≪注目ポイント≫
以前は夏の小倉開催の終盤に行われ、G1スプリンターズSの前哨戦の一つにも数えられたG3北九州記念。しかし夏の開催が小倉→中京の順番になると、G3CBC賞と時期を交換する形で、昨年は小倉開幕週の6月30日に繰り上がり。今年は小倉開催2週目と1週繰り下がったものの、昨年とほぼ同時期の7月6日に行われる。
3連単100万馬券や49万馬券が出現するなど大波乱も起きているレースだが、時期が繰り上がった昨年も79万馬券が出ており、荒れる傾向に変わりはない。
過去10回で逃げた馬は【2・1・1・6】。開催が繰り上がった昨年もピューロマジックが逃げ切っている。開催2週目なら、まだまだ馬場状態も良く、今年も逃げ馬には注目したい。
≪注目馬≫
〇 アブキールベイ
1勝クラス萌黄賞を勝利するも、格上げ初戦のリステッド・マーガレットSは8頭立ての6着。この結果から、G3葵Sは16頭立ての15番人気と評価は低かった。レースは中団に位置し、直線入口では先頭から大きく離されていたが、先行勢が止まったところを逃さず、測ったように差し切りを決めている。
小倉芝1200mは萌黄賞勝利で実績あり。昨年の勝ち馬ピューロマジックも3歳牝馬で、葵S、北九州記念と連勝。同じプロフィールのアブキールベイには心強いデータだ。
〇 キタノエクスプレス
2勝クラスの卒業に12戦もかかってしまったが、3勝クラスは一戦で通過。オープンクラスも、格上げ3戦目のオープン北九州短距離Sで勝利。G1高松宮記念はさすがに相手が強く15着に終わったが、前走のオープン鞍馬Sでは2着と好調は維持している。
祖母リキセレナードはG3小倉3歳S(現2歳S)勝ち馬、3代母ムーンセレナードはオープン北九州短距離S1着と、一族は小倉芝1200m戦で活躍。自身も3戦前に同コースで勝っており、適性は高い。
〇 クラスペディア
昨夏のG3小倉2歳Sは、未勝利の身で挑戦して2着に入り、話題となった。リステッド・クロッカスSで逃げ切りを決め、待望の初勝利。続くG3ファルコンSで16着と崩れたため、13番人気と支持も落ちたG3葵Sだったが、ここで反撃。スタート1F過ぎから3F連続10秒台を刻むハイペースで飛ばしながら、ゴール寸前まで粘って2着に入線。ペースを考えると、価値ある一戦だ。
昨年も3歳馬のピューロマジックが逃げ切っており、今年も同じ3歳の先行馬に注目だ。
〇 ドロップオブライト
昨年のG3CBC賞を、好位から抜け出して快勝。自身だけでなく、福永厩舎にとっても嬉しい初重賞勝ちとなった。今年は高松宮記念で初めてG1に挑戦。結果は8着だが、本番直前に重賞勝ちのビッグシーザー、カンチェンジュンガら実力馬に先着している。前走のオープン韋駄天S10着は、千直の特殊コースなので度外視していいだろう。
小倉芝1200mは1戦1勝と実績あり。勝ったCBC賞の時のように内枠が引ければチャンスは増大する。
〇 バースクライ
昨年のG3オーシャンSは、トウシンマカオ、ビッグシーザーと短距離戦線の常連相手に3着と好走し、今回有力の一頭に数えられるヨシノイースターに先着している。その後3戦は精彩を欠いたが、オープン・タンザナイトS3着で復調。オープン・カーバンクルSでは、次戦でG3シルクロードS勝利のエイシンフェンサーから0.1秒差の2着に入っている。
5か月半ぶりの実戦だが、1週前の追い切りから仕上がり面は大丈夫。昨年のオーシャンSの走りができれば好勝負に持ち込める。
〇 ヤマニンアルリフラ
昨年末の2勝クラス・ジングルベル賞は、未勝利の身で2階級上のレースに出走。見事に初勝利を掴んでいる。その後2戦はダートを使い、2勝クラス伊良湖特別を勝利。芝に戻した前走の3勝クラス淀Sは、好位から難なく抜け出し連勝。これで最近4戦3勝と上昇気流に乗っている。
半兄のヤマニンウルスはダートの中距離とコースは違うが、小倉でG3プロキオンSを勝利。弟は芝の短距離で、小倉の重賞勝ちを目指す。前走内容から、G3なら即通用の力はある。
〇 ヨシノイースター
G3北九州記念は昨年も出走。勝負処から早めに進出し、逃げるピューロマジックに接近。結果は半馬身届かず2着も、ハンデは勝ち馬より4キロ重く、勝ちに等しい一戦だった。今年も好調で、前走のリステッド春雷Sは、57.5キロのトップハンデを背負い、ロードフォアエースを破って勝利している。
小倉芝1200mのコースは【1・2・0・1】連対率75%の好成績で、北九州記念2着の他にもオープン北九州短距離S勝ちがあり、コース適性は他馬をリードする。
〇 ロードフォアエース
全成績は【4・8・0・1】。昨年6月に勝利した2勝クラス祇園特別以降は7戦全て芝1200m戦に出走し、連対を外したことは無い。今年からオープンクラスに入って3戦し、全て2着。3戦前のオープン北九州短距離Sは、勝ち馬キタノエクスプレスにクビ差と惜しい一戦もある。
先行・差しどちらにも対応でき、重馬場で好走実績ありと、状況に左右されない点は強み。今回は初めての重賞挑戦。川田騎手に騎乗依頼し、重賞勝ちへ準備は進んでいる。