスプレス

 昨秋の新馬戦を好タイムで楽勝。続くG3フェアリーSは、1000m通過57秒3の速いペースを好位追走。抜群の手応えで抜け出すと、最後まで危なげなく3馬身差の楽勝。中山マイルの勝ちタイム1分32秒8はレースレコードだった。この内容から1番人気に支持されたG1桜花賞は積極果敢に飛ばしたが、直線で失速し5着。ただ他の先行勢は全て二桁着順に終わっており、内容は悪くない。
 気性的に2400mは微妙も、父エピファネイア、母父ガリレオで血統的には距離も持つ。


◎エンブロイダリー

 レコードで勝った2歳夏の新潟・未勝利戦で高い能力は確認しているが、改めて世代最高クラスを証明したのがG3クイーンC。速いペースを2番手で追走し、直線外目から抜け出すと、着差以上の大楽勝。そしてG1桜花賞は、クイーンCと違い中団から差し切り、クラシック1冠目を手にしている。
 過去10回、桜花賞1着馬は【4・1・0・3】勝率50%、連対率62.5%、ルメール騎手も【4・2・0・3】連対率66.7%と好結果。2冠制覇で、一族の頂点ブエナビスタに並びたい。


◎カムニャック

 昨夏の中京芝2000m新馬戦は、最後の2Fが10秒9-10秒9のレースを、外から差し切り。勝ちっぷりも大物感が溢れ、早くもオークス候補に挙がる存在だった。しかし以降の2戦は、マイルの距離に、デキももう一つで不本意な競馬。ようやく復調が見えたG2フローラSは、2000mの距離延長も良く、デビュー時の期待感が蘇る強い競馬だった。
 過去10回、フローラS勝ち馬は【0・3・0・7】連対率30%。マイナス12キロだった馬体重が減りさえしなければ、再度好戦可能だ。


◎パラディレーヌ

 新馬戦は3着も、2戦目で激変し、未勝利戦を好タイムで4馬身差楽勝。続く1勝クラスつばき賞も、次戦でリステッド若葉S2着のローランドバローズに3馬身、G1朝日杯FS4着ダイシンラーに6馬身半の差をつけて連勝。前走のG3フラワーCは、好位抜け出しだった2連勝時と違い、後方から差す形。結果は先に抜け出したレーゼドラマに及ばなかったが、しっかり末脚を伸ばし2着に入っている。
 近走内容から、牝馬のトップクラスに伍するだけの力は持っている。


◎ビップデイジー

 新馬戦、1勝クラス紫菊賞と2連勝、G1阪神JFは2着と、2歳時は大活躍。3歳になった今年は、G2チューリップ賞から始動し、勝ち馬から0.1秒差の3着と順調なスタート。しかしG1桜花賞は好位から退き11着と、初めて大敗を喫している。
 父はサトノダイヤモンド、母系はダンビュライト、ベスビアナイト、ラブラドナイトなど長距離で活躍している馬も多く、2400mへの距離延長はプラス材料。阪神JFの結果から能力は足りるので、しっかり折り合えれば巻き返しも見込める。


◎リンクスティップ

 注目は2着だったG3きさらぎ賞。3着ランスオブカオスは次走G3チャーチルダウンズCを、4着ショウヘイは次走G2京都新聞杯を快勝しており、非常に価値ある一戦となった。前走のG1桜花賞も距離不足ながら3着と、高い能力を誇示している。
 過去10回、桜花賞3着馬【1・1・2・5】複勝率44.4%、デムーロ騎手【2・0・2・6】複勝率40%、所属のサンデーレーシング【2・3・2・7】複勝率50%とデータ面も後押し。2400mなら、桜花賞上位2頭逆転もある。


◎レーゼドラマ

 前走のG3フラワーCは、緩みの無いペースで逃げた馬を追走し2番手。勝負処で早くも先頭に立ち、追撃態勢の2番人気ミッキーマドンナを一気に突き放すと、最後は独走態勢。ゴール前は抑える余裕で、パラディレーヌに2馬身半差をつけ重賞タイトルを手にしている。
 東京芝2400mは2戦前の1勝クラスゆりかもめ賞で6着に敗れたが、これは苦手な速い上り勝負になってしまったため。積極策で上りのかかる展開に持ち込めば、G1の舞台でも見せ場はつくれる。