≪注目ポイント≫
G1安田記念は、3連単導入後の14回で、10万円超が10回も出現した波乱度の高いレース。ただ最近5年は、10万円超が1回あったものの、1万円台が3回。同じマイルG1でも、3年連続3連単10万円超のマイルCSに比べると、堅めの決着が目立ってきている。
人気別成績は、過去10回で1番人気が【2・3・3・2】と勝率は低いものの、複勝率は80%。ただ勝ち数を考えると【3・1・1・5】の4番人気がねらい目で、4年連続馬券圏内と好調が続いている。
穴馬を探すなら【2・1・1・6】複勝率40%の8番人気。なお二桁人気は【0・0・1・70】で、過度の大穴ねらいも危険である。
牝馬が7年連続連対中で、過去10回の成績も【3・5・1・12】連対率38.1%、複勝率42.9%。牝馬のブレイディヴェーグはマークしておきたい。
≪注目馬情報≫
◎ウインマーベル
G1スプリンターズS2着など、主に1400m以下の短距離戦線で活躍。そのため初の1600m戦出走となった昨秋のG1マイルCSは10番人気と支持は低かったが、好位から粘って3着に入線。差し馬優勢の結果を考えると、中身の濃い一戦だ。
前走のドバイG2・1351ターフスプリントは、アスコリピチェーノと頭差の2着。その勝ち馬は次戦のG1ヴィクトリアマイルも制している。有力馬は差し脚質が多いだけに、前で競馬が進められる利点を生かしたい。
◎ウォーターリヒト
昨春までは主に中距離戦で活躍。昨秋からマイル路線にシフトすると、3勝クラス、リステッドレースと連勝。年明けのG3京都金杯では、勝ったサクラトゥジュールにクビ差まで迫る惜しい2着。そして前走のG3東京新聞杯は、上り3F33秒2の末脚でボンドガールを捉え、初重賞勝ちをおさめている。
前走を含め東京マイルは【3・0・0・1】の好成績。約4か月ぶりのレースとなるが、坂路、コースでともに好タイムをマークしており、仕上がりも問題ない。
◎エコロヴァルツ
折り合いの難しさがあり以前は極端な競馬も多かったが、昨秋からはレースぶりも落ち着き、成績も安定。今年はG2中山記念でシックスペンスにハナ差の2着で、ソウルラッシュに先着。G1大阪杯はレコード勝ちのベラジオオペラから0.3秒差の4着に入っている。
1600~1800mは【3・2・0・1】で、マイルは朝日杯FSでジャンタルマンタルの2着とG1好走実績がある。オークスのカムニャックに続き、ブラックタイド産駒躍進の波に乗りたい。
◎シックスペンス
デビューから3連勝。距離が長かったG1日本ダービーは9着と崩れるも、G2毎日王冠、G2中山記念と連勝。特に中山記念はレコード勝ちで、今度のG1安田記念でも有力視されるエコロヴァルツ、ソウルラッシュを破っている。1番人気に支持されたG1大阪杯は7着だが、レコード決着から0.4秒差とそれほど差があったわけではない。
1800m以下は5戦5勝、ルメール騎手騎乗時は4戦無敗で、自身も過去10回の安田記念は複勝率66.7%と、ジョッキーも含めて有力である。
◎ジャンタルマンタル
2歳時にG1朝日杯FSを勝利。昨年のG1皐月賞は、速い流れを3番手で追走し、直線半ばで勝利目前も、最後は差し馬勢に捕まり3着。展開を考えると、かなり価値の高い一戦だ。適距離に戻ったNHKマイルCは、アスコリピチェーノ以下に完勝している。
昨秋はマイル路線を歩む予定だったが、熱発で休養し、G1香港マイルで復帰も13着。その後は間隔を開け、G1安田記念が今年初戦となる。国内のマイルは3戦3勝。立て直して臨む今回は、巻き返しを期待したい。
◎ソウルラッシュ
3年前のG1安田記念に出走し13着。ここから毎年安田記念に出走し9、3着と前進。そして昨秋のG1マイルCSで豪快な差し切りを決め、初めてG1タイトルを手にしている。続くG1香港マイルも2着と好走。今年は1800m戦に挑戦し、G2中山記念(3着)を叩いて向かったG1ドバイターフでは、安田記念を含むG1・10勝の怪物ロマンチックウォリアーを破る大仕事をやり遂げた。
4度目の安田記念は主役の立場。3つ目のG1タイトルは目前にある。
◎トロヴァトーレ
新馬戦、1勝クラス葉牡丹賞連勝時は、クラシック候補にも挙がった存在。しかし折り合い難でクラシックトライアルを連敗すると、昨秋からは距離短縮しマイル路線に専念。すると成績が安定し、リステッド・キャピタルSはウォーターリヒトにハナ差の2着。今年はリステッド・ニューイヤーS、G3ダービー卿CTと連勝し、いよいよ本格化した感がある。
元より大物の評価があった馬で、【4・1・0・0】のマイルならG1でも楽しみはある。
◎ブレイデイヴェーグ
故障で遅れ、牝馬3冠路線は出走できなかったものの、一昨年のG1エリザベス女王杯は、古馬を相手に勝利。昨秋はG1マイルCSで4着と、初の1600m戦も好走。今年2戦は馬券圏内を外しているが、ともに大きく負けたわけではない。
前走ドバイターフからのローテーションは【0・2・1・3】複勝率50%と好成績で、シュネルマイスターのようにドバイターフ8着→安田記念2着の例もあることから、前走の7着も気にする必要はない。【3・0・0・1】の東京コースもプラスになる。